六丈記2

備忘録のようなもの

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イスラム国による人質殺害事件2

 2月4日午前2時前、イスラム国に拘束されていたヨルダン軍のパイロットのムアーズ・カサースベ中尉が焼殺される様子を写した動画がインターネット上に公開されました。動画公開の直後、ヨルダン軍の報道官が1月3日に殺害されていたと述べました。
 カサースベ中尉の安否確認要求をイスラム国が無視していたので、とっくに殺害されているのではないかと疑っていましたが、そうだったようです。ヨルダン政府がこんなに早く、しかも日付を特定しているということは、諜報活動で確度の高い情報を得ていたのでしょう。それに、カサースベ中尉焼殺動画は、長く非常に凝った作りでした。編集にかなり時間が掛かった筈です。このことからも、1月3日に殺害というのは、ほぼ間違い無いのではないでしょうか。
 この動画でハッキリしたことは、初めからカサースベ中尉殺害をプロパガンダに利用する意図があったということです。カサースベ中尉の身柄を交渉材料にする考えは無かったのです。

 イスラム国邦人人質事件の経緯を振り返ってみます。
■2014年8月14日
 反体制派連合部隊と行動を共にしていた湯川氏が、シリアのアレッポ近郊でイスラム国に拘束される。
■2014年8月17日
 湯川氏が拘束される様子を写した動画が公開される。
イスラム人質事件 8月17日
■2014年8月中旬
 湯川氏の拘束を受け、アンマンに現地対策本部を設置。
■2014年10月25日
 後藤氏がシリア北部のイスラム国支配地域に入り消息を裁つ。
■2014年11月1日
 湯川氏拘束事件のために設置された現地対策本部に後藤氏の件も追加。
■2014年12月2日
 後藤氏の妻が後藤氏の身柄を預かっているとする英文の電子メールに気付く。この後のメールのやり取りで、イスラム国が身代金として約20億円を要求する。
■2015年1月3日
 カサースベ中尉を焼殺。
■2015年1月17日
 安倍首相がエジプトで演説し、中東での人道支援やインフラ整備などの非軍事分野で総額25億ドル(約2900億円)の支援を表明。加えて「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。」と発言。
■2015年1月20日
 湯川氏と後藤氏及びジハーディ・ジョンと見られる男を合成した動画を公開し、日本政府に対し身代金を要求。
*** 声明の日本語訳 ***
 日本の総理大臣へ。日本はイスラム国から8500キロ以上も離れたところにあるが、イスラム国に対する十字軍にすすんで参加した。われわれの女性と子どもを殺害し、イスラム教徒の家を破壊するために1億ドルを支援した。だから、この日本人の男の解放には1億ドルかかる。それから、日本は、イスラム国の拡大を防ごうと、さらに1億ドルを支援した。よって、この別の男の解放にはさらに1億ドルかかる。
 日本国民へ。日本政府はイスラム国に対抗するために愚かな決断をした。2人の命を救うため、政府に2億ドルを払う賢い決断をさせるために圧力をかける時間はあと72時間だ。さもなければ、このナイフが悪夢になる。
************************
イスラム人質事件 1月20日
■2015年1月23日
 後藤氏の母の石堂順子氏が記者会見。
■2015年1月24日
 湯川氏が斬首されている写真を持った後藤氏の静止画像と後藤氏の声でサジダ・リシャウィ死刑囚との人質交換を求めている動画が公開される。
***声明全文の日本語訳***
 私は後藤健二。あなたたちが見ているのは、私と共に拘束された遥菜がイスラムのカリフが支配する地で無残に殺された写真だ。
 あなたたちは警告を受け、期限を与えられ、人質には言葉通りの決定が下された。
 安倍、あなたは遥菜を殺した。人質への脅迫を真剣に受け止めなかった。そして72時間以内に行動しなかった。
 妻よ、愛している。2人の娘に会えず寂しい。どうか、安倍に私の場合にも同じことをさせないでほしい。あきらめないでほしい。あなたは家族、友人、そしてインデペンデント・プレスにいる私の仲間たちと共にいる。我々の政府に圧力をかけ続けなければいけない。
 彼らの要求はより簡単になった。彼らは今も公平だ。彼らは金を求めていない。だからテロリストに資金を渡す心配をする必要はない。彼らが望んでいるのはだだひとつ、収容されているシスター、サジダ・アル・リシャウィの解放だ。
 簡単なことだ。あなたたちは彼らにサジダを引き渡せば、私は解放される。今こそ可能なのだ。そして我々の政府の人間は実際に目と鼻の先にいる。どんなふうに? 我々の政府の代表が皮肉にもヨルダンにいる。この場所はシスターのサジダがヨルダン政府によって囚われの身となっている。
 もう一度言おう。強調したいのは、私の命を救うことがいかに簡単か、ということだ。あなたたちがシスターをヨルダン政府から彼らに戻せば、私は即座に解放される。彼女のために私がいる。
 妻よ、これはおそらく私のこの世で最後の時間となるかもしれない。そして、私は死者となるだろう。これをあなたが聞く私の最後の言葉にしないでほしい。私も安倍に殺させないでほしい。
************************
イスラム人質事件 1月24日
■2015年1月25日
 イスラム国が運営するラジオ局アルバヤンが湯川氏殺害を伝える。
 ヨルダンのアブドラ国王がヨルダン各紙にヨルダン人パイロットの解放が最優先課題と語る。
■2015年1月27日
 ヨルダン軍パイロットの写真を手にした後藤氏の静止画像と後藤氏の声で改めてサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放を求める動画が公開される。
***声明全文の日本語訳***
 私は後藤健二。私の妻と日本国民と日本政府に告ぐ。これは私の最後のメッセージだと言われた。また、私の自由を阻んでいるのは、サジダ(・リシャウィ死刑囚)の引き渡しを遅らせているヨルダン政府だと言われた。
 日本政府に対し、ヨルダンへのあらゆる政治的圧力をかけるように言ってくれ。残された時間は今、なくなってきている。彼女のための私だ。何が理解するのにそんなに難しいのか。彼女は10年も囚人だった。私はたったの数カ月のみ囚人だ。私と彼女の交換だ。
 ヨルダン政府のこれ以上の遅れは、彼らのパイロットの死の責任となる。そして、それに、私の死が続くことになる。私には24時間しか生きる時間がない。パイロットにはより短い時間しか残されていない。どうか私たちを死に至らせないでほしい。これ以上の遅延戦術は、単に我々2人の殺害へつながる。ボールはヨルダン側にある。
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イスラム人質事件 1月27日
■2015年1月28日
 ヨルダン国営テレビが、モマニ・メディア担当相がカサースベ中尉が解放されれば、サジダ・リシャウィ死刑囚を釈放する用意があると述べたと報じる。
■2015年1月29日
 アラビア語の声明の画像と共に後藤氏の声で日没までにリシャウィ死刑囚の返還を求める動画が公開される。
***声明全文の日本語訳***
 私はケンジ・ゴトウ・ジョゴ。これはあなたがたに向けて送るよう言われた音声メッセージだ。もしモスル(イラク)時間で1月29日木曜日の日没までに、サジダ・リシャウィ(死刑囚)の身柄が私の命との交換のためにトルコ国境に用意されていなければ、ヨルダン人パイロット、モアズ・カサスベ中尉は即座に殺される。
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イスラム人質事件 1月29日
 後藤氏の妻が英国のジャーナリスト支援団体を通じて声明を公表。誘拐犯が「(妻の名前)、おまえは世界のメディアに今、このメッセージを公表すると共に、明らかにしなければならない! さもなくば、健二は次(の犠牲者)になるだろう。もし、29日の日没までにサジダ(・リシャウィ死刑囚)がトルコ国境で健二と交換する準備ができていないなら、ヨルダン人パイロットはすぐに処刑されるだろう!」との要求を20時間以内に送ってきたことを明かす。
■2015年2月1日
 イスラム国が後藤氏の斬首動画を公開し、日本政府へのメッセージを残す。
***声明全文の日本語訳***
 日本政府へ。お前たちは邪悪な有志国連合の愚かな参加国と同様、我々がアラーのご加護によって権威と力を備えたイスラム教カリフ国家であり、お前たちの血に飢えた軍であることを理解していない。
 アベ(安倍晋三首相)。勝てもしない戦いに参加するというお前の無謀な決断のせいで、このナイフがケンジ(後藤健二さん)を虐殺するだけではなく、お前の国民を見つければどこにいようと大虐殺を引き起こしていく。日本にとっての悪夢を始める。
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イスラム人質事件 2月1日
■2015年2月4日
 イスラム国がカサースベ中尉が焼殺動画を公開。
イスラム人質事件 カサースベ中尉

