六丈記2

備忘録のようなもの

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「民主党のムネオ」、経産大臣を辞任する

 鉢呂氏を経産相に起用することに対し、野田首相は「TPPに慎重という立場で鉢呂吉雄氏を経済産業相に起用したわけではない。鉢呂氏は自身の考えは持ちながらしっかりと現実的な対応をする方だ。」^1と内閣発足時の会見で述べていたが、鉢呂経産相は不適切発言をめぐり9日で引責辞任することになった。
 毎日新聞の記事から検証する。

 

◆鉢呂経産相が辞任するまでの流れ
●9月8日、野田首相に同行し、鉢呂経産相が福島第1原発や原発から半径20キロの警戒区域を視察。^2
●8日午後11時過ぎ、鉢呂経産相が防災服を着たまま赤坂の議員宿舎に戻る。待ち構えていた10人程度の記者が鉢呂経産相を取り囲み、鉢呂経産相はたまたま近くにいた毎日新聞記者に近寄り、防災服をすりつける仕草をして、「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言をする。この仕草の後、報道陣に「除染をしっかりしないといけないと思った」などと語る。^3
●9日午前、閣議後会見で、鉢呂経産相は視察した際の印象について「残念ながら周辺市町村の市街地は人っ子一人いない、まさに死の町という形でした」と発言。^2
●9日午後、この会見の発言に対し、野田首相は「不穏当な発言だ。謝罪して訂正してほしい」と要求し、鉢呂経産相は「被災地に誤解を与える表現だった。軽率だった。被災をされている皆さんが戻れるように、除染対策などを強力に進めるということを申し上げたかった」と釈明。^3
●9日夜、報道陣に対して、鉢呂経産相は「親しい記者さんたちがいて福島の厳しい現実があるということは話した。近づいて行って触れることもあったかもしれない。そういうこと(放射能をつけたぞ)は言っていないと思う。厳しい現実があるという話はした。真意は違いますから。」と述べる。^4
●10日昼、「放射能をつけたぞ」との発言に関し、野田首相は「そういう報道があることは承知している。実際に本人によく真意を確かめたいので、直接会う機会をなるべく早く取りたい」と表明。^5
●10日昼、鉢呂経産相は記者団に「全力を挙げて原発事故の収束に今後も頑張っていきたい」と述べ、続投する意向を示し、「放射能をつけた」とする発言について「一歩ぐらい(記者に)近づいた記憶しかない。しぐさはあったかもしれないが、言葉は記憶にない」と述る。^5
●10日午後7時、鉢呂経産相は野田首相と会談し、「野田内閣が発足した直後で大変ご迷惑をおかけするなかで、辞任の申し出をさせていただきたい」と辞任の意向を伝える。^6
●10日9時25分、鉢呂経産相は経産省で会見。^6
 辞任理由の質問に「一つは9日の会見で「死の町」と表現したこと。また(8日の)視察後に非公式の記者との懇談で、大半は視察の中身の真剣な報告をしたが、不信を抱かせる言動があったととらえられた。非公式の懇談ということで、一つ一つに定かな記憶はない。」。
 被災地を見たのに発言した心境の質問に「率直に私の見たままを表現した。県民を逆なでする意図はなかったが、適切な言葉がなかった。」。
 防災服をこすりつけることは本当にあったのかとの質問に「記者が現地に行っていないということで、大変厳しい状況を共有してもらう気持ちで、親しさを込めてそういう仕草に(なった)。非公式の記者懇という気安さもあった。(報道された発言をしたことには)否定的だが、そう言っても済まない問題だと思った。」。
 言っていないのに辞めるのかとの質問に「防災服にすり寄せたことはなかったと思うし、どういう言葉だったかは今の段階では分からない。そういった問題も含め判断した。」。^7

 

◆報道の流れ
●9日の閣議後会見で鉢呂経産相が「死の町」と発言したことに対し、『担当閣僚の発言として配慮を欠くとの批判も出そうだ。』と批判を促す記事が出る。^2
●「まさに死の町」発言に対し、野田首相の訂正要求が出され、野党が批判と報道。^8
●『報道陣の一人に近寄って防災服をすりつける仕草をし、「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言をした。』との発言が今になって出てきて、『不用意な行動と批判されるのは必至で、原発を所管する担当閣僚としての資質が問われそうだ。』と更に批判を促す記事が出る。^9
●与野党から辞任の声があると報道。^3
●海外でも報道されると報道^10
●政権の危機感を煽る報道。^11
●地元からの批判の声を掲載。^12
●党内からも辞任論噴出と報道。^13
●自治体からの批判を掲載。^14
●『「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言』が『やっぱり、ひどいと感じた。(記者に突然、服をなすりつけてきて)放射能をつけたぞ。』になる。^4
●辞任報道。^6
●辞任について様々な声を取り上げるが、概ね「当然の結果だ」と報道、^15

 

 マスコミが問題発言と騒ぎ立てる典型的パターンだ。
 まず、問題発言となりそうな発言を取り上げ、様子を見る。批判が起こらなかったらそれまでだが、広がり始めるとそれまで取り上げもしなかったネタを持ち出し、拍車を掛ける。そして、国民の声を取り上げ、皆が批判していて、海外まで広がっていると大事にする。発言内容や意味合いなどは検証されず、報道内容(論調)が真実と固定化される。こうなったら、反論してもまともに扱われず、更なる批判の種にされ火に油を注ぐことになり、発言者は追い詰められる。
 量が真実を決定し、質は問われない。

