六丈記2

備忘録のようなもの

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朝日新聞の慰安婦報道検証特集について考える【5】

◆軍慰安婦報道とマスコミの体質
 1990年代前半頃まで、強制連行があったように報道したのは朝日新聞だけではありませんでした。新聞だけではなく、TVや雑誌もそうでした。朝日新聞が他社もそうだったと言いたいのは分かります。朝日新聞ばかりが叩かれていますが、朝日新聞ほど悪質ではないにせよ他のマスコミも同様でした。
 読売新聞は、8月6日の紙面で「本紙、繰り返し誤り正す」と題し、挺身隊と慰安婦の混同があったが、社説などで挺身隊と慰安婦は異なるということ示していた、吉田証言を基に慰安婦狩りを行ったとは報じていないとしています。毎日新聞は、起きた出来事を報道しただけとしています。産経新聞は、吉田証言について、紹介した時には信ぴょう性に疑問があることを指摘し、後に虚構と報じたとしています。読売新聞は混同した記事を訂正しているのでしょうか。毎日新聞や産経新聞は、従軍慰安婦関連の報道で誤報や誤解をさせるような表現も無かったのでしょうか。朝日新聞は一応検証らしきことをし、訂正しました。他紙は自己の過去報道を検証するつもりは無いのでしょうか。TVも従軍慰安婦を広め、多くの国民に誤った認識を植えつけたことに、大きく寄与しました。新聞だけではなく、TVも自己検証すべきでしょう。

 朝日新聞が特集で読売新聞、毎日新聞、産経新聞の過去記事を取り上げ、同様の間違いを犯していたと暗に主張したことにも批判が集まりました。確かに見苦しい行為ですが、否定はしません。マスコミは自ら「マスコミの役目は権力の監視」と言っているのですから、第4の権力であるマスコミをマスコミが批判するのは本来あるべき姿だからです。慰安婦問題では、以前から産経新聞が朝日新聞を批判していましたが、新聞やTVなどの大手メディアでは特異なことでした。従来から、大手メディアでは馴れ合い体質が強く、互いの報道内容には不干渉で、名指しで批判しないのが普通でした。
 これは、日本の大手メディア報道の大きな問題点の一つです。日本の大手メディア報道が内包する問題を列挙するとこの様になるのではないでしょうか。
①1つのメディアが騒ぎ出すと、他のメディアが盲目的に追従し、同じ様な情報、論調で溢れること。
②真実を追究するするよりバッシングに走ること。
③大手メディアの馴れ合い体質。
④報道しない自由を駆使すること。
⑤説明を要求するが、自身が説明を求められても記者会見を開かず、押し黙ること。
⑥威圧的な抗議に弱いこと。

 1990年代初頭、朝日新聞が従軍慰安婦報道を始めた時、他社が安易に同じ論調で追従せずに、疑問を持ったり違う視点で報道すれば、慰安婦狩りが事実であるかのようには広まらず、政府が追い込まれて河野談話を出す事態にならなかったかもしれません。また、吉田証言の信憑性が無くなった時、朝日新聞を名指しで批判する声が大きければ、朝日新聞が長い間放置することもなく、慰安婦問題が世界に広がることも無かったかもしれません。そもそも、メディアは自ら進んで記者会見を開かねばならないという慣習があれば、もっと慎重に報道したでしょう。
 慰安婦問題を朝日新聞の誤報で終わらせず、日本のメディアのあり方自体を問わなければならないのではないでしょうか。


◆学者の見解について
 朝日新聞は8月22日に特集の英語版をホームページに掲載しました。慰安婦問題は海外に広がっているのだから、海外にも説明すべきだと指摘されたからでしょう。だけど姑息なことに、朝日新聞は、英語版を海外向けの朝日新聞サイトには載せず、国内向けの朝日新聞サイトに載せてお茶を濁しました。本音は誤報したことを海外に知られたくないのでしょう。
 この英語版は特集記事全てを英訳した訳ではなく、「米国からの視線」と「慰安婦問題特集 3氏に聞く」が抜けていました。邪推すると、秦郁彦氏の見解を知られたくなかったのでは無いでしょうか。秦氏が「前回の検証では米軍がビルマで捕虜にした朝鮮人慰安婦たちの尋問報告から、慰安婦の置かれた境遇について【一カ月三百―千五百円の稼ぎを得て(中略)『都会では買い物も許された』】と引用したくだりを今回は落としてしまった。付け加えると、彼女たちの稼ぎは兵士の数十倍という高収入で故郷へ送金していたし、廃業帰国や接客拒否の自由もあった。奴隷とは言いかねるのに、なぜか国際常識化しかけている性奴隷説に朝日は追随しようとしているかに見える。」と書いた部分を海外に知られたくなかったのでしょう。

