六丈記2

備忘録のようなもの

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靖国神社の放火犯は中国人? 続報17

前エントリーの続き・・・
  
 判断基準は問題ないとしても、認定は如何だろうか。それぞれの基準に沿って順番に検討してみる。
▲「犯行の動機が個人的なものではなく、政治的なのか」
 認定された動機は「日本軍慰安婦など、過去の歴史的事実に対する日本政府の認識と政策に怒りを感

じた結果」であった。劉強は「昨年12月の日韓首脳会談で、慰安婦問題を回避しようとする日本側の

誠意のない態度が不快で、靖国神社に放火し、今回の事件を起こした。」と語っていたから、それをそ

のまま認定した模様だ。
 劉強は従軍慰安婦について謝罪しない野田首相に怒りを感じたかもしれないが、それは中国国民とし

てより私人としての怒りだろう。劉強は従軍慰安婦の孫を自称し、ソウル高裁の最終陳述で「同じ血が

流れる裁判長が祖母と私の怒りを理解し正義を実現させてほしい」と訴えていた。明らかな私怨で、個

人的なものではないとするには無理がある。
 また、「個人的な利益を得ようとする動機もなかった」とも認定している。果たしてそうだろうか。

靖国神社放火事件後の劉強の行動を書き出すと次の通りになる。
 12月26日:韓国に入国。
 12月27日:韓国メディアに自ら連絡し、靖国神社の放火を告白。
1月3日~7日:中国のサイトに犯行告白や動画投稿を投稿。
        中国の友人(黄城)に電話して拡散以来。
  1月 8日:日本大使館に火炎瓶を投げつけ、逮捕。
 自ら靖国神社の放火をアピールし、広く知れ渡るように行動している。日本大使館への放火も注目を

集めるためとも思える。
 中国から憎悪されている靖国神社を攻撃すれば、尖閣漁船衝突事件の船長のように英雄扱いされるの

は容易に想像できる。事実、劉強は帰国後、政府やマスコミ、民衆から英雄扱いされている。本当の動

機は反日パフォーマンスで名声を上げることみるのが妥当ではないか。
 
▲犯行の目的が一国の政策を変化させようとしたものか
 ソウル高裁の決定には犯行の目的が明確に示されていない(記事に書かれていないだけかもしれない

が)。なので、判断のしようがない。
 しかし、「圧力を加えようとした犯行」とあるから、圧力を加えることが犯行目的だったと認定した

のかもしれない。ただ、誰に圧力を加えようとしたのかが分からない。日本政府なのか、宗教法人靖国

神社に対してなのか。それに、圧力を加えた結果、何を変化させようとしたものなのかも分からない。

仮に犯行目的が「日本政府に圧力を加えること」だとして、日本政府のどんな政策を変えさせようとし

たのか。
 劉強がアップした動画(靖国神社の放火犯は中国人? 続報3 参照)で「在日米軍の撤退」「靖国神

社の撤去」「従軍慰安婦に謝罪」の3つを要望していた。ソウル高裁の審理ではどの様に扱われたのだ

ろうか。この3つを実現させるために日本政府に圧力を加えることが目的だったとすると、「在日米軍

の撤退」と「従軍慰安婦に謝罪」は日本政府の政策を変化させようとするものと認められるだろう。し

かし、「靖国神社の撤去」は微妙なところだ。靖国神社が政府の管理下にないため、「靖国神社の撤去

」が政府の政策になるのかと疑問に思う。政府が撤去するためには一旦国有財産にする必要があるだろ

う。もし、「靖国神社を国家管理しろ」というのなら政策の変更になるとは思うが。
 
▲犯行対象が何を象徴するのか
 靖国神社に対して、戦犯が合祀されていて閣僚が参拝しているからと「法律上は宗教団体の財産であ

るが、国家施設に相応する政治的象徴性がある」と認定。
 かつて靖国神社は官社だったが、今は国家管理を離れて一宗教法人だ。政府が運営等に介入できる訳

ではない。それを国家施設とみなしたのは「国家の権力関係、および国家の機構に対する攻撃」でない

と政治犯罪と認定できないからだろう。
 閣僚の参拝は公務ではないし、戦犯とされた人物が祭られていることで国家施設とみなすことが出来

るとしたら、東條(英機)家の仏壇や菩提寺も国家施設扱いになってしまう。
 しかし、他の理由でなら国家施設とみなせる可能性もなくもない。各国の要人が参拝していることか

ら、アメリカのアーリントン国立墓地のような施設と各国から認識されていると示し、国家施設とみな

すことは可能かもしれない。少なくとも戦犯の合祀や閣僚の参拝を云々するより説得力はあるだろう。

ただ、韓国靖国神社を「国際的に国立戦没者墓地の様な存在と認識されている」とは間違っても認め

ないことだろうが。
 
▲犯行と政治的な目的が有機的に関連性があるか
 前述のように犯行の目的が明確に示されていないので、判断のしようがない。
 仮に「在日米軍の撤退」「靖国神社の撤去」「従軍慰安婦に謝罪」の実現のために日本政府に圧力を