 イスラム国は後藤氏を人質にして約20億円を要求していました。フランス、ドイツ、スペインなどの人質が解放された時に支払われた身代金は、平均すると1人あたり200万ユーロ(約2億7千万円)以上と言われてますから、それからすると過大な要求です。でも、フランスはジャーナリスト4人を解放するために1800万ドル(約21億円)の身代金が支払われたとも報じられているので、イスラム国は本気でそれ位の金額を取れると思っていたのかもしれません。
 しかし、身代金交渉が成功しないため、イスラム国は安倍首相の演説を利用し、日本政府と直接交渉することにしたのだと思われます。1月20日に公開された動画で、イスラム国が「日本政府はイスラム国に対抗するために愚かな決断をした。」と発言していたことを取り上げて、安倍首相の演説が人質事件を誘発したとの批判がありますが、既に人質事件は発生していたのです。公開での直接交渉に切り替えたのは、秘密裏に交渉しても進展しないので、日本の世論を使って日本政府に身代金を支払うよう圧力を掛けることが有効と思ったのでしょう。2億ドルという非現実的な要求額や72時間という期限を区切ったことをもって、身代金が目的ではなかったという見方もありますが、身代金以外の要求が無かったことを考えると、2億ドルは無理だとしても、この時点ではまだ身代金を取るつもりだったのだと思います。
 ちなみに、声明で「イスラム国に対する十字軍にすすんで参加した。」と言っていますが、安倍首相が支援表明したのは、エジプト、ヨルダン、トルコ、レバノン、パレスチナに対してです。これらの国にインフラや人道支援するのは今に始まったことではありません。それに、日本は安倍首相の演説以前から非軍事分野での支援国で、安保理決議2178号に基づく支援です。
***安保理決議2178号***
14.国家に対し、外国人テロ戦闘員により与えられる脅威に、外国人テロ戦闘員の陸上および海上の境界を渡った移動を防止しまた禁止することを含んで、対処する国家、とりわけ外国人テロ戦闘員がいる武力紛争の地域に隣接している国家、の能力を構築するのを助けることを求め、そしてそのような国の能力を構築するのを助ける加盟国による二国間援助を歓迎しまた奨励する。
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 イスラム国は「十字軍」という言葉を使うことで、異教徒の侵略と主張したいのでしょうが、サウジアラビア、バーレーン、UAE、ヨルダンが空爆に参加し、多くのアラブ諸国がイスラム国攻撃を支援しているのです。安倍首相が長年にわたるイスラム諸国との友好関係を壊したとの論陣を張る向きもありますが、見当違いと言わざる得ません。
イスラム人質事件 有志連合
 閑話休題。身代金要求に、日本の世論は「支払うべき」とはなりませんでした。巨額の身代金支払いに応じたら、イスラム国ばかりではなく様々な犯罪組織が海外邦人をターゲットにするようになります。その場合、マスコミの外国特派員が一番狙われやすくなるのですから、マスコミが率先して世論誘導に動かなかったのも当然でしょう。
 イスラム国は、日本の世論が動かず、日本政府も身代金要求に応じそうにないので、イスラム国は身代金を諦めたのだと思います。その代わり、後藤氏とリシャウィ死刑囚との人質交換に切り替えてきました。日本政府の現地対策本部がヨルダンあり、ヨルダン政府に協力を求めていたことと、日本がヨルダンの支援国であることから、日本の圧力によりヨルダンが折れると踏んだのでしょう。
 1月24日の動画では、湯川氏の殺害が明らかにされました。日本に危機感を持たせることで、日本がヨルダンに強い圧力を加えることを期待したのでしょう。でも、強いインパクトを与えるなら斬首写真ではなく、動画の方が効果的だった筈です。昨年、英米人5人が斬首された時は皆動画でした。何故、斬首写真だったのでしょうか。
 また、この動画は後藤氏の静止画像と音声でした。何故、静止画像にしたのでしょうか。前回の動画が公開された後、日本ではネット上で、後藤氏がまばたきでメッセージを伝えているとの噂が流れました。もしかしたら、その噂を知って静止画像にし、静止画像にしたので後藤氏に声明を読み上げさせたのかもしれません。
 イスラム国が人質交換に切り替えたことで、ヨルダンが交渉の主役になりました。自国民を多数殺害したテロリストを日本のために解放するとなったら、世論が沸騰することは分かりきったことです。ですから、ヨルダン政府はカサースベ中尉を絡め、出来れば後藤氏も一緒に解放させるという戦術を取りました。この時点で、ヨルダン政府がカサースベ中尉の安否をどの程度知っていたかは分かりませんが、ヨルダン政府が取れる精一杯の対応だったのかもしれません。
 1月27日の更なる動画で、イスラム国は既に殺害しているにも拘らずカサースベ中尉を殺すと脅してきました。ヨルダンでリシャウィ死刑囚とカサースベ中尉の交換を求める声が大きくなったから、カサースベ中尉を生存しているように見せかけて脅迫するのが効果的と判断したに違いありません。イスラム国はカサースベ中尉の殺害を公表していなかったことが幸いしたと思ったことでしょう。だけど、既に殺害してしまっているので、生存しているように見せかけるのは短時間では難しく、後藤氏に写真を持たせることくらいしか出来なかったのかもしれません。
 1月29日の動画では、後藤氏の姿が無くなりました。これは、人質交換のために後藤氏をトルコ国境に移動させたからではないでしょうか。イスラム国はこの動画と後藤氏の妻へのメッセージの強要で最後の一押しをしてきました。苛立ちと共に、後藤氏とリシャウィ死刑囚の交換への本気度が高いことがうかがわれます。だから、リシャウィ死刑囚を解放したら後藤氏も解放される可能性が高かったでしょうが、カサースベ中尉の生存が確認すら出来ない状態では、ヨルダン政府がリシャウィ死刑囚を解放出来る筈もありませんでした。
 2月1日の動画は、湯川氏の場合と異なり、後藤氏の斬首の様子を映し出していました。英米人5人が斬首された動画と同様のものです。後藤氏を活かしておけばこの先何かに利用できるかもしれないのに、何も得られないまま、イスラム国は後藤氏を殺害しました。イスラム国は言ったことは実行するとのアピールなのでしょうか。実際は、身代金支払い期限の72時間を過ぎても、1月27日の声明のから24時間過ぎても、後藤氏は殺されなかったというのに。

