六丈記2

備忘録のようなもの

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北朝鮮弾道ミサイル発射対応の考察

 政府が北朝鮮の弾道ミサイル発射に関して取った危機管理対応を自ら検証するという。
 弾道ミサイルが短時間で墜落するという想定外の事が起き、自衛隊のレーダーで捉えられなかったため、予定通りに運ばず、混乱が生じ、批判を浴びたからだ。
 
 

 政府の危機管理対応を考える前に、まず、日本政府が実際にとった対応を確認するために弾道ミサイル発射の経過を読売新聞(4/14・17朝刊)や朝鮮日報を参考にして下記表にまとめた。
 
 

 政府は2009年のテポドン2の発射誤報の反省を踏まえ、今回は米軍提供情報と自衛隊レーダー情報を二重チェックをするという対処要領を決めていた。対処要領では防衛省が米軍提供情報を受け、自衛隊レーダーで確認してから、官邸危機管理センター対策室に報告し、対策室がJアラートで各自治体に連絡する予定で、政府の公式発表は藤村官房長官に一本化されていた。
 
 

 事実経過を見ると、各入手情報を総合的に分析して弾道ミサイル発射と判断した後に対策室へ報告するのではなく、実際には入手情報をその都度、対策室へ報告されていた。防衛省が情報を抱え込む体制ではなかったようだ。
 混乱が生じたのは防衛省が発射された飛翔体の正体の確認に手間取ったことと対策室が得られた情報を適切に処理できなかったことが原因と思われる。
 防衛省は発射された飛翔体が弾道ミサイル(銀河3号)なのか、他のミサイルなのか判断できず、発射されてから46分後の8時25分に弾道ミサイルと最終判断した。この時までに防衛省が得ていた情報は米軍情報(SEWと米軍イージス艦)のみで、自衛隊レーダー情報は無かった。結局、防衛省は米軍情報だけで決断するしかなかったのだ。米軍のリアルタイム情報は7時48分までで終わっており、最終判断したのが8時25分。決断するまでに37分間も掛かっている。ただし、PAC3部隊はすぐさま、信号弾を打ち上げ、警戒態勢をとっているので、迎撃体制は速やかに整ったようである。
 対策室は防衛省の弾道ミサイル発射判断にこだわり過ぎ、Jアラートで発射情報を伝達する目的が国民に早く知らせ、避難させるということを忘れてしまっている感がある。避難させるということを優先するならば、正体不明な飛翔体が発射されたと早々に公表してしかるべきであった。特に、8時3分の報道が誤報であるかのような発表は不誠実で、混乱を助長させる行為でしかなく、問題だ。全体として、事前の取り決めに縛られ、想定外の出来事に柔軟に対処できていない。

 

 そもそも、米軍提供情報と自衛隊レーダー情報を二重チェックをするという対処方針が正しかったのか。
 ノドンやテポドン2の例から予想すれば、発射から日本に到達するまでの時間は7分余りである。避難する時間は元々少ない。

 発射から4分後、弾道ミサイルが高度151km(今回の最高高度)に達しても自衛隊のレーダーはキャッチできなかった。想定通りに弾道ミサイルが飛んでいたら、何分後に捉えることが出来たのであろうか。今回、2分15秒後に爆発が起きている事から考えると、3分はかかるのではないか。とりあえず、3分と仮定して進める。
 防衛省が弾道ミサイルのロストを認知してから、田中防衛相に報告するのに2分かかっているため、自衛隊レーダーがキャッチしてから防衛省が対策室に報告するまでの時間も2分かかると推測する。防衛省が判断に手間取れば、もっと時間がかかるが、速やかに行われるものとして2分とする。
 防衛省の報告を受けてから、対策室がJアラートの発信を決断して放送されるまでの所要時間は1分位はかかるだろう。
 ここまでで、6分が経過している。避難時間は1分しかない。情報の伝達過程で決断が少しでも遅れると避難時間は無くなっていた。
 日本に弾道ミサイルが落下する可能性は非常に低かったが、心配するように日本に落ちていたら、放送と同時に弾道ミサイルが着弾する事態にもなっていた。
 
 2009年のテポドン2の発射誤報は千葉のレーダーが誤探知し、その情報のみで発射と判断したところに問題があった。今回は早期警戒衛星のみならず、米軍イージス艦の情報も得ていた訳だから、態々、自衛隊レーダー情報に固執する必要は無かったのではないか。固執したため、国民に速報するということが疎かになった。
 民主党政権は風評被害を恐れるあまりに、大事な目的を忘れる傾向にあるように見える。

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WORKING PAPER 12. 「『専守防衛』策と日本の安全-自衛を全うすることが可能か-」
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2003/00750/contents/0005.htm
北朝鮮のミサイル基地から日本にノドンを発射すれば、7分前後で日本に着弾する。このノドンは液体燃料だが、貯蔵可能な液体燃料である。

北朝鮮発射のテポドンー2(人工衛星?”光明星2号”)の分析
http://homepage3.nifty.com/kubota01/taepodong-2_3.html
① 発射時刻:5日午前 11:30 ごろ(日本政府が米早期警戒衛星の情報などから公表)
② 日本列島通過時刻:発射から7分後
③ 日本列島通過高度:300~400[km]
 

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