六丈記2

備忘録のようなもの

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JR北海道の事故と苦悩

 9月19日に発生した貨物列車の脱線事故で、レール幅の異常を放置していたことが明らかになり、JR北海道が危機的な状況に陥っている。危険を永らく放置していたという安全軽視の実態が明らかになったことで、全国的に騒がれたが、JR北海道は2011年の特急火災事故以降、事故や不祥事が収まらない状態なのである。
 YAHOO知恵袋にJR北海道の不祥事をまとめたページがあるので引用する。
 
*** JR北海道運行に関わる不祥事・事故まとめ ***
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n214811
 
2011.5.27(列車脱線、列車火災)
石勝線 占冠駅ー新夕張駅間を走行中の釧路駅発札幌駅行きの特急「スーパーおおぞら14号」(キハ283系、6両編成)が清風山信号場内で脱線、同場構内の第1ニニウトンネル内に停止後に全車炎上した。乗客248名避難。このうち、乗客78名が負傷(車輪の剥離やへこみにより生じた異常な振動によりエンジン部品が脱落)

2011.6.6(列車発煙)
室蘭線 長和駅構内で札幌駅発函館駅行き特急「スーパー北斗2号」3号車(キロ282-4)のエンジン付近から発煙、乗客130名避難(エンジンピストン破損)

2011.6.8(運転手居眠り)
千歳線 島松駅ー恵庭駅を走行中の札幌駅発新千歳空港駅行き「快速エアポート76号」にて運転手が居眠り。恵庭駅に1分遅れで到着。

2011.6.14(信号誤表示)
石勝線 追分駅構内にて列車通過後にも関わらず青信号から変わらない事象が発生。列車67本が運休(配線工事施工ミス)

2011.7.5(車両故障)
函館線 岩見沢駅ー上幌向駅間を走行中の稚内発札幌行きの特急「スーパー宗谷2号」4号車(キハ261-101)のエンジン付近より潤滑油漏れ。乗客165名別車両に乗り換え。(ボルト脱落による補機駆動軸脱落)

2011.7.8(労働基準法違反)
札幌中央労働基準監督署が、平成23年4月及び5月のJR北海道本社計画部門における時間外労働についてサンプリング調査したところ、1名が36協定の特別条項で定める労働組合との協議を行わずに、1ヶ月45時間の上限を超える時間外労働をさせており、36協定に違反し、労働基準法違反であるとして7月21日に是正勧告を受けた。その後の社内調査の結果、今年度を含む過去3年間で延べ約450名の違反が発生していた。

2011.9.12(社長自殺)
中島尚俊社長が36協定違反への謝罪や安全意識の向上を社員に促す遺書を残して自殺。
9月18日午前、北海道小樽市の沖合1kmで遺体発見。

2011.10.3(運転規則違反)
根室線 根室駅発ー釧路駅行きの普通電車にて運転の際、各眼1.0以上の視力が必要であるにもかかわらず、左眼に眼帯を着用した状態で運転。(省令認識不足)

2011.11.12(運転規則違反)
千歳線 苫小牧駅発ーほしみ駅行きの普通電車にて車掌が文庫本を読みながら常務。

2012.1.2(運転規則違反)
根室線 庶路駅ー大楽毛駅間 東庶路信号場停車中の帯広駅発釧路駅行きの普通電車にて車掌が私用の携帯電話を使用。

2012.2.16(貨物列車脱線)
石勝線 東追分駅構内で、JR貨物の釧路貨物駅発札幌貨物ターミナル駅行き貨物列車(DF200形ディーゼル機関車牽引、貨車15両の16両編成)が停車位置をオーバーランして安全側線に乗り上げ脱線・転覆した上、スノーシェルターの壁を突き破って停車。(減速力不足。実用試験中の新しいブレーキパッドの耐雪性能に問題か)

2012.2.26(列車発煙)
石勝線 東追分駅構内で札幌駅発釧路駅行き特急「スーパーあおぞら13号」5号車(キハ282-2003)の車内にて発煙、乗客代行バスに乗り換え(空調装置故障)

2012.2.29(列車脱線)
函館線 八雲駅構内で長万部発森行き普通列車(キハ40系ディーゼル気動車1両編成)が脱線。乗客2名タクシーに乗り換え代行輸送(線路上の積雪に乗り上げか)

