六丈記2

備忘録のようなもの

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色々な意味で面白かった報道ステーションの検証特集

 一昨日(4月8日)、テレビ欄の「原発事故の裏側」の文字に惹かれ、報道ステーションの特集を見

た。色々な意味で楽しめた番組だった。動画がアップされていないのが残念。

 

 報道ステーションのサイトの特集欄(http://www.tv-

asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/news/detail.php?news_id=20109)には次のように紹介されている。

【特集】原発事故の裏側、政府VS東電
予断を許さない状況が続いている福島第一原発。地震による津波で1号機から4号機の全電源が失われ

た。冷却機能がなくなった1号機は、最も危険な事態に陥った。
~中略~
福島第一原発危機が起きた構造とその背景に何があるのか。事故が起きた24時間を検証した。

 

 これでは内容が分からないので、記憶を頼りに概要を示す。
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 寺田学前補佐官が地震発生後の官邸の様子を証言。
 「地震発生後の早い時期に原発の電源が喪失し、炉心を冷却できず、圧力が高まっている事態を知り

、重大事が発生したと認識した。圧力を抜くため、官邸がベントの意思決定し、東電にベント作業を指

示。それにも関わらず、東電はベントを行わないため、菅首相が自ら、重役に直談判した。東電はベン

ト作業を電動で行おうとしていたため作業が遅れていた。手動でも電動でも良いから、早くベント作業

を開始しろとその場でベントの命令を出したが、重役は無反応。結局、手動でベントを行ったが、ベン

トに気を取られていて、水素爆発が発生してしまった。」
 アメリカ人(役職は失念)がアメリカの東電に対する認識を証言。
 「東電は過去、様々な原発トラブルを隠蔽していて、アメリカの東電を信用していなかった。アメリ

カは情報を出さない東電に更に不信感を抱き、被曝の危険を憂慮し、距離を取り出した。アメリカは最

悪の事態を想定していた。」
北澤防衛大臣が自衛隊の放水作業の裏事情を証言。
 「日本側はアメリカに支援を求めていたが、アメリカに不信感があったため、日本が決死の覚悟を示

さないとアメリカの政府も議会も納得しないので、支援を得るためにも自衛隊が決死の放水をした。」
 VTRは以上で終わるが、解説員として出演していた高橋朝日新聞編集委員(女性)が「バランス

欠いたストーリー」と発言。
 更に、「アメリカ政府の交渉相手は日本政府で、アメリカ政府の支援の遅れを東電の対応のせいにす

るのはおかしい。」「ベント作業が遅れたのは暗闇の中の作業だったため。」と指摘する。
 古館は「そうですね」と言いながら、不満そうに応じていた。
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 間違いもあるかもしれないが、大体、以上の様な内容だった。

 

 アメリカの支援のことは高橋編集委員の言う通りなので、割愛するとして、「菅首相がベント作業を

指示したにも関わらず、東電側が素直に従わなかった」というのは本当なのだろうか。

 

 3月12日3時12分の枝野幸男官房長官の記者会見(平成23年3月12日(土)午前2-内閣官房長官

記者会見(http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4477.html))から該当する部分を抜き出す。
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枝野「福島第1原子力発電所について、原子炉格納容器の圧力が高まっている恐れがあることから、原

子炉格納容器の健全性を確保するため、内部の圧力を放出する措置を講ずる必要がある、との判断に至

ったとの報告を、東京電力より受けました」0:54

 

枝野「今回の災害の状況実体をいち早く把握をするため、特に、ただ今の原子力発電所の事態について

しっかりと把握することを含めて、明日の朝、総理自ら現地を訪れることとしたい。失礼いたしました

。日付変わっておりますので、本日の早朝、日が上がりましたら総理自らヘリコプターにて現地を訪ね

るということで今最終的な調整をしております。」3:48

 

共同通信「総理がその原発を視察されるという時っていうのは、すでにもうその原発でのその大気への

作業っていうのはやっているんですか? 大気への作業というのは何時頃やるんですか」6:09
枝野「これはあの東京電力があの技術的な点を含めて最終的な調整をする話ではありますが、これを行

う前にしっかりと国民の皆さんに予めご報告しなければならないということを東京電力の方に要請とい

うよりも指示をいたしまして、それでこの時間に、 経済産業省及び官邸でご報告しましたのでそんな

に遠くない時間になると思っております。」6:28

 

