六丈記2

備忘録のようなもの

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政界に笑撃が走る<小沢一郎とゆかいな仲間たち>

生活に山本太郎氏入党 再び「政党」に 交付金も支給へ
http://www.sankei.com/politics/news/141226/plt1412260032-n1.html
 先の衆院選で政党要件を失った生活の党は26日、新たに無所属の山本太郎参院議員を加え5人となった。総務省に同日、政治資金規正法に基づく政治団体の届け出を行い、再び「国会議員5人以上」の政党要件を満たし、来年の政党交付金を受け取ることができるようになった。
 党の正式名称は「生活の党と山本太郎となかまたち」に変更した。代表は小沢一郎氏が引き続き務める。生活は衆院選の当選者が小沢氏ら2人にとどまり、「比例代表の得票率2%以上」の条件も満たせずに政党要件を失っていた。
<産経ニュース2014/12/26>
生活の党と山本太郎となかまたち


 生活の党は11月中旬頃まで衆議院議員7人、参議院議員2人だったが、小沢一郎代表が所属議員に国会議員を続けさせるために「政治生活を続けていくため、自分の思う一番いい方向に進んでよろしい」と通告し、鈴木克昌代表代行兼幹事長(衆院比例東海)と小宮山泰子国会対策委員長(衆院比例北関東)が離党(民主党に復党)して、第47回衆議院議員総選挙を迎えた。
 生活の党は、小選挙区に13人、比例区(比例単独)に7人の候補者を立てるも、当選したのは小沢一郎(岩手4区)と玉城デニー(沖縄3区)のだけで、比例区からは当選者は出なかった。この結果、生活の党の所属議員は小沢一郎(衆議院議員)、玉城デニー(衆議院議員)、主濱了(参議院議員)、谷亮子(参議院議員)の4人になった。
 このため、小沢一郎は選挙翌日の記者会見で「まだ、2、3週間あるので、行動をともにするという方があれば、それも含めて考えたい」と述べ、政党要件を維持するために議員の合流の可能性を示唆していた。

 直前に離党した鈴木克昌と小宮山泰子は当選を果たしているが、どちらも小選挙区で落選し、比例での復活当選だった。もし、小選挙区で当選していたら、民主党を離党して生活の党に復党するということもあったのかもしれないが、比例選出なのでそれをすると失職するため、意味が無い。
 また、かつて小沢グループにいた松木謙公、牧義夫、太田和美、石関貴史も当選しているが、いずれも維新の党の比例当選組なので同じだ。
 そこで取り沙汰されたのが、無所属の亀井静香衆議院議員、山本太郎参議院議員、浅尾慶一郎衆議院議員だった。しかし、亀井静香は未来の党の分党騒動で小沢に懲りているといわれ、また組むことは無いと思われていた。浅尾慶一郎は民主党との連携を模索しており、民主党が敬遠する小沢と組む可能性は低かった。山本太郎については、生活の党側が突飛な行動を嫌忌していたようだった。

 合流を打診されてもなかなか受け入れる議員が現れないのは、小沢一郎に組したところで展望が無いと思われているからだろう。
 小沢一郎は合流をうながすために「政党名を変えてもいい」と、ある無所属議員に伝えていたとも報じられていた。この無所属議員が山本太郎なのかは分からない。ただ、「生活の党と山本太郎となかまたち」という奇妙な政党名からすると、無所属議員は山本太郎だったように思われる。

 東スポによると、この笑撃的な党名が付けられた経緯はこうだ。
「数日前に小沢氏と山本氏が会談した。山本氏は既存政党に所属するのを良しとしないため、“無所属の会”に党名を変更するなら加わるとの考えだった。ただ、小沢氏も“生活”の名を残したい。結局、両者が譲らないままの妥協案で出たのが“生活の党”に“山本太郎となかまたち”を加えた政党名だった」(永田町関係者)
 東スポソースだから信用していいのか分からないが、「無所属の会」で手を打った方が良かったのではないか。せめて、「山本太郎と生活の党」くらいに収められなかったのだろうか。

 「山本太郎となかまたち」を加えたのは、山本太郎がふざけて「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」若しくは「ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ! 」を真似たのかと思ったが、違ったようだ。
 11月21日のハフィントンポスト日本版にこんな記事がある。
****************
衆院選、「山本太郎」と書いても有効票になる?そのカラクリとは【解散総選挙】
http://www.huffingtonpost.jp/2014/11/21/election-2014-taro-yamamoto_n_6197048.html
~省略~
 一方、政党要件を満たさない政治団体も、衆院選に向けて動いている。「新党ひとりひとり」代表の山本太郎・参院議員は、自身は今回の衆院選には出馬はしないとしながらも、自分の名前の知名度を活かして選挙戦ができないかと模索している。

 今回の衆院選は、小選挙区と比例代表の2票を投じることになる。有権者は、小選挙区の投票用紙には「候補者名」を、比例代表の投票用紙には「政党名」を書いて投票する。
 小選挙区で勝つには、候補者本人の知名度が重要だ。いくら「山本太郎」の名前が知られていても、候補者本人の名前を書いてもらわなければ有効票にならない。
 一方の比例代表では、政党名を書いてもらえばいい。山本氏が目をつけたのはここだ。比例代表に、例えば「山本太郎となかまたち」など、「山本太郎」という言葉を含めた政治団体で出馬する。そうすれば、比例代表の投票用紙に政治団体の略称「山本太郎」と書かれた投票用紙は、有効票になることがわかったと、山本氏は自身のブログで明かした。
 ところが、自身の政治団体だけでこのアイデアを実現するには「供託金」という厳しい壁があった。比例代表の全ブロックに候補者を立てるには2億5200万円、東京ブロックだけでも2400万円の供託金が必要だ。
 そこで山本氏は、供託金のハードルを乗り越える策として、政党に対して連携も持ちかけた。「○ ○党・山本太郎となかまたち、で名簿を作り、投票用紙には、○○党、山本太郎、どちらかの名称を記入すれば、そのグループに票が入る」というアイデアである。政党に資金面で協力してもらう代わりに「山本太郎」の全国的な知名度を利用してもらい、当選を狙うという考えだった。
 公選法では比例代表に候補者を立てることができるのは「政党等」とされており、政党ではなくても、選挙運動期間中に特定の政治活動を行う政治団体を設けて、選挙に臨むことができる。これまでにも、1983年の参院選で「新自由クラブ・民主連合」が利用するなど、実績もあった。
 今のところ、打診した政党からは「組織はすぐには動けない」という理由から、断られているという。山本太郎事務所の担当者はハフポスト日本版の取材に対し、「ブログにもある通り、政党との連携や供託金の出資などがあれば、(比例代表出馬も)やるかもしれません」と述べた。
~省略~
****************
 「山本太郎となかまたち」は山本太郎の知名度を選挙に活かすアイディアだった。山本太郎はふざけて「生活の党と山本太郎となかまたち」という名称にしたのではなく、自分のアイディアに自信があり、選挙で使用するためにこの名称にしたのだ。

 小沢一郎が憲政史上に残る珍党名と引き換えに手にする政党交付金は、年1億円以上(読売新聞)とされる。国民の嘲笑に晒されても、小沢一郎はこの金を欲したのだ。小沢一郎は金にまつわる疑惑が多い政治屋だった。本質は金が一番ということなんだろう。
 昔は「豪腕小沢」なんて言われていたが、これで「小沢は完全に終わった」と誰もが思うだろう。最早、小沢待望論を語る人はいなくなるに違いない。
 それにしても、山本太郎が小沢一郎を介錯することになるとは、誰が想像しただろうか。

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植村元記者がハンギョレ新聞の取材を受ける 前編

 先日、北星学園大学の非常勤講師の植村隆元朝日新聞記者が、ニューヨーク・タイムズの取材を受けていたことが明らかになりましたが、今度は韓国のハンギョレ新聞の取材を受けていたことが分かりました。
 12月21日のハンギョレ新聞に、植村元記者のインタビュー記事が掲載されています。
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[インタビュー]「私が書いた慰安婦記事はねつ造ではない…右翼の脅しには屈しない」
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/19119.html
■23年前“慰安婦”を初めて報道した植村隆元朝日新聞記者

 「いまでも夢を見ているようだ。なぜ私にこのようなことが起きたのか」
 16日、北海道の中心都市、札幌市内の事務所で向かい合って座った植村隆元朝日新聞記者(56)は、頭を抱えて深いため息をついた。黙って彼の姿を見つめることしか、他に慰めの言葉は思いつかなかった。

 慰安婦問題を取り巻くし烈な攻防が繰り広げられている日本の社会で、植村記者は大変独特な位置にある。彼は1991年8月11日、「朝日新聞」大阪本社版に、自ら日本軍慰安婦であったことを初めて公に明らかにした金学順さん(1924~1997)に関する最初の記事を書いた人物である。彼は日本の右翼にとって、慰安婦に関する「捏造記事」を書き、日本の名誉と国益に限りなく大きな傷を残した「売国奴」だ。しかし、慰安婦問題を解決することが、より良い日本と平和な東アジアを作り上げる第一歩になると信じる革新勢力にとっては、崩れてはならない重要な「砦」となっている。「ハンギョレ」は16~17日の2日間にわたる植村との深層インタビューを通じて、安倍政権の河野談話(1993年)検証が行われた過去1年間、日本の右翼の度を越したバッシングを、なす術もなく受け入れねばならなかった彼の苦痛の時間を振り返った。

 そのなかで確認できたのは、日本社会の歪んだ自画像だった。

韓国人の妻と結婚し
義母が太平洋戦争遺族会長
右翼は虚偽宣伝戦を行った
義母たちのために記事をねつ造したと…

- あなたは23年前、金学順さんの証言を初めて報じた。それによってこの1年間、どんな目にあってきたのか。

 「 攻撃の始まりは、1月末発売の「週刊文春」(発行日基準では2月6日号)だった。記事のタイトルは「慰安婦捏造朝日新聞記者がお嬢様大学教授に」だった。慰安婦捏造記事を書いた植村が、4月から神戸松蔭女子学院大学の教授になるという内容だった。数日後の1月31日、学校の事務局長から会いたいと電話がきた。そして、2月5日、神戸のホテルで副学長、事務局長と面談した。私は記事を捏造していないのだから、きちんと説明すれば学校でも理解してくれると考えた。そこで説明資料を取り出したところ、大学側では「記事の真偽とは関係なく、このままでは学生募集などにも影響が出る。松蔭のイメージが悪化する」と述べた。私が本当に記事を捏造したなら仕方がないことだが、そうでないからとても残念だった。 しかし、ある意味では大学も被害者だった。訴訟は起こさなかった。そして、3月7日に雇用契約が解消された。最初はこれで終わりだと思っていた」

 植村記者に対する日本の右翼の限度を超えたバッシングが始まったころ、「産経新聞」を筆頭にした日本のマスコミは、韓日間の大きな外交懸案となっている慰安婦問題を自らに有利な方向へと導くために、慰安婦動員過程の強制性を認めた河野談話に対する攻撃を始める。菅義偉官房長官は2月20日、河野談話検証チームを設置するとの計画を公式に発表した。検証チームは4月から本格的に活動を開始、6月20日に報告書を出した。安倍政権が河野談話に揺さぶりをかけると、右翼は自分たちの怒りを表出する対象を探し始める。安倍政権が河野談話検証に乗り出す過程で決定的役割を果たした山田宏衆議院議員(当時、次世代の党)は、植村記者を国会証人喚問すべきとの主張まで展開した。彼に対するバッシングはもちろん、彼を非常勤講師に採用していた北海道・札幌市の北星学園大学まで右翼の攻撃対象となった。

- あなたがこのようにとんでもないバッシングを受けるようになった原因は何だと思うか。

 「今の状況は自分も時折実感がわかない。金学順さんの初の証言が出たころ、私と同じような記事を書いた人は多かったのに、 なぜ私だけがこのようなバッシングを受けるのか、理解できない。私が金学順さんの証言を最初に書いた経緯はこうだ。<朝日新聞>大阪本社社会部時代の1990年、当時のデスクが夏の平和企画として、韓国にいる慰安婦の女性を探してみようというアイディアを出した。それでその年の夏、2週間ほど韓国を回って取材した。 しかし、歩き回っただけで取材は空振りだった。 それから1年後、当時を記憶していたソウル支局長「韓国挺身隊問題対策協議会(以下、挺対協)が慰安婦の女性を見つけたようだけど、取材してみないかね」と提案してきた。それで1991年8月10日、ソウルの挺隊協事務所で、尹貞玉・共同代表から金学順さんの 証言を録音した録音記録を聞くことができた。 インタビューではなかったので質問できない状況だったが、長い間沈黙していた韓国の慰安婦女性が初めて歴史の前面に出てきたことだったので、十分記事の価値はあると判断した。 右翼は、慰安婦問題が今のように世界的に大きな問題となったのは、私が金学順さんの証言を報道したからだと主張する。しかし、私が翻訳家の友人に頼んだが、私の記事を引用報道(転電)した韓国のマスコミは見つけられなかった。 この問題が注目されるようになったのは、金学順さんが8月14日に直接記者会見をしたからだ。

 結局、私が推測できる理由は一つ。私の妻が韓国人で、義母が梁順任・太平洋戦争犠牲者遺族会会長だからだ。しかも、義母が戦後補償訴訟と関連して詐欺罪で起訴された事件(8月に無罪が確定)があった。右翼はこれらをもって 、植村が義母のために記事を捏造したという 虚偽のプロパガンダを流布させている. 私は 1996~1999年の ソウル特派員時代には、 梁順任の婿が慰安婦問題を書いていると言うバッシングを受けたくなくて、 そうした記事はわざと避けていた」

娘に対する攻撃が変化の契機
市民たちが怒り始め
学者・弁護士・ジャーナリスト444人が支持
脅かされた講師職 契約1年延長

- 最初、慰安婦や韓国に関心を持った背景は何か?

 「私は1978年に早稲田大学に入り、1982年に朝日新聞に入社した。学生時代は韓国の政治情勢が急変した時代だった。 1979年に朴正熙大統領が死に、 1980年に光州事態が起きた。 1981年には金大中大統領の死刑確定判決があった(直後に無期に減刑). 学生時代、寮に在日韓国人の先輩がいた。彼は1970年代にソウル 留学したが、在日同胞スパイ団事件の巻き添えになるのが怖くて、日本に帰って来た人だった。彼を通じて朝鮮半島や 在日朝鮮人の差別問題等について学ぶようになった。 1981年に旅行で韓国を訪れたこともあったし、学生時代には金大中死刑求刑反対運動にも参加した。 その後1987年から1988年までの1年間、韓国に語学研修に行く機会があった。韓国が長い独裁政権に終わりを告げ、民主化された時期だった。 1987年の大統領選挙の時、汝矣島広場で開かれた金泳三、金大中、盧泰愚の各大統領の選挙遊説にもすべて参加した。誇張ではなく、本当に100万人が集まった時代だった。 (1987年10月) ソウル明洞のYMCA 講堂で開かれた <ハンギョレ新聞> 創刊発起人大会にも行き、宋建鎬 先生(<ハンギョレ新聞> 初代社長)ともお会いした。 その後、1989年11月から大阪社会部に勤務し、在日韓国・朝鮮人問題を担当した。1997年12月、ソウル特派員時代に <朝日新聞>で金大中大統領の当選記事を書いたのも私だ」

-日本の右翼があなたを「捏造記者」と呼ぶことについてどう思うか。

 「捏造記事は書いていない。私への批判は、金学順さんに関する記事で 「女子挺身隊」と「従軍慰安婦」を混同して書いたということであり, もう一つは、金学順さんが 慰安婦として連行される前に キーセン学校に通った事実に言及しなかったという点だ。だが、 慰安婦問題が初めて露わになった時、韓国では 慰安婦と挺身隊を同義語として使っていた。 また、キーセン学校は酒の席で踊りを踊ったり楽器を扱う方法を学ぶ場所で、そこに入ったからといって 必ず慰安婦になるわけではない。私を批判する <読売新聞>の当時の記事を見ても、 挺身隊と慰安婦を混同したり、金学順さんがキーセン学校に通った事実に触れない記事がある。

 金学順さんが「強制連行」されたとも書いていない。個人的には朝鮮では慰安婦の強制連行はなく、少なくとも今までは、これと関連した資料は発見されていないと思う。金学順さんも 一貫して言っていることは、 強制連行ではなく「だまされて行った」 「意に反して行った」ということだ。私は記事に 「女子挺身隊の名で連行され、日本軍を相手に売春行為を強いられた」と書いた。ここでの「連行」は、 まともな人たちを狩りをするようにつかまえるという意味の強制連行ではない。嘘であることが暴露された 吉田清治 証言(自分が済州島で女性狩りをするように強制連行したと語った証言)に基づく記事は1本も書いていない」

- あなたが右翼からとんでもないバッシングを受けていたころ、<朝日新聞>では慰安婦記事に関する検証記事を発表した。

 「8月5日 <朝日新聞>が 慰安婦記事を検証し、私が書いた記事は 「捏造ではない」と確認した。 私はこれで自分の名誉が回復するものと思っていた。しかし、私に対する記事と吉田証言が嘘であることを認めた記事が共に出私が吉田証言と関連した記事を書いたというデマも広がった。 そのためバッシングの強度がさらに増した。最も戸惑い孤独を感じたのはその頃だった。最初、変化のきっかけになったのは、娘に対する右翼のバッシングだった。 幼い女学生に対する限度を超えたバッシングに人々が憤り始めた。 この間交流してきた元高校教師の 新西たかし(85) さんら支援者が現れ、私を支援する人々を集め始めた。フェイスブックを通じて、「北星学園大学を応援してほしい」と訴えた。これが日本社会の雰囲気を変えるのに大きな役割を果たした。また、9月19日付 <週刊金曜日>に私の状況を告発する記事が初めて報じられた。そして、 9月30日大阪の帝塚山学院大学に 在職していた<朝日新聞> 出身の 文学部教授(67)が、脅迫電話に屈して辞職した出来事が<毎日新聞>に報道された。この事件をきっかけに、それまで私の問題を扱わなかったマスコミが北星学園大学でも同じようなことが起きているという事実を報道し始めた。 こうした流れのなかで、 10月6日全国の学者、弁護士、マスコミ関係者ら444人が集まり、「負けるな北星!の会」を作った。そして、12月17日 北星大学が 私との非常勤講師契約を 1年延長すると発表した」

- 新聞社をやめた後の生活は?

