六丈記2

備忘録のようなもの

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尖閣衝突事件の結末

元海上保安官、中国船船長とも起訴猶予
 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐる映像流出事件で、東京地検は21日、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で書類送検された一色正春・元海上保安官(44)=依願退職=を不起訴(起訴猶予)処分とした。那覇地検も同日、公務執行妨害容疑で逮捕され、処分保留のまま釈放された中国人船長(41)を起訴猶予処分とした。一連の事件の捜査は事実上終結した。
 東京地検は流出映像について、刑事事件の証拠であり、同法の「秘密」に当たると認定。しかし、海上保安庁の映像管理が不十分で入手は偶発的なことや、利益目的ではないことなどから、犯行は悪質ではないと判断した。
 一方、那覇地検は船長について、衝突された巡視船の損傷は航行に支障を生じるものではなく、負傷者がいなかったことなどを起訴猶予の理由に挙げた。今月20日に石垣海上保安部から追送検を受けた外国人漁業規制法違反容疑についても起訴猶予とした。
 那覇地検は勾留期限前の昨年9月25日、「日中関係を考慮する」などとして処分保留で釈放し、船長は帰国していた。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/486945/
一部抜粋

 

最後まで「日中関係」言及避ける 起訴猶予で最高検会見 尖閣事件
 21日午後4時半から東京・霞が関の法務・検察合同庁舎で行われた最高検の記者会見。中国人船長を起訴猶予とした理由に「日中関係への配慮は理由に含まれないのか」と確認する質問が相次いだが、田内正宏公安部長は、最後まで「日中関係」への言及を避け続けた。
 船長釈放時の那覇地検の会見で、次席検事は「日中関係を考慮」と述べていた。これについて、田内部長は「引き続き(船長の)身柄を勾留する必要があるかという判断に当たって、日中関係に言及した」と説明。映像流出事件の元海上保安官の処分が同じ日となったのは「処分できる時期が近接していたため」と釈明した。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/487024/
一部抜粋

 


 iZaの記事には起訴猶予処分についての詳しい理由が記載されていないので、日本経済新聞から引用する。(http://www.nikkei.com/tech/news/article/g=96958A9C93819695E0E3E2E6E28DE0E3E2E3E0E2E3E39191E3E2E2E2;da=96958A88889DE2E0E2E5EAE5E5E2E3E7E3E0E0E2E2EBE2E2E2E2E2E2
 元海上保安官の不起訴理由
 (1)海保の管理が不十分(2)映像の入手方法は悪質でない(3)利欲的な犯行ではない――などを考慮。海保の処分を受け依願退職していることも踏まえ「刑事処分は妥当ではない」。
 中国人船長の不起訴理由
 (1)既に中国へ帰国している(2)逃走するためには巡視船に衝突してもいいという程度の意思しか認められず、計画的ではない(3)巡視船の損傷は、航行に支障がなく、乗組員にもけががない。

 

 映像流出事件は不起訴となったことで、流出映像が「秘密」であったのか裁判で判断されなくなった。検察が「秘密」に当たると認定しただけに終わった。
 裁判になれば秘密性が争われるのは明らかで、検察は「誰が何時何を機密に指定し、誰に命令したのか」「その命令がどの様に処理され周知徹底されたのか」等、明らかにし「秘密」であることを立証しなければならなかった。公判の過程で様々な証拠が公開され、当時の大臣達の証言も有ったかも知れない。
 元海上保安官には悪いが、色々な事が明らかになる可能性があっただけに残念であった。検察としては面倒な事件であったために、初めから起訴するつもりはなかっただろうが。

 

 中国漁船衝突事件発生当初、検察は中国人船長を勾留した。被疑者を勾留するには要件を満たさなければできないことである。勾留要件は犯罪の嫌疑、勾留の理由、勾留の必要性であり、勾留の理由には住居不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがある。中国人船長は住居不定ではないし、漁船を抑えられている状態で罪証隠滅など出来るはずも無い。よって、勾留の理由は逃亡のおそれだったことは明らかだった。
 それにもかかわらず、検察は処分保留で釈放してしまい、案の定、中国人船長はさっさと帰国してしまった。釈放すれば帰国することなど検察も十分理解していたはずである。
 それなのに、中国人船長の不起訴理由の一つに中国への帰国を挙げるなど、なんという厚顔無恥。その原因を自分達が作ったとは微塵も思っていないのであろう。

 

 事件事務規程(法務省訓令)第72条では起訴猶予は「被疑事実が明白な場合において,被疑者の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないとき。」とある。中国人船長の行為はこれに該当するのであろうか。社会的制裁を受けている訳でもないし、謝罪や反省をしている訳でもない。もちろん、賠償もしていない。これが刑事処分するまでもないことなのか。

 

 今回、不起訴が決まったことにより、中国漁船衝突事件は確実に検察審査会に審査申し立てされるだろう。高い確率で起訴相当の決議が出されるのが予想される。強制起訴になることも十分ありうる。強制起訴になったとしても中国と犯罪人引渡し条約を結んではいないので、中国人船長が入国しない限り起訴できないのであるが。
 ただし、船長は国外にいる為、時効は停止される。事件が終わることはない。しかし、結局事件は風化し、忘れ去られるのだろう。非常にむなしい。

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