掛けることが目的なら、靖国神社に放火しても日本政府に圧力が掛かる訳ではないから、関連性は認め

られない。
 ただ、「靖国神社の撤去」自体が目的なら、放火により靖国神社が焼失したとすると、「靖国神社

撤去」とも取れなくもないから関連性は認められると思う。
 
▲犯行の法的・実体的性格
 この基準の意味がよく分からないが、法的性格とは犯行によって追求される罪名(建造物等以外放火

犯罪)のことで、実体的性格とは犯行の性格(圧力を加えようとした犯行)ということだろうか。
 
▲犯行の残虐性
 「人的被害が発生せず、物的被害も少なく、反人倫的犯罪と見る余地もなかった」と認定している。

犯行による結果の重大性や建造物等以外放火という犯罪が、犯行よって追求された目的よりも軽いと判

断しているのは確かだが、犯行の目的が明示されていないので、その認定の妥当性について具体的に検

討をすることは出来ない。
 ただ、放火が「反人倫的犯罪と見る余地もない」犯罪としていることについては違和感がある。放火

はその程度の軽い犯罪なのか。犯罪の重軽の感覚はたぶんにその社会の価値観に左右されるものだが、

韓国人にとって放火は軽い罪と捉えているのだろうか。
 
 認定をみてみると、上記のようにかなり強引だ。とても妥当的な認定とは思えない。
 ソウル高裁の決定は「日本と韓国中国との間の歴史的背景、政治的状況、大多数の文明国の普遍的

価値を考慮し」結論を出したとある。純粋に法的に判断したのではなく、「政治的状況」が加味された

のである。「政治的状況」について説明はされていないが、過去に韓国紙が書いていたように「反日国

内世論」とか「中国政府の圧力」と理解するのが適切なのだろう。
 劉強の扱いに困っていた韓国政府は以前から「条約を履行するとは限らない」という態度を採り、難

民認定の可能性を探ったりしていたので、裁判所の判断という形を採り、中国に帰国させる方針だった

のだろう。予定通りということだ。
 
 ソウル高裁は「政治的な犯罪を行った劉元受刑者を日本に引き渡すことは、韓国の政治秩序と憲法理

念だけでなく、大多数の文明国の普遍的な価値を否認するもの」と説明したとの報道もある。
 劉強は昨年1月、ソウルの日本大使館に火炎瓶を投げつけて逮捕され、懲役10月の判決が確定し、

韓国で服役した。
 日本大使館は日本政府の対外代表機関だから、靖国神社放火よりも日本大使館放火の方がより政治犯

罪的だ。しかし、韓国政府は劉強を庇護せず、ソウル高裁も政治犯罪に言及することも無く判決を確定

させている。韓国は劉強を普通犯罪を犯した者として扱っていたのだ。
 同様の犯罪を犯しても、韓国でなら普通犯罪で、日本でなら政治犯罪になるなんておかしいだろう。

この捩れた判断こそが「大多数の文明国の普遍的な価値を否認するもの」ではないか。
 
 日韓犯罪人引き渡し条約では、被請求国が引渡しの請求を拒む場合には、条約中の関係規定を特定し

て理由を示さなければならず、いずれか一方の締約国の要請によって、この条約の解釈及び適用に関し

協議することが出来るとなっている。
 日本政府は協議の要請をしているのだろうか。慣例を尊重し、「個別の案件、措置について照会に応

じない」と情報公開を拒むだろうから、国民が納得できるような対応をしているのか知ることは出来な

いだろう。国民に知られないし、日韓関係は大事だからと配慮すると益々韓国に日本は軽く見られるこ

とになる。ここでキッチリ釘を刺しておかないと、こうした事例を助長することになる。
 
*****「犯罪人引渡しに関する日本国と大韓民国との間の条約」抜粋*****
第三条 引渡しを当然に拒むべき事由
この条約に基づく引渡しは、次のいずれかに該当する場合には、行われない。
(a)引渡しを求められている者が請求国において引渡しの請求に係る犯罪について有罪の判決を受け