 「<朝日新聞>の定年は60歳だ。しかし、本人が (年棒ピーク制を) 選択する場合、定年が延長され65歳まで通える。 私は神戸の女子大教授職に合格していたから、 55歳で退職を出していた。 現在、の仕事は北星学園大学の非常勤講師だけだ。 50歳の時、早稲田大学の博士課程に入学した。 大学で学生たちを教えながら叙述活動をするのが夢だった。日本には50歳を過ぎて教授になりたいと思う記者が大勢いるので、教授を公募する際、競争率がとても高い。それでも何度か面接までこぎつけたが、ほとんど慰安婦関連報道が問題となって途中で脱落した。 そんな時、やっと合格したのが神戸の女子大だった。私は テヘラン、ソウル、北京で特派員生活を送り、本も数冊出した。しかし、博士課程を終えて学位をもらうとしても、今後、大学への就職は難しいかもしれない。」

- この1年間の日本の姿を見て何を感じるか。

 「私は日本を愛する愛国者だ。日本がアジアで尊敬される国になることを願っている。 そうなるためには、私たちが周辺国に謝罪することがあるなら謝罪し、直すべき点があるなら直すべきだと考える。 過去の問題をきちんと解決しなければ、アジアの中で日本は尊敬や信頼を勝ち取れない。私が金学順さんの記事を書いたのは32歳の若い時だった. 当時 「太平洋戦争開戦から50年が過ぎ、ようやく歴史の暗部に光が当たろうとしている。この歴史に対して、われわれ日本人は謙虚であらねばならない。これを放置することは、ハルモニたちを見殺しにすることに他ならないのだ」と書いた。これは若き日の植村が、56歳になった今の植村に投げかけた言葉だと思う。これまでは慰安婦問題をあえて避けてきたが、これからはこの問題に目をそらさず直視したい。攻撃されて逃げ場所がないから闘うしかない。いまの日本には歴史の暗部を見つめようとする人々を攻撃しようとする勢力がいる。しかし、それに屈しないと声を上げる人々もいる。来年も学生たちを教えられるようになったことが何よりうれしい。 私は捏造記事など書いていない。これからも不当な攻撃に屈せず闘っていこうと思う」

札幌/文・写真 キル・ユンヒョン特派員
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 この記事が当初Yahoo!ニュースに転載された時、内容が上記とは若干違っていました。
*** Yahoo!ニュース版 ***
-新聞社を辞めた後、生活の方はどうなのか?
 「朝日の定年は60才だが、(年俸ピーク制を)選択すれば定年が延びて65才まで通える。私は神戸の女子大教授職に合格した状態だったため、55才で退職した。現在北星学園大学から出る非常勤講師の講師料は月5万円程度だ。
 50才の時に早稲田大学の博士課程に入学した。大学で学生たちを教え著述活動をすることが夢だった。日本には教授になりたいという記者が多いので、教授公募の競争率がとても高い。何度も面接までは行ったが、ほとんど慰安婦関連報道が問題になって中途脱落した。
 そうするうちに、ようやく合格したのが神戸の女子大だった。私はテヘラン・ソウル・北京で特派員生活をしたし、本も何冊も出した。
しかし博士課程を終えて学位を得たとしても、大学に就職することは難しいだろう。そんなことを考えると恐怖も襲ってくる」
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 「非常勤講師の講師料は月5万円程度」と「考えると恐怖も襲ってくる」の部分が、ハンギョレ新聞のサイトに掲載されている記事にはありません。Yahoo!ニュースの記事は差し替えられたらしく、現在の記事にもこの部分はありません。
 講師料を記載したため、植村元記者又は大学側からクレームが寄せられ、削除したのでしょうか。もし、年棒60万円なら、家族を養っていけないでしょう。非常勤講師の職に執着していては、生活が破綻しかねません。普通なら違う職を探さなければならないのに、来年も非常勤講師を続けるようです。事情が事情だけに、次の職を見つけるのは困難ということもあるでしょうが、大学の教職の肩書きを無くするのはプライドが許さないのでしょう。

 ハンギョレ新聞のインタビュー記事は、先日のニューヨーク・タイムズのインタビュー記事より数段ましですが、植村元記者をバッシングの被害者との視点で構成しています。ですから、日本のメディアの取材を拒否している理由など、植村元記者に都合の悪い質問はありません。けども、植村元記者がどの様な考えでいるのかが、発言から垣間見ることは出来ます。次回は、植村元記者の発言などについて考察してみます。

・・・続く。

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NYタイムズが植村元記者を取材する 後編

 「コメンテーターが呼ぶ『朝日戦争』は、新聞が世論の批判に屈して・・・8月に始まった。」と書いているにもかかわらず、記事全体としては、安倍首相をはじめとする右翼が日本の良識人(朝日新聞や植村元記者)に不当な言論弾圧を加えているという構成で書かれています。朝日新聞が特集記事を出した後、不十分な検証や謝罪が無かったことで大きな批判が巻き起こりましたが、別に右翼と呼ばれる人達だけが批判していた訳ではありません。その中心は普通の人々でした。だから、従軍慰安婦報道批判を載せた週刊誌が飛ぶように売れたのです。
 この偏見に満ちた記事には、「右翼」「超国家主義者」「民族主義」「修正主義者」などの言葉が何度も出てきます。これらの言葉には、暴力的な臭いが漂い、一般に良いイメージはありません。こうした言葉を多用することによって、朝日新聞を非難する者達は「悪者」なんだという漠然としたイメージを海外に植え付けようとしているのでしょう。
 記事中に「タブロイド紙」という表現が出てくるのも、そうしたことなのだと思います。日本では、タブロイド紙はマイナーな存在で、「日刊ゲンダイ」「夕刊フジ」「SANKEI EXPRESS」くらいしかありません。タブロイド紙が、突出して朝日新聞批判をしていたとか、影響力が甚大というなら分かりますが、そういうことはありません。それなのに、「タブロイド紙は・・・」なんて書いているのは、タブロイド紙が海外で「低俗」というイメージを持たれているからでしょう。イエロージャーナリズムが朝日新聞批判を行っているのだというイメージを読者に思わせたいとの意図を感じます。

 ちなみに、この記事では、修正主義(Revisionism)が歴史修正主義(Historical revisionism)の意味で使われています。あまり馴染みのない言葉ですが、海外メディアは安倍首相の歴史認識を批判する場合に使用していようです。
 歴史修正主義という言葉を辞書で引くと、こう出てます。
=== デジタル大辞泉の解説 ===
れきししゅうせい‐しゅぎ〔レキシシウセイ‐〕【歴史修正主義】
1 歴史に関する定説や通説を再検討し、新たな解釈を示すこと。
2 一般的な歴史認識とは異なる解釈を主張する人、またそうした言動を否定的にいう語。
==================
 1が本来の歴史学用語としての意味です。例えば、仁徳天皇陵は、仁徳天皇の没年と古墳の成立時期が矛盾するとの説が有力になったため、大仙古墳と呼び名が変わりました。
 2は通俗的な用法で、定説を否定する歴史観に対する否定的レッテルとして用いられます。歴史が検証され、修正されるのは当然のことなのですが、否定的な意味で使われているのは、歴史的な経緯があるためです。左派論者の哲学者・高橋哲哉氏の著書「歴史/修正主義」にはこうあります。
=== 「歴史/修正主義」 ===
物語られた歴史historyは,見直し=修正revisionの可能性につねに聞かれている.見直し=修正を拒否する歴史は,イデオロギー的に絶対化された歴史である.だから,修正主義revisionismという言葉も,かつては必ずしも悪い意味ではなかった.ところが近年では,「歴史修正主義」という言葉はほとんどいつもネガティヴな意味で使われ,批判の対象に付けられるべき名前となった.「ホロコースト(ナチス・ドイツによるユダヤ人大量殺戮)などでっち上げ」「ナチ・ガス室はなかった」などと主張するホロコースト否定論者たちが,みずから歴史修正主義者revisionistを名乗って活動していることが大きい.1990年代後半の日本に,「自虐史観」批判を掲げて登場し,「日本軍〈慰安婦〉問題は国内外の反日勢力の陰謀」「南京大虐殺はなかった」とまで叫ぶに至った勢力が,「日本版歴史修正主義」と呼ばれるようになったのも,この連想か働いたためである.
=================
 つまり、ホロコースト否定論者が自分たちのことを「歴史修正主義者」と名乗ったために、反ユダヤ主義がタブーとされる欧米社会で否定的イメージとなり、確定している歴史的事実について異議を唱えるという行為に拒絶反応を示すのです。欧州ではホロコースト否定を違法とする国(ドイツ、フランス、スイスなど)もあり、歴史修正主義者の歴史学者が逮捕されたり、発禁処分になる事件も起きています。このレッテルは日本人が考える以上に大きいものなのかもしれません。

 閑話休題。NYタイムズ記事で植村元記者について書かれていることを抜き出してみます。
●植村元記者が33歳だった時に韓国の元慰安婦の記事を書いた。
●その元慰安婦の記事により右翼の標的にされている。
●その記事は朝日新聞が取り消した中には無い。
●一つ目の教職を棒に振り、二つ目の教職も脅迫によって奪われそうになっている。
●植村元記者の子供達が脅威にさらされている。
●「彼らは、歴史を否定する方法として脅迫を使っている」「彼らは我々を沈黙させるために脅迫したいのだ。」と植村元記者が言っている。
●朝日新聞が自己弁護したり、植村元記者を擁護することは、恐怖心を抱かせることだったと植村元記者が言っている。
●植村元記者が公の場に登場しないことについて、「これは、他のジャーナリストを沈黙させる右翼の脅迫方法だ。」との植村元記者の言葉を紹介している。
 植村元記者が書いた記事は、元慰安婦の金学順氏が女子挺身隊として連行されて日本軍人相手に売春を強制されたというものでしたが、金学順氏はその後の記者会見などでキーセンに売られたと言っていました。だから、植村元記者が捏造したのではないかと疑われています。また、植村元記者の義母の梁順任氏が、日本政府を相手に損害賠償訴訟を起こした太平洋戦争犠牲者遺族会の会長だったことから、訴訟を支援するために記事を書いたのではとも疑われています。ですから、多くのメディアは植村元記者に取材しようとしているのですが、植村元記者は逃げ回って答えようとしていません。
 NYタイムズ記事はこうしたことを一切書かず、植村元記者が脅迫によって沈黙させられ、公の場にも出られなくなっているように書いています。これでは、植村元記者が右翼に都合の悪いことを書いたから言論弾圧を受けていると、よく知らない者は思うでしょう。実際は逆で、日本の国民の多くは植村元記者の説明を聞きたいのです。植村元記者の説明を誰もが求めているということは、8月から始まった慰安婦問題の騒動を知っている者ならば分かっているはずです。だから、この記事を書いたファックラー記者も、植村元記者が「彼らは我々を沈黙させるために脅迫したいのだ。」と言っても、事実に基づかない弁明と分かっているはずなのです。だけども、記事には植村元記者の発言を否定したり、疑問視する表現はありません。脅迫で沈黙させられていると印象付けるために、あえて書かなかったのでしょう。

 植村元記者が、日本のマスコミ取材を忌避しながらNYタイムズの取材を受けたのは、自分に都合のいい記事を書いてくれると確信していたからでしょう。その期待を裏切らず、ファックラー記者は植村元記者を理不尽な攻撃を受けている被害者であるかのように書き上げました。
 このファックラー記者とは、どの様な人物なのでしょうか。ウィキペディアから引用します。
=== マーティン・ファックラー ===
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%BC
 マーティン・ファックラー(Martin Fackler, 1966年11月16日 )はアメリカ人ジャーナリスト。2009年2月からノリミツ・オオニシの後任としてニューヨーク・タイムズ(NYT)東京支局長を勤める。
◇経歴
 アメリカ合衆国アイオワ州生まれジョージア州育ち。ダートマス大学2年のときに中国語と漢文習得のために東海大学 (台湾)に留学したことで東アジアと関わり始める。慶応義塾大学で日本語習得の機会があり来日、その後1993年東京大学で経済学修士取得。1994年イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校でジャーナリズム修士号取得後、1996年カリフォルニア大学バークレー校で東洋史研究によりPh.D.取得。 1996年からブルームバーグの東京駐在員。1年半後にAP通信に移り、東京を皮切りにニューヨーク、北京、上海で活動。2003年からウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の東京駐在員として金融、財政、貿易、外交などをレポート。2004年に25年勤めたWSJからNYTに移ったばかりのラリー・イングラシア(Larry Ingrassia)に引き抜かれ2005年からNYT東京駐在員、東南アジア支局長に転出したノリミツ・オオニシの後を受け2009年2月から同紙東京支局長。WSJ、AP通信を経て、2009年2月にNYTに移った田淵広子(Hiroko Tabuchi)とともに同紙日本トピックキュレーターも勤める。
◇受賞
 ファクラーらによる東日本大震災に関する報道は「国土を破壊し、原子力事故を引き起こした津波、地震後、日本政府が隠蔽した一連の深刻な失敗を力強く調査したことにより(NYTウェブサイトより)」、2012年ピューリッツァー賞のファイナリスト(最終選考対象)にノミネートされた。
 また、調査記事チームの一員として、米国海外報道クラブ(Overseas Press Club of America)のハル・ボイル賞(Hal Boyle Award)の次点[要出典]、またアジア出版協会から調査報道として優秀賞を受賞した[3]。そのほか同僚と共に、2011年のエネルギー関連報道で世界エネルギー賞の優秀賞を獲得した。
◇著名な記事
 東日本大震災に際しては精力的な取材と報道を行い、2012年のピューリッツァー賞にノミネートされるなど高く評価された(後述)。
 小沢一郎に対する検察捜査のあり方と当局の発表を無批判に報道する日本の記者クラブのあり方を批判し、2009年3月から2010年1月にかけて、西松建設事件を巡る問題を報道。その後、記者クラブの批判者として日本のメディアから多くの取材を受ける。
 2012年8月2日には「強い円は日本の世代を分断する」と題する報道を行い、円高によるデフレーションは金融資産を保有する高齢者に有利に働き、政治的影響力の強い高齢者の多い日本ではこの傾向を反転させるのは難しいだろうと述べた。これに対し、藤崎一郎駐米大使が強い不快感を表明する一方、同じく円高や景気の動向の影響を受けにくく政治的影響力の強い公務員の影響が抜け落ちているとする批判もある。
 2012年8月19日に、日本の議員らが尖閣諸島に上陸したことについて、彼らをNationalist(民族主義者)と表現。旭日旗(Rising Sun flag)を持っていったと事実に反する報道を行ったと指摘するものもいるが、小学館プログレッシブ和英辞典や研究社新和英大辞典などの和英辞典でも、「日の丸」(日章旗)はRising Sun Flagと訳されており、また1915年には満州をめぐって当時アメリカで台頭しつつあった日本脅威論に反論する形でChugo OhiraがNYTに起稿、星条旗(star-spangled banner)に対応させる形でrising sun flagを用いるなど、NYTでは日章旗を表す表現として以前からRising Sun flagが使用されている。
~以下省略~
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 東日本大震災関連でピューリッツァー賞にノミネートされる程の記事を書いている一方、北海道猿払村の朝鮮半島出身者の追悼碑建立の件では、無許可建立だったことに触れずに「戦争犯罪を忘れさせようと、日本で圧力がかかった」と書いて物議を呼んでいたようです。