記者「現地ではどの様な視察をされる」9:30
枝野「総理はこうした技術を含めて、専門的な素養をお持ちでございます。この間も具体的に色々な報

告を受けながらやっております。現地では炉の状況その他、具体的な説明を現地の当事者専門家から受

けるものと思っております。」9:32

 

記者「先ほど1時40分に出された発表資料で予測の時間帯が書かれていまして、27時20分に原子

炉格納容器設計最高圧力到達、原子炉格納容器ベントにより放射性物質が放出されるという、ここには

何時と書かれていないんですけど、これは3時20分を指すと思うんですけれどその辺の説明をちょっ

としていただければと」11:27
枝野「それは多分原子力保安院が可能性をお示ししたものだろうというふうに思っておりますが、そう

した可能性の前提も含めて実際にこのベントを開けるという段階よりも前にちゃんときちっとご説明申

し上げなければならないということで、3時で経産省と私の方とで発表するということでございますの

で、あの具体的な詳細な時間はまさに現場の作業の手順段取り等により、若干のズレがあり得るかと思

いますが、そう遠くない時間に圧力を下げる措置に着手するものと思っております。」11:58
記者「そういうことは現時点では同時並行で進んでいるとことではないということですか?」12:45
枝野「少なくとも発表してからにしてくれということは要請というよりかなり指示に近い形で東京電力

に申し伝えてあります。経産省、それから私の方でもう発表いたしましたので作業の手順に必要ならば

入っていてもおかしくないと思います。」12:49

 

産経新聞「原発に行くとの事なんですが、これはそもそも総理の発案なのか、どういった経緯で」3:

40
枝野「総理ご自身も安全確保のためのやむを得ない措置であるということの中ではありますが、正に、

自らその安全性を含めてしっかりと把握しなければならない。それから、現地の状況も色々な状況は入

って当然来ております。ヘリコプター、自衛隊や警察消防等の状況も入って来てはおりますが、是非、

直接把握をした上で対応の陣頭指揮を立たなければいけない。強い思いが総理の方にある。」13:50

 

記者「現地では東電の職員含め消防等、緊迫した状況にあると思うんですけれども、総理が行くことに

よって、そうした対応に支障をきたす懸念は。」14:33
枝野「従って、福島の原発以外のところは上空からの視察。という計画を立てております。」14:47
記者「福島の原発は総理が行っても、色んな人員が割かれると思うんですけど、それは特に問題ない。

」14:57
枝野「基本的にお会いになれるのは、現に原子力発電所の保安をしている担当の方しかいない所であり

ますので、警備にしても対応にしても逆に言うとそういった所なので、きちっと状況の把握のために必

要な対応だけで足りる。ということで、実際に経産大臣、保安院、東京電力等とご相談をしてご迷惑、

逆にそのことで、行くことによるご迷惑は無いという判断をいたしました。」15:16
====================================

 

 この会見からは次のようなことが読み取れる。
 東電が官邸にベントの必要性を報告したが、放射性物質を放出することから、政府の発表後でないと

行ってはならないと官邸が指示。そのため、官房長官の記者会見の時間に合わせ、ベントを12日3時

20分に予定していた。技術的に可能であったならば、この会見中にもベントを行っていたと思われる

 

 少なくとも、官邸がベントを早く行うように東電を急かしていた訳では有りませんね。官邸の対応か

らはベントを緊急に行わなければ為らないとは思っていないのが分かる。
 また、官邸が主導してベント作業を指示したのではなく、東電の圧力弁開放申請を官邸が許可しただ

けだろう。「官邸がベントの意思決定」というのは許可を決定したという意味に過ぎないように思われ

る。
 以上のことから「菅首相がベント作業を指示したにも関わらず、東電側が素直に従わなかった」とい

うのは間違いだろう。

 

 菅首相は当初、福島第一原発の事故をどの様に捕らえていたのだろうか。
 ベントの後に原発視察を予定していたことから、ベントをしても放射能汚染のレベルが小さく、危険

性は無いと考えていたようだ。
 更に、発表するまでベントを待つように指示していたことや、自ら原発に乗り込んだことから、緊急

性は無く原発は安全と思っていたのではないか。
 地震により、原子炉が緊急停止し、放射能漏れの報告も無いため、危険性は非常に低いと判断し、緊

迫した状況にあるとも思っていなかったのではないだろうか。実際、女川原発は大丈夫だった。
 そのため、菅首相は自身の存在感を示す視察を思い立ち、低迷する支持率を上げようとしたのではな

いか。


 

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