ていない場合にあっては、被請求国の法令上当該犯罪をその者が行ったと疑うに足りる相当な理由がな

い場合
(b)引渡しを求められている者に裁判が行われることが十分に通知されておらず、又は法廷における

防御の機会を与えられておらず、かつ、自ら出席して再審を受ける機会を与えられておらず、又はその

ような機会を今後与えられることのない場合において、その者が請求国において引渡しの請求に係る犯

罪について欠席裁判により有罪の判決を受けているとき。
(c)引渡しの請求に係る犯罪が政治犯罪であると被請求国が認める場合又は引渡しの請求が引渡しを

求められている者を政治犯罪について訴追し、審判し、若しくはその者に対し刑罰を科する目的で行わ

れたものと被請求国が認める場合。この場合において、次の犯罪は、それ自体を政治犯罪と解してはな

らない。
(i)いずれかの締約国の元首若しくは政府の長若しくはそれらの家族に対し、そのような者であるこ

とを知りながら行った殺人その他故意に行う暴力的犯罪又はそれらの犯罪の未遂(当該未遂が犯罪とさ

れる場合に限る。)
(ii)両締約国が当事国である多数国間の条約により、引渡犯罪に含めることを両締約国が義務付けら

れている犯罪
(d)引渡しを求められている者が被請求国において引渡しの請求に係る犯罪について訴追されている

場合又は確定判決を受けた場合
(e)引渡しの請求に係る犯罪について、被請求国の法令によるならば時効の完成その他の事由によっ

て引渡しを求められている者に対し刑罰を科し又はこれを執行することができないと認められる場合(

当該犯罪についての管轄権を有しないことが理由である場合を除く。)
(f)引渡しを求められている者を人種、宗教、国籍、民族的出身、政治的意見若しくは性を理由に訴

追し若しくは刑罰を科する目的で引渡しの請求がなされていると、又はその者の地位がそれらの理由に

より害されるおそれがあると被請求国が認めるに足る十分な理由がある場合
第四条 引渡しを裁量により拒むことのできる事由
この条約に基づく引渡しは、次のいずれかに該当する場合には、拒むことができる。
(a)被請求国の法令により、引渡しの請求に係る犯罪の全部又は一部が被請求国の領域又は船舶若し

くは航空機において犯されたものと認められる場合
(b)引渡しを求められている者が第三国において引渡しの請求に係る犯罪について無罪の判決を受け

た場合又は有罪の判決を受け、科された刑罰の執行を終えているか若しくは執行を受けないこととなっ

た場合
(c)引渡しを求められている者の年齢、健康その他個人的な事情にかんがみ、引渡しを行うことが人

道上の考慮に反すると被請求国が認める場合
(d)引渡しを求められている者に関し、引渡しの請求に係る犯罪について訴追をしないこと又は訴え

を取り消すことを被請求国が決定した場合
第十二条 引渡しの決定及び実施
1 被請求国は、外交上の経路により、引渡しの請求についての決定を請求国に対し速やかに通知する

。引渡しの請求の全部又は一部を拒む場合には、この条約中の関係規定を特定して、理由を示すものと

する。
2 被請求国は、被請求国の領域内の、かつ、両締約国にとり受入れ可能な場所において、引渡しを求

められている者を請求国の適当な当局に引き渡す。
3 被請求国は、その権限のある当局が引渡状を発したにもかかわらず、引渡しを求められている者の

引渡しを被請求国の法令により定められた期限内に請求国が受けない場合には、その者を釈放し、その

後において当該引渡しに係る犯罪についてその者の引渡しを拒むことができる。請求国は、引き渡され

た者を、被請求国の領域から速やかに出国させる。
第十六条 協議
1 両締約国は、いずれか一方の締約国の要請により、この条約の解釈及び適用に関し協議する。
2 日本国の権限のある当局及び大韓民国法務部は、個別の事案の処理に関連して、並びにこの条約を

実施するための手続の維持及び改善を促進するため、直接に相互間の協議を行うことができる。
******************************************************************
 
///////////////////////////////////////////////////
<裁判所が靖国放火 "政治的犯罪"と見根拠は>
http://translate.google.co.jp/translate?sl=ko&tl=ja&js=n&prev=_t&hl=ja&ie=UTF-

8&eotf=1&u=http%3A%2F%2Fwww.yonhapnews.co.kr%2Fbulletin%2F2013%2F01%2F03%

2F0200000000AKR20130103191400004.HTML

靖国放火中国人の日本引き渡しを拒否=韓国高裁
http://japanese.joins.com/article/019/166019.html?servcode=A00&sectcode=A10

靖国神社放火は政治的抗議、日本に引き渡せば迫害受ける」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/04/2013010400824.html

犯罪人引渡しに関する日本国と大韓民国との間の条約
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/treaty_020419.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/t_020419.pdf

はてなキーワード 政治犯
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%AF%BC%A3%C8%C8

政治犯罪概念の国際法的考察
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/6284/1/A05111951-00-021000001.pdf

「平成2(て)37 逃亡犯罪人引渡審査請求事件 平成2年04月20日 東京高等裁判所 第五特別部」
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/E6117D25373002FA49256CFA0007B700.pdf

 

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