===J-CASTニュース ===
朝鮮人追悼碑「ネット右翼の圧力で中止になった」 NYタイムズ紙の日本批判報道が物議
http://www.j-cast.com/2014/10/31219859.html
~省略~
圧力がかかったとされた追悼碑の建立は、猿払村の共同墓地で進められていた。もともとは、地元の男性が朝鮮出身者を慰霊しようと発案したものだ。
村では、旧陸軍が対ソ戦に備えて1942~44年に浅茅野飛行場を建設し、日本人も含めて多くの朝鮮出身者が過酷な環境で働いていたとされる。そんな中で、80人以上が栄養失調やチフスなどで亡くなったと伝えられ、飛行場近くの旧共同墓地などに埋葬されたという。
そのことを知った地元男性の呼びかけで、市民団体「強制連行・強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム」などが06~10年まで発掘調査を行い、39人の遺骨を見つけて近くの寺に安置した。その後、韓国政府機関「対日抗争期強制動員調査・支援委員会」も加わって追悼碑の建立が進められ、13年11月26日に除幕式が行われる予定になった。
このことが韓国でも報じられると、日本のネット上で騒ぎになり、村には、「強制連行というが、根拠はあるのか」といった抗議が相次いだ。そんな中で、村有地の追悼碑建立に村への許可申請がなかったことが分かり、村は除幕式の中止を求めていた。12月8日には、追悼碑が自主的に撤去され、村の総務課によると、その後は改めて申請はないという。
しかし、ニューヨーク・タイムズ紙は、記事の中で追悼碑が無許可だったことに触れず、ネット右翼の抗議が相次いで村が建立中止を命じたと書いている。
記事では、その抗議について、「村の住民たちは国賊だ」「特産のホタテガイの不買運動をするぞ」といったものだったと指摘している。
ニューヨーク・タイムズ紙の報道について、猿払村の総務課では、「ニュアンスについては、違う部分があると思います」と戸惑いがちに取材に答えた。「抗議の電話やメールが多数あったのは事実ですが、圧力があったので除幕式の中止を申し入れたわけではありません。あくまでも、手続き上の不備があったということです」と説明した。
~省略~
記事を書いたのは、ニューヨーク・タイムズ紙の東京支局長だった。そこで、支局に話を聞こうとすると、支局長は取材で外出しているとのことだった。
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 マーティン・ファックラー東京支局長は、この猿払村の記事(2014年10月28日付)を書く前に、的場光昭(「アイヌ先住民族、その不都合な真実20」の著者)氏に取材をしていました。的場氏が「正論」2013年11月号に「朝鮮人『人骨』騒動の呆れた?末」を寄稿していましたので、それで取材対象にしたのだと思われます。
 ファックラー支局長は猿払村への「電凸」について的場氏に質問していて、的場氏は、
●猿払村への朝鮮人強制連行はなかった。タコ部屋労働ではないか。
●「強制連行・強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム」には、朝鮮総聯や過激派の関係者が含まれ、この団体は東川町や美瑛町でニセ人骨を用いて石碑を建立しようとしていた。
●猿払の土壌で60年以上人骨が残存することはありえず、発見された人骨には法医学的な疑念が数々ある。
●無許可建立は犯罪であり、村が土地を提供したとしたら、外交・行政両面において大変な問題。
との説明をした上で、電凸は「そよ風」が始めたこと、村に問題点を説明したことについては村から感謝されているなどと回答した模様です。
 ブログ「そよ風」には、ファックラー支局長の取材の件が詳しく書かれ、そこで的場氏はこのように言っています。
=== そよ風 ===
電凸は「いじめ・ヘイトスピーチ」?byニューヨークタイムズ
2014年09月09日
http://blog.livedoor.jp/soyokaze2009/archives/51834033.html
 ニューヨークタイムズは私に猿払の問題点を聞きたいと言っておきながら、実際には電凸について私をやり込め、日本の右翼団体の非民主主義的な実態を世界に発信したかったのでしょうが、米国の文献を用いて、非民主主義的で議論を許さないのは固定観念に固まったマスコミであることを明らかにして、バッサリ返り討ちにしておきました。
 ところで、NT紙からは回答内容を記事に反映させるという謝意がとどけられましたが、私は同紙を購読しておりません。
 もしどなたか関連掲載を発見されましたら、そよ風を通じてお知らせください。
~省略~
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 ニューヨーク・タイムズは回答内容を記事に反映させると返答したとのことですが、結果からすると無視されたようです。
 的場氏は回答の中で「Public Opinion」(Walter Lippmann著、日本版「世論」岩波文庫)を引用し、「報道によって広く拡散した固定観念は、これを否定する新しい事実を前にしても、個人レベルそして公的レベルにおいても変更は困難だと警告しています。つまり多くの人々は一度形成されてしまったステレオタイプ思考から抜け出せないというものです。」と書いていましたが、右翼の戯言と鼻で笑っているのでしょう。

 ニューヨーク・タイムズは朝日新聞と業務提携をしていて、東京支局が朝日新聞東京本社内にあるからではないでしょうが、朝日新聞と体質が似かよっている感じがします。ニューヨーク・タイムズは、リベラルでピュリッツァー賞受賞者も多く輩出しているが、異論を認めようとせず、歪曲などの批判を無視する傾向にあり、誤報も多いと評する人もいます。世界一の新聞に勤務しているというエリート意識が強いとも。
 ファックラー支局長もこの様な企業文化の中にどっぷりと浸かっていて、自身の考えは絶対的に正しいと信じ込んでいるのでしょう。一種のカルト信者のようなものです。こうした人達に事実を示して反論しても効果はありません。異論には聞く耳を持たず、攻撃して封じ込めようとすることに注力するからです。
 慰安婦問題については、河野談話などのために、海外では「日本軍がセックススレイブにした」と信じている人が多いのでしょう。だから、慰安婦像が立ったり、非難決議が出るのだと思います。慰安婦狩りをしたとの報道ばかりを聞かされていれば、そうなるのも当然かもしれません。海外ではセックススレイブ論が一般的なのでしょう。
 セックススレイブ論は定着しているので、反論しても歴史修正主義者と思われるだけで無駄であり、謝罪をする方が良いと発言する人がいます。「大日本帝国=悪」とのイメージを強くもたれているので、覆すのは容易ではないでしょう。だけど、事実を聞かされている内に目を覚ます人もいるのです。

 弁護士でタレントのケント・ギルバート氏は、朝日新聞が記事を取り消したことについて、自身のブログ「ケント・ギルバートの知ってるつもり」にユーモアを交えて書いています。
=== ケント・ギルバートの知ってるつもり ===
朝日新聞へのアドバイス
http://ameblo.jp/workingkent/entry-11913718096.html
~省略~
 ところで私も「従軍慰安婦問題はあったのだ!」と先日まで信じ込んでいましたから、朝日新聞に完全に騙された人間の一人です。だから朝日新聞は私にも謝罪して欲しいです。保守系の友人たちは「従軍慰安婦問題なんて無かったんですよ!」と何度か私に教えてくれました。しかし私は全く聞く耳を持たなかったので、彼らは密かに私を馬鹿にしていたかも知れませんし、彼らの信用を失ったかも知れません。そのことを考えると精神的苦痛を感じるから、朝日新聞に対しては損害賠償を請求したいくらいです。
 というのは冗談ですが、朝日新聞にまんまと騙された被害者が他にもいることを忘れてはいけません。韓国人です。彼らは「日本軍は韓国人女性を強制連行して従軍慰安婦(性奴隷)にした」という、朝日新聞が書いた記事を真実だと信じたからこそ、日本政府にしつこく謝罪と賠償を要求してきました。さらに、韓国の日本大使館の目の前や、アメリカ国内の複数の場所に「従軍慰安婦像」なる銅像を設置する活動も、真剣に継続して来ました。
~省略~
 それを今さら「取り消します」っていうのは、韓国人に対するひどい裏切りです。赤っ恥をかかされた韓国人の精神的苦痛は、私とは比較になりませんよ! しかも朝日新聞のせいで、国連人権委員会の調査内容がいい加減だったことまで一緒にバレちゃったんですよ! 人権委員会に報告書を提出したクマラスワミさんには、彼女が死んでも消せない汚点が歴史上に残っちゃったじゃないですか!
 慰安婦像の製作費用とか、アメリカの上院議員や市長など政治家をこの問題に巻き込むために使ってきたロビー活動の費用とか、国連人権委員会があるジュネーブまでの出張費用とか、韓国人は地道な先行投資を相当額してきたんですよ! お陰様でいい感じで効果が表れてきて、米国内の数か所に慰安婦銅像を設置することにも成功し、「これでもうすぐ日本政府から多額の賠償金が取れるはずだ!」と皮算用していたのに、もう計画がぶち壊しですよ! どうしてくれるんですか! 韓国人の真剣な商売の邪魔をしないで下さい!
 それに、世界各国に向けて「日本はひどい国でしょ?」と告げ口外交をしてきた朴槿惠大統領についても、なんて恥ずかしい思いをさせてくれたんですか! 日本人は優しくて、潔く謝ると大体のことはすぐに許しちゃうお人よしだから、購読者数が毎日確実に減っていくことさえ気にしなければ、別に謝罪は後回しにしてもいいと思うけれど、朝日新聞は一日も早く、韓国と韓国人に謝罪して、もちろん賠償金も支払わないと、このままじゃ1000年恨まれますよ!
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 ギルバート氏も従軍慰安婦問題を信じていて、事実を説かれてもまともに聞かなかったのですが、朝日新聞の検証記事で目を覚ましました。人は何らかの切っ掛けで目から鱗を落とすことがあるのです。そうなれば、それまでの世界観が一挙に崩れることもあります。
 定着しているから反論しても無駄と言っていては何も変わりません。歴史修正主義者とレッテルを貼られても事実を訴え続けなければ、偏見は直らないのです。諦めず、事実を訴え続けていれば、ニューヨーク・タイムズも見方を変える日が来るかもしれません。可能性はかなり低いかもしれませんが。

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北星学園大学が植村元記者の雇用継続を決定

%%% 元朝日記者の雇用継続を正式発表…北星学園大 %%%
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141217-OYT1T50149.html
 いわゆる従軍慰安婦報道に携わった元朝日新聞記者(56)が非常勤講師を務める北星学園大(札幌市厚別区)の田村信一学長らは17日、記者会見し、来年度も元記者を非常勤講師として雇用すると正式に発表した。
 田村学長は方針変更の理由について、下村文部科学相が「脅迫は許されるものでない」と批判したことや、全国の弁護士が脅迫状の捜査を進めるよう札幌地検に刑事告発したことなどを挙げ、「暴力と脅迫を許さない動きが大きくなり、一定の抑止力になりつつあるため」と説明した。学生などの安全確保については「新たな危機管理体制を構築し、対応したい」とした。
~省略~
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 植村隆元朝日新聞記者の雇用問題は、12月4日の理事会で議論されていました。田村信一学長は「総合的に考えて、(植村氏の)雇用は続けない方がいいという考えは変わっていない」との考えだったようですが、理事らの意見は賛否両方あり、結論は教職員やPTAメンバーら約40人で構成される評議会に持ち越されていました。
 結局、北星学園大学は来年度も再雇用するという結論を出し、それについて大学のサイトに「国際交流特別科目の非常勤講師との次年度契約について(報告)」との報告書を掲載しています。

 この報告書は、大山綱夫理事長と田村信一学長の連名で出され、この様な内容です。
●10月31日の記者会見で学長が示した再雇用しないという方針は、議論のたたき台として提起したもの。
●評議会、全学公聴会、学園理事会などで議論を重ねた結果、最終判断は理事長と学長の協議に委ねられた。
●脅迫状などが報道されたことで、言論の自由及び大学の自治が危機に陥っているとの認識が、弁護士や大臣などに広がった。
●大学内と学園理事会の議論では、キリスト教の建学精神や大学の歴史及び教育機関として暴力などの弾圧に屈するべきではないといった観点から、契約更新を支持する主張があった。
●他方で、学生の安全と平穏な学習環境のために、早く事態収束すべきという主張もあった。
●2つの主張は、現状を率直に表現したものであり、それぞれが正当な根拠を有している。
●暴力と脅迫を許さないという社会的合意が広く形成されつつあり、それが一定の抑止力を持つと思われる。
●この状況から、大学が主体的に判断した。
●学長が記者会見で挙げた安全確保への不安や職員の消耗については、新たな危機管理体制の構築で対応する。

 北星学園大学の発表を受けて、植村元記者の雇用継続を求めていた「負けるな北星!の会」は、「北星学園大学が非常勤講師の雇用継続を決定したことについて」という声明をサイト上に掲載しています。
 学長などに敬意を表すと共に、「思想・言論の自由、学問の自由、大学の自治という憲法の原理を守る、非常に歴史的な決断」「学園と学生の安全、植村さんとご家族の平穏を一日でも早く取り戻すため、卑劣な犯罪者を野放しにすることのない早急な対応を期待しています」「政府が毅然とした対応をとることも、この機会に強く求めます」「戦後日本が築いてきた自由に発言できる社会、多様な意見を議論によって決めていく民主主義が今、非常にもろくなっていることを痛感しました」などと書かれています。

 植村元記者の雇用を継続しないことは、「学問の自由」を犯すことだとの主張は、負けるな北星!の会だけではありません。雇用継続は学問の自由を守ることなのでしょうか。
 田村学長は保護者らに宛てた「本学及び保護者の皆様へ」の中で、
●本学に対する意見等のほとんどは、「初めて朝日新聞社の植村記者が報道した従軍慰安婦問題は、事実に反する捏造である」という立場から、「なぜ捏造するような人物を採用するのか」という趣旨の抗議です。
●植村氏の担当する国際交流特別講義は、当初、海外の提携校の要請により開講したもので、現在も外国人留学生向け(本学学生にも開講)に「北海道の歴史と文化」などをテーマに行われており、慰安婦問題や過去の特定の記事には何ら関係ないものです。
●来期以降については、全ての非常勤講師の担当授業依頼と同様、本授業についても検討されているところです。
と書いています。
 植村元記者の講義は提携校の要請と説明していますが、植村元記者は3月に神戸松蔭女子学院大学の雇用契約を解消され、急遽、北星学園大学の非常勤講師に雇用されたという事実からすれば、植村元記者を雇用した動機が講義を受け持たせるためとは考えられません。植村元記者は朝日新聞在職中、北星学園大学の非常勤講師として韓国の留学生を相手に「メディアで読む日本?そして世界」という講義をしていましたから、提携校の要請というのはその時の事を言っているのではないでしょうか。真相は、就職先が無くなった植村元記者に情けを掛けて採用したということでしょう。だから、植村元記者の経歴からして適当ではなくても取り合えず、北海道の歴史と文化について講義させているものと思われます。
 大体、特別講義というものは、一時的なものです。毎年カリキュラムに入れられているなら、特別にはならないのです。一年で特別講義を終えたからといって、非難されるものではありません。元々、単年度契約ですから。
 それに、植村元記者が北海道に関係したのは数年のことで、北海道について大学で講義できる程詳しいとは思えません。北海道の歴史や文化についてどれ程の知見があり、どのような学問的業績があるのでしょうか。たぶん、そんなものは無いでしょう。それで学問の自由を主張されても説得力は皆無です。