 TVでは、専門家と称する人がイスラム国を緻密に計算されたシナリオで行動しているとか、初めから有志連合の分断が目的だったとか言っていましたが、以上の経緯をみると、イスラム国は行き当たりばったりで交渉してたとしか思えません。
 ただ、イスラム国はインターネットを駆使して肥大化したと言われているだけに、ネットで情報収集しながら交渉をしていたのではないかと思われます。たぶん、日本のネット上の情報も集めていたのではないでしょうか。
 去年、北大生がイスラム国に参加しようとしていましたが、既にイスラム国に参加している日本人がいると言われています。だとしたら、そういう人達が情報収集に協力していても不思議はありません。また、日本国内からにイスラム国へ情報提供されていた可能性もあります。
 湯川氏がイスラム国に拘束された時、拘束の様子を撮影した動画がインターネット上に投稿され、SNS上では、イスラム国のメンバーと思われる人物が湯川氏のことを「武装して、写真家で医者だと主張している」と投稿していました。それに対し、多くの日本人が湯川氏を庇おうとしてコメントをしていたのに、中には湯川氏に不利な情報を流す者もいました。カメラマン兼通訳の安江塁氏は「この日本の男は民間軍事会社のCEOだ。彼は銃を撃っている写真を撮っている。」とツイッターでイスラム国側に情報提供していました。民主党の有田芳生議員は、湯川氏と元航空幕僚長・田母神俊雄氏のツーショット写真をリツイート。アムネスティ日本の石田城孝理事長は湯川氏のfacebookのリンクを貼って、イスラム国に情報提供していました。そういう情報提供も影響して、湯川氏はイスラム国にスパイと断定されてしまったのです。

 このスパイ認定された湯川氏は1月23日頃に殺害されたとされています。青山繁晴氏は1月28日の水曜アンカーで「日本政府がカネ払わなかったことについて、決着させろと言う強硬派もいたんで、まことに無残なことですが、湯川さんを殺害してしまった。」と言っていました。でも、カサースベ中尉を殺害しておきながら生存しているかのように見せかけて交渉をしていたことを考慮すると、さしたる証拠もなしに湯川氏の殺害時期を安易に決めてしまうのは如何なものでしょうか。
 次回は湯川氏の殺害時期について考えてみます。

・・・続く。

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ヨルダン軍パイロット殺害か 映像が投稿
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150204/t10015197431000.html
「イスラム国」日本人人質事件 タイムライン
http://mainichi.jp/feature/isis/
日エジプト経済合同委員会合における安倍内閣総理大臣政策スピーチ
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/0117speech.html
人質事件 日本は国際社会から「身代金を払う国」と見られる
http://getnews.jp/archives/789314
シリア邦人拘束事件/資金源は外国人拉致
http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2014/0818.html
(ISIS)空爆参加国・非参加国のまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2141233318388839101
安保理決議2178
http://www.unic.or.jp/files/s_res_2178.pdf
安倍政権揺るがすイスラム国入りした「40人」の不明日本人
http://news.livedoor.com/article/detail/9731152/
「彼は兵士」「諜報員じゃないか」とテロリストに情報提供  「拘束中の男性を危険にさらした」と批判相次ぐ
http://www.j-cast.com/2014/08/23213851.html
シリア拘束邦人湯川遥菜の素性をイスラム国ISISに日本人がツイッターで情報提供しスパイと断定され炎上
http://matome.naver.jp/odai/2140849443141777901
1/28放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1675.html

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イスラム国による人質殺害事件1

 自己の責任において行動すると言い残してイスラム国に行ったジャーナリストの後藤健二氏が殺害されました。後藤氏の行動には色々な意見があります。でも、後藤氏のように危険を犯してでも取材活動をするジャーナリストがいなければ、何が起こっているかを知ることが出来ないということも事実です。
 後藤氏はイスラム国に捕まり、政府に負担を掛けたことに違いありません。だけど、それを責める気にはなれません。今はただ、ご冥福を祈るばかりです。

 イスラム国は後藤氏の殺害動画で「日本政府へのメッセージ」と称し、次の声明を発表しました。
*************
 日本政府へ。おまえたちは邪悪な有志国連合の愚かな参加国と同じように、われわれがアラー(神)の恵みによって権威と力を備え、おまえたちの血に飢えた軍隊を持つ「イスラム国」だということを理解していない。
 アベよ、勝ち目のない戦いに参加するというおまえの無謀な決断のために、このナイフはケンジを殺すだけでなく、おまえの国民を場所を問わずに殺りくする。日本にとっての悪夢が始まるのだ。
*************
 後藤氏が殺されたのは、安倍首相がイスラム国との戦いに参加したからと主張していますが、身代金を払えば解放する、死刑囚と交換だと言っていたのです。イスラム国は自分達の要求が通らないから見せしめ的に殺害しただけです。

 イスラム国の主張は破綻しているのですが、日本国内でも同調する人達がいます。
 レイバーネット日本が後藤氏が殺害後に首相官邸前で行った「哀しみと抗議の官邸前サイレント・アクション」では、「追悼 人質事件は安倍の失政 安倍退陣」「ホロコースト記念館で三度も決意のことばを口にしても平和憲法9条のことを口にできない首相に悲しみの抗議」「湯川さん後藤さん殺したのはテロリスト しかしそれに手を貸したのは安部だ」というプラカードを掲げる人達がいました。
 後藤氏が殺害される前のことですが、「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎共同代表が「イスラム国が『自分たちの敵だ』と認識するのは当たり前だ」と述べていました。
 元駐イラン大使で外務官僚だった孫崎享氏は、「『イスラム国』の立場からみれば、イスラエルを含む中東諸国を訪問して、公然と『イスラム国』に敵対する示威行動をしたに等しい。『イスラム国』は今回の安倍首相のカイロでの発言を、宣戦布告と見なし、湯川遥菜さん殺害につながってしまった。安倍首相の中東歴訪と2億ドルの人道支援声明が、残念な結果をもたらしたことになる。」「アラブ・イスラム諸国との友好的な関係という貴重な財産が、安倍首相の前のめりの外交政策により、毀損されるのではないかと強く危惧する。」と発言、安倍首相の中東での発言や行動が事件を誘発し、イスラムとの友好という貴重な財産を失う恐れをもたらしたと主張していました。
 イスラム国のテロリストへの批判よりも、テロに便乗して政権批判をする方が大切なのでしょう。

 こうした安倍首相批判の一方で、政権批判について疑問を呈する声もあります。
 ニューヨーク在住のライター・安田佐和子氏は自らの情報サイトに「安倍政権批判は、ISILの思うつぼという説」という記事をアップし、「テロ組織の意図は、その存在を広く知らしめ恐怖を煽り、己の目的を果たすこと」であり、政権批判を繰り広げることはイスラム国の思うつぼと指摘しています。J-CASTニュースによると、多数の日本の中東問題専門家もこうした見方をしているとのことです。
 在京アラブ外交団代表のシアム在京パレスチナ常駐総代表(大使に相当)は、安倍首相の支援表明について「(イスラム国を)全く挑発したとは思わない。そのように信じたい人がいるのは確かだが、間違いだ」と述べ、「安倍首相が(演説で)話した『中庸』は美徳で、アラブ諸国に対して適切な表現だ。首相の中東訪問が今回の事案を引き起こすマイナス影響はなかった」と指摘し、「事案が間違ったタイミングで起きただけで、訪問自体は適切な時期だった」と話したそうです。

