六丈記2

備忘録のようなもの

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内閣不信任前後の経緯 居座りから辞任へ

 菅首相は退陣時期を明確にしていないが、与野党の関心はすでに大連立に移り、マスコミも次の首相を話題にしている。外堀を埋められ、菅退陣は既定路線になっている状況だ。
 ここに至るまでの経緯を振り返ってみる。

 

4月26日
 東日本大震災対応や統一地方選敗北を受け、民主党内で菅直人首相に退陣を迫る動きが公然化<*1>
4月29日
 政権の原発事故対応を批判し、小佐古内閣官房参与が辞任<*2>
5月 1日
 第1次補正予算の成立
5月 2日
 政府・民主党、第2次補正予算案を次期臨時国会に先送りする方向で調整<*3>
5月10日
 菅首相は通常国会を6月22日の会期末に閉会させた上で、6月末に内閣改造を検討<*4>
5月12日
 東電がメルトダウンを認めたため、工程表の大幅な見直しを迫られる<*5>
5月17日
 西岡参院議長、菅政権の原発事故の対応を批判し、退陣を求める<*6>
 谷垣総裁、第2次補正予算案を今国会に提出せずに会期を閉じる場合、不信任案提出を表明<*6>
5月20日
 海水注入問題浮上、迷走始まる<*7>
 横粂衆院議員、菅首相の震災対応への不満を理由に離党届を提出<*8>
5月20日
 小沢、鳩山、輿石が会談し、事故対応を批判<*9>
5月25日
 安住国対委員長は「欠席でも除籍」の構えを示し、造反を牽制<*10>
5月26日
 岡田幹事長「不信任案に賛成すれば処分も」「欠席も同様」とし、造反を牽制<*10>
 前原グループ、内閣不信任案否決に向け結束<*11>
5月27日
 玄葉大臣、不信任案の動きを批判<*12>
 小沢、退陣要求を公言
5月30日
 菅首相と岡田幹事長、造反者を厳重処分する方針を確認<*13>
 小沢、羽田と会談。小沢、鳩山と連携を確認<*14>
5月31日
 鳩山が菅首相に自発的な辞任を求めるが決裂<*15>
6月 1日
 原口「不信任案を野党が出したといえども賛成します」と決意を語る<*16>
 菅首相、党首討論で退陣を否定<*17>
 菅首相、党首討論会期延長を検討すると発言<*18>
 小沢が不信任案賛成を表明<*19>
 小沢、除名された場合、周辺議員に「負けたら新党をつくる」と明言した。<*20>
 3副大臣と2政務官の5人が辞表を提出<*21>
 自民、公明、たちあがれ日本は内閣不信任決議案を共同で提出、共産党も賛成する意向<*22>
 共産党(9人)、社民党(6人)は棄権<*23>
 小沢グループの会合は70人が出席<*24>
 鳩山グループは自主投票<*25>
 鳩山は「賛成」を明言<*26>
 樽床グループは一致して反対する方針を確認<*27>
6月 2日
 前原、反対を表明<*28>
 菅首相は可決されれば、解散の構え。すでに総務省と協議済みで、選挙は実施可能との思惑。<*29>
 亀井が否決後、めどがつき次第、総辞職するよう求める<*30>
 平野、岡田立会の下、菅と鳩山3事項を確認<*31>
 民主党代議士会で菅首相は退陣を示唆。鳩山3事項を確認したとして結束を呼び掛ける。<*32>
 小沢グループは自主投票<*33>
 不信任案否決 反対293、賛成152(民主党では松木・横粂は賛成、小沢ら15人は棄権)<*34*35>
 菅首相は記者会見で早期退陣を否定。覚書も退陣時期を確約したものではない<*36>
 菅首相は国会の会期を年末まで延長し、事実上の通年国会に前向きな姿勢を示す<*50>
 岡田幹事長は覚書を「退陣の条件にはなっていない」と表明<*45>
 松木・横粂、民主党除籍<*37>
6月 3日
 鳩山は早期退陣を確約したとし、菅首相をペテン師呼ばわり<*38>
 3副大臣・1政務官が辞任撤回<*39>
 退陣について、松本大臣は早期、玄葉大臣は肯定的、与謝野大臣は否定<*40>
 退陣について、中野国家公安委員長は否定、江田大臣と枝野官房長官はは首相一任<*41*42>
 国会で菅首相、鳩山との会談で退陣約束していない<*46>
6月 4日
 退陣について、北沢大臣は早期<*43>
 中山政務官が退陣要求<*44>
 岡田幹事長は覚書を退陣の条件だったと修正<*47>
 枝野官房長官と安住国会対委員長、「首相は居座るつもりはない」と強調<*50>
 菅首相は主要閣僚と会談し、今夏の退陣を受け入れる意向を伝える<*48>
6月 5日
 岡田幹事長、退陣しない場合は辞任を促すと表明<*49>

 

 

 以上、経緯を箇条書きに書き出したが、これをまとめてみる。

 