 特集の最後は学者3人の見解でした。秦郁彦氏の見解に異論はありませんが、吉見義明氏と小熊英二氏の見解には同意しかねます。
 吉見氏は、特集からは「被害者に寄り添う姿勢がうかがえない」と主張していますが、それは報道の使命ではありません。報道機関のすべきことは、真実を広く伝え、市民の知る権利に答えることでしょう。吉見氏は、日本史研究会などの学会にも所属している歴史学者だそうですが、事実を尊重する姿勢が見られません。学者というより活動家に見えます。
 また、吉見氏は慰安婦問題で日本の責任を認めない言論が支持されるのは、根底に自国の誇りや名誉を守りたいという意識があるとみていますが、見当外れです。その様な人達は少ないでしょう。多くは、従軍慰安婦について言われていたことが嘘だと分かり、嘘を続けることに反対しているのです。吉見氏には、都合が悪い現実は見えないのでしょう。
 小熊英二氏は、軍人や役人が直接に女性を連行したか否かだけを論点しても国際的には通用せず、ガラパゴス的な弁明と断じています。はたしてそうでしょうか。キャロル・グラックコロンビア大教授やマイク・モチヅキジョージワシントン大教授の見解を読むと、慰安婦狩りが事実であると認識し、その見地に立脚して論じているように感じます。根本となった部分が崩れると、日本の世論と同じ様に考えが変わるのではないでしょうか。ガラパゴス的な弁明とすることによって、慰安婦問題の見直しを封じようとしているとしか思えません。
 また、小熊氏は慰安婦問題の解決として、各国の首脳が共同で各国の被害者に過ちを繰り返さないと誓ってはどうかと提案していますが、中韓が受け入れるはずも無いし、元慰安婦やその取り巻き連中が納得するわけもありません。そんなことで解決するなら、首相の謝罪で終わっているはずです。慰安婦問題が政治的に深刻になった根本をまるで理解していないのではないでしょうか。


◆慰安婦問題の本質
 特集は「日韓関係なぜこじれたか」で、慰安婦問題がヒートアップする過程を説明していましたが、報道は何も影響を与えなかったように書かれています。朝日新聞は8月28日の紙面でも、河野談話は吉田証言に依拠していないとし、吉田証言が広まったせいで政治が動かされたわけではないと言いたげです。紙面を使い、元慰安婦に謝罪や賠償をするように散々主張してきたのに、全く影響が無かったと言い張るなんて、開いた口が塞がりません。
 朝日新聞は、平成6年1月25日の創刊115周年記念特集で「政治動かした調査報道」という記事を掲載し、「(慰安婦問題など)戦後補償問題に、朝日新聞の通信網は精力的に取り組み、その実像を発掘してきた」「(3年に)韓国から名乗り出た元慰安婦三人が個人補償を求めて東京地裁に提訴すると、その証言を詳しく紹介した。年明けには宮沢(喜一)首相(当時)韓国を訪問して公式に謝罪し、国連人権委員会が取り上げるに至る」と書いていたそうです。自社報道が政治を動かしたと誇っていたのに、都合が悪くなると手のひら返し。これが朝日流ジャーナリズムなのでしょう。

 朝日新聞は過去「従軍慰安婦」という言葉を散々使っていたのに、今回の特集では「従軍慰安婦」を使わず、ただ「慰安婦」としています。「従軍」をあえて取ったのは、慰安婦問題の本質は「強制連行」ではなく、「自由意思を奪われた『強制性』」にあるとすり替えたからだと思います。強制連行説を維持できないために、強制性に間口を広げ、慰安婦になった過程よりも、慰安所で性行為を強要されたことを問題視するのでしょう。これからは、慰安婦は「性奴隷」だったとする路線で行くに違いません。

 特集では、慰安婦をボスニア紛争での民兵による強姦事件と同列に並べ、「戦時下での女性に対する性暴力」は女性の人権問題だと訴えています。何故、戦時下に限るのでしょうか。終戦後、満州ではソ連兵に満州開拓移民の女性が、朝鮮半島では朝鮮人に引き揚げ途中の女性が、本土ではGHQの兵士や朝鮮進駐軍と自称する朝鮮人に女性が、多数強姦されました。自国民が非常に多く被害に遭っているのに、朝日新聞をはじめとする左翼は全く目を向けようとしません。本物の強姦被害には目をつぶり、公娼であった慰安婦を被害者だと言い立てるあたりに左翼の欺瞞性がよく現れています。彼らにとっての正義は、「反日であること」であり、そのためにはでっち上げも許されると信じているのでしょう。

 慰安婦問題の本質は、女性の人権問題ではありません。慰安婦問題の本質は、「反日=正義」という歪んだ正義感、問題を作り出すことにより利益を得る人々の存在、マスコミの馴れ合い体質、政治家や役人の事なかれ主義、朝鮮の社会と民族性の問題などです。戦後の日本社会のあり方が問われる問題なのです。


・・・終わり。

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また問題のすり替えとごまかしか 朝日、再度の慰安婦特集記事
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140829/plc14082904000002-n2.htm
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