 政府は、人質事件での政府の一連の対応について、政府内で検証し、その結果を有識者に委ねた上で、検証結果を公表するそうです。政府の対応についての検証は、同様の事態が繰り返された場合の対処のために必要です。でも、それだけでいいのでしょうか。国民一人一人が今回の事件で誰がどの様な言動をしたのかをしっかりと覚えておく必要があると思います。

・・・続く。
/////////////////
「日本政府へのメッセージ」全文 ネット映像
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2015020190075328.html
◇画像多数◇「人質事件は安倍の失政 安倍退陣」「殺したのはテロリスト。しかし手を貸したのは安倍だ」@哀しみと抗議の官邸前サイレント・アクション【ISIS邦人殺害】
http://www.honmotakeshi.com/archives/43172638.html
イスラム国の日本敵視当然=小沢氏
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201501/2015012700876
安倍外交が「イスラム国」のテロを誘発した
http://toyokeizai.net/articles/-/59008
「安倍首相のせいで日本人がテロの標的に」 ジャーナリストの指摘に疑問、反論が噴出
http://www.j-cast.com/2015/02/02226872.html
安倍政権批判は、ISILの思うつぼという説
http://mybigappleny.com/2015/01/31/jp-hostage/
「安倍首相演説はイスラム国を挑発する内容にあらず」駐日パレスチナ代表
http://www.sankei.com/politics/news/150201/plt1502010044-n1.html

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フランス紙襲撃テロ事件の陰謀説

 1月7日にフランスの週刊誌「シャルリー・エブド」が襲撃された事件(フランス紙襲撃テロ事件)は、2日後に人質を取って立てこもっていた容疑者の兄弟が射殺され、共犯者を探す進展になっている。ところが、そう考えない人達がけっこうおり、ネット上で陰謀論を唱えている。

 下の動画は、事件を伝えるFNNのニュース動画だが、犯行グループが銃撃戦を繰り広げる様子が写されている。


 TomoNews Japanの解説によると、この銃撃戦は、実行犯が逃走中にパトカーと遭遇したために発生したようだ。


 ネット上では、この銃撃戦映像の横たわる警官が銃撃される場面に注目し、「反動が無い、流血が無い、(被弾による)体の動きが無い」などとして、ヤラセ映像だと主張する人達が現れている。
 例えば、下載の動画の男性は、イスラム国を名乗る犯人が親米国のフランスでテロを起こしたとされるが、先日は親米国のオーストラリアでも立てこもり事件があったとし、親米国でばかりイスラム国を名乗る犯人のテロが起きるのは何故か、親米国だとテロをでっち上げ易いのかと疑問を呈している。更に、産経ニュースの「とどめの銃撃」をしたとの報道を紹介し、銃撃戦映像で警官が流血していないことを示して「銃で撃たれて血が出ないことありますか」と発言。アクターを使ったでっち上げのテロの可能性がまた出てきたと主張する。加えて、イスラム国の影響でテロを行ったという時点でアメリカの犯行であると疑わざる得ず、イスラム国はロックフェラーの利益のために紛争を起こすのが役割だからと説明する。


 イスラム国とロックフェラーがどの様に結びつくのかサッパリ分からないが、陰謀説を説くのはこの男性だけではない。犯人が撃っていたのは空砲だったとか、アメリカの偽旗作戦によるでっち上げテロなどの主張は少なくない。
 調べてみると、この銃撃戦がでっち上げとの主張は海外が発信源のようだ。ブログやフリージャーナリストのサイトでその様な記述がある。また、警官が銃撃される場面をスローモーションにし、「流血が無い+(銃の)反動が無い+(被弾による)体の動きが無い=フェイク」と主張する動画もある。


 果たして、この主張は正しいのだろうか。それぞれについて考えてみる。
★銃の反動について
 静止状態から発砲すると、リコイルで銃口が跳ね上がって体が後に押される様子が分かりやすいでしょう。でも、犯人は銃床を体に密着させながら前進し、銃口を下方に動かして発砲している。これだと、下向きに力を加えているので銃口が跳ね上がらないし、前進する力によって体が後に動かされない。だから、反動が無いように見えても不思議ではない。
★流血と体の動きについて
 この動画から発砲前後の場面をキャプチャした画像が次の2枚。
●発砲前(発砲時と推測される)
パリ新聞社テロ1

●発砲後
パリ新聞社テロ2

 発砲後の画像に赤く変色させた発砲前の画像を部分的に重ね合わせてみる。銃以外の警官に足や構造物を入れているのは位置を合わせるため。
パリ新聞社テロ3

 銃身の延長方向に黄色い矢印を延ばすと、警官の左手辺りになる。その少し右側には小さな白煙と大きな白煙が確認できる。
 この白煙が硝煙なら銃口近くに発生している筈だが、離れた場所で発生しているので、硝煙では無い。歩道をよく見ると、縦横に線が入っており、コンクリートブロックが敷き詰められている様子。とすると、この白煙は、弾がコンクリートブロックに当たって飛び散らせたコンクリート塵と考えるのが妥当だ。
 以上から、弾丸は警官の左手辺りの路面に着弾し、コンクリート塵を右方向に吹き飛ばして跳ね返ったと理解すべきだろう。
 警官は被弾していないので、流血が無く、体が動いていないのは当然ということになる。

 メディアは「とどめの銃撃」などと書いているが、現場で目撃していた筈も無く、記者もこの映像を見て書いたものと思われる。辞書によると「銃撃」は「機関銃・小銃などの銃器で攻撃すること」との意味だから、間違っているわけではないが、警官が被弾したという先入観を与えることになった。メディアにも、でっち上げ説を広める一因があったのだろう。

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フランス紙襲撃テロ事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E7%B4%99%E8%A5%B2%E6%92%83%E3%83%86%E3%83%AD%E4%BA%8B%E4%BB%B6
パリ新聞社テロ 犯行グループの1人投降も残る2人は逃走中か(15/01/08)
https://www.youtube.com/watch?v=BAht0fHLLSE
パリの風刺週刊紙本社で銃撃テロ、12人死亡
https://www.youtube.com/watch?v=Eam-D2W29DI
フランス・パリ新聞社襲撃テロ 銃で撃たれても血が出ない警察官
https://www.youtube.com/watch?v=h4enhfVn_B8
「警官にとどめの銃撃」に衝撃 卑劣な犯行に抗議集会
http://www.sankei.com/world/news/150108/wor1501080025-n1.html
偽旗作戦
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%BD%E6%97%97%E4%BD%9C%E6%88%A6
Watch Again: No Recoil, No Blood ? Slow Motion Footage Of Paris Officer Being Shot **Disturbing Images**
http://www.dcclothesline.com/2015/01/09/watch-no-recoil-no-blood-slow-motion-footage-paris-officer-shot-disturbing-images/
Jan 8 2014 - The FINAL NAIL in the Paris terror scam (Final definitive proof they used blanks)
http://www.jimstonefreelance.com/
Paris police shooting is likely to be fake and whole event can be even make up
http://www.liveleak.com/view?i=2ee_1420714352