 

 若し、9日の閣議後会見で「死の町」発言が出ていなかったら、批判は起こらず、「放射能をつけたぞ」発言は表に出ていなかっただろう。記者が重大な問題発言と受け取っていたなら9日の朝に報道されているはずだ。小学生レベルの悪ふざけとしか認識していなかったのでは。だから、何と言ったかも記者はよく覚えていなかったため、『「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言』などという曖昧な表現になったのではないか。

 

 では、正確には何と発言したのだろうか。各紙を比較する。
●朝日新聞『「放射能を付けたぞ」との趣旨の発言』^16、『「放射能をつけちゃうぞ」と発言』^17
●読売新聞『「ほら、放射能」と発言』^18
●毎日新聞『「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言』^9『「放射能をつけたぞ」』^4
●産経新聞『「放射能をうつしてやる」といった言動』^19、『「放射能をうつしてやる」などと発言』^20
●時事通信『「放射能を付けたぞ」との趣旨の発言』^21
●日経新聞『「放射能をつけてやろうか」と冗談まじりに述べた』^22

 

 ニュアンスの違いもあるが、言ったとされる言葉自体が随分と異なる。同じ言葉を聴いたとは思えない差異だ。
 鉢呂吉雄は「言葉は記憶にない」と言っているが、記者達も確かな記憶が無いのだろう。鉢呂吉雄も取材した記者達も「放射能を付けるというようなことを言ったよな」程度の曖昧な記憶しかないのではないか。

 

 鉢呂吉雄は旧社会党出身で、自らを「民主党のムネオ」と呼び、鈴木宗男と強いつながりがあった人物だ。
 大臣が務まる能力があるとは思えないので辞任自体には反対しない。むしろ、辞任はもっけの幸いだ。ただ、後任も民主党議員がなると思うと悩ましい。

//////////////////////////////////////////////////////
^1;野田首相:会見内容(要旨)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110903ddm005010161000c.html
^2;福島第1原発:周辺市町村 鉢呂経産相「まさに死の町」
http://mainichi.jp/photo/news/20110909k0000e010089000c.html
^3;鉢呂経産相:「放射能つけた」発言 辞任やむなしの声も
http://mainichi.jp/photo/news/20110910k0000m010154000c.html
^4;鉢呂経産相:8日夜の報道陣とのやりとりと9日夜の主な説明内容
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110910mog00m010010000c.html
^5;鉢呂経産相:失言 民主内にも辞任論 首相「真意聞く」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110910dde001010015000c.html
^6;鉢呂経産相:辞任 「放射能」不適切発言で引責
http://mainichi.jp/photo/news/20110911k0000m010059000c.html
^7;鉢呂経産相辞任:会見要旨
http://mainichi.jp/photo/news/20110911k0000m010116000c.html
^8;鉢呂経産相:「死の町」発言を撤回 野党は追及の構え
http://mainichi.jp/photo/news/20110910k0000m010084000c.html
^9;鉢呂経産相:「放射能つけたぞ」記者に防災服をすりつける
http://mainichi.jp/photo/news/20110910k0000m010135000c.html
^10;鉢呂経産相:『ゴースト・タウン』…発言は海外でも報道
http://mainichi.jp/photo/news/20110910k0000m010159000c.html
^11;鉢呂経産相:「放射能つけた」発言 野田政権に強い打撃
http://mainichi.jp/photo/news/20110910k0000m010158000c.html
^12;鉢呂経産相:失言 福島「ふざけるな」「くだらない」の声
http://mainichi.jp/photo/news/20110910k0000m010155000c.html
^13;鉢呂経産相:「放射能つけた」発言 党内からも辞任論噴出
http://mainichi.jp/photo/news/20110910k0000e010021000c.html
^14;鉢呂経産相:失言 「決意」何だったのか 福島・原発周辺首長ら失望
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110910dde041010020000c.html
^15;鉢呂経産相辞任:「当然の結果だ」 深まる政治不信
http://mainichi.jp/photo/news/20110911k0000m010101000c.html
^16;鉢呂経産相、与党に辞任論=記者に「放射能付けたぞ」―首相、真意確認へ
http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201109100021.html
^17;鉢呂氏「放射能つけちゃうぞ」 「死のまち」発言は陳謝
http://www.asahi.com/politics/update/0910/TKY201109090709.html
^18;経産相の進退論拡大…首相が本人から聴取へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110910-OYT1T00289.htm
^19;怒り通り越した悲しさ 原発周辺の住民
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110909/crm11090923270028-n1.htm
^20;鉢呂経産相、撤回し陳謝 8日には「放射能をうつしてやる」 野党は追及の構え
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110909/stt11090923530007-n1.htm
^21;鉢呂経産相、与党に辞任論=記者に「放射能付けたぞ」-首相、真意確認へ
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c8%ad%cf%a4%a1%a1%ca%fc%bc%cd%c7%bd&k=201109/2011091000124
^22;経産相「放射能つけようか」 「死の町」発言は撤回 野党、批判強める
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E2EBE2E0968DE2EBE2EBE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;at=DGXZZO0195166008122009000000

 

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