六丈記2

備忘録のようなもの

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支持政党なし

 来る衆議院選挙で、北海道からは20人の代議士が生まれる。内訳は小選挙区から12人、比例区から8人となっている。
 自民党、公明党、民主党、共産党、維新の党は、小選挙区と比例区に候補者を立てているが、幸福実現党、社会民主党、次世代の党、支持政党なしの4党は比例区にしか候補者を立てていない。

 ここまで読んで、ふと疑問に思ったのではないだろうか。「支持政党なし」が入っているのはコピペミスでもしたのではないかと。でも、間違いではない。「支持政党なし」という名の政治団体があるのだ。かく言う私も政見放送を見るまで、こんな名の党(政治団体)があることを全く知らなかった。今まで様々な名前のミニ政党があったが、党名の衝撃度はUFO党を超えたかもしれない。
 しかし何故、「支持政党なし」という名称にしたのだろうか。それについての佐野秀光代表の説明を簡潔にまとめるとこうだ。世論調査では「支持政党なし」が圧倒的に多い。だが、その支持政党なしという民意を選挙で反映させる方法がない。よって、その民意の受け皿となるべく、「支持政党なし」という名称にしたということである。

 北海道でこんな奇妙な政治活動をしていた人がいたのかと思い、調べてみると、「支持政党なし」の本部所在地は東京であり、佐野代表も東京出身だった。国政選挙に出馬したのも今回が初めてではないとのことだ。
 2009年に政治団体「新党本質」を結成し、第45回衆議院議員総選挙に比例北海道ブロックに立候補、落選。2010年には、第22回参議院議員通常選挙に東京都選挙区から立候補するも落選。2012年に名称を「安楽死党」に変更し、第46回衆議院議員総選挙には東京4区から立候補して落選。2013年に政治団体「支持政党なし」を結成。

 典型的な泡沫候補だ。出身地の東京から出馬するのは分かるが、何故、縁もゆかりも無い北海道なのか。同じ疑問を持つ人は多いらしく、「支持政党なし」のサイトには「『何で北海道から出たの』って言うご質問が多いんですよね。 」と書いてある。
 サイトの説明によると、3つ理由を挙げている。
①擁立しなけらばならない候補者の数と供託金
②法案は日本全体の問題
③議決する場所は東京で、北海道の有権者の意思を十分に反映できる
 ②と③は北海道ブロックでなければならない理由ではない。別に東京ブロックでも九州ブロックでもいい訳だ。だから、北海道から出馬する本当の理由は①しかない。
 「擁立しなけらばならない候補者の数と供託金」だけではよく分からないので説明すると、こういうことだ。
 政党要件(国会議員が5人以上所属、又は直近の国政選挙で2%以上の得票)を満たしていないと政治団体でしかなく、小選挙区では政見放送も出来ず、相当な有名人でないと当選はほとんど不可能。比例区も基本的に政党でなければ候補者を立てることが出来ないが、例外がある。比例のブロック定数の2割以上の候補者を擁立することで比例代表に出馬可能となる。
 小選挙区は無理でも、比例区なら何とかなるかもしれないとの思惑なのだろう。
 だが、比例区は供託金が一人600万円(小選挙区は300万円)と高額なために、多数の候補者を擁立すると多額な資金が必要となる。例えば、幾つかのブロックについて必要擁立者数と最小供託金を比較すると、こうなる。
●北海道ブロック:2人 1200万円
●東 京ブロック:4人 2400万円
●近 畿ブロック:6人 3600万円
●四 国ブロック:2人 1200万円
 必要擁立者数が最小なのは11ブロックの内、北海道ブロックと四国ブロックで供託金も1200万円で済む。また、同じ供託金額でも、北海道ブロックは定数8、四国ブロックは定数6なので、北海道ブロックの方が当選し易いだろう。
 つまり、佐野代表は、最小の供託金額で当選しようとするには北海道ブロックから出馬するのが一番いいと考えているだけなのだ。

 こんな考え方をするだけに、訴える政策も突飛だ。「支持政党なし」の政策は「政策なし」なのだ。これはどういうことかというと、党としての具体的な政策がある訳ではなく、法案ごとに党のサイト上で賛否を問い、多数決の結果に従って、その通りに議決権を行使するということなのだ。代議制民主主義に直接民主制を持ち込むということなのだろう。
 アイデアは面白いが、ネット投票を実際にやるとなったら、外国人が国政に影響力を持つという問題が持ち上がる。それに、他党支持者が投票し、結果を左右することも有りうるのだから、そうなったら無党派の民意とは言えなくなるだろう。
 そもそも、国会議員の仕事は法案についての議決権を行使するだけではない。国会への法律案提出は内閣が多くを占めているが、議員立法もある。「支持政党なし」は、民意を反映させる上で議員の重要な仕事である議員立法を放棄すると言っているに等しい。内閣立法にしても、成立過程で質問などをして修正を加えるということも議員の仕事なのだが、それも放棄するということになる。

 佐野代表は一番下や左端に「支持政党なし」と表記されるように、一番最後に選管に届け出たそうだ。「支持政党なし」と書くことが政党への投票ではなく、単なる意思表明と勘違いさせる目的なのだろう。それなら、政見放送に出たのは間違いだったのではないか。「支持政党なし」が政治団体と知られると、目論見が崩れるからだ。何も発信しない方が効果的だったのかもしれない。
 たぶん、「支持政党なし」からは当選者は出ないだろうが、どの位得票することになるだろうか。
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コメント


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 支持政党なしの人を勘違いさせて票をゲットしようって、凄いアイディアですね。

 今度は「安倍政権反対の意思表示の為の投票」党を作れば、結構得票できるかも?

 実際全ての野党にはそれしかないから、全野党の票を獲得できるかも?

よもぎねこ | URL | 2014-12-16(Tue)11:32 [編集]


Re: タイトルなし

>  支持政党なしの人を勘違いさせて票をゲットしようって、凄いアイディアですね。
>
>  今度は「安倍政権反対の意思表示の為の投票」党を作れば、結構得票できるかも?
>
>  実際全ての野党にはそれしかないから、全野党の票を獲得できるかも?

 「支持政党なし」獲得票は下位3党(社民党、次世代の党、幸福実現党)の合計をわずかに上回りました。だけど、2度目は通用しないでしょう。
 選挙データーが出てきたら、改めて「支持政党なし」について書こうと思っています。

M8ボルト | URL | 2014-12-18(Thu)22:00 [編集]


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