 朝日新聞は11月にこういう記事を掲載していました。
%%% 北星学園大学長「学生安全確保、悩んだ」%%%
~省略~
■一部教職員らは反発
 この問題で、田村学長はこの日、初めて記者会見した。大学としての正式決定ではないとしつつも、「学生の安全をどう確保するかに悩んでいた。どこかで収束させるべきだと思った」と語った。
 教職員らからは、これまで賛否さまざまな意見があったという。学生からは、植村氏をなぜ雇うのかという批判や、就職活動に悪影響が出るなどの意見が出たという。 「植村氏を雇うのは日本人としておかしい――など、ネット上に見られるのと近い意見があった。ネット社会が発展し、『大学の自治を守る』と言って学生が簡単に賛同してくれるわけではなく、苦しい状況だ」と漏らした 。
 契約を更新しなかった場合について田村学長は「世論から批判される可能性はあるだろうが、それは不本意だ」とし、「(外部の圧力に大学が屈する)悪しき前例にはならないと考える。今期1年間の契約は守ったわけだから」と述べた。
 10月1日には、外部の脅しに屈しないことや、植村氏の授業については来期も検討されているなどとした、学生と保護者向けの声明を発表していた。その後、有識者らが「負けるな北星!の会」をつくって大学の支援に乗り出したほか、脅迫電話をかけてきたとする容疑者も道警が逮捕。最近では、抗議や嫌がらせメールも減っているという。
 それでも田村学長は「今年は運がよかっただけかも知れない。いつまでも臨戦態勢を続けるわけにはいかない。『北星頑張れ』という気持ちは分かるが、過大な要求だ」と話した。
 札幌中心部でこの日夜に開かれた「負けるな北星!の会」のシンポジウムでは、「(植村氏の契約を更新しなければ)外部の圧力に屈したという悪しき前例をつくることになる」などとする意見が相次いだ。 また、植村氏との契約を更新しないことに反対する同大の一部教職員でつくるグループの一人は、 「最近では抗議や嫌がらせの件数は減ってきているのに、どうして契約更新しないという判断になるのか、理解できない」と話した。
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 大学への抗議は、「なぜ捏造するような人物を採用するのか」というもので、学生らも同意見のようです。植村元記者が教えている講義内容を問題にしているのではなく、教育者としての資質を問題にしているのです。
 不祥事を起こして大学を追われる教授がいますが、解雇について問題にされません。ましてや、学問の自由の侵害とは誰も言いません。植村元記者の雇用問題も本質的に同様なのですが、左翼系の連中は学問の自由の侵害と言って大騒ぎです。資質の問題を学問の自由の問題へと論点をすり替えているのです。
 とはいえ、大学への脅迫は許されるものではありません。抗議も大学の自治という観点からみれば、問題です。いくら教育者として相応しくない人物でも、解雇しろと要求するのは大学の人事権を犯す行為です。逆に、解雇するなと要求するのも大学の自治を犯す行為です。
 負けるな北星!の会の連中は、大学の自治を犯す行為をしていながら、思想・言論の自由、学問の自由、大学の自治を守ると言ってはばかりません。独善的で自身の主張を押し通すことしか考えていないから、自分達のしていることを理解できないのでしょう。

 田村学長は脅迫に屈しないとしながらも、脅迫に負けるなと言われるのも過大な要求と思っていたようです。解雇してもしなくても、大学の自治を危機に陥らせるから、契約更新しないということが最善策と判断していたのでしょう。ですが、結局のところ再契約するという結論を下しました。「大学が主体的に判断した」と言っていますが、実際は負けるな北星!の会らの要求に屈したということです。
 植村元記者を雇用したことから、地方の無名私学だった北星学園大学は有名になりました。それがイメージアップになることなら良かったのでしょうが、現実は反対です。雇用継続を表明したことで、イメージ回復の切っ掛けも失いました。
 来年の受験生は大幅に減少するでしょう。大学経営は厳しくなるに違いありません。だけど、負けるな北星!の会の連中が金銭的に支援することはありません。彼らは、自分達の主義主張のために活動しているのであって、大学経営のことなどどうでもいいのです。
 大学経営が厳しくなるだろうことは、田村学長も十分理解していたでしょう。だから、受験シーズン前にけりを付けようとしたのでしょうが、植村元記者の仲間に阻まれました。とんだ疫病神に取り付かれてしまったと思っているのではないでしょうか。

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元朝日記者の雇用継続問題、結論出ず 北星学園大
http://www.asahi.com/articles/ASGD46HCTGD4IIPE03C.html
国際交流特別科目の非常勤講師との次年度契約について(報告)
http://www.hokusei.ac.jp/images/pdf/2014_1217.pdf
声明「北星学園大学が非常勤講師の雇用継続を決定したことについて」
http://makerunakai.blogspot.jp/2014/12/blog-post_18.html
「本学及び保護者の皆様へ」北星学園大学学長・田村信一(2014年9月30日)
http://www.hokusei.ac.jp/images/pdf/20140930.pdf

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支持政党なし

 来る衆議院選挙で、北海道からは20人の代議士が生まれる。内訳は小選挙区から12人、比例区から8人となっている。
 自民党、公明党、民主党、共産党、維新の党は、小選挙区と比例区に候補者を立てているが、幸福実現党、社会民主党、次世代の党、支持政党なしの4党は比例区にしか候補者を立てていない。

 ここまで読んで、ふと疑問に思ったのではないだろうか。「支持政党なし」が入っているのはコピペミスでもしたのではないかと。でも、間違いではない。「支持政党なし」という名の政治団体があるのだ。かく言う私も政見放送を見るまで、こんな名の党(政治団体)があることを全く知らなかった。今まで様々な名前のミニ政党があったが、党名の衝撃度はUFO党を超えたかもしれない。
 しかし何故、「支持政党なし」という名称にしたのだろうか。それについての佐野秀光代表の説明を簡潔にまとめるとこうだ。世論調査では「支持政党なし」が圧倒的に多い。だが、その支持政党なしという民意を選挙で反映させる方法がない。よって、その民意の受け皿となるべく、「支持政党なし」という名称にしたということである。

 北海道でこんな奇妙な政治活動をしていた人がいたのかと思い、調べてみると、「支持政党なし」の本部所在地は東京であり、佐野代表も東京出身だった。国政選挙に出馬したのも今回が初めてではないとのことだ。
 2009年に政治団体「新党本質」を結成し、第45回衆議院議員総選挙に比例北海道ブロックに立候補、落選。2010年には、第22回参議院議員通常選挙に東京都選挙区から立候補するも落選。2012年に名称を「安楽死党」に変更し、第46回衆議院議員総選挙には東京4区から立候補して落選。2013年に政治団体「支持政党なし」を結成。

 典型的な泡沫候補だ。出身地の東京から出馬するのは分かるが、何故、縁もゆかりも無い北海道なのか。同じ疑問を持つ人は多いらしく、「支持政党なし」のサイトには「『何で北海道から出たの』って言うご質問が多いんですよね。 」と書いてある。
 サイトの説明によると、3つ理由を挙げている。
①擁立しなけらばならない候補者の数と供託金
②法案は日本全体の問題
③議決する場所は東京で、北海道の有権者の意思を十分に反映できる
 ②と③は北海道ブロックでなければならない理由ではない。別に東京ブロックでも九州ブロックでもいい訳だ。だから、北海道から出馬する本当の理由は①しかない。
 「擁立しなけらばならない候補者の数と供託金」だけではよく分からないので説明すると、こういうことだ。
 政党要件(国会議員が5人以上所属、又は直近の国政選挙で2%以上の得票)を満たしていないと政治団体でしかなく、小選挙区では政見放送も出来ず、相当な有名人でないと当選はほとんど不可能。比例区も基本的に政党でなければ候補者を立てることが出来ないが、例外がある。比例のブロック定数の2割以上の候補者を擁立することで比例代表に出馬可能となる。
 小選挙区は無理でも、比例区なら何とかなるかもしれないとの思惑なのだろう。
 だが、比例区は供託金が一人600万円(小選挙区は300万円)と高額なために、多数の候補者を擁立すると多額な資金が必要となる。例えば、幾つかのブロックについて必要擁立者数と最小供託金を比較すると、こうなる。
●北海道ブロック:2人 1200万円
●東 京ブロック:4人 2400万円
●近 畿ブロック:6人 3600万円
●四 国ブロック:2人 1200万円
 必要擁立者数が最小なのは11ブロックの内、北海道ブロックと四国ブロックで供託金も1200万円で済む。また、同じ供託金額でも、北海道ブロックは定数8、四国ブロックは定数6なので、北海道ブロックの方が当選し易いだろう。
 つまり、佐野代表は、最小の供託金額で当選しようとするには北海道ブロックから出馬するのが一番いいと考えているだけなのだ。

 こんな考え方をするだけに、訴える政策も突飛だ。「支持政党なし」の政策は「政策なし」なのだ。これはどういうことかというと、党としての具体的な政策がある訳ではなく、法案ごとに党のサイト上で賛否を問い、多数決の結果に従って、その通りに議決権を行使するということなのだ。代議制民主主義に直接民主制を持ち込むということなのだろう。
 アイデアは面白いが、ネット投票を実際にやるとなったら、外国人が国政に影響力を持つという問題が持ち上がる。それに、他党支持者が投票し、結果を左右することも有りうるのだから、そうなったら無党派の民意とは言えなくなるだろう。
 そもそも、国会議員の仕事は法案についての議決権を行使するだけではない。国会への法律案提出は内閣が多くを占めているが、議員立法もある。「支持政党なし」は、民意を反映させる上で議員の重要な仕事である議員立法を放棄すると言っているに等しい。内閣立法にしても、成立過程で質問などをして修正を加えるということも議員の仕事なのだが、それも放棄するということになる。

 佐野代表は一番下や左端に「支持政党なし」と表記されるように、一番最後に選管に届け出たそうだ。「支持政党なし」と書くことが政党への投票ではなく、単なる意思表明と勘違いさせる目的なのだろう。それなら、政見放送に出たのは間違いだったのではないか。「支持政党なし」が政治団体と知られると、目論見が崩れるからだ。何も発信しない方が効果的だったのかもしれない。
 たぶん、「支持政党なし」からは当選者は出ないだろうが、どの位得票することになるだろうか。

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NYタイムズが植村元記者を取材する 前編

 北星学園大学の非常勤講師の植村隆元朝日新聞記者は、国内メディアの取材からは逃げ回っているのに、ニューヨーク・タイムズの取材は受けたそうです。

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≪右派が朝日新聞を攻撃と米紙 慰安婦報道の元記者取材≫
http://www.47news.jp/CN/201412/CN2014120301001204.html
【ニューヨーク共同】米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は2日、従軍慰安婦問題などをめぐる記事を取り消した朝日新聞への「右派の攻撃」が強まっているとする札幌発の記事を掲載した。安倍晋三首相を含む「民族主義的政治家」による歴史修正の動きがみられるとして批判的に伝えている。
 記事は慰安婦報道に関わり現在、札幌市にある北星学園大の非常勤講師を務める元朝日新聞記者らに取材した。元記者はニューヨーク・タイムズ紙に、嫌がらせなどによって大学の職が奪われそうになっている現状や子供にまで中傷が及んでいると述べた。
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≪朝日新聞の誤報への批判を「いじめ」「脅迫」と主張 慰安婦報道の朝日元記者がNYタイムズ紙取材に応じる≫
http://www.sankei.com/entertainments/news/141203/ent1412030012-n1.html
【ニューヨーク=黒沢潤】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は2日、朝日新聞が今年8月に慰安婦問題の記事を撤回して以来、安倍晋三政権を含む「右派勢力の(朝日新聞)攻撃」が強まっているとする記事を掲載した。
 記事は、慰安婦問題の報道に関わり、現在は北星学園大(札幌市)の非常勤講師を務める元朝日新聞記者に取材し、元記者が失職する恐れがあることなどを紹介。元記者は、安倍首相ら国家主義的な政治家たちが「脅迫的な手法で歴史を否定しようとしている」「(右派が)われわれをいじめて黙らせようとしている」などと述べ、朝日新聞や自身への攻撃は不当であると主張した。
 記事はまた、「軍が占領地で女性をかき集め、軍が運営する慰安所で働かされた、と主流派の歴史家の大半が見なしている」などとしつつも、「日本軍が韓国で女性の連行に直接関与した証拠はほとんどない」とした。
 さらに、慰安婦募集の強制性を認めた河野談話の見直しを求める人たちを「(歴史)修正主義者」と断じた。産経新聞は元記者に取材を申し込んでいるが、元記者は応じていない。
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 この2本の記事はどちらもニューヨーク・タイムズの記事を紹介したものですが、印象が随分と違います。メディアのスタンスの違いが現れたのでしょう。産経新聞の記事からすると、共同通信は植村元記者に不利になるような部分をカットしているようです。
 実際のところ、ニューヨーク・タイムズの記事はどのような内容だったのでしょうか。元記事がニューヨーク・タイムズのサイトに「Rewriting the War, Japanese Right Attacks a Newspaper」というタイトルで掲載されていますが、残念ながら英文です。英語が不得意なのに和訳するのは大変面倒ですが、誤訳覚悟でやってみます。

_/_/_/_/_/ ニューヨーク・タイムズ _/_/_/_/_/
≪戦争の書き換え、日本の右派は新聞を攻撃≫
マーティン・ファックラー 2014年12月3日

 日本の札幌発-植村隆が彼のキャリアになる記事を書いた時は33歳だった。その当時日本で2番目に大きい朝日新聞の調査報道記者だった彼は、帝国陸軍が第二次世界大戦中に軍の売春宿で働くことを女性に強制したかどうかを調査した。見出しに「記憶はまだ涙をもたらす」と付けられた彼の記事は、韓国からの元「慰安婦」の物語を伝える最初の一つだった。

 四半世紀話を進めると、その記事は、ジャーナリズムから退き56歳になった植村氏を日本の政治的右派の標的にした。タブロイド紙は、日本に昔の恨みをはらすことを目的とした名誉棄損キャンペーンの一部で、彼らが言うところの「韓国人の嘘」を広めた裏切り者の烙印を押す 。暴力の脅威について、植村氏は、一つの大学の教職を犠牲にし 、二つ目もすぐに奪われるだろうと言う。 超国家主義者は彼の子供達さえ追い回し、彼の10代の娘を自殺に追いやることを人々に促すメッセージをインターネットに投稿している。

 脅威は、長い間日本の保守派が好んで憎悪する朝日に対しての、右翼ニュースメディアと政治家が激しく攻撃する幅広い中の一部だ。戦いは、戦時行動における日本の有責性について長く激しい論争における安倍晋三首相の右傾化した政府の下で燃え上がった最も最近の一斉射撃でもある。

 この最新のキャンペーンは、しかし、日本の進歩的な政治的影響を持つ最後の砦の一つを脅かす乱用の激流を解放し、安倍氏自身を含む民族主義政治家と共に、戦後日本が以前に見たどんなことをも越えてしまった。それは、戦時において女性に売春を強制したことに対する政府の1993年の謝罪を再考するよう要求している修正主義者も勇気づけている。

 「彼らは、歴史を否定する方法として脅迫を使っている」と植村氏は言い、緊急性の訴えと自分自身を守るための多くの書類と共にこの北の都市での会見に来たと話した。「彼らは我々を沈黙させるために脅迫したいのだ。」

 コメンテーターが呼ぶ「朝日戦争」は、新聞が世論の批判に屈して1980年代と90年代前半に発表された少なくとも1ダースの記事を撤回した8月に始まった。それらの記事は、軍の売春宿のために韓国人女性を誘拐する手伝いをしたと主張していた元兵士の吉田清治を引用していた。吉田氏は、20年前に信用を落とし、日本の右派は朝日の振る舞いを激しく非難して135年続く新聞を廃業に追い込むためにボイコットを呼びかけた。

 10月の国会の委員会で、安倍氏は朝日のそれについて「誤報が多くの人々に傷を与え、悲しみ、苦痛と怒りを引き起こしました。それは日本のイメージを傷つけた。」と話した。

 今月の選挙により、保守派が国の主要な中道左派の新聞を妨げようとしていると、アナリストは言う。朝日は、日本の戦時中の軍国主義に対するより大きな償いを長い間支持し、他の問題でも安倍氏に反対した。しかし、2年前の投票で惨敗した後の混乱に生き残ったこの国のリベラルな反対派は益々孤立している。

