六丈記2

備忘録のようなもの

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猫ひろしの例は他の帰化選手の場合と本質的に異なる

 国際陸上競技連盟により参加資格を満たしていないと判断され、カンボジア代表に選ばれていた猫ひろし氏のロンドンオリンピック出場は断たれた。国籍変更後1年間は国際大会に出場できないとの規則に違反していると判断され、特例措置も認められなかった模様だ。良識的な判断だと思う。
 カンボジア・オリンピック委員会は「早急に人選をし、別の選手を派遣する」との意向を示している。猫ひろし氏の記録より6分53秒速い記録を持つカンボジア最高の長距離ランナーのヘム・ブンティン氏はカンボジア五輪委員会と対立し、代表チームから外されているが、実力を基準にして選手選考が行われることが望まれる。

 

 猫ひろし氏がカンボジア代表に選出された後、ネット上を中心に強い批判の声が上がった。これに対して、陸上選手の為末大氏は世界的にみれば、国籍変更してオリンピックの出場する選手は大勢いるとコメントしていた。
 確かに、裕福な中東の国がアフリカ出身の有望選手を買い集めてメダルを取得しようとする行為は実際にある。国威発揚目的ではなくとも、オリンピック出場のために選手自ら国籍変更する場合もある。例えば、アメリカ国籍を取得してトリノオリンピックに出場した井上怜奈選手やバンクーバーオリンピックにロシア代表として初出場した川口悠子選手がいる。彼女達は猫ひろし氏と同じく日本国籍を放棄して、他国の代表になった。
 しかし、これら帰化選手と猫ひろし氏は本質的に異なる。帰化選手は参加標準記録を突破して自らオリンピック出場枠を取得したりするのに対し、猫ひろし氏は参加標準記録を突破出来ずに特例枠で出場しようとしていた。つまり、帰化選手はオリンピックで戦うに相応しい実力を備えているが、猫ひろし氏は相応の実力が無いのである。ここが決定的に違う点だ。
 クーベルタン男爵は「オリンピックで重要なことは、勝つことではなく参加することである」と言ったが、猫ひろし氏の例を認めるとオリンピックを舞台にした不正を助長しかねない。IOCにとっては「メダルをカネで買う」行為より「出場枠をカネで買う」行為の方が問題は大きいのではないか。
 
 猫ひろし氏は2010年12月にカンボジアでのハーフマラソンで3位になったことが評価され、同国政府などから国籍を変更した上での五輪挑戦の打診を受けたため、カンボジア国籍を取得したとしているが、国籍取得方法を明らかにしていない。カンボジアの国籍を取得するには以下の条件がある。
********************
<主な条件>
1)同国に7年以上継続して居住し、クメール語、歴史を理解していること
2)カンボジア国籍を持つ者と3年以上婚姻関係がある
<その他>
3)カンボジアの産業に約2500万円の投資、もしくは同国に約2000万円を現金で寄付した場合
4)同国に特別な功績や利益をもたらすとみなされた場合
 上記3、4に関しては1と2は免除される。
********************
 猫ひろし氏の場合はたぶん3の条件の中の「約2000万円を現金で寄付した場合」を満たして、国籍を取得したのだろう。それが一番、確実で無難だ。
 

 そもそも、第15回アンコールワット国際ハーフマラソンで3位になったくらいでカンボジア五輪委員会が国籍を変更して同国のオリンピック代表になってくれとお願いするものだろうか。このハーフマラソンのタイムは1時間15分59秒で、この年の東京マラソンのタイムは2時間55分45秒だった。一般人としてなら速いかもしれないが、競技者としては遅い。カンボジアが帰化選手を使ってオリンピックマラソンの上位を狙うなら、全くの力不足だ。カンボジア五輪委員会が態々、猫ひろし氏を代表にする意味は無い。
 もっと速いマラソン選手がいくらでもいるにも拘らず、何故、猫ひろし氏に白羽の矢を立てたのか。真相はカンボジア側が頼んだのではなく、猫ひろし氏側がカンボジアに働きかけたのであろう。あまり売れていない一芸人に過ぎない猫ひろし氏が人脈もありそうにも無いカンボジアに自ら売り込んだとは思えなく、多額の金銭も動いたと推測されることからも考えづらい。よって、影でプロデュースしていた者達がいると考えるのが順当だろう。猫ひろし氏をオリンピック選手に仕立てて、一儲けを企んでいたのだろう。
 不出場が決定し、プロジェクトは白紙になった。担いでいた者達はこれから如何するのであろうか。猫ひろし氏は今後如何するのであろうか。国籍をカンボジアから日本に戻し、芸人ランナーとなるのか、それとも、カンボジア国籍ままでリオデジャネイロオリンピックを目指すのか、どちらにしても自分独りでは決められまい。関係者と相談して今後の活動方針を決めることになると思う。
 もし、あくまでオリンピック出場に固執するなら、2年後のソチオリンピックを目指してはいかがか。冬季オリンピックならカンボジアの中に競合する選手はいないだろうから、揉めないはずだ。持久力を活かして、クロスカントリーは如何だろうか。

/////////////////
 国籍変更時、「猫ひろし改めチュマールひろしでした。ミャー。」と言っていたので、カンボジア風に改名したのかと思いきや、本名は瀧﨑邦明のままだったのね。

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猫さんの五輪、幻に…国際陸連が出場認めず
http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2012/news/track/marathon/1/20120508-OYT1T01624.htm?from=top
猫ピンチ!ブンティンが抜いた/マラソン
http://www.nikkansports.com/sports/athletics/news/f-sp-tp0-20120415-934708.html
コメディアンに奪われたカンボジア人選手の五輪の夢
http://www.afpbb.com/article/sports/sports-others/athletics/2876127/8895424?utm_source=google&utm_medium=news&utm_campaign=recommend-rss
【激怒】猫ひろしの「カンボジア代表として全力で走る」発言に怒り / 日本国民「走るな出るな帰ってくるな日本の恥」「最低のクソやろう」
http://rocketnews24.com/2012/05/08/210232/
英国版“猫ひろし論争” 五輪代表1割が海外出身者
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120425/erp12042521320004-n1.htm
「世界では国籍変更ごろごろ」 為末大の猫ひろし問題解説が論議
http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20120416/JCast_129125.html
猫ひろし、中東、英国……国籍変更で問われる問題点
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/athletic/text/201204110002-spnavi.html
 

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