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北星学園大学が植村元記者の雇用継続を決定

%%% 元朝日記者の雇用継続を正式発表…北星学園大 %%%
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141217-OYT1T50149.html
 いわゆる従軍慰安婦報道に携わった元朝日新聞記者(56)が非常勤講師を務める北星学園大(札幌市厚別区)の田村信一学長らは17日、記者会見し、来年度も元記者を非常勤講師として雇用すると正式に発表した。
 田村学長は方針変更の理由について、下村文部科学相が「脅迫は許されるものでない」と批判したことや、全国の弁護士が脅迫状の捜査を進めるよう札幌地検に刑事告発したことなどを挙げ、「暴力と脅迫を許さない動きが大きくなり、一定の抑止力になりつつあるため」と説明した。学生などの安全確保については「新たな危機管理体制を構築し、対応したい」とした。
~省略~
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 植村隆元朝日新聞記者の雇用問題は、12月4日の理事会で議論されていました。田村信一学長は「総合的に考えて、(植村氏の)雇用は続けない方がいいという考えは変わっていない」との考えだったようですが、理事らの意見は賛否両方あり、結論は教職員やPTAメンバーら約40人で構成される評議会に持ち越されていました。
 結局、北星学園大学は来年度も再雇用するという結論を出し、それについて大学のサイトに「国際交流特別科目の非常勤講師との次年度契約について(報告)」との報告書を掲載しています。

 この報告書は、大山綱夫理事長と田村信一学長の連名で出され、この様な内容です。
●10月31日の記者会見で学長が示した再雇用しないという方針は、議論のたたき台として提起したもの。
●評議会、全学公聴会、学園理事会などで議論を重ねた結果、最終判断は理事長と学長の協議に委ねられた。
●脅迫状などが報道されたことで、言論の自由及び大学の自治が危機に陥っているとの認識が、弁護士や大臣などに広がった。
●大学内と学園理事会の議論では、キリスト教の建学精神や大学の歴史及び教育機関として暴力などの弾圧に屈するべきではないといった観点から、契約更新を支持する主張があった。
●他方で、学生の安全と平穏な学習環境のために、早く事態収束すべきという主張もあった。
●2つの主張は、現状を率直に表現したものであり、それぞれが正当な根拠を有している。
●暴力と脅迫を許さないという社会的合意が広く形成されつつあり、それが一定の抑止力を持つと思われる。
●この状況から、大学が主体的に判断した。
●学長が記者会見で挙げた安全確保への不安や職員の消耗については、新たな危機管理体制の構築で対応する。

 北星学園大学の発表を受けて、植村元記者の雇用継続を求めていた「負けるな北星!の会」は、「北星学園大学が非常勤講師の雇用継続を決定したことについて」という声明をサイト上に掲載しています。
 学長などに敬意を表すと共に、「思想・言論の自由、学問の自由、大学の自治という憲法の原理を守る、非常に歴史的な決断」「学園と学生の安全、植村さんとご家族の平穏を一日でも早く取り戻すため、卑劣な犯罪者を野放しにすることのない早急な対応を期待しています」「政府が毅然とした対応をとることも、この機会に強く求めます」「戦後日本が築いてきた自由に発言できる社会、多様な意見を議論によって決めていく民主主義が今、非常にもろくなっていることを痛感しました」などと書かれています。

 植村元記者の雇用を継続しないことは、「学問の自由」を犯すことだとの主張は、負けるな北星!の会だけではありません。雇用継続は学問の自由を守ることなのでしょうか。
 田村学長は保護者らに宛てた「本学及び保護者の皆様へ」の中で、
●本学に対する意見等のほとんどは、「初めて朝日新聞社の植村記者が報道した従軍慰安婦問題は、事実に反する捏造である」という立場から、「なぜ捏造するような人物を採用するのか」という趣旨の抗議です。
●植村氏の担当する国際交流特別講義は、当初、海外の提携校の要請により開講したもので、現在も外国人留学生向け(本学学生にも開講)に「北海道の歴史と文化」などをテーマに行われており、慰安婦問題や過去の特定の記事には何ら関係ないものです。
●来期以降については、全ての非常勤講師の担当授業依頼と同様、本授業についても検討されているところです。
と書いています。
 植村元記者の講義は提携校の要請と説明していますが、植村元記者は3月に神戸松蔭女子学院大学の雇用契約を解消され、急遽、北星学園大学の非常勤講師に雇用されたという事実からすれば、植村元記者を雇用した動機が講義を受け持たせるためとは考えられません。植村元記者は朝日新聞在職中、北星学園大学の非常勤講師として韓国の留学生を相手に「メディアで読む日本?そして世界」という講義をしていましたから、提携校の要請というのはその時の事を言っているのではないでしょうか。真相は、就職先が無くなった植村元記者に情けを掛けて採用したということでしょう。だから、植村元記者の経歴からして適当ではなくても取り合えず、北海道の歴史と文化について講義させているものと思われます。
 大体、特別講義というものは、一時的なものです。毎年カリキュラムに入れられているなら、特別にはならないのです。一年で特別講義を終えたからといって、非難されるものではありません。元々、単年度契約ですから。
 それに、植村元記者が北海道に関係したのは数年のことで、北海道について大学で講義できる程詳しいとは思えません。北海道の歴史や文化についてどれ程の知見があり、どのような学問的業績があるのでしょうか。たぶん、そんなものは無いでしょう。それで学問の自由を主張されても説得力は皆無です。

 朝日新聞は11月にこういう記事を掲載していました。
%%% 北星学園大学長「学生安全確保、悩んだ」%%%
~省略~
■一部教職員らは反発
 この問題で、田村学長はこの日、初めて記者会見した。大学としての正式決定ではないとしつつも、「学生の安全をどう確保するかに悩んでいた。どこかで収束させるべきだと思った」と語った。
 教職員らからは、これまで賛否さまざまな意見があったという。学生からは、植村氏をなぜ雇うのかという批判や、就職活動に悪影響が出るなどの意見が出たという。 「植村氏を雇うのは日本人としておかしい――など、ネット上に見られるのと近い意見があった。ネット社会が発展し、『大学の自治を守る』と言って学生が簡単に賛同してくれるわけではなく、苦しい状況だ」と漏らした 。
 契約を更新しなかった場合について田村学長は「世論から批判される可能性はあるだろうが、それは不本意だ」とし、「(外部の圧力に大学が屈する)悪しき前例にはならないと考える。今期1年間の契約は守ったわけだから」と述べた。
 10月1日には、外部の脅しに屈しないことや、植村氏の授業については来期も検討されているなどとした、学生と保護者向けの声明を発表していた。その後、有識者らが「負けるな北星!の会」をつくって大学の支援に乗り出したほか、脅迫電話をかけてきたとする容疑者も道警が逮捕。最近では、抗議や嫌がらせメールも減っているという。
 それでも田村学長は「今年は運がよかっただけかも知れない。いつまでも臨戦態勢を続けるわけにはいかない。『北星頑張れ』という気持ちは分かるが、過大な要求だ」と話した。
 札幌中心部でこの日夜に開かれた「負けるな北星!の会」のシンポジウムでは、「(植村氏の契約を更新しなければ)外部の圧力に屈したという悪しき前例をつくることになる」などとする意見が相次いだ。 また、植村氏との契約を更新しないことに反対する同大の一部教職員でつくるグループの一人は、 「最近では抗議や嫌がらせの件数は減ってきているのに、どうして契約更新しないという判断になるのか、理解できない」と話した。
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 大学への抗議は、「なぜ捏造するような人物を採用するのか」というもので、学生らも同意見のようです。植村元記者が教えている講義内容を問題にしているのではなく、教育者としての資質を問題にしているのです。
 不祥事を起こして大学を追われる教授がいますが、解雇について問題にされません。ましてや、学問の自由の侵害とは誰も言いません。植村元記者の雇用問題も本質的に同様なのですが、左翼系の連中は学問の自由の侵害と言って大騒ぎです。資質の問題を学問の自由の問題へと論点をすり替えているのです。
 とはいえ、大学への脅迫は許されるものではありません。抗議も大学の自治という観点からみれば、問題です。いくら教育者として相応しくない人物でも、解雇しろと要求するのは大学の人事権を犯す行為です。逆に、解雇するなと要求するのも大学の自治を犯す行為です。
 負けるな北星!の会の連中は、大学の自治を犯す行為をしていながら、思想・言論の自由、学問の自由、大学の自治を守ると言ってはばかりません。独善的で自身の主張を押し通すことしか考えていないから、自分達のしていることを理解できないのでしょう。

