六丈記2

備忘録のようなもの

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対馬の仏像窃盗騒動1

 2012年10月、韓国人窃盗グループ(主犯格は前科13犯の69歳の男)が対馬で、海神神社の「銅造如来立像」(国指定の重要文化財)と観音寺の「観世音菩薩坐像」(県指定の有形文化財)及び多久頭魂神社の仏教経典「大蔵経」を盗んだ。大蔵経は犯行後捨てられたと見られ、仏像2体は福岡発のフェリーで韓国に持ち込まれた。釜山港の税関通関はこの仏像について文化財鑑定官室に鑑定を依頼。鑑定委員2人が肉眼で30分程検査した後、「制作から100年も経っていない偽作」と判断したため、そのまま韓国内に持ち込まれた。
 12月17日、日本政府がインターポールを通じて韓国警察に捜査依頼をする。韓国警察は釜山税関に残っていた記録を基に犯人を特定。仏像を巨額で売却しようとしていた窃盗グループの一部を2013年1月22日に逮捕した。仏像2体は警察に押収され、精密鑑定ために韓国文化財庁が保管。窃盗グループは8人で、主犯格の男はインターネットで対馬に国宝級の文化財があることを知り、現地踏査などをして、緻密に準備した上で犯行を行っていた。
 
 押収された仏像について、韓国の文化庁は仏像が略奪されたという証拠がない限り所有権のある日本に返還される可能性が高いとしてきたが、「韓国で作られたもの」だからと市民団体を中心に返還反対論が過熱。観世音菩薩坐像は1988年頃から浮石寺の関係者が所有権を主張し、返還を要求していたことや、日韓併合100年(2010年)を機に、韓国では文化財返還を求める運動が高まっていることが背景にあるものと思われる。
 返還反対運動にともない、仏像の流出の経緯について韓国内で議論が巻き起こった。
 ムン・ミョンデ東国大学名誉教授は「信者から布施を受け多額を投じて作った仏像を外国に寄贈できるというのか。常識的にあり得ない」と言い、「倭寇により略奪されたことはほぼ確実だ」と主張する。
 これに対し、チョン・ウンウ東亜大博物館館長は「略奪説はさまざまな可能性のうちの一つにすぎない。高麗王朝時代の後期以降、日本へ仏像を販売・寄贈するなど交流が盛んになったため、証拠がなければ『略奪物』とは断定できない」と反論。
 韓国最大の仏教宗派、大韓仏教曹渓宗の瑞山市住持評議会は「文化財の不法略奪、不法流出、盗難経行為ついては、歴史的・時代的状況を遡及して適用すべきだ。窃盗団は法に従い厳重に処罰されるべきだが、仏像は過去の流出経路が明らかになるまで日本に返還してはならない」と表明。
 
 大韓仏教曹渓宗浮石寺が14世紀に同寺で作られたと主張し、仏像を保管する韓国政府に対し移転禁止を求める仮処分を大田地裁に申請。2月26日、大田地裁第21民事部(ギム・ジンチョル部長判事)は「観音寺が仏像を正当に取得したことが裁判で明らかになるまで、韓国政府は仏像に対する占有を解き、浮石寺が委任した執行官に仏像を預けなければならない」と決定を下した。600年以上前の取得経緯を証明することはほぼ不可能なので、事実上、このまま韓国内に留め置き、返還しないということになった。
 
 浮石寺の僧侶は「時期的なものを突き詰めれば、日本が盗んだことが先です」と話し、仏像の所有権は自分たちにあると主張。「仏像をなくしたことが、どれくらい大きな痛みか、よくわかります。今回は、傷ついたその方に慰労の言葉や手紙を差し上げて、われわれの寺を象徴するマスコットや小さな仏像も、贈り物として持っていきます」と観音寺訪問を明かし、「仏教的な対話をして、日本のお寺が同意する中で、この問題を解決したい」と話した。
 3月14日、浮石寺の円牛僧侶ら6人が二十数年前に他の仏像を真似て作ったという青銅製の仏像、寺のマスコット人形3体(一体約870円)、手紙を持参し、観音寺を訪れる。しかし、観音寺側は「会いたければ、盗まれた仏像を背負ってこいと言いたい」と門前払い。
 3月15日も面会ならず、円牛僧侶が「最も懸念しているのは盗難により日韓関係が悪化することだ」「近く観音寺を訪ねて縁を深めたい。私たちは多くのことを理解し、共感できると信じている」「最初の居場所に戻ることを切実に願っているのも事実」と手紙の内容を読み、「世俗的な欲は捨て、(観音寺の)住職には仏の教えに従って行動してほしかった」との言葉を残して、浮石寺の僧侶らは帰国。
 
 以上がこれまでの経過だ。
 
続く・・・。

 

 

 

◆持参した浮石寺マスコット
 
 

◆銅造如来立像
像高約38センチ。朝鮮半島で8世紀に作られたと推定される。1974年に国の重要文化財国重文に指定された。95年に約1億円と鑑定された。
 
 

◆金銅観音菩薩座像
像高約50センチ。像内から発見された結縁文により、天暦3年(1330)浮石寺に於いて戒真等三十数名の人々の発願によって造立されたことが知られている。長崎県指定の有形文化財。
 
 

◆大蔵経
多久頭魂神社は727冊を所有。長崎県指定の有形文化財。

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