2012.3.5(車両検査期限超過)
函館線 江別発手稲行きの普通列車(711系3両編成)が検査期限を超過して営業運転。(検査直前に検査期限確認漏れで不具合車両の代替車両として急遽使用したため)

2012.3.7(列車脱線)
留萌線 箸別―増毛間で、深川発増毛行きの普通列車(キハ54系ディーゼル気動車1両編成)が脱線。乗客1名をタクシーにて代行輸送。普通列車17本運休。(線路脇の斜面で土砂混じりの雪崩が発生し、線路に流入した雪や土砂に乗り上げ)

2012.4.26(貨物列車脱線)
江差線 泉沢駅ー釜谷駅間で広島貨物ターミナル駅発札幌貨物ターミナル駅行貨物列車(ディーゼル機関車牽引、貨車19両の20両編成)が脱線。(ポイント不転換)

2012.5.19(運転規則違反)
函館線 岩見沢駅構内で発車待ちの岩見沢駅発ほしみ駅行きの区間快速「いしかりライナー」にて運転士がマンガ雑誌を読みながら常務。

2012.6.21(ドア取り扱い誤り)
函館線 琴似駅構内にて小樽発旭川行の普通列車が停車位置を誤り、ドア1枚がホームから外れた状態でドアを開けた。乗客にケガ人はなかった。(運転手停車位置誤り・車掌停車位置確認漏れ)

2012.9.11(貨物列車脱線)
江差線 釜谷駅ー泉沢駅間で函館貨物駅発仙台貨物ターミナル駅行き貨物列車(DF200形ディーゼル機関車牽引、貨車20両の21両編成)が脱線。泉沢駅の上りホーム(函館駅方)に、脱線した車両が接触し損傷。

2012.9.19(列車オイル漏れ)
千歳線 新札幌駅構内で停車中の札幌発函館行き特急「北斗14号」(6両編成)からオイル漏れ。快速エアポート39本など計112本が運休、遅れ。

2013.4.8(列車火災)
函館線 八雲駅構内で札幌発函館行き特急「北斗20号」のエンジン付近から出火、乗客約200人が避難(燃料噴射ポンプ内のスライジングブロック破損)

2013.5.5(列車火災)
函館線を走行中の旭川発札幌行き特急「スーパーカムイ6号」(5両編成電車)で、1号車の床下の車軸付近から、出火。乗客約60人避難。(車軸軸受発熱)

2013.7.6(列車火災)
函館線 山崎駅ー鷲ノ巣駅間走行中の札幌発函館行き特急「北斗14号」の4号車エンジン付近から出火、乗客約200人が避難。(エンジンブロック破損)

2013.7.15 (列車火災)
千歳線 上野幌駅-北広島駅間走行中の札幌発釧路行き特急「スーパーおおぞら3号」3号車(キロ282-2)の車内で出火、135人避難(配電盤エアコンスイッチ出火)

2013.7.25 (列車緊急停止)
函館線 桑園駅で、江別発小樽行き区間快速「いしかりライナー」(6両編成)の運転士が、車掌からの出発合図の前に列車を発車。車掌は直後に非常ブレーキをかけ、緊急停止させた際、乗客11名が足首をひねるなどのけがをした。(運転手出発合図確認漏れ)

2013.7.30(運転手覚せい剤使用)
北海道警察は、北海道江別市高砂町、JR北海道運転士(30)を覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで緊急逮捕し、発表した。北海道警察は、覚醒剤使用後に列車を運転していないかについても調べている。

2013.8.17(貨物列車脱線)
函館線の八雲駅ー山越駅間走行中の札幌貨物ターミナル発福岡貨物ターミナル行きの貨物列車(DF200形ディーゼル機関車牽引、貨車20両の21両編成)が脱線(線路上の倒木に衝突)

2013.9.7(運転手車両破壊)
札幌運転所構内で、札幌発上野行き寝台特急「北斗星」の自動列車停止装置(ATS)が作動し出発が遅れた。(確認ミスを隠蔽するために運転手が機関車にあるATSのスイッチ2個をハンマーで故意に破壊)

2013.9.19 (貨物列車脱線)
函館線 大沼駅構内で帯広貨物駅発熊谷ターミナル駅行き貨物列車(DF200形ディーゼル機関車牽引、貨車17両の18両編成)が脱線。(基準値を大幅に超える線路状況に気づきながらも整備せずに放置)