 安倍氏と彼の政治的盟友は、より大きいゲーム(日本軍が戦争中に何万もの韓国人と他の外国の女性に対して性的な奴隷になることを強制したという現在において国際的に受け入れられている見方)を求めるための待ち望んだチャンスとして朝日の苦境をとらえた。

 大多数の主流の歴史家は、帝国陸軍が戦いの戦利品として征服地域の女性を扱い、中国から南太平洋にわたった慰安所として知られている軍経営の売春宿のシステムで働かせるために集めたということに同意している。 多くは、工場や病院の仕事を提供すると騙され、慰安所で帝国の兵士のためにセックスをすることを強制された。 東南アジアでは、日本兵が売春宿で働かせる女性を単純に誘拐したという証拠がある。

 兵士とセックスすることを強制されたと証言するために現れた女性の中には、中国人、韓国人とフィリピン人だけでなく、オランダの植民地であったインドネシアで捕らえられたオランダ人女性もいる。

 日本軍隊が誘拐又は戦争が始まった時に数十年も日本の植民地であった韓国で女性をだますことに直接関与したという証拠はほとんど無く、しかし彼女らをサポートする女性と活動家は、女性が頻繁にだまされて意思に反する仕事を強制されたと言う。

 修正主義者は、しかしながら、すべての女性が性奴隷制で監禁されたということを否定するためと慰安婦は単純に高給を得るために軍隊に随行した売春婦との主張のために誘拐の証拠の欠如に飛びついた。

 慰安婦問題の学者とって、驚きは吉田氏が嘘をついていたという朝日の結論ではなかった-新聞はそれが彼の根拠を確認できなかったと1997年に認めていた- しかし、正式な撤回の発行は長く待たされた。朝日の従業員は、安倍政権のメンバーは、その記者を批判するためにその記事を使っていたので、誤解を正すことによって攻撃を鈍化させることを望んだ最終的行動と言った。

 代わりに、この動きは非難の嵐を促し、修正主義者に彼らの歴史解釈を進めるための新しい幕開けを与えた。彼らは、外国の専門家が信じられずに彼らの頭を掻いて去れとの主張を後押ししている。:朝日だけが、慰安婦が強制の犠牲者であったことを世界に確信させた責任がある。

 数十人の女性が過酷な試練についての証言と共に現れたにもかかわらず、日本の右派は、「20世紀における人身売買の最大のケースの一つ」についての謝罪を日本に求めた米国下院による2007年決議を含む日本の国際的な非難が朝日の報道によって生じたと主張する。

 保守派にとって、朝日を貶めることは、彼らがあまりに否定的であると思う日本帝国の描写を消去し、結局1993年の慰安婦への謝罪を覆すという彼らの長年の課題を進める方法でもあると、アナリストは言う。右派の多くは、日本の行動が日本の市民に対するアメリカ合衆国の爆撃を含む他の第二次世界大戦戦闘員より悪くなかったと主張する。

 「朝日の告白は、修正主義の右派が以下のように言うチャンスである: 『見なさい! 我々はあなたにそう言った!』」と東京にあるの上智大学の政治学者・中野晃一は言う。 「安倍は、これを彼が日本の国家的名誉を傷つけていると信じる歴史問題を追求する彼のチャンスと考えている。」

 朝日の保守的な競争相手で、世界で最も流通している新聞である読売新聞は、慰安婦報道に関する朝日の間違いを強調したリーフレットを配布することによってライバルのトラブルを利用した。日本ABC協会によると、8月以来、朝日の日刊発行部数は230,797低下して約700万になった。

 右翼タブロイド紙は、植村氏の記事が朝日の撤回したものの中に無かったのに、「慰安婦の製作者」として植村氏を選び出し、更に追っかけている。

 植村氏は、朝日が彼や自社自身を弁護することはあまりに恐ろしかったことだったと言う。9月、新聞の最高経営者はテレビで謝罪し、編集長を解雇した。

 「安倍は、脅しによって他のメディアに自己検閲させようと、朝日の問題を使っている」と、植村氏を支援するための請願組織を作った政治学者の山口二郎は言う。「これはマッカーシズムの新しい形である。」

 植村氏が地域文化と歴史について講義している小さなキリスト教系大学の北星学園大学は、超国家主義者による爆破予告で契約を再考すると述べた。最近の午後、植村氏の支援者の何人かが、国家が異論を踏みにじった戦前の暗黒時代の誤りを繰り返すことの警告を説くために集まった。

 植村氏は、公の場に顔を出すことを今は避けているとの説明で、欠席した。「これは、他のジャーナリストを沈黙させる右翼の脅迫方法だ。」と、彼は言う。「彼らは、私と同じ運命で苦しみたくない。」
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・・・続く。
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Rewriting the War, Japanese Right Attacks a Newspaper
http://www.nytimes.com/2014/12/03/world/asia/japanese-right-attacks-newspaper-on-the-left-emboldening-war-revisionists.html?module=Search&mabReward=relbias%3Aw%2C%7B%222%22%3A%22RI%3A18%22%7D&_r=0

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盲導犬オスカー刺傷事件後編

◆スクープ
 犯人も捕まっていないのに忘れられた感があった盲導犬刺傷事件だが、先月、週刊現代が衝撃スクープと銘打って新証言を報道していた。
*** 週刊現代 2014年11月18日 ***
【衝撃スクープ!フォークで刺されたはずの盲導犬オスカー「実は刺されてなんか、いなかった」日本中が激怒した事件に意外な新証言が……】
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41100
「盲導犬オスカー刺傷事件」はあまりに大きな反響を呼んだ。しかし、3ヵ月が経った今も、犯人は捕まっていない。一体犯人はどこにいるのか。取材を進めるうちに衝撃の事実が浮かび上がってきた。
■警察が隠していること
~略~
「フォークのようなもので強く刺された」という獣医師の診断を受け、飼い主は警察に被害届を提出した。
その時の心境を飼い主はこう語っている。
「犯人には『自分で自分の体を刺してみろ』と言いたい。同じ赤い血が出るだろうと。抵抗できない犬を狙うなんて許せない……」
通常、「犬の傷害事件」の被害届を警察が受理することはありえない。だが「オスカー事件」は日本中で話題になったこともあり、埼玉県警は異例の30~40人の捜査員を投入し、捜査に当たった。
~略~
「3000枚のビラを配布し、聞き込みを行いましたが、何より期待されたのは防犯カメラの映像です。駅に設置されている100台以上の防犯カメラを、夜通しで徹底的に解析しました」(捜査関係者)
しかし、防犯カメラに映っているはずのオスカーが刺される瞬間が、一向に見つからない。それだけではない。捜査関係者が続ける。
「オスカーはこの日、犬用のシャツを身に着けていました。フォークで刺されたのなら当然、このシャツには穴が空いているはず。ところが不思議なことに、シャツには刺された跡がどこにもなかったんです。
オスカーが刺されたとすれば、犯人は一度シャツをめくって刺して、再びシャツを元に戻して逃走したことになる。こんなことをすれば余計に目立つはずです」
それなのに、防犯カメラにはそのシーンが映っておらず、目撃者も現れなかった。さらに、前出の全国紙記者が言う。
「オスカーは大型犬のラブラドール・レトリバーで、皮膚は相当分厚い。片手で服をまくり上げて、もう片方の手だけで、あそこまで深い傷をつけるのはかなりの力が要ります。
もし刺されていたら、相当な痛みがあるはずなので、なにかしらアクションを起こすと思うんですが、飼い主は『オスカーが鳴き声を上げたり、暴れたりするような気配はなかった』と言っています」
~略~
埼玉県警武南署の副署長は苦渋を滲ませながら、本誌にこう語る。
「監視カメラにオスカーが映っていたか?それは捜査の関係上申し上げることはできません。一つ言えるのは、オスカーと一緒に怪しい人物が映っていたとしたら、とっくに捜査をしているということです。市民からも『早く犯人を逮捕して』、『警察は何をやっているんだ!』という叱咤激励のお電話をいただき心苦しい。しかし、なにせ情報がない。我々としても、今は動きようがない、というのが実情です」
広報担当である所轄の副署長が、ここまでハッキリと捜査の難渋を認めることは極めて珍しい。副署長は「捜査をやめますとは、もちろん言えない」とも漏らした。それはつまり、表向き捜査は継続中だが、実のある捜査が行われていない、ということだ。
白昼の駅構内の犯行で、警察がこれだけ探しても犯人が見つからない。
「それが何を意味するか?この事件には、『犯人はいない』ということです」(前出の捜査関係者)
オスカーは刺されていなかった。これがどうやら、この事件の真実なのだ。
■診断した獣医師の戸惑い
~略~
その見立ての中身を明かすのは、東京都渋谷区にある、どうぶつ病院ルルの塩谷朋子院長だ。彼女によると、オスカーは「ただの『皮膚病』だった可能性がある」というのだ。
「獣医師の間ではそういう意見が少なくありません。写真の傷跡は、大型犬が夏にかかる『膿皮症』によく似ています。数日前から腫瘍ができていて、膿が溜まって、それが破裂した傷跡だと考えても、不自然ではありません。その傷跡がフォークで刺されたように見えたのではないでしょうか」
皮膚病はラブラドール・レトリバーがもっともかかりやすい病気の一つである。ニキビのような小さな腫瘍が毛の下にできて、やがて弾けて出血する。その傷跡は穴が空いたようになり、まるで鋭利な刃物で刺されたようにも見える。
本誌は最初に「フォークで刺された」と診断した、なぎの木どうぶつ病院の内田正紀院長の元を訪れた。すると内田獣医師から、思わぬ答えが返ってきた。
「最初から私は『フォークで刺された』と断定はしていませんよ。皮膚病の可能性も十分あると思っていました。ただオスカーをうちに連れてきた飼い主の友人の話によると、飼い主は『オスカーが耳を掻くのも分かる』と言うほど、行動を把握しているという。そして、その飼い主が『出血の数日前に皮膚に異常はなかった』と言っていると聞いたので、刺された可能性も否定できないと答えたんです。私の診断が発端で、これほどの騒ぎになってしまい、戸惑っているのも事実です」
~略~
「オスカー事件」がここまで広く拡散したキッカケは、飼い主の職場の同僚の家族が、義憤に駆られて送った朝日新聞への一通の投書だった。その投書にはこう書かれていた。
〈全盲の方の愛犬が、お尻をフォークのようなもので刺されました。(中略)こんなことをしたあなた。これは、いたずらでは済まされないことですよ〉
飼い主の知人が語る。
「そもそも犯人はいなかった、という疑念は投稿した方の耳にも入っています。でも彼だって、まさかここまで話が大きくなるとは思っていなかったでしょうから、責めるのは酷です。
責められないのは、飼い主も同じ。彼はオスカーが『フォークで刺されたかもしれない』と告げられ、これまでの取材に対し怒りを露にしていましたが、それは当然のこと。今では犯人がいなかったことにも薄々気づいていると思いますよ」
■飼い主は自宅でひっそりと
~略~
オスカーの傷はすでに完治していて、今となっては皮膚病だったか否かを確かめるのは難しい。だが、一つ言えるのは、日本中が存在もしない「刺傷犯」に向けて、罵倒と怨嗟の声を浴びせていた、ということだ。
評論家の呉智英氏は、オスカー事件に現代社会の問題が表れていると見る。
「今回の事件は、事実の検証が済んでいないにもかかわらず、飼い主より周囲が先に動いてしまったがために、これほど大きな騒ぎとなってしまった。個人的な『善意』と、自分も社会に参加しているという『使命感』、この二つの暴走が招いた事件と言えます」
一般市民だけでなく、政治家や芸能人もここぞとばかりに騒ぎ立てた。
連日「お涙ちょうだい」とばかりに煽りまくったワイドショーに対して、元日本テレビ解説委員で法政大学社会学部教授の水島宏明氏が苦言を呈する。
「最近では佐村河内守氏の嘘に振りまわされてしまったことが象徴的でしたが、メディアの中でも特にテレビは、泣ける話や同情を誘う話題に弱い。真偽の確認より、『話が盛り上がる』方向にばかり進んでしまう。あまりにも短絡的です」
~略~
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◆刺傷or皮膚病
 週刊朝日は、オスカーは足を踏まれても鳴くとの証言を書いており、踏まれて鳴くなら刺されても当然鳴くだろう。それに、傷口の消毒で体を動かすくらいだから、刺されたら飛び跳ねないまでも逃げるような動きくらいするはずだ。異変を飼い主が気が付かないことは無いと思う。とすれば、オスカーは刺されていなかったから、鳴くことも異常な動きをすることもなかったと推測するのが妥当だろう。
*** 週刊朝日 9月19日号 ***
【捜査難航の盲導犬刺傷事件 飼い主は取材攻勢で疲労困憊】
http://dot.asahi.com/wa/2014091000060.html
~略~
 訓練されているから、オスカーが少しも鳴かず、飼い主の男性は異変に気づかなかった、という美談が報道されたが、誤報もあったようだ。
「声をあげたら叱るような訓練は行っていない。そんなことをしたら虐待です」(業界関係者)
 男性の友人も証言する。
「オスカーの足を踏んづけたことがあるが、普通にキャンキャン鳴いてました。刺されたときは駅の電車の音などで鳴き声がかき消された可能性があります」
 それでも、健気に勤務先まで寄り添ったことに変わりはない。オスカーが運び込まれた「なぎの木どうぶつ病院」の内田正紀院長は、痛ましそうに語る。
「500円玉ほどの皮膚の面積に、3カ所の刺したような穴と2カ所の打ち身のような痕がありました。傷口を消毒するとき、さすがに痛そうな顔をして、体を動かしていましたね」
~略~
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 オスカーの傷については膿皮症が疑われているが、膿皮症とは、このようなものらしい。
*** 東京農工大学獣医内科学研究室 ***
http://www.tuat-amc.org/laboratory/illness01.php
イヌの膿皮症
 膿皮症はイヌで頻繁にみられる皮膚細菌感染症です。通常、イヌ膿皮症はアトピー性皮膚炎や毛包虫症、脂漏症、内分泌性疾患、悪性腫瘍などの疾患に続発します。イヌ皮膚の常在菌であるStaphylococcus pseudintermediusが、イヌ膿皮症症例の病変部から頻繁に分離されることが知られています。
 イヌの膿皮症では、表皮、毛包上皮あるいは両方において細菌感染が認められます。膿痂疹の症例では毛包間の表皮に小膿疱が認められ、やがて破れて痂皮を被るびらんとなります。表在性細菌性毛包炎の症例では、毛包に一致した丘疹や膿疱が認められます。表在性拡大性膿皮症の症例では、紅斑が遠心性に拡大して環状紅斑となると共に、その表面には表皮小環が認められます。
オスカー 膿皮症
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*** 北千里動物病院 ***
http://www.kitasenri-ah.jp/syourei/cn45/pg141.html
膿皮症(細菌性皮膚炎)
膿皮症・・・聞き慣れない病名かもしれませんが、犬の皮膚炎の中では一番多い疾患と言えます。
皮膚に細菌感染が及んだ状況のことを指し、通常かゆみを伴います。
気温と湿度の高まってくる春先から夏場にかけて罹ることが多い疾患です。
ただ、基礎疾患が存在している場合慢性再発性に発症することも多いため、治療をしてもすぐに再発を繰り返す、あるいは治りが悪いといった場合基礎疾患の有無を確認する必要が出てきます。
例えば、糖尿病が基礎疾患として存在し、そこに膿皮症が発症しているような場合がそれにあたります。
また、膿皮症+アトピー、膿皮症+アレルギー、膿皮症+内分泌疾患、膿皮症+デモデックス(皮膚内のダニです)etc・・・といった、様々な複合病態も考えられます。

症状
一番よく見られる表在性膿皮症の場合、毛穴に一致してぷつぷつと赤みがでたり、皮がリング状にむけてリングの内側辺縁に赤みがあり、中央部付近が治癒傾向(時に色素沈着)といった肉眼所見を得ます。
多くの症例でかゆみを伴っており、眠れないほどかゆみに苦しめられているわんちゃんも良く見ます。
細菌感染が深部にまで及んだものを深在性膿皮症と呼びますが、表在性より強い皮膚症状を呈します。時に自己免疫性疾患との鑑別が必要となるほどの症状を見せるものもあります。