 民主党内では統一地方選敗北しても何の責任も取らない執行部に不満が高まっていた。そこに、菅政権の震災、原発対応の不手際が明らかになってくる。
 菅首相は退陣論を封印するため、国会の会期延長をせず、第2次補正を次期臨時国会に先送りすることを画策し始めた。「非常時」を口にすることで批判を押さえ込んでおきながら、自己保身を優先する延命工作が怒りを買う。
 更に、海水注入問題で迷走。
 党内からも公然と批判をする者が現れ、小沢グループが本格的に倒閣に動き出した。
 不信任案提出が現実味を帯びてきて、民主党執行部が処分を示唆し、引き締めを図るが、効せず。不信任案賛成派が広がり、可決の勢い。
 この雰囲気の中、鳩山が党利のため、自主退陣に誘導し、寝返った。菅首相は代議士会で言質を取られないよう注意しながら曖昧な退陣示唆。これで勝負あり。小沢は鳩山の行動に怒ったが、鳩山のブレる性格を忘れていたのだろうか。菅首相は鳩山との覚書に署名することを巧みに拒否し、退陣時期も早期と思わせながら明言を避けていることから、最初から鳩山を利用する腹積もりだったのだろう。
 小沢は敗北を悟り、矛を収める。「新党をつくる」とまで覚悟を見せておきながら、土壇場でのこの行動は民主党の金と票に未練があったからか。
 内閣不信任案は大差で否決された。菅首相が首相に最適という理由で反対した民主党代議士はどれ程いただろうか。殆どは党利と保身のために反対したと思われる。民主党代議士からは「国民のために菅直人が良い」との声は聞けなかった。
 否決になり、早速、菅首相は早期退陣を否定し、会期の大幅延長を示唆する。渋っていた会期延長を急転、大幅延長に乗り出したのは一事不再議原則によって今会期中はもう不信任決議案を出せなくなったためだろう。延命を謀るには今国会を閉じないほうが良いのだ。
 早期退陣否定に鳩山は怒り心頭に発した。信用の無い鳩山のこと、勘違いとか詰が甘いと冷笑される。水掛け論と一蹴するマスコミも。ところが、菅首相は退陣時期どころか、鳩山との会談は退陣を約束していないと言い出す。これで一変。代議士会で菅首相の演説を聴いた議員は勿論の事、マスコミまでソッポを向く。退陣まで否定してしまっては「退陣を示唆」と報道したマスコミは誤報をしたことになってしまうのだ。それに気付かなかったか。岡田幹事長は覚書を「退陣の条件にはなっていない」と言っていたから、言った言わないの水掛け論にして退陣まで否定してしまうのが当初の計画だったか。
 両院議員総会で菅を辞任させる公算が強くなり、首相側近達はあまりの批判に言を翻した。外堀を埋められた菅首相は追い込まれ、退陣を受け入れる意向を示した。

 

 「支持率1%でも辞めない」、「議会制民主主義というのは期限を切ったあるレベルの独裁を認めることだと思っている」と発言していた菅直人である。本当に、辞任を覚悟しているのか。このまま、すんなりと退陣するのだろうか。