2013.9.22 (レール補修放置)
19日の脱線事故を受けた調査の結果、本線で49か所、貨物列車や通過待ちの列車が使う副本線で48か所の計97か所でレールの幅や左右のレールの高低差などで社内の基準を上回っていたのに期限内に補修せず放置していた規程違反が判明。(社内コミュニケーション不足)

2013.9.25 (レール補修放置)
19日の脱線事故を受けた調査の結果、22日発表分に引き続き170か所でレールの幅や左右のレールの高低差などで社内の基準を上回っていたのに期限内に補修せず放置していた規程違反が判明。(国鉄時代とJR時代の2種類の基準値を混同)
************************************************
 
 2年半足らずの間に非常に多くの事故や不祥事を起こしている。JR北海道はこの間、何の対策もしていなかった訳ではない。
 2011年5月の特急「スーパーおおぞら14号」火災事故後、国土交通省から事業改善命令・改善指示が出され、JR北海道は「安全性向上のための行動計画」を策定し、改善措置報告書を国土交通省に提出して再発防止に取り組んでいる。今年、列車火災が続発した後は、「車両の老朽化が進み、輸送サービスレベルを維持する中でメンテナンスが十分に行われていない問題があった」と認め、再発防止策を国土交通省に報告して対策に乗り出している。
 しかし、事故や不祥事は次から次へと発生し、JR北海道の再発防止策の効果は有ったのか疑問が残る結果に終わった。杜撰な保線が明らかになった後、野島誠社長は「石勝線の事故後、社員一丸でやっていこうと言い、実態はこう(いうずさんな管理)だった。反省したい」と語っている。掛け声だけで体質改善が出来なかったのだから、効果が現れないのも当然か。
 
 JR北海道の杜撰な管理体制は、今月の函館線貨物列車脱線事故の後、浮き彫りになった。その経過を簡単に書き出してみる。 
 貨物列車脱線事故の現場調査でレール幅が整備許容値を超えていたことが判明、今年6月の点検で許容値を超えていたことを把握しながら、補修せずに放置していたことが明らかになった。
 JR北海道は21日の記者会見で、脱線現場以外の8カ所でも許容値を超えていながら補修せず、放置していたことを認めたが、保線部門の責任者の笠島雅之工務部長は「なぜ放置されていたのか全く分からない」、「まだ現場の聴取ができていない」と繰り返した。その一方で、本線の管理は軌道検測車と呼ばれる車両でレール幅を計測し、各保線所と本社にデータが自動で送られ、双方で誤差をチェックしていると説明。更に、脱線を招いた副線と同様の事案は見つからなかったと語った。また、この記者会見では、レール幅の許容値超過が分かったのは当初今年6月としていたが、実は昨年10月だったことも明かされた。
 翌22日の記者会見で、笠島工務部長はレール幅データについて「本社では調べていなかった。チェックが行われているという思い込みがあった」と前日の説明を翻し、すべて現場任せだったことを認めた。データは本社に来ていたが、それをチェックする仕組み自体がなかった。また、レール異常の放置が本線を含めて新たに88カ所判明したと発表され、前日の説明と食い違いを見せた。
 野島社長は異常を放置した理由について「連携が切れて、補修を先延ばしするうちに失念した」と説明し、「現場に何が不足しているか、よく検討しなければならないが、人員削減の分、グループ会社の態勢を強化してきた」と人員が確保されていることを強調、経費削減で線路整備が追いついていない可能性を否定した。また、この日までに判明箇所全てで補修を終えたことを発表した。
 25日、豊田誠常務鉄道事業本部長が新たに170カ所のレール異常の放置をしていたことを明らかにし、異常を放置していた箇所は計267カ所に膨らんだ。前日の会見で「レール異常はもうない」と断言していたが、1日で撤回することになった。この日明らかになった170カ所は新旧の基準値を混同していたことが原因であり、長期間に及んでいた可能性があるとのこと。保線担当者が基礎的な知識を身に付けていなかったことが明らかにされた。
 