実際の症例
深在性膿皮症(暫定診断)
オスカー 深在性膿皮症
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 オスカーの傷の写真と比べてみる。
オスカーの傷

 膿皮症といっても感染度の違いによって、見た目は随分と異なるので、素人にはオスカーの傷が膿皮症なのかどうか分からない。ただ、オスカーの皮膚には紅斑が現れており、刺しただけでは紅斑が出来るとも思えない。刺されたなら、刺し傷は残るだろうが、それだけだ。紅斑があることから、やはり皮膚病だったと推測するのが適当だと思う。
 真相が明らかになったと判断するのは早計だが、状況からすると皮膚病だった可能性が高そうだ。

◆オスカーの傷の状態
 オスカーの傷については、メディアによって説明が多少違っている。
朝日新聞:(武南署などの説明)深さ約1~2センチの傷が3、4カ所あった。
読売新聞:(武南署や飼い主の関係者の説明)約5ミリ間隔で深さ1~2センチの傷が3、4か所あった。
共同通信:(飼い主の関係者の証言)傷の形状は丸く、直径約5ミリで等間隔に四つ並んでいた。(飼い主の知人の証言)間隔は約5ミリ。横向きで1列に並び、傷の深さは最大約1センチに達していた。
ポストセブン:(飼い主の証言)患部には直径5mmの大きさの穴が4つ、等間隔に並んでおり、深さ2cmに達した傷もあった。
週刊朝日:(治療した獣医の証言)500円玉ほどの皮膚の面積に、3カ所の刺したような穴と2カ所の打ち身のような痕。

 オスカーの傷の状態と一番一致しているのが獣医の証言だ。獣医は傷の深さには言及していないのに、深さ1~2センチなどと報道されている。
 傷の深さについて、飼い主は全盲だから自分で確認できる訳ではない。また、武南署も飼い主らからの聴取した結果に基づいて説明しているだけだろう。とすると、獣医が飼い主らにそう説明したか、刺されたと聞いた飼い主の周辺にいる人物達が傷の深さについて言い出したということになるが、獣医が傷の深さには何ら言及していないことからすると、後者の方ではないか。オスカーの傷について話している内に、尾ひれが付いたということなんだと思う。盲導犬は刺されても鳴かないというのも、その経過の中で生み出されたのではないか。

◆獣医の発言
 獣医は週刊現代の取材に「最初から私は『フォークで刺された』と断定はしていませんよ。皮膚病の可能性も十分あると思っていました。」「刺された可能性も否定できないと答えたんです」と言っている。しかし、獣医がマスコミに語っていたのはこの様なものだった。
●朝日新聞 2014年8月28日
「日常生活では起こり得ず、よほどの力が加わらないとできない傷だ」
●NEWSポストセブン 2014年9月4日
「犬の皮膚は丈夫で、われわれ獣医も治療で針を刺すことはありますが、狙いを定めて力を入れないと刺さらないんです。この傷痕を見る限り、悪意を持って相当な力で刺したものと思われます。足の神経に麻痺が残る可能性さえありました。オスカーはずっと痛みを我慢したんでしょう…」
●ぼうはん日本 2014年09月
「傷は一直線に並んでおり、フォークのようなもので刺された傷ではないか」
「痛々しい傷を見て、誰かに傷つけられたと分かった。9年間獣医師をしていて危害を加えられた盲導犬を治療するのは初めてだった」

 これらの発言からは、皮膚病の可能性を考えていたなんてことは微塵も感じられない。「痛々しい傷を見て、誰かに傷つけられたと分かった。」とまで言っているのだから、刺されたとしか考えていなかったのだと思う。他の獣医が皮膚病の可能性を指摘したから、この獣医は皮膚病だったかもしれないと思い直したということではないか。
 たぶん、オスカーが動物病院に運び込まれた時、飼い主の関係者が刺されたと説明したのだろう。それを聞いて、獣医は刺されたんだと思い込んでしまったということなのだと思う。

◆騒動の成り行き
 前記を踏まえると、この騒動の成り行きはこのようなものだったと思う。
01)オスカーが皮膚病で出血。
02)飼い主の同僚が出血に気付き、傷の状態から刺されたと確信。
03)警察に通報。
04)飼い主らがオスカーを動物病院に運び込み、刺されたと説明。
05)飼い主らの説明から、獣医が刺されたと思い込む。
06)事件を聞いた者が憤慨し、新聞に投稿。
07)一部マスコミが報道。
08)新聞、TVなどが後追い報道。
09)全国に知れ渡り、非難の嵐。
10)警察が本格的に捜査。
11)沿線駅での目撃情報から、不審者が浮上。
12)盲導犬は何されても吠えないという誤解が生まれ、風評被害発生。
13)他の獣医が皮膚病の可能性を指摘。
14)一部マスコミが事件性を疑う。

 飼い主らがオスカーの出血に驚き、傷の状態から刺されたと確信したとしても責められるものではない。素人なのだから、傷の原因を正確に言い当てることを求めるのは酷というものだ。警察も被害届が出され、事件性を否定出来ないのだから、無駄な捜査をしていると非難されるのは気の毒な気もする。
 この騒動を巻き起こした一番の原因は、診断した獣医にある。獣医が刺されたと思い込まず、飼い主やマスコミに他の可能性もあるとしっかりと説明していれば、ニュースにもならなかっただろう。
 また、マスコミも「服をめくり上げて刺してまた戻すものか」とか「刺されて声も上げず微動だにもしないのか」など疑問点があるにもかかわらず、社会的弱者に対する虐待という構図で煽ったりしなければ、国中が憤慨することもなかった筈だ。話題になるからと安易に後追いをし、真相の追究より、バッシングに走った結果だ。これはマスコミの構造的なものだから今後もこうしたことは起こるだろう。

◆皮膚病説に対する各紙の反応
 産経新聞のニュースサイトで検索すると、オスカーの皮膚病説を紹介する記事があった。日付は週刊現代の記事の1ヶ月前だから、週刊現代が衝撃スクープと謳ったのは適当ではないだろう。
*** 産経ニュース 2014年10月17日 ***
盲導犬オスカー 捜査動かず2カ月 「皮膚病」説も浮上する中でも警察「傷害の可能性1%でもある限り」
http://www.sankei.com/affairs/news/141017/afr1410170003-n1.html
 埼玉県で7月下旬、全盲の男性が連れていた盲導犬オスカーが何者かに傷つけられた事件が起きてから、2カ月余りが過ぎた。「無抵抗の動物に対する卑劣な犯行」に世間の注目が集まったが、犯人に関する有力な手がかりは現在も浮上していない。獣医や警察の関係者からは「本当は刺されたのではなく、犬の皮膚の病気による出血だったのではないか」という見方も出ているが、埼玉県警は捜査を続けている。
~略~
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 朝日新聞、毎日新聞、読売新聞の各ニュースサイトで「盲導犬 オスカー」と検索しても、皮膚病説を伝える記事は無かった。あれだけ大騒ぎになったのだから、他の説が濃厚とのニュースはニュース価値が十分にある。それでも報道しないのは、原因がハッキリするまで報道しなくてもよいと考えているからだろう。過去の報道を覆すような記事は体面を傷付けるとでも思っているのか。

 そういえば、従軍慰安婦報道でも産経新聞は、吉田証言の信用性が揺らぐと、いち早く過去の報道を覆した。産経新聞は無謬性にあまり囚われない体質なのかもしれない。
 
・・・終わり。

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盲導犬オスカー刺傷事件前編

 8月下旬、盲導犬が刺されるというニュースがTVや新聞で流された。このニュースで全国が憤慨したが、どうも様子がおかしい。

◆当時の報道
 初めの頃、この事件について、新聞などはこう報じていた。
*** 朝日新聞 2014年8月28日 ***
http://www.asahi.com/articles/ASG8X5CXBG8XUTNB00P.html
【盲導犬刺されけが 意図的な虐待か 我慢してほえず?】
 さいたま市の全盲の男性(61)が飼う盲導犬が7月下旬、鋭利なもので刺されたとみられるけがをしていた。日々の暮らしの中で、むやみにほえないよう訓練されており、その場で鳴くのは我慢したようだという。埼玉県警は、何者かが意図的に虐待したとみて調べている。
 武南署などによると、男性は7月28日午前11時ごろ、オスのラブラドルレトリバー「オスカー」(8歳)を伴い、通勤のために自宅を出た。最寄りのJR浦和駅から電車に乗り、同県川口市の東川口駅で下車。職場に着くと、同僚がオスカーの出血に気づいた。公共の場で抜け毛を散らさないよう着せていたシャツをめくると、右腰の辺りに、フォークなど先のとがったもので刺されたような、深さ約1~2センチの傷が3、4カ所あった。シャツは破れておらず、犯人がシャツをめくって刺したか、シャツがその時だけめくれていたのかは不明という。
 治療した獣医師は「日常生活では起こり得ず、よほどの力が加わらないとできない傷だ」と話す。
 職場近くのコンビニ店の防犯カメラに、男性と血を流して歩くオスカーが映っていたといい、署は駅のエスカレーターや電車内などオスカーが止まっている場所で、背後から刺された可能性があるとみて、器物損壊容疑で捜査している。
~略~
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*** 読売新聞 2014年8月29日 ***
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=104135
【ほえない盲導犬を刺す…「絶対に許せない」】
~略~
 盲導犬は、パートナーに危険を伝える際などを除き、ほえないように訓練されており、事件当時もほえるのを我慢したとみられる。男性は武南署に被害届を出し、同署が器物損壊容疑で捜査している。
 同署や男性の関係者などによると、男性は7月28日午前11時頃、川口市内の職場に向かうため、盲導犬のラブラドルレトリバーの「オスカー」(雄8歳)と一緒に自宅を出て、JR浦和駅から電車に乗り東川口駅で下車した。
 午後0時10分頃に職場に着いた時に、同僚がオスカーの腰付近から血が出ていることに気付いたという。
 オスカーの腰の辺りには、約5ミリ間隔で深さ1~2センチの傷が3、4か所あった。先端が鋭くとがったもので刺されたような傷だが、着ていた犬用の服に穴はなく、服をめくり上げられて刺されたとみられる。どこで刺されたかは特定されておらず、同署が防犯カメラ映像の解析や聞き込みなどを進めている。
~略~
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*** 共同通信 2014年8月28日 ***
【盲導犬の刺傷、凶器はフォークか 埼玉の事件、警察も捜査】
http://www.47news.jp/CN/201408/CN2014082801001080.html
 埼玉県で7月、全盲の男性(61)が連れていた盲導犬ラブラドルレトリバー「オスカー」(雄9歳)が何者かに刺されけがをした事件で、傷の形状は丸く、直径約5ミリで等間隔に四つ並んでいたことが28日、男性の関係者への取材で分かった。
 関係者は「フォークのようなとがったもので刺された痕」と証言。県警も器物損壊容疑で凶器の特定を進めている。
 男性の知人によると、傷はオスカーの腰付近にあり、間隔は約5ミリ。横向きで1列に並び、傷の深さは最大約1センチに達していた。事件は7月28日に発生。男性はオスカーを連れてさいたま市の自宅を出発、JRに乗り東川口駅で下車した。
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*** NEWSポストセブン2014年9月4日 ***
【刺された盲導犬オスカー 足の神経に麻痺が残る可能性あった】
http://www.news-postseven.com/archives/20140904_274668.html
 事件が起きたのは、7月28日のことだった。さいたま市在住の全盲の男性Aさん(61才)は午前11時、通勤のために盲導犬・オスカー(ラブラドールレトリバー・雄8才)とともに家を出た。いつも通り、最寄りの浦和駅から電車に乗り、職場のある東川口駅で下車。そのまま歩いて職場に到着するや、同僚が悲鳴をあげた。
~略~
「シャツをめくって触ってみると、ヌルっとしたんです…。あぁ、これは血だって…。気が動転しました」(Aさん)
 すぐに警察に通報し、オスカーを病院に連れて行ったAさん。患部には直径5mmの大きさの穴が4つ、等間隔に並んでおり、深さ2cmに達した傷もあった。
「シャツに穴はなかったので、偶然できたものではありません。犯人は、わざわざシャツをめくって刺しているんです。アイスピックかフォークのようなものを使用したんでしょうか…。まだ断定はできませんが、駅のエスカレーターか、電車の中で刺されたのではないかと思うんです」(Aさん)
 この時、オスカーを診察した『なぎの木どうぶつ病院』(埼玉県越谷市)の内田正紀院長はこう語る。
「犬の皮膚は丈夫で、われわれ獣医も治療で針を刺すことはありますが、狙いを定めて力を入れないと刺さらないんです。この傷痕を見る限り、悪意を持って相当な力で刺したものと思われます。足の神経に麻痺が残る可能性さえありました。オスカーはずっと痛みを我慢したんでしょう…」
 盲導犬は、無駄吠えをしないように訓練されており、オスカーは刺されながらも、ジッと耐えたのだという。
「少しでも鳴き声があれば気づいたのですが、この子はそんな素振りも一切見せず、普段と同じように、私の側で歩いてくれたので、まったく気づかなかったんです。しかも、オスカーは前向きで優しい子なので、そんなことがあってからも、人間を嫌いになることもなく、変わらず元気でいてくれる。
~略~
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*** ぼうはん日本 2014年09月 ***
【盲導犬 フォークで刺す?】
http://www.bouhan-nippon.jp/topics/items/t2014413.html
埼玉県さいたま市の全盲の男性(61)が連れていた盲導犬のラブラドルレトリバー「オスカー」(雄8歳)が何者かに刺されてけがをした事件で、オスカーを治療した病院の院長が29日、読売新聞の取材に応じ、「傷は一直線に並んでおり、フォークのようなもので刺された傷ではないか」と話した。
オスカーを治療したのは越谷市の「なぎの木どうぶつ病院」の内田正紀院長(34)。傷は直径約5ミリで、等間隔に3、4個並んでいた。傷の形状からフォークのようなもので後ろから前に向かって刺したとみられる。抗生剤と痛み止めの薬を出し、傷口を生理食塩水で洗浄した。
内田院長は「痛々しい傷を見て、誰かに傷つけられたと分かった。9年間獣医師をしていて危害を加えられた盲導犬を治療するのは初めてだった」と語った。
埼玉県警武南署などによると、男性は7月28日午前11時頃、オスカーと一緒に自宅を出発し、JR浦和駅から電車に乗って東川口駅で下車。職場で同僚がけがに気付き、男性と同僚らが東川口駅前交番に被害届を出したという。
同署の調べでは、東川口駅近くのコンビニ店に寄った際、オスカーの腰付近に血がにじんでいるのが防犯カメラに映っていたという。同署は、オスカーがさいたま市の自宅から川口市のこのコンビニ店までの間で刺されたとみている。
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◆盲導犬は鳴かない?
 これらのニュースから、盲導犬は刺されても鳴かないものなのかと思っていたが、それは間違っていたようだ。
*** 朝日新聞 2014年9月13日 ***
【盲導犬オスカーけがで風評 何されても吠えないは誤り】
 さいたま市の全盲男性(61)の盲導犬 「オスカー」がけがをした事件から、1カ月余り。刺されたような傷が見つかる前に鳴き声が聞こえなかったため、思わぬ風評が広がった。関係者も困惑する。
 〈「何をされてもほえないように訓練されている」という誤った記述が多く見かけられますが、こういった訓練は一切行っていません〉八つの盲導犬団体などからなるNPO法人「全国盲 導犬施設連合会」は今月初旬、こんな声明を出した。事件後、「痛くてもほえない訓練をしているなんて、かわいそう」などと、動物虐待を思わせるような意見が寄せられたためだ。
 連合会に加盟する日本盲導犬協会の理事、吉川明さん(62)は「無駄にほえないよう訓練はする。しかし痛みを我慢させるような訓練は一切していない」。オスカーを 育てたアイメイト協会職員の塩屋未来さん(35)は、鳴かなかった理由について「とっさのことで驚いて声も出なかったのかもしれない」と推測する。協会には応援や激励の声も届いており、事件を機に「盲導犬や視覚障害者への支援や理解の輪が、社会に広がれば」と期待する。約40年間盲導犬育成に携わってきた同協会訓練学校担当理事の多和田悟(たわださとる)さん(61)も「盲導犬の実態をより多くの人にわかって頂きたい。そのためにもどんな訓練をしているか、一度近くの盲導犬施設を見にきてほしい」と訴える。一方、事件が報じられた8月下旬から、埼玉県警武南署には連日のように「早く捕まえて」という電話がかかり続け、9月上旬で100件を超えた。京都府の親子からは「盲導犬の治療費にあてて」と、現金書留で2万円が届いた。三重県の男性からも数千円分の商品券カードが。今後、署がオスカーのパートナーの男性に渡す予定だ。男性はオスカーの傷は順調に回復している。盲導犬への理解を深めてもらうための活動に寄付したい」と話している。「犯人逮捕のための懸賞金として使ってほしい」川口市で造園会社を営む金子和平さん(67)は4日、署を訪れ、犬好きの従業員4人と工面した、現金100万円を持参した。
 「意向を尊重できるよう、過去の例などをお教えしたい」としている。
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 盲導犬は何されても吠えないとの風評が起きたのはマスコミがそう伝えたからだ。朝日新聞は「思わぬ風評が広がった。関係者も困惑する。」と、まるで他人事のように書いているが、その一端は朝日新聞にもある。8月28日の記事で「日々の暮らしの中で、むやみにほえないよう訓練されており、その場で鳴くのは我慢したようだという。」と、「誰」が鳴くのを我慢したと推測したのかを明確にしなかったから、盲導犬の専門家の話かと誤解を生む余地を残した。盲導犬が危害を加えられても吠えないのかどうか裏取りすべきだったが、そこまで気が回らなかったとしても、せめて誰の発言かをハッキリそう書くべきではなかったか。