 田村学長は脅迫に屈しないとしながらも、脅迫に負けるなと言われるのも過大な要求と思っていたようです。解雇してもしなくても、大学の自治を危機に陥らせるから、契約更新しないということが最善策と判断していたのでしょう。ですが、結局のところ再契約するという結論を下しました。「大学が主体的に判断した」と言っていますが、実際は負けるな北星!の会らの要求に屈したということです。
 植村元記者を雇用したことから、地方の無名私学だった北星学園大学は有名になりました。それがイメージアップになることなら良かったのでしょうが、現実は反対です。雇用継続を表明したことで、イメージ回復の切っ掛けも失いました。
 来年の受験生は大幅に減少するでしょう。大学経営は厳しくなるに違いありません。だけど、負けるな北星!の会の連中が金銭的に支援することはありません。彼らは、自分達の主義主張のために活動しているのであって、大学経営のことなどどうでもいいのです。
 大学経営が厳しくなるだろうことは、田村学長も十分理解していたでしょう。だから、受験シーズン前にけりを付けようとしたのでしょうが、植村元記者の仲間に阻まれました。とんだ疫病神に取り付かれてしまったと思っているのではないでしょうか。

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元朝日記者の雇用継続問題、結論出ず 北星学園大
http://www.asahi.com/articles/ASGD46HCTGD4IIPE03C.html
国際交流特別科目の非常勤講師との次年度契約について(報告)
http://www.hokusei.ac.jp/images/pdf/2014_1217.pdf
声明「北星学園大学が非常勤講師の雇用継続を決定したことについて」
http://makerunakai.blogspot.jp/2014/12/blog-post_18.html
「本学及び保護者の皆様へ」北星学園大学学長・田村信一(2014年9月30日)
http://www.hokusei.ac.jp/images/pdf/20140930.pdf