 この経過をみると、JR北海道の幹部が現場を全く把握していなかったことが分かる。本社が現場を実質的に管理する体制ではなかったから、説明が二転三転したのだ。
 JR北海道の保全に関する体制がどの様になっているのか具体的な報道がないので不明ではあるが、JR北海道のサイトを見てみると、JR北海道は各種業務をグループ会社に委託しているようだ。北海道軌道施設工業(株)の紹介文には「JR北海道の全線にわたる軌道の検測、工事、土木工事および保線機械業務などを行い、線路を総合的に保守しています。」と書いてあるので、保線業務は北海道軌道施設工業が担っていると思われる。保線業務の人員について、野島社長が「人員削減の分、グループ会社の態勢を強化してきた」と言っていることからも、そう思われる。実務は子会社が行い、本社は報告を受けるだけだったのではないだろうか。
 
 JR北海道の屋台骨を揺るがす事態に発展し、地元メディアは社員やOBなどの声を伝えている。
●中堅社員が極端に少なく、団塊の世代の退職で技術がうまく継承されていない。
●現場の声を代弁して上にものを言う人がいなくなった。
●金が掛かる提案は初めから却下、コスト削減ばかりを求められる。
●現場は圧倒的に人とモノが足りていない。レールの補修が、内規で定められた15日以内の期限を過ぎることを承知の上で、先送りするケースは日常的にある。(ベテラン保線社員)
●この15年ほどで社員の数が3分の2ほどに減った。レールの小さな異常は原則、外注せずに社員が補修しているが、定期的な線路の巡回などと重なる場合は、一時的に補修に手が回らなくなる。(保線所の社員)
●予算の制限から、朽ちた枕木を満足に交換できないことも多々ある。(保線所の社員)
 内部告発という性格上、発言者がどのような身分なのかは明確にされていない。社員と言っても、本社なのか子会社なのか、それとも協力会社なのかハッキリしないが、保線業務の現場からの声であることは間違いないだろう。
 これらの声からは常にコスト削減を求められ、十分にコストを掛けられない様子がうかがえる。本社が子会社に厳しいコスト削減を要求していたのだろう。子会社がそれに従順に従うとしたら、人件費を圧縮するために外注するのが手っ取り早い。小泉政権以降、多くの企業がアウトソーシングを広げた。それが世間の潮流だった。JR北海道もご多分に漏れず、アウトソーシング化を進めていたに違いない。
●JR北海道が保線業務を発注

●北海道軌道施設工業が受注し、北海道軌道施設工業の協力会社に割り振る

●協力会社は下請け会社から作業員の供給を受ける
 こんな体制になっていたのではないだろうか。労働者過剰の状況下で受注金額が下がり続けると、元下関係の重層化が進み、実際に作業するのは孫受け、曾孫受けの労働者になりがちだ。
 全くの想像だが、補修現場は、北海道軌道施設工業の社員1人、協力会社の社員3人、下請け会社の社員6人なんてことになっているのではないか。だから、あれだけの箇所を一気に補修完了できたのだろう。
 保線は特殊な仕事だから、下位の労働者ほど技能者は少なくなり、技術力の低下は避けられず、鉄道マンの誇りとか気概なんてものは期待できない。一体感は無くなり、意識改革は困難だ。
 
 JR北海道がこれ程までにコスト削減に躍起になるのには理由がある。JR北海道は見かけ上黒字だが、実質は赤字企業なのだ。
 平成25年の決算公告にはこうある。
■鉄道事業
 営業収益  776.82億円
 営業費  1112.39億円
 営業損失  335.56億円
■関連事業
 営業収益   67.14億円
 営業費    40.94億円
 営業利益   26.20億円
全事業営業損失309.36億円
 