◆同じ埼玉県で全盲の女子高校生が負傷
 この盲導犬の事件の報道から間も無くして、今度は川越駅で全盲の女子高校生が蹴られて負傷するという事件が発生した。
*** 埼玉新聞 2014年9月9日 ***
http://www.saitama-np.co.jp/news/2014/09/10/01.html
【川越で全盲の女子生徒蹴られる つえにつまづいた腹いせか】
~略~
 同校と女子生徒によると、8日午前7時50分ごろ、川越市脇田本町、JR川越駅構内のコンコースで、点字ブロック上を歩いていた女子生徒の白いつえに前方から来た人がつまずいて転倒した。その直後、何者かが後ろから女子生徒の右足を1回蹴り、立ち去った。女子生徒は一瞬よろけたが、そのまま同駅西口のスクールバスのバス停に向かい、登校した。
 相手は無言だったため、性別は分からず、暴行を受けた際、女子生徒は「あんた。何をやっているんだ」との近くで目撃した男性の怒声を聞いていた。女子生徒は登校した後に病院で診察を受けたが、膝の裏を蹴られたため、立ったり座るなどの屈伸をすると痛みを覚えるという。
 女子生徒は今年4月から、鍼灸(しんきゅう)を専門に勉強する同校高等部専攻科に在籍。自宅から1人で電車通学をしている。女子生徒と保護者は近く、川越署に被害届を提出する予定。
 9日、取材に応じた女子生徒は「以前からつえにつまずく人はいたが、暴行を受けたのは初めて。蹴られた時は何が起きたか分からず、怖かった。私を蹴った人には前を向いて歩いてほしいと思う。今後は、自分と同じ立場の後輩たちが同じ目に遭わないかどうかが心配です」と話した。
 荒井宏昌校長は「無防備な女子生徒への暴行は許し難い。言いたいことがあるのなら、口で話してほしい。盲導犬が虐待された事件があったばかりだが、社会の中で障害者への配慮が欠けているように思う。障害者を見守り、助けてあげてほしい」と訴えている。
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 この川越駅での事件は盲導犬事件を引き合いに出して報じられ、TV番組のコメンテーターなどは「社会的弱者に対する卑劣な行為」と断罪し、これが日本の現状だと嘆いてみせた。どの大手マスコミもこんな感じの論調で伝えていたのだが、容疑者が捕まると押し黙ってしまった。
*** 朝日新聞 2014年9月12日 ***
【全盲生徒の負傷、容疑者を特定 知的障害あり認否不明確】
http://www.asahi.com/articles/ASG9D66N2G9DUTNB025.html
 JR川越駅(埼玉県川越市)前のコンコースで、登校中の全盲の女子生徒が足を蹴られて負傷した事件で、埼玉県警は12日、同県狭山市内の障害者支援施設に入所する男性(44)を容疑者と特定し、任意で捜査していると発表した。男性には知的障害があり、認否について明確な供述が得られていないという。県警は、男性の刑事責任能力の有無も含め、慎重に調べる方針だ。
~略~
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 モラルの欠如した人物の犯行という思い込みは見事にハズレ、容疑者が知的障害者だったことから事実のみを簡単に伝えるだけに終止した。許されない行為と散々言っていたことについて、何らかのコメントがあって然るべきと思うのだが、黙ったままだった。精神病や知的障害者が加害者の事件は大手マスコミにとってタブーであるから、なるべく触れたくないのだろう。
 こういうこともあり、盲導犬刺傷事件の扱いは急速に萎んだ。

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北海道新聞が慰安婦報道を謝罪

 雑誌の「財界さっぽろ」に、日本会議北海道本部が10月に北海道新聞に対して公開質問をしたという記事が掲載されていた。この公開質問によるものなのか分からないが、北海道新聞は11月17日の朝刊で吉田証言に関する記事を一部取り消していたらしい。新聞各紙は次のように報道している。

%%% 朝日新聞 %%%
≪北海道新聞が記事取り消し 慰安婦「吉田証言」報道≫
~略~
 1面でも、吉田証言を取り上げた記事について、「検証が遅れ、記事をそのままにしてきたことを読者の皆さまにおわびし、記事を取り消します」とするおわび記事を掲載した。
 特集記事によると、吉田証言に関する記事を1991年11月~93年9月に計8本掲載(1本は共同通信の配信記事)。当時取材した記者や、吉田氏が著書で慰安婦を強制連行したと書いた韓国・済州島の古老や郷土史家、ソウルの研究者らから聞き取りした結果、証言を裏付ける情報は得られなかったことなどから、信憑性(しんぴょうせい)は薄いと判断したと結論づけた。
 吉田証言を取り上げた初報は、91年11月22日付朝刊の「朝鮮人従軍慰安婦の強制連行『まるで奴隷狩りだった』」との見出し記事。直後にこの記事が韓国紙に大きく紹介されたことから、韓国紙に与えた影響に言及。韓国の元外交官やメディア関係者、研究者らへの取材の結果、「世論に大きな影響を与えたものでないとの見方が一般的だった」と説明した。
 また、特集記事は、91年8月15日付朝刊の記事で慰安婦と女子挺身(ていしん)隊との混同があったことも取り上げた。韓国でも両者を混同していた時期があったなどとし、92年1月以降は両者を混同しないようにしてきたという。
 このほか、特集面では慰安婦問題に詳しい作家の半藤一利氏ら3人の談話や、政府・軍の関与や強制性の有無など慰安婦問題の論点についても掲載した。
~略~
〈北海道新聞法務・広報グループの話〉 検証は、慰安婦問題を特集した朝日新聞の記事やそれに対する社会の動きが一つのきっかけになっているのは確かです。今回の記事は自社の「吉田証言」報道についての検証が中心でしたが、吉田証言や強制性の有無について新事実が出てくればそれを伝えていくなど、慰安婦問題について今後も引き続き注視していきたいと思います。
%%%%%%%%%%%%

%%% 読売新聞 %%%
≪北海道新聞、「吉田証言」記事取り消し…対応遅れに批判の声≫
~略~
 17日の朝刊では、1面におわび記事を掲載したほか、「慰安婦問題を考える」と題し2ページの特集を組んだ。吉田氏に言及した記事は1991年11月から93年9月までに計8本(うち1本は共同通信による配信)載せたとしている。
 今回取り消したのは91年11月22日に掲載した「まるで奴隷狩りだった」と見出しを付けた記事1本。軍の命令を受けて強制連行に関わったとし、「抱いていた赤ん坊をひっぺがして徴用したことも」などと報じた。ところが、朝日新聞社が今年8月、吉田氏の証言は虚偽だったと判断して、記事16本を取り消し。北海道新聞社では編集局の記者が中心となり、執筆した元記者(退職)に報道の経緯を聞いたり、韓国で再取材したりしたが、内容を裏付けられなかったという。同社経営企画局は、取り消し以外の7本の記事は「現実に起きた出来事」などとして取り消さず、関係者の処分も行わない、としている。
 慰安婦問題に詳しい現代史家の秦郁彦さん(81)は「92年頃には証言の信頼性が崩れていたのに、ここまで検証が遅れたのは、過去の記事は忘れられている、と安易に考えていたと受け止められても仕方がない」と話した。
%%%%%%%%%%%%

%%% 毎日新聞 %%%
≪北海道新聞:慰安婦「吉田証言」取り消し 「信憑性薄い」≫
~略~
 北海道新聞によると、吉田氏の証言に関する記事を1991年11月22日朝刊以降、93年9月まで8回掲載(1本は共同通信の配信記事)した。このうち今回取り消した1回目は、吉田氏を直接取材し「朝鮮人従軍慰安婦の強制連行『まるで奴隷狩りだった』」との見出しで報じた。この記事は韓国紙の東亜日報に紹介された。他の7本は、吉田氏の国会招致の動きなど事実関係を報じた内容のため「取り消しようがない」としている。北海道新聞は1回目の記事に先立つ91年8月15日、元慰安婦の韓国人女性を初めて実名で報じ、その後の従軍慰安婦報道に大きな影響を与えたと言われている。
 吉田証言を巡っては朝日新聞が8月5日の紙面で「虚偽だと判断し、記事を取り消します」と訂正。9月11日に同社の木村伊量社長が記者会見で改めて謝罪し、その後、辞任を表明した。北海道新聞は朝日新聞の対応を8月6日夕刊で報じたが、自社報道については「(吉田証言を)複数回報道した」と触れただけで、社内からも「訂正すべきだ」との声が上がっていた。また、札幌市中央区の本社周辺ではこの1カ月ほど街頭宣伝車が抗議活動をしていた。
 北海道新聞はこの時期に検証記事を掲載した理由を「来年、日韓国交正常化50年を迎えるにあたり、懸案の従軍慰安婦問題を検証した」としている。一方で「朝日新聞が記事を取り消したことが一つのきっかけとなった」とも説明した。村田社長などの記者会見や当時の編集責任者の処分は検討していないという。北海道新聞の発行部数は約107万部。
%%%%%%%%%%%%

%%% 産経新聞 %%%
≪北海道新聞「吉田証言報道は世論に影響与えず」と釈明 挺身隊と慰安婦混同≫
~略~
「まるで奴隷狩り」
 北海道新聞によると、同紙が最初に吉田証言を報じたのは平成3年11月22日の朝刊。吉田氏に直接取材した内容について「朝鮮人従軍慰安婦の強制連行『まるで奴隷狩りだった』」との見出しで掲載した。
 吉田証言の検証で「内容を裏付ける証言や文書は得られなかった。日本の研究者の間でも証言は学術資料たりえないとの見方が強く、信憑(しんぴょう)性は薄いと判断した」と結論付けた。
 吉田証言に関する記事とは別に、3年8月15日の朝刊で元慰安婦の韓国人女性が初めて実名で名乗り出たことを報じた際、「女子挺身隊の美名のもとに」などと挺身隊と慰安婦を混同していたことも記した。
 混同の理由について「韓国では勤労のための挺身隊と慰安婦を混同していた時期があり、女性もそう語っていた」とし、「4年1月には韓国では同義語として使われてきたことを伝え、その後は混同しないようにしてきた」と説明した。

東亜日報が後追い
 北海道新聞が吉田証言について最初に書いた3年11月22日の記事は、韓国メディアが後追いしたという。同紙も同月27日の朝刊でこの記事が韓国紙「東亜日報」に紹介されたことを取り上げている。
 しかし、検証では記事の影響について「韓国の元外交官やメディア関係者、研究者らに尋ねたところ、世論に大きな影響を与えたものではないとの見方が一般的だった」とした。
 確かに、朝日新聞はこの記事が出る9年前の昭和57年9月から吉田氏の記事を掲載している。北海道新聞が吉田証言を報道する以前から、韓国のメディアや反日団体が日本統治時代の先の大戦当時の慰安婦の存在を反日に利用しようとする動きもあった。
 北海道新聞の報道も、日韓両国で慰安婦問題が外交問題として広がる流れの中でのものだったが、韓国での問題拡散の素地はそれ以前から育っていた。

続く検証、謝罪
 北海道新聞は今回、吉田証言に関する記事8本を掲載していたことを明らかにしたが、ほかの地方紙などでも掲載している。
 沖縄タイムスは9月13日付社説で、共同通信の配信を受けて3年12月6日に掲載しているとした上で「(朝日新聞の)記事の取り消しや謝罪が新聞への信頼を著しく低下させたことを私たちも戒めとして深く胸に刻みたい」と記した。
 朝日新聞に続き、記事を取り消したのは、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」。同紙は4~5年、3回にわたり、吉田氏の証言や著書を取り上げたといい、9月27日付の紙面で「『吉田証言』は信憑性がなく、記事を取り消します」とのおわび記事を掲載した。
%%%%%%%%%%%%

%%% 日経新聞 %%%
≪北海道新聞、慰安婦「吉田証言」巡る記事取り消し≫
~略~
 記事によると、同社は1991年から93年まで計8回、吉田氏の証言に関する記事を掲載した。当時の記者に経緯を聴き、吉田氏が著書で慰安婦狩りをしたと書いた済州島の古老やソウルの研究者を訪ねるなどして検証、信ぴょう性は薄いと判断したという。
 北海道新聞社は、吉田氏の証言には90年代初めまでに疑義が出ており、生前の吉田氏に再取材していれば早い段階で事実確認が可能だったかもしれないとした上で「検証が遅れ、記事をそのままにしてきたことを読者の皆さまにおわびし記事を取り消します」と記した。
 北海道新聞社は「紙面でできるだけ丁寧に説明しているのでコメントは差し控えたい」としている。〔共同〕
%%%%%%%%%%%%

 肝心の北海道新聞のニュースサイトには、この特集記事は掲載されていない。朝日新聞の対応を報じた8月6日の記事も見つけることができない。サイト内検索で「朝日新聞 慰安婦」で検索しても、北星学園大学に対する脅迫事件に関する記事が多数ヒットするばかりだ。「記事の保存期間は30日間」となっているので、1ヶ月以前の記事はヒットしないのかと思いきや、「慰安婦」で検索すると、本文は読めないが「韓国、慰安婦問題で協議要請 憲法裁判決から2年-[国際]」という2013年08月29日の記事が出てきたりする。都合の悪い記事はWeb版に掲載しないというのが北海道新聞の方針なんだと思わざる得ない。
 特集記事が読めないので各紙の内容から推測すると
●吉田証言の裏付けが取れなかったので、吉田証言の記事1本を取り消した。
●挺身隊と慰安婦を混同していた。
●北海道新聞の吉田証言報道は世論に影響を与えなかった。
●検証が遅れたことをわびた。
ということらしい。
 違うのはわびた事くらいで、朝日新聞の特集記事を焼き直しただけとしか思えない。批判をかわすために形ばかりの検証をして済ませようとしているのが有り有りだ。朝日新聞がわびなかったことで大きな非難を受けなければ、わびることもなかっただろう。
 朝日新聞は追い込まれたことによってであるが、記者会見をし、検証のための第三者委員会を立ち上げ、社長らが辞任してわびた。そういう経緯を見ていながら、北海道新聞は何ら処分も行わず、一切説明もしないらしい。これでは朝日新聞の方がずっとましだ。