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盲導犬オスカー刺傷事件後編

◆スクープ
 犯人も捕まっていないのに忘れられた感があった盲導犬刺傷事件だが、先月、週刊現代が衝撃スクープと銘打って新証言を報道していた。
*** 週刊現代 2014年11月18日 ***
【衝撃スクープ!フォークで刺されたはずの盲導犬オスカー「実は刺されてなんか、いなかった」日本中が激怒した事件に意外な新証言が……】
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41100
「盲導犬オスカー刺傷事件」はあまりに大きな反響を呼んだ。しかし、3ヵ月が経った今も、犯人は捕まっていない。一体犯人はどこにいるのか。取材を進めるうちに衝撃の事実が浮かび上がってきた。
■警察が隠していること
~略~
「フォークのようなもので強く刺された」という獣医師の診断を受け、飼い主は警察に被害届を提出した。
その時の心境を飼い主はこう語っている。
「犯人には『自分で自分の体を刺してみろ』と言いたい。同じ赤い血が出るだろうと。抵抗できない犬を狙うなんて許せない……」
通常、「犬の傷害事件」の被害届を警察が受理することはありえない。だが「オスカー事件」は日本中で話題になったこともあり、埼玉県警は異例の30~40人の捜査員を投入し、捜査に当たった。
~略~
「3000枚のビラを配布し、聞き込みを行いましたが、何より期待されたのは防犯カメラの映像です。駅に設置されている100台以上の防犯カメラを、夜通しで徹底的に解析しました」(捜査関係者)
しかし、防犯カメラに映っているはずのオスカーが刺される瞬間が、一向に見つからない。それだけではない。捜査関係者が続ける。
「オスカーはこの日、犬用のシャツを身に着けていました。フォークで刺されたのなら当然、このシャツには穴が空いているはず。ところが不思議なことに、シャツには刺された跡がどこにもなかったんです。
オスカーが刺されたとすれば、犯人は一度シャツをめくって刺して、再びシャツを元に戻して逃走したことになる。こんなことをすれば余計に目立つはずです」
それなのに、防犯カメラにはそのシーンが映っておらず、目撃者も現れなかった。さらに、前出の全国紙記者が言う。
「オスカーは大型犬のラブラドール・レトリバーで、皮膚は相当分厚い。片手で服をまくり上げて、もう片方の手だけで、あそこまで深い傷をつけるのはかなりの力が要ります。
もし刺されていたら、相当な痛みがあるはずなので、なにかしらアクションを起こすと思うんですが、飼い主は『オスカーが鳴き声を上げたり、暴れたりするような気配はなかった』と言っています」
~略~
埼玉県警武南署の副署長は苦渋を滲ませながら、本誌にこう語る。
「監視カメラにオスカーが映っていたか?それは捜査の関係上申し上げることはできません。一つ言えるのは、オスカーと一緒に怪しい人物が映っていたとしたら、とっくに捜査をしているということです。市民からも『早く犯人を逮捕して』、『警察は何をやっているんだ!』という叱咤激励のお電話をいただき心苦しい。しかし、なにせ情報がない。我々としても、今は動きようがない、というのが実情です」
広報担当である所轄の副署長が、ここまでハッキリと捜査の難渋を認めることは極めて珍しい。副署長は「捜査をやめますとは、もちろん言えない」とも漏らした。それはつまり、表向き捜査は継続中だが、実のある捜査が行われていない、ということだ。
白昼の駅構内の犯行で、警察がこれだけ探しても犯人が見つからない。
「それが何を意味するか?この事件には、『犯人はいない』ということです」(前出の捜査関係者)
オスカーは刺されていなかった。これがどうやら、この事件の真実なのだ。
■診断した獣医師の戸惑い
~略~
その見立ての中身を明かすのは、東京都渋谷区にある、どうぶつ病院ルルの塩谷朋子院長だ。彼女によると、オスカーは「ただの『皮膚病』だった可能性がある」というのだ。
「獣医師の間ではそういう意見が少なくありません。写真の傷跡は、大型犬が夏にかかる『膿皮症』によく似ています。数日前から腫瘍ができていて、膿が溜まって、それが破裂した傷跡だと考えても、不自然ではありません。その傷跡がフォークで刺されたように見えたのではないでしょうか」
皮膚病はラブラドール・レトリバーがもっともかかりやすい病気の一つである。ニキビのような小さな腫瘍が毛の下にできて、やがて弾けて出血する。その傷跡は穴が空いたようになり、まるで鋭利な刃物で刺されたようにも見える。
本誌は最初に「フォークで刺された」と診断した、なぎの木どうぶつ病院の内田正紀院長の元を訪れた。すると内田獣医師から、思わぬ答えが返ってきた。
「最初から私は『フォークで刺された』と断定はしていませんよ。皮膚病の可能性も十分あると思っていました。ただオスカーをうちに連れてきた飼い主の友人の話によると、飼い主は『オスカーが耳を掻くのも分かる』と言うほど、行動を把握しているという。そして、その飼い主が『出血の数日前に皮膚に異常はなかった』と言っていると聞いたので、刺された可能性も否定できないと答えたんです。私の診断が発端で、これほどの騒ぎになってしまい、戸惑っているのも事実です」
~略~
「オスカー事件」がここまで広く拡散したキッカケは、飼い主の職場の同僚の家族が、義憤に駆られて送った朝日新聞への一通の投書だった。その投書にはこう書かれていた。
〈全盲の方の愛犬が、お尻をフォークのようなもので刺されました。(中略)こんなことをしたあなた。これは、いたずらでは済まされないことですよ〉
飼い主の知人が語る。
「そもそも犯人はいなかった、という疑念は投稿した方の耳にも入っています。でも彼だって、まさかここまで話が大きくなるとは思っていなかったでしょうから、責めるのは酷です。
責められないのは、飼い主も同じ。彼はオスカーが『フォークで刺されたかもしれない』と告げられ、これまでの取材に対し怒りを露にしていましたが、それは当然のこと。今では犯人がいなかったことにも薄々気づいていると思いますよ」
■飼い主は自宅でひっそりと
~略~
オスカーの傷はすでに完治していて、今となっては皮膚病だったか否かを確かめるのは難しい。だが、一つ言えるのは、日本中が存在もしない「刺傷犯」に向けて、罵倒と怨嗟の声を浴びせていた、ということだ。
評論家の呉智英氏は、オスカー事件に現代社会の問題が表れていると見る。
「今回の事件は、事実の検証が済んでいないにもかかわらず、飼い主より周囲が先に動いてしまったがために、これほど大きな騒ぎとなってしまった。個人的な『善意』と、自分も社会に参加しているという『使命感』、この二つの暴走が招いた事件と言えます」
一般市民だけでなく、政治家や芸能人もここぞとばかりに騒ぎ立てた。
連日「お涙ちょうだい」とばかりに煽りまくったワイドショーに対して、元日本テレビ解説委員で法政大学社会学部教授の水島宏明氏が苦言を呈する。
「最近では佐村河内守氏の嘘に振りまわされてしまったことが象徴的でしたが、メディアの中でも特にテレビは、泣ける話や同情を誘う話題に弱い。真偽の確認より、『話が盛り上がる』方向にばかり進んでしまう。あまりにも短絡的です」
~略~
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◆刺傷or皮膚病
 週刊朝日は、オスカーは足を踏まれても鳴くとの証言を書いており、踏まれて鳴くなら刺されても当然鳴くだろう。それに、傷口の消毒で体を動かすくらいだから、刺されたら飛び跳ねないまでも逃げるような動きくらいするはずだ。異変を飼い主が気が付かないことは無いと思う。とすれば、オスカーは刺されていなかったから、鳴くことも異常な動きをすることもなかったと推測するのが妥当だろう。
*** 週刊朝日 9月19日号 ***
【捜査難航の盲導犬刺傷事件 飼い主は取材攻勢で疲労困憊】
http://dot.asahi.com/wa/2014091000060.html
~略~
 訓練されているから、オスカーが少しも鳴かず、飼い主の男性は異変に気づかなかった、という美談が報道されたが、誤報もあったようだ。
「声をあげたら叱るような訓練は行っていない。そんなことをしたら虐待です」(業界関係者)
 男性の友人も証言する。
「オスカーの足を踏んづけたことがあるが、普通にキャンキャン鳴いてました。刺されたときは駅の電車の音などで鳴き声がかき消された可能性があります」
 それでも、健気に勤務先まで寄り添ったことに変わりはない。オスカーが運び込まれた「なぎの木どうぶつ病院」の内田正紀院長は、痛ましそうに語る。
「500円玉ほどの皮膚の面積に、3カ所の刺したような穴と2カ所の打ち身のような痕がありました。傷口を消毒するとき、さすがに痛そうな顔をして、体を動かしていましたね」
~略~
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 オスカーの傷については膿皮症が疑われているが、膿皮症とは、このようなものらしい。
*** 東京農工大学獣医内科学研究室 ***
http://www.tuat-amc.org/laboratory/illness01.php
イヌの膿皮症
 膿皮症はイヌで頻繁にみられる皮膚細菌感染症です。通常、イヌ膿皮症はアトピー性皮膚炎や毛包虫症、脂漏症、内分泌性疾患、悪性腫瘍などの疾患に続発します。イヌ皮膚の常在菌であるStaphylococcus pseudintermediusが、イヌ膿皮症症例の病変部から頻繁に分離されることが知られています。
 イヌの膿皮症では、表皮、毛包上皮あるいは両方において細菌感染が認められます。膿痂疹の症例では毛包間の表皮に小膿疱が認められ、やがて破れて痂皮を被るびらんとなります。表在性細菌性毛包炎の症例では、毛包に一致した丘疹や膿疱が認められます。表在性拡大性膿皮症の症例では、紅斑が遠心性に拡大して環状紅斑となると共に、その表面には表皮小環が認められます。
オスカー 膿皮症
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*** 北千里動物病院 ***
http://www.kitasenri-ah.jp/syourei/cn45/pg141.html
膿皮症(細菌性皮膚炎)
膿皮症・・・聞き慣れない病名かもしれませんが、犬の皮膚炎の中では一番多い疾患と言えます。
皮膚に細菌感染が及んだ状況のことを指し、通常かゆみを伴います。
気温と湿度の高まってくる春先から夏場にかけて罹ることが多い疾患です。
ただ、基礎疾患が存在している場合慢性再発性に発症することも多いため、治療をしてもすぐに再発を繰り返す、あるいは治りが悪いといった場合基礎疾患の有無を確認する必要が出てきます。
例えば、糖尿病が基礎疾患として存在し、そこに膿皮症が発症しているような場合がそれにあたります。
また、膿皮症+アトピー、膿皮症+アレルギー、膿皮症+内分泌疾患、膿皮症+デモデックス(皮膚内のダニです)etc・・・といった、様々な複合病態も考えられます。

症状
一番よく見られる表在性膿皮症の場合、毛穴に一致してぷつぷつと赤みがでたり、皮がリング状にむけてリングの内側辺縁に赤みがあり、中央部付近が治癒傾向(時に色素沈着)といった肉眼所見を得ます。
多くの症例でかゆみを伴っており、眠れないほどかゆみに苦しめられているわんちゃんも良く見ます。
細菌感染が深部にまで及んだものを深在性膿皮症と呼びますが、表在性より強い皮膚症状を呈します。時に自己免疫性疾患との鑑別が必要となるほどの症状を見せるものもあります。

実際の症例
深在性膿皮症(暫定診断)
オスカー 深在性膿皮症
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 オスカーの傷の写真と比べてみる。
オスカーの傷