一般営業外収益 11.80億円
一般営業外費用  1.66億円
 
経営安定基金運用収益 254.09億円
鉄道建設・運輸施設整備支援機構特別債権受取利息収益 55億円
 
経常利益     9.86億円
 
 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(略称JRTT)は、日本鉄道建設公団と運輸施設整備事業団を統合した政府系の法人で、JR北海道、JR九州、JR四国及びJR貨物の100%株主である。
 経営安定基金は、民営化時に赤字になる部分を資産運用収益で埋め合わせる目的で創設された基金で、JR北海道は6822億円を受け入れてる。経営安定基金評価差額金等があって、経営安定基金資産は7327億円。ここからJRTTに貸付(短期601.34億円、長期1149.1億円)が行われ、83.94億円の利息を受け取っている。JRTTへの貸付は「経営安定基金の機能維持策によるものであり、利率は年3.73%」と説明されている(関係当事者との取引に関する注記参照)。
 鉄道建設・運輸施設整備支援機構特別債権はJRTTからの無利子の借り入れであり、2200億円ある。この資金をJR北海道はJRTTに貸し付け、55億円の利息を受け取っている。
 要するに、JR北海道はJRTTから利息という形の補助金で鉄道事業の赤字を埋め、黒字決算にしている。JR北海道はJRTTなどの支援なしには経営がなりたたない状況なのだ。しかし、支援は無尽蔵ではないのも事実だ。
 JR北海道発足時、経営安定基金の運用益は500億円くらいあった。しかし、バブル崩壊後、低金利時代になり、運用益は半分になった。その分、収入を増やして増益したり、コスト削減しなければならなかったのだ。
 
 JR北海道は発足当初から厳しい経営環境に置かれていた。赤字路線を多く抱え、単年度赤字は500億円位だった。そのため、経営合理化は必須であり、不採算路線の廃止を積極的に行ってきた。発足時は21路線3176kmだったが、14路線2499kmまで大幅に削減した。また、発足時の社員数は約1万3千人であったが、約7千人に半減させた。
 この様に大きなリストラを断行したのではあるが、14路線の大半は赤字路線であり、黒字路線は3路線と言われている。黒字転換しないのは、多くの路線が過疎地域を走っており、乗客が少ないことが主たる原因だ。北海道では、年々札幌への一極集中が進み、地方は過疎化に拍車が掛かっているため、赤字路線が黒字転換する見込みは無い。
 また、乗客が少ないということ以外にも赤字の原因はある。北海道は広大で極寒であるため、鉄路を維持するための条件が他のJRよりも厳しい。凍結などにより鉄路が痛みやすく、莫大な除雪費も掛かる。また、列車の車両劣化も激しく、多額の維持費用を要する。
 
 JR北海道はコスト削減ばかりしていたのではない。乗客を増やす努力もしていた。
 北海道には新千歳空港以外に、稚内空港、女満別空港、中標津空港、釧路空港、函館空港、丘珠空港など地方空港が12あり、航空網で結ばれている。
 JR北海道は、この航空網との競争に勝つためにスピードアップを追い求めてきた。特急の運行本数を倍増させ、特急列車の最高速度も上げた。速度アップのために振子式特急列車を導入し、カーブの通過速度も上がった。スピードアップにより、大幅な時間短縮を実現し、飛行機に対して打ち勝ったとも評されている。だが、一方で在来線における限界といわれるスピードアップは、車両などにも負担を強い、事故を誘発しているとも言われている。
 コスト削減や収入アップを目指しても、限界があり、鉄道事業の赤字解消は見込めない。それで、JR北海道は積極的に経営の多角化を進め、鉄道事業以外で収益を得ようとしていた。JRタワーをはじめ、ホテルやマンションの不動産開発は順調で、利益を上げている。しかし、鉄道事業の赤字が巨額すぎて、それを埋める程ではない。
 
 JR北海道の安全に対する意識は低く、杜撰な管理体制だったのは事実だ。鉄道事業者として適格を欠いていると批判するのは容易い。だが、JR北海道は怠惰だったために安全を疎かにした訳ではない。経営努力をしても解消できない程の負の遺産を背負い、追い詰められて安全を疎かにしてしまったという背景があるのだ。だからといって、許されることではないが。
 根本的なことは、北海道の鉄道網をどうするかということだ。赤字路線を廃止し、僅かな路線のみを残すのか、現在の鉄道網を維持し、赤字を容認する体制を構築するのか。大きな問題だけに、国、自治体を巻き込んだ難しい議論になることは避けられないが、今のJR北海道のままではどうにもならない。それは事故防止対策をしても改善されないことで明らかだ。
 何らかの決断をしなければならない時期になっているのではないか。
 
//////////////
JR北海道
http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/index.html
整備体制の欠陥認める JR北海道、国交省に報告
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130720/dst13072000230000-n1.htm
信頼回復の先頭に立つ
http://www.zaikaisapporo.co.jp/kigyou/intervew/117.shtml

 

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