 11月29日の北海道新聞の社説には次のように書いてあった。
%%% 北海道新聞社説 「エアバッグ欠陥 重大性の危機感足りぬ」 %%%
~省略~
 5年前に起きたトヨタ自動車の大規模リコール問題でも明らかなように、対応が後手に回るほど、影響は予想を超えて広がる。
 だが今回、初期対応の重要性という教訓は生かされなかったと言わざるを得ない。
 欠陥エアバッグは、2000年代初頭にメキシコや米国の工場で生産され、品質管理が不十分だったことが原因とみられている。
 タカタがエアバッグの不具合を把握したとするのは05年だが、リコールが開始されたのは3年後だった。米上院の公聴会でも、この遅れが問題視されたのは当然だ。
 タカタは、最初の時点では欠陥の原因を突き止めることができなかったと説明した。隠蔽(いんぺい)の意図は否定したものの、疑問にきちんと答えたとは言い難い。
 経営トップが公聴会に出席しなかったのも不可解だ。トップ自ら、再発防止策について世界に発信することこそ、信頼回復への第一歩ではないか。
~省略~
 こうした不手際は個別企業の経営ばかりでなく、日本の産業界の信用にも打撃となる。
 原因究明はもちろん、一連の経過について、タカタは第三者機関を設置して徹底的に検証するべきだ。その結果を今度こそ業界全体の教訓としなければならない。
%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%

 対応が後手に回るほど、影響は予想を超えて広がるということや初期対応が重要というのは正しい。慰安婦問題は初期対応を誤り、世界から女性を性奴隷にしたと非難されるに至っている。政府に責任があるのは当然だが、政府を追い込んだのは北海道新聞などのマスコミだ。しかし、北海道新聞はそれを認めず、吉田証言報道が世論に影響を与えなかったと結論付けている。吉田証言報道が今の様な状況を作り出したことに一役買っているのは明らかではないか。北海道新聞は報道責任から逃げているだけだ。
 また、「遅れが問題視されたのは当然だ。」と述べているが、吉田証言に疑義が出されたのは1990年代初め頃だった。20年以上も検証せずに放って置きながら、何をかいわんやである。
 タカタが隠蔽を否定した説明に対し、「疑問にきちんと答えたとは言い難い」「経営トップが公聴会に出席しなかったのも不可解」と非難しているが、北海道新聞はどうなのか。北海道新聞は社長が直接説明もせず、一方的に検証記事を出して質問は受け付けないという態度を取っているが、それで疑問にきちんと答えたと思っているのか。
 「原因究明はもちろん、一連の経過について、タカタは第三者機関を設置して徹底的に検証するべきだ」。これは誰もが北海道新聞に対して思っていることだろう。北海道新聞は第三者機関を設置して、「何故、裏付けの無い記事を書いたのか」「何故、長い間放置したのか」ということを徹底的に検証するべきだろう。その結果を今度こそ業界全体の教訓としなければならない。

 11月17日に検証記事が出された後、従軍慰安婦報道についての社説は書かれていない。自社のことには頬かむりを決め込んでいるのに、他社の起こした問題に対しては平気で批判できるようだ。北海道新聞の論説委員の面の皮は余程厚いらしい。

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産経の朴大統領名誉毀損事件<5>

 加藤ソウル前支局長が起訴されてから1ヶ月半以上経過し、ようやく初公判が開かれた。
*** 産経前ソウル支局長は無罪主張 名誉棄損で初公判 ***
テレ朝NEWS
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000039555.html
~略~
 初公判は27日午前に終わりました。ソウル中央地裁の3階にある傍聴席、30席余りの小さな法廷ですが、立ち見の傍聴者もあふれて、まるで満員電車のような状況でした。そして、開廷直後に傍聴していた保守団体のメンバー数人が「謝罪しろ」などと叫び始めて追い出されるなど、異様な雰囲気のなかで公判が進みました。初公判では、まず検察側が起訴状を朗読し、「噂(うわさ)の真偽を確認せず、大統領らを誹謗(ひぼう)する目的で、公然と嘘の事実を報じて大統領らの名誉を傷付けた」と指摘しました。一方、加藤前支局長は罪状認否で「大統領を誹謗する意図は全くありません。この裁判が法と証拠に基づき、厳正に行われることを望みます」などと述べ、改めて無罪を主張しました。裁判長は今後の争点について、加藤前支局長の記事が虚偽であったのかどうか、そして朴大統領を誹謗中傷する目的で書かれたのか、それとも公益性があったのかどうかについて審議を進めていくと話しました。次回の公判は来月15日になります。
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◆裁判の焦点
 裁判は次の3つを中心に進められそうである。
●記事が虚偽であったのかどうか
●朴大統領を誹謗中傷する目的で書かれたのか
●公益性があったのかどうか
 上の2つは検察が立証しなければならず、公益性については弁護側が立証することになる。

 「記事が虚偽」の虚偽とは、何を虚偽とみているのであろうか。検察は、「朴槿恵大統領がセウォル号事故発生当日、チョン・ユンフェとともにおり、チョン・ユンフェもしくはチェ・テミンと緊密な男女関係である」かのように書いたことが「虚偽の事実」に当たるとしているので、検察の言う「虚偽」とは朴大統領自身の行為(事故当日の行動や男女関係の存在)を対象としている。つまり、大統領の行為を間違って伝えているから虚偽であるということである。しかし、産経新聞の記事は直接大統領の行為を伝えるような書き方をしておらず、朴政権のレームダック化が進んでいる現象として「朴大統領をめぐる噂」があると書いている。だから、記事が虚偽と言うならば、大統領の行為を対象とするのではなく、噂を対象とすべきである。であるからして、記事が虚偽であるかどうかは、噂の存在の有無若しくは噂の内容の捏造があったのかどうかをもって判断されなければならない。朴大統領をめぐる噂は韓国の一般メディアも取り上げているのであるから、噂の存在自体を否定することは無理である。また、内容についても、朝鮮日報のコラムが噂を大統領の男女関係のことと暗示しているのであるから、噂の内容を加藤ソウル前支局長が捏造したとするのも困難であろう。
 そもそも、検察が情報通信網法第70条2項で起訴しなければ「虚偽」について立証する必要も無かった。名誉毀損を問うとしても、虚偽であるかどうかを問わない情報通信網法第70条1項であれば、検察の立証責任のハードルは低かった。第70条2項は第70条1項より量刑が倍以上重いが、有罪にし易いことを考慮すれば第70条1項を選択するという判断もあったと思う。それでも、検察が第70条2項を選択したのは、朴大統領に男女関係は無いということをアピールすることが目的だったからではないであろうか。大統領側から男女関係を否定するように要望が出されていたから、検察は大統領の行為を対象として虚偽を主張していると思える。

 加藤ソウル前支局長と同様、朴大統領の男性関係を書いたとして情報通信網法違反(名誉毀損)に問われたケースがあった。昨年6月、48歳の主婦がインターネットの掲示板に「死ぬ日は遠くない」と題する文章を載せ、「朴大統領はチェ・テミン牧師、彼の婿チョン・ユンフェ氏と不倫関係」と書き込んだところ、これが情報通信網法違反になるとして同容疑で起訴された。この主婦は「チョ・ウン牧師のインタビュー映像と政治家のインタビュー記事を見て事実と信じていた」と主張したが、判事は「この内容に対する客観的根拠資料を探した事実もなく、見たという記事も私生活に関する抽象的な風聞を伝えるものがほとんどであり、これを事実と信じたという主張は納得しがたい」と退け、「虚偽ということ知りながらも一般の人の関心が大きい朴大統領の私生活に関する内容をインターネット掲示板に載せた」として、公共の利益を認めず、表現の自由の限界を越えているとし、ソウル中央地裁は10月1日にこの主婦に対して懲役4月、執行猶予1年の判決を下したのである。
 情報通信網法の名誉毀損には免責条項はないが、名誉毀損罪には真実性と公益性があれば免責されるとあるので、それに準じた運用をしていることがうかがえるが、判決理由からすると、大統領の私生活に関する事柄については公益性を認めず、誹謗中傷する目的であったと認定されたようである。
 加藤ソウル前支局長のケースは、噂を紹介するという形で朴大統領の私生活に触れているので、この主婦のケースがそのまま当てはまる訳ではないが、この様な判決をみると、噂を利用して誹謗中傷したと認定され公益性も認められない可能性が高いのではないかと思える。


◆法の適用範囲
 そもそも今回の件で韓国の国内法を適用されるのは妥当なのであろうか。日本語で書かれ、日本国内向けに日本国内のサーバーから発信されたにもかかわらず、韓国の国内法を適用されるのは理不尽と思うのが一般的であろう。
 名誉毀損は公然性(多数または不特定のものが認識し得る状態)がなければ成立しない。加藤ソウル前支局長が記事を書いたのは韓国国内であっても、公開されたのは日本の国内であるから、犯罪が行われたとするにしても日本国内の犯罪とみるべきではないか。

 法律の及ぶ範囲は原則として国内に限られる。よって、海外で国内法に違反しても、国内法は適用されない。ただし、例外はある。例えば日本の場合は、内乱、外患誘致、通貨偽造、公文書偽造など刑法第2条にある罪は外国で犯しても国内法が適用される(国籍は問わない)。日本国民であったら、外国で犯したとしても殺人、放火、誘拐、私文書偽造、名誉毀損など刑法第3条にある罪を犯せば、国内法で裁かれる場合がある。また、日本国民に対して刑法第3条の2の犯罪が犯されれば、外国人が外国で犯しても国内法が適用される。
*** 日本の刑法 ***
第一編 総則
第一章 通則
(国内犯)
第一条  この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
2  日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても、前項と同様とする。
(国民以外の者の国外犯)
第三条の二  この法律は、日本国外において日本国民に対して次に掲げる罪を犯した日本国民以外の者に適用する。
一  第百七十六条から第百七十九条まで(強制わいせつ、強姦、準強制わいせつ及び準強姦、集団強姦等、未遂罪)及び第百八十一条(強制わいせつ等致死傷)の罪
二  第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
三  第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
四  第二百二十条(逮捕及び監禁)及び第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
五  第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
六  第二百三十六条(強盗)及び第二百三十八条から第二百四十一条まで(事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷、強盗強姦及び同致死)の罪並びにこれらの罪の未遂罪
(他の法令の罪に対する適用)
第八条  この編の規定は、他の法令の罪についても、適用する。ただし、その法令に特別の規定があるときは、この限りでない。
********************

 韓国の場合はどうであろうか。
*** 韓国の刑法 ***
第1編 総則
第1章 刑法の適用範囲
第2条(国内犯) 本法は、大韓民国領域内において罪を犯した内国人及び外国人に適用する。
第5条(外国人の国外犯) 本法は、大韓民国領域外において次に記載した罪を犯した外国人に適用する。
 1.内乱の罪
 2.外患の罪
 3.国旗に関する罪
 4.通貨に関する罪
 5.有価証券、切手及び印紙に関する罪
 6.文書に関する罪のうち第225条から第230条まで
 7.印章に関する罪のうち第238条
第6条(大韓民国及び大韓民国国民に対する国外犯) 本法は、大韓民国領域外において大韓民国又は大韓民国国民に対して前条に記載した以外の罪を犯した外国人に適用する。ただし、行為時の法律により犯罪を構成せず、又は訴追又は刑の執行を免除する場合には、この限りでない。
第8条(総則の適用) 本法総則は、他法令に定めた罪に適用する。ただし、その法令に特別の規定があるとときは、この限りでない。
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 外国における自国民に対する犯罪の適用範囲は、日本が「強姦」「殺人」「傷害」「逮捕監禁」「誘拐」「強盗」などの犯罪に限っているのに対し、韓国は刑法第6条で第5条以外の犯罪にも及ぶとしている。つまり、全ての種類の刑法犯に適用されるのである。要するに、韓国及び韓国民に対する犯罪は、世界の何処で犯されたとしても外国人であれば韓国の国内法が適用可能なのである。
 刑法はこの様であるが、情報通信網法には適用範囲が外国にも及ぶとも及ばないとも書いていない。しかし、刑法第8条には、定めが無い限り他法令の罪にも適用されるとあるので、韓国または韓国民に対するものであれば、情報通信網法が適用することが出来、罪に問えるのである。
 まさか、情報通信網法が外国で発生した事件にも適用可能な法システムになっているとは思ってもいなかった。だから、名誉毀損が発生したとされる場所は日本なのか韓国なのかと考えたところで、韓国の法的には意味がなかったのである。驚くべきことであるが。とは言え、韓国に司法管轄権(国内裁判所が、国内法令を適用して、事件を審理する権限)があると主張しても、外国には執行管轄権(行政が逮捕などにより、国内法令を執行する権限)が及ばないため、外国にいる犯人を韓国が直接拘束することは出来ない。ただ、韓国に入国するとその限りではない。

 調べてみると、日本国内で発生した事案について韓国司法が司法管轄権を行使した実例が既にあった。維新政党・新風代表の鈴木信行氏のケースがそうである。
 鈴木新風代表は2012年6月にソウルの駐韓日本大使館前にある慰安婦像に「竹島は日本固有の領土」と書かれた杭を縛りつけたとされる人物である。鈴木新風代表は日本でも同様のことをしていたとされていて、2012年9月に金沢市にある尹奉吉義士殉国記念碑の前にも同じ内容の杭を立てて自分のブログに掲載している。
 これらの件について、ソウル中央地検は日本にいる鈴木新風代表に対して出頭命令を日本政府を通さずに直接出していたが、鈴木新風代表が応じなかったため、一度も取り調べることなく2013年2月に慰安婦像の件については名誉毀損罪を、記念碑の件については死者名誉毀損罪を適用し、起訴した。裁判は、鈴木新風代表が出廷しないために初公判後は延期となっているが、指名手配となっているらしい。
 また、鈴木新風代表は、尹奉吉の遺族にも死者の名誉を毀損したとして賠償を求める民事訴訟を起こされ、欠席裁判で杭を立てた本人と認定されて敗訴している。これからすると、刑事ばかりでなく民事でも国境を越えて司法管轄権を行使できる法システムになっているようである。

 最近の日本では、韓国社会の欺瞞性が広く知れ渡るようになり、韓国を嫌う人々が非常に増えているが、韓国の司法制度が韓国及び韓国人に関する場合は国外の事件にも裁判権を行使できるシステムになっていることを知る人はほとんどいないのではないか。今回の名誉毀損事件の報道の中でもこのことについて言及した記事は無かったのではないか。こうしたことこそ広く知られるべきであると思う。


◆名誉毀損をした者
 起訴状によると、加藤ソウル前支局長は8月2日ごろにソウル支局で記事を作成し、東京の本社に送信、8月3日正午に産経新聞インターネット記事欄に掲載されたとなっている。加藤ソウル前支局長を聴取した結果であろうから、事実であろう。
 新聞の場合、記者の書いた原稿は各部デスクがチェックし、編集局が校閲と調整を行った後、紙面に掲載される。つまり、出稿したからといって、必ず掲載される訳ではなく、何段階かの検討を経て掲載されるのである。個人のブログではないのであるから、インターネット版であってもノーチェックで掲載されることは無いはずである。加藤ソウル前支局長が書いた記事も、出稿から掲載までの間にチェックがあったと思われ、掲載の判断も本社の編集局で行われたのであろう。そうでなければ、とんでもない記事が掲載されかねない。

 名誉毀損罪は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」場合に成立する。公然とは「不特定または多数の者」に対して行うことを意味する。どんな罵詈雑言を書いたとしても公表しなければ成立しないのである。それは韓国の情報通信網法でも同様である。
 加藤ソウル前支局長が書いた原稿が仮に名誉を毀損していたとしても、加藤ソウル前支局長が公表した訳ではない。掲載するかの判断をし、公表する作業をしたのは編集局のはずである。であるならば、加藤ソウル前支局長は名誉毀損の構成要件を満たしていないので、罪に問われるのはおかしいと言わざる得ない。
 加藤ソウル前支局長や編集局員も新聞社の業務の一環として行ったのであるから、責任を問うとしたら新聞社に対して行うのが筋であろう。だが、ソウル中央地検は加藤ソウル前支局長だけを起訴することに止め、産経新聞社に対しては何のアクションも起こしていない。起訴するなら、責任者である産経新聞の社長や編集局長に対して行うべきである。加藤ソウル前支局長の個人犯罪ではないのであるから。


・・・終わり。
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朴大統領をネット上で誹謗した主婦 懲役4月・執行猶予1年
http://japanese.joins.com/article/806/190806.html
■海外で国内法に違反する行為をした場合に国内法を適用できるのか?
http://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column061.htm
刑法1
http://www.geocities.jp/koreanlaws/keihou1.html#第1章 刑法の適用範囲
くい設置の日本人 韓国検察が起訴=名誉毀損の罪で
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2013/02/17/0200000000AJP20130217000800882.HTML
韓国“反日”検察の異常 「慰安婦」像に杭→日本人を名誉毀損で起訴
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130224/kor13022407010001-n1.htm

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