 膿皮症といっても感染度の違いによって、見た目は随分と異なるので、素人にはオスカーの傷が膿皮症なのかどうか分からない。ただ、オスカーの皮膚には紅斑が現れており、刺しただけでは紅斑が出来るとも思えない。刺されたなら、刺し傷は残るだろうが、それだけだ。紅斑があることから、やはり皮膚病だったと推測するのが適当だと思う。
 真相が明らかになったと判断するのは早計だが、状況からすると皮膚病だった可能性が高そうだ。

◆オスカーの傷の状態
 オスカーの傷については、メディアによって説明が多少違っている。
朝日新聞:(武南署などの説明)深さ約1~2センチの傷が3、4カ所あった。
読売新聞:(武南署や飼い主の関係者の説明)約5ミリ間隔で深さ1~2センチの傷が3、4か所あった。
共同通信:(飼い主の関係者の証言)傷の形状は丸く、直径約5ミリで等間隔に四つ並んでいた。(飼い主の知人の証言)間隔は約5ミリ。横向きで1列に並び、傷の深さは最大約1センチに達していた。
ポストセブン:(飼い主の証言)患部には直径5mmの大きさの穴が4つ、等間隔に並んでおり、深さ2cmに達した傷もあった。
週刊朝日:(治療した獣医の証言)500円玉ほどの皮膚の面積に、3カ所の刺したような穴と2カ所の打ち身のような痕。

 オスカーの傷の状態と一番一致しているのが獣医の証言だ。獣医は傷の深さには言及していないのに、深さ1~2センチなどと報道されている。
 傷の深さについて、飼い主は全盲だから自分で確認できる訳ではない。また、武南署も飼い主らからの聴取した結果に基づいて説明しているだけだろう。とすると、獣医が飼い主らにそう説明したか、刺されたと聞いた飼い主の周辺にいる人物達が傷の深さについて言い出したということになるが、獣医が傷の深さには何ら言及していないことからすると、後者の方ではないか。オスカーの傷について話している内に、尾ひれが付いたということなんだと思う。盲導犬は刺されても鳴かないというのも、その経過の中で生み出されたのではないか。

◆獣医の発言
 獣医は週刊現代の取材に「最初から私は『フォークで刺された』と断定はしていませんよ。皮膚病の可能性も十分あると思っていました。」「刺された可能性も否定できないと答えたんです」と言っている。しかし、獣医がマスコミに語っていたのはこの様なものだった。
●朝日新聞 2014年8月28日
「日常生活では起こり得ず、よほどの力が加わらないとできない傷だ」
●NEWSポストセブン 2014年9月4日
「犬の皮膚は丈夫で、われわれ獣医も治療で針を刺すことはありますが、狙いを定めて力を入れないと刺さらないんです。この傷痕を見る限り、悪意を持って相当な力で刺したものと思われます。足の神経に麻痺が残る可能性さえありました。オスカーはずっと痛みを我慢したんでしょう…」
●ぼうはん日本 2014年09月
「傷は一直線に並んでおり、フォークのようなもので刺された傷ではないか」
「痛々しい傷を見て、誰かに傷つけられたと分かった。9年間獣医師をしていて危害を加えられた盲導犬を治療するのは初めてだった」

 これらの発言からは、皮膚病の可能性を考えていたなんてことは微塵も感じられない。「痛々しい傷を見て、誰かに傷つけられたと分かった。」とまで言っているのだから、刺されたとしか考えていなかったのだと思う。他の獣医が皮膚病の可能性を指摘したから、この獣医は皮膚病だったかもしれないと思い直したということではないか。
 たぶん、オスカーが動物病院に運び込まれた時、飼い主の関係者が刺されたと説明したのだろう。それを聞いて、獣医は刺されたんだと思い込んでしまったということなのだと思う。

◆騒動の成り行き
 前記を踏まえると、この騒動の成り行きはこのようなものだったと思う。
01)オスカーが皮膚病で出血。
02)飼い主の同僚が出血に気付き、傷の状態から刺されたと確信。
03)警察に通報。
04)飼い主らがオスカーを動物病院に運び込み、刺されたと説明。
05)飼い主らの説明から、獣医が刺されたと思い込む。
06)事件を聞いた者が憤慨し、新聞に投稿。
07)一部マスコミが報道。
08)新聞、TVなどが後追い報道。
09)全国に知れ渡り、非難の嵐。
10)警察が本格的に捜査。
11)沿線駅での目撃情報から、不審者が浮上。
12)盲導犬は何されても吠えないという誤解が生まれ、風評被害発生。
13)他の獣医が皮膚病の可能性を指摘。
14)一部マスコミが事件性を疑う。

 飼い主らがオスカーの出血に驚き、傷の状態から刺されたと確信したとしても責められるものではない。素人なのだから、傷の原因を正確に言い当てることを求めるのは酷というものだ。警察も被害届が出され、事件性を否定出来ないのだから、無駄な捜査をしていると非難されるのは気の毒な気もする。
 この騒動を巻き起こした一番の原因は、診断した獣医にある。獣医が刺されたと思い込まず、飼い主やマスコミに他の可能性もあるとしっかりと説明していれば、ニュースにもならなかっただろう。
 また、マスコミも「服をめくり上げて刺してまた戻すものか」とか「刺されて声も上げず微動だにもしないのか」など疑問点があるにもかかわらず、社会的弱者に対する虐待という構図で煽ったりしなければ、国中が憤慨することもなかった筈だ。話題になるからと安易に後追いをし、真相の追究より、バッシングに走った結果だ。これはマスコミの構造的なものだから今後もこうしたことは起こるだろう。

◆皮膚病説に対する各紙の反応
 産経新聞のニュースサイトで検索すると、オスカーの皮膚病説を紹介する記事があった。日付は週刊現代の記事の1ヶ月前だから、週刊現代が衝撃スクープと謳ったのは適当ではないだろう。
*** 産経ニュース 2014年10月17日 ***
盲導犬オスカー 捜査動かず2カ月 「皮膚病」説も浮上する中でも警察「傷害の可能性1%でもある限り」
http://www.sankei.com/affairs/news/141017/afr1410170003-n1.html
 埼玉県で7月下旬、全盲の男性が連れていた盲導犬オスカーが何者かに傷つけられた事件が起きてから、2カ月余りが過ぎた。「無抵抗の動物に対する卑劣な犯行」に世間の注目が集まったが、犯人に関する有力な手がかりは現在も浮上していない。獣医や警察の関係者からは「本当は刺されたのではなく、犬の皮膚の病気による出血だったのではないか」という見方も出ているが、埼玉県警は捜査を続けている。
~略~
**************************************
 朝日新聞、毎日新聞、読売新聞の各ニュースサイトで「盲導犬 オスカー」と検索しても、皮膚病説を伝える記事は無かった。あれだけ大騒ぎになったのだから、他の説が濃厚とのニュースはニュース価値が十分にある。それでも報道しないのは、原因がハッキリするまで報道しなくてもよいと考えているからだろう。過去の報道を覆すような記事は体面を傷付けるとでも思っているのか。

 そういえば、従軍慰安婦報道でも産経新聞は、吉田証言の信用性が揺らぐと、いち早く過去の報道を覆した。産経新聞は無謬性にあまり囚われない体質なのかもしれない。
 
・・・終わり。

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