六丈記2

備忘録のようなもの

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イスラム国による人質殺害事件3

 イスラム国が身代金2億ドルを要求してきた後の1月22日、フリージャーナリストの常岡浩介氏がに日本外国特派員協会で会見を開き、「警察の妨害でイスラム国へ行けなくなったことで、湯川さんを救い出すチャンスを逃した」と主張していました。
 常岡氏の説明をまとめると以下の様になります。
●2014年8月、イスラム国のオマル司令官から湯川氏の裁判のために通訳と立ち会い人を依頼するメッセージを受け取る。
●9月、オマル司令官の招待で中田考元教授とラッカに入り、オマル司令官と面会。湯川氏について「身代金を取らない、命を取ることもしないというのがイスラム国の方針。イスラム法に沿った公正な裁判をする」との説明を受ける。
●湯川氏と面会するために連絡を待っていたが、アサド政権によるラッカ空爆で連絡が取れなくなり、9月8日に1週間待って欲しいとの連絡を受ける。
●中田元教授が待っていられないから帰国すると言うので、常岡氏も帰国。その際、裁判の通訳のために常岡氏のみが10月に再訪すると約束。
●10月9日にイスラム国に向かう予定だったが、10月6日に北大生の私戦予備事件で家宅捜索を受けたため、出発出来ず。
●湯川氏はイスラム教に改宗していたため、それを証明することで無罪を勝ち取れる可能性があったが、警察の妨害で救い出すチャンスを逃した。
●湯川氏が無罪放免になっていれば、後藤氏がイスラム国に入ることもなかった。
●北大生の事件に関して警察の捜査に協力できないと言っていたが、警察や外務省から要請されれば人命救助に協力する。
●イスラム国側と交渉するとしたら、湯川氏の扱いについての方針転換を問いただす。安倍首相の発言を誤解しているのであれば人道支援であると説得し、誤解でないのであれば人を騙すことを禁じたイスラム法に反すると追及する。
●現在、エジプトの関係者から連絡はあるが、「警察の監視下にある」とだけ返答し、司令官と直接コンタクトをしていない。
●(1月20日の身代金を要求について)ビデオ予告されて助かったケースはないと思うので、状況は絶望的。助命方法があるとすれば、直接対話しかないが、政府は活用しようとしていない。
●犯行が繰り返されるだけなので、身代金を支払うべきではない。
●イスラム国には本音と建て前があるが、イスラム法を重視する姿勢なので、イスラム法廷が開かれれば、再考される余地があると思う。

 常岡氏が、湯川氏の拘束直後から行動していたのは確かなようです。常岡氏のツイッターの書き込みから確認できます。数が多いので要約するとこの様になります。
8月17日
●湯川氏を傭兵と疑う。
8月18日
●ISの友人にインタビューのために殺さないように願い、前向きな返答を貰う。本音はインタビューしたくない。
●湯川氏の田母神氏とのツーショット写真が発覚したことで、延命の望みが断たれたと判断。
●湯川氏が模型屋の店長と知り、ISの友人に危険人物ではないと連絡。
8月19日
●湯川氏生存の情報を受け、面会に行く決心をする。
●ISの友人が湯川氏のウェブサイトからミリタリーオタクとは思っていないので、軍事会社に実体は無いと説明。
●成田空港からスキポール空港に行く。
8月20日
●パリに滞在。
8月21日
●シェラレオネに到着。

 常岡氏に同行した中田元教授も10月に「9月上旬に『イスラム国』に招かれ、シリア国内の彼らが支配する地域へ行ってきた。『湯川遥菜氏の裁判をしたい。公正に裁きたいと思うのだが、英語も通じず、話にならないので、通訳にきてくれ』という幹部の依頼を受けてのものだ。アラビア語と日本語の通訳ができ、かつイスラム学の知識がある人間として私に白羽の矢が立った。この時点でほとんど人は限られる。結局、折悪しく空爆が激しくなり、幹部たちが散り散りに身を隠してしまったため、湯川さんとは会えず、虚しく帰ってきた。」と語っていました。
 
 アレッポ近郊で拘束された湯川氏を200kmあまり離れたラッカに移送する予定だったのが、ラッカ空爆で叶わなくなり、湯川氏と会える確証が無いので、中田元教授と常岡氏は帰国したということでしょうか。とすると、湯川氏は9月上旬まで生存していた可能性が高いと思われます。
 湯川氏はラッカに移送される予定だったとのことですが、実際に行われたのでしょうか。1月20日に公開された動画がそのヒントになりそうです。
 1月20日の動画は、スタジオで撮影された映像をクロマキー合成した物だと思われます。湯川氏と後藤氏は一人一人緑色を背景にしたスタジオで跪いた映像を撮影されたのでしょう。では、スタジオの場所は何処にあるのでしょうか。
 NHKスペシャル「追跡 イスラム国」では、イスラム国のメディア部門に参加させられていたという人物が登場し、ラッカ中心にある銀行だった建物をメディアセンターにしていたと証言していました。メディアセンターには、最新の撮影機材と編集機が備えられ、各国から集められたメディア経験者20人が働いていたそうです。スタジオはメディアセンター内にあるでしょうから、湯川氏も後藤氏も撮影のために、一度はラッカで監禁されていたと考えるのが妥当でしょう。

 常岡氏は10月にイスラム国へ行こうとしたのは、再訪の約束を果たすためだったのでしょう。再訪に際して湯川氏の安否を確認したのなら、当然言うでしょうから、確認していないものと思われます。また、中田元教授は北大生のイスラム国渡航に関し、「イスラム国の知り合いの司令官と連絡を取り、学生のシリア渡航計画を伝えた」と話しており、イスラム国の身代金要求の後も「イスラム国とのパイプはある」と話していますが、湯川氏の安否については何も語ってはいません。中田元教授もイスラム国訪問後に湯川氏の安否確認をしていないのでしょう。
 人質事件になったことで、常岡氏や中田元教授がしゃしゃり出てきて救出できるようなことを言い始めましたが、常岡氏や中田元教授は湯川氏に関心があったとは思えません。常岡氏も中田元教授も、湯川氏が9月以降にどの様な扱い(裁判を受けたかどうかなど)を受けていたのか全く知らないのだと思います。

 ちなみに、常岡氏や中田元教授に協力要請していたら、人質が助かっていたでしょうか。たぶん、無理だったと思います。常岡氏は、湯川氏がイスラム教に改宗していることをもって無罪の可能性があったと言っていましたが、人質になっていたアメリカ人のピーター・カッシン氏はイスラム教に改宗していたのに斬首されました。また、サッカー・アジアカップを観戦したというだけで自国民である筈のモスルの住民のムスリムを銃殺刑にしているのです。イスラム国はムスリムであっても容赦なく惨殺しているのですから、改宗しているからといって助かることにはならないのです。
 大体、イスラム国にイスラム法に反すると追及しても無駄でしょう。イスラム国がイスラム法を厳守していると思っているのでしょうか。

・・・続く。
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「湯川遥菜さん救うチャンス逃した」 常岡浩介さんが警察批判
http://www.huffingtonpost.jp/2015/01/22/yukawa-haruna-tsuneoka_n_6521320.html
140817-21 常岡浩介氏ツイートまとめ
http://togetter.com/li/708364
北大生支援の元教授・中田考氏が語る「イスラム国」
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4290?page=1
中田考さん、イスラム国支配地域への2億ドルの人道援助を提案
http://www.huffingtonpost.jp/2015/01/21/hassan-nakata_n_6520222.html
追跡 「イスラム国」/NHKスペシャル
http://www.at-douga.com/?p=13031
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