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*1:民主党:「菅降ろし」公然化 自民も攻勢強める(毎日新聞4月26日)
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2011/04/26/20110426k0000e010054000c.html
*2:小佐古内閣官房参与が辞意 政権を批判(産経新聞4月29日)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/504833/
*3:首相が姑息な延命策 6・22閉会を画策 与野党の不信ますます(産経新聞5月3日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110503/plc11050300520005-n1.htm
*4:6月末の内閣改造を検討 通常国会延長せず(産経新聞5月11日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110511/plc11051101080005-n1.htm
*5:東電1号機「メルトダウン」認める(産経新聞5月13日)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110513/dst11051301230001-n1.htm
*6:「ここら辺が限度」参院議長、首相退陣を求める(産経新聞5月18日)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/507414/
*7:1号機の海水注入を55分間中断 再臨界恐れ首相指示
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011052001001207.html(47NEWS5月20日)
*8:民主・横粂氏が離党届 岡田氏は不受理(産経新聞5月22日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110522/stt11052211410000-n1.htm
*9:小沢、鳩山、輿石3氏が会談 政府の事故対応を批判(産経新聞5月25日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110525/stt11052500470002-n1.htm
*10:内閣不信任案「同調」の動き、民主幹部はピリピリ(産経新聞5月26日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110526/stt11052622050016-n1.htm
*11:前原氏、内閣不信任案「賛成あり得ない」(産経新聞5月26日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110526/stt11052623270018-n1.htm
*12:玄葉氏、不信任案めぐる与野党の動きを批判(産経新聞5月27日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110527/stt11052712210005-n1.htm
*13:小沢氏、米紙に倒閣明言 不信任案同調も否定せず
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/509110/
*14:首相の執念「起き上がり小法師」 不信任案攻防激化 欠席でも厳重処分(産経新聞5月30日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110530/stt11053020530008-n1.htm
*15:菅首相:会談で鳩山氏が自発的辞任求める(毎日新聞6月1日)
http://mainichi.jp/select/seiji/kannaikaku/news/20110601k0000e010009000c.html
*16:原口前総務相「不信任発言ブレ過ぎ」 1日で変わった理由も全然わからん(J-CAST ニュース6月3日)
http://www.j-cast.com/2011/06/03097545.html
*17:首相が退陣否定(産経新聞6月1日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110601/stt11060115270007-n1.htm
*18:首相「通年国会含め会期延長を検討」(産経新聞6月1日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110601/stt11060115510009-n1.htm
*19:小沢元代表が不信任案賛成を表明(朝日新聞6月1日)
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201106010720.html
*20:「負けたら新党つくる」と小沢氏 内閣不信任案(産経新聞6月1日)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/510133/
*21:副大臣ら5人が辞表 小沢氏とともに不信任案に賛成へ(産経新聞6月1日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110601/stt11060119120027-n1.htm
*22:自公など野党3党が「内閣不信任案」提出 採決は2日午後1時(産経新聞6月1日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110601/stt11060118290023-n1.htm
*23:共産棄権で、可決に必要な造反は「82人」に(産経新聞6月1日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110601/stt11060122020035-n1.htm
*24:小沢氏会合の出席議員は70人(産経新聞6月1日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110601/stt11060121560034-n1.htm
*25:鳩山グループは自主投票(産経新聞6月1日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110601/stt11060123320040-n1.htm
*26:鳩山前首相「賛成」を明言(産経新聞6月1日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110601/stt11060123480042-n1.htm
*27:樽床グループ「反対」改めて確認(産経新聞6月1日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110601/stt11060123440041-n1.htm
*28:「大義がない」と前原氏が反対表明(産経新聞6月2日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110602/stt11060211150005-n1.htm
*29:不信任案可決なら…首相、解散・総選挙の構え(産経新聞6月2日)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20110602-OYT1T00214.htm
*30:亀井代表、菅首相に退陣要求(朝日新聞6月2日)
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201106020147.html
*31:菅、鳩「退陣合意」は仙谷・枝野の巧妙なワナだった!?(zakzak6月4日)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110604/plt1106041528001-n1.htm
*32:茶番劇で否決へ 「一定の…」示さぬ退陣時期、鳩山氏も「理解した」(産経新聞6月2日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110602/stt11060213560016-n1.htm
*33:小沢グループ、「不信任案は自主判断」に(読売新聞6月2日)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20110602-OYT1T00607.htm
*34:内閣不信任決議案を否決 衆院本会議(朝日新聞6月2日)
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201106020336.html
*35:民主から賛成は松木・横粂氏、棄権は15人 不信任案(朝日新聞6月2日)
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201106020451.html
*36:首相、年明けまで続投?めどは「冷温停止状態」(読売新聞6月2日)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20110602-OYT1T01074.htm
*37:民主党、不信任案賛成の松木氏・横粂氏を除籍(読売新聞6月2日)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20110602-OYT1T01007.htm
*38:鳩山氏「約束守れなかったらペテン師」 菅首相を批判(朝日新聞6月3日)
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201106030114.html
*39:3副大臣・1政務官が辞表撤回 首相の慰留に応じる(朝日新聞6月3日)
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201106030099.html
*40:地位に恋々とする方では…各閣僚も複雑な反応(読売新聞6月3日)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20110603-OYT1T00595.htm
*41:「退陣表明ではない」「一日も早く」 首相進退で閣僚ら(朝日新聞6月3日)
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201106030461.html
*42:首相と鳩山氏の認識ギャップ「残念」…官房長官(読売新聞6月3日)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20110603-OYT1T00351.htm
*43:北沢防衛相、覚書は「退陣前提としたもの」(読売新聞6月4日)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20110603-OYT1T00953.htm
*44:両院議員総会の署名「集まった」…中山政務官(読売新聞6月4日)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20110604-OYT1T00361.htm
*45:首相「原発冷温停止は私の責任」 年明けまで続投意欲(日経新聞6月2日)
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9C8197E09B9C99E2E68DE2E0E2E4E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
*46:菅首相:「退陣約束ない」 「ひょう変」批判集中 自公、問責決議案を検討(毎日新聞6月4日)
http://mainichi.jp/select/seiji/kannaikaku/news/20110604ddm001010044000c.html
*47:首相と鳩山氏の確認文書「退陣前提は事実」 岡田幹事長(日経新聞6月4日)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E2E6E2E3988DE2E6E2E4E0E2E3E38297EAE2E2E2;at=ALL
*48:首相退陣、夏めどの意向 閣僚に明言、「先送り」否定(朝日新聞6月5日)
http://www.asahi.com/politics/update/0604/TKY201106040511.html?ref=reca
*49:岡田幹事長「菅首相辞めなければ、退陣を進言」(朝日新聞6月5日)
http://www.asahi.com/politics/update/0605/JJT201106050013.html
*50:菅政権幹部「居座り」否定に躍起…反発拡大で(読売新聞6月5日)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20110605-OYT1T00261.htm
*51:首相前向き、12月までの大幅延長…国会会期(読売新聞6月3日)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110603-OYT1T00019.htm

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