六丈記2

備忘録のようなもの

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慰安婦の証言映像

 朝日新聞の慰安婦検証記事が出されてから河野談話に対する見直しの声が大きくなり、韓国の太平洋戦争犠牲者遺族会は、9月15日に「河野談話 生きている証拠」と題する映像を公開しました。河野談話の作成過程で、日本政府は1993年7月26日から5日間掛けて元慰安婦と自称する16人から聞き取り調査を実施したのですが、公開された映像はその様子の一部を17分間程に編集したものでした。
 聞き取り調査の撮影に関し、日本側は反対していたのですが、遺族会が「外部に公表するためのものではない。あくまでも遺族会の記録とするものだ」として押し切った経緯があるそうです。だから、この映像は非公開のはずでしたが、遺族会が勝手に公開したのです。


 朝鮮語の会話ですので、どの様な話をしているのか分かりません。ですが、2人目の元慰安婦には通訳が付いていて、所々通訳された言葉からすると、「1941年、12歳の時、日本の軍人3人に部屋に連れて行って何かをされた。それから釜山に連れていかれたが、家族と一緒ではなかった。釜山では魚を取って詰める仕事を一週間位していた。その後、33人で下関に行った。大阪に連れて行くと言われ、大阪では外出が禁止され、移動は車だった。言った通りにしなかったので暴行を受けた。」との内容のようです。
 この映像の公開後、マスコミなどがこの証言を翻訳すると思っていたのですが、その様なことはありませんでした。だから、証言内容が分からないままこの話題は立ち消えになったと諦めていましたが、産経ニュースが「韓国『真相明らかにして何が残る』ずさんな元慰安婦聞き取り」という記事で取り上げ、わずかながら証言内容が明らかになりました。

 記事によると、証言したのは金福善(キム・ボクソン)と尹順萬(ユンめスンマン)の2人。2人はそれぞれこう言っていたようです。
金福善「日本の巡査が(片腕を)ぎゅっとつかんで、朝鮮人男性が(もう片方の腕を)ぎゅっとはさんで引きずり出された」
尹順萬「大阪に来た。路地があって、軍人もたくさん。裏に何十里も入っていくと慰安婦の寄宿舎があった。何もないところだった」
 また、尹順萬には韓国側通訳が付いていたのですが、通訳は説明を大幅に端折ったり、言っていない言葉を付け加えたりしていたとのこと。例えば、通訳は「日本の軍人3人が部屋に来て、連れていった」と訳していましたが、尹順萬はそんな話をしていないそうです。

 産経新聞が入手した日本政府の聞き取り調査報告書によると、金福善は、巡査が「ここにこんなに美しい娘がいるではないか。1年だけ工場に働きに出すだけだから良いではないか」と言ったと語り、この巡査と朝鮮人男性がビルマ(金福善が連れていかれた先)まで同行したと証言しているそうです。この当時、朝鮮半島の巡査はほとんどが朝鮮人でした(2013年3月9日のエントリー「中山成彬代議士の国会質問」参照)。「日本の巡査」が朝鮮語に堪能な日本人だったとしても、朝鮮半島で勤務していた巡査がビルマまで一緒に行くということは考えられません。
 また、金福善は慰安婦に引っ立てた人物について、ソウル大教授(当時)の安秉直らが行った調査には「国民服(あるいは軍服)を着た日本人」と語り、日本政府に対する訴訟では「憲兵」としていたそうです。
 戦前の朝鮮半島では、朝鮮人が女性を甘言・誘拐で売春宿に売却するという事件を多く起こしていました。また、1938年に陸軍省が出した通達「軍慰安所従業婦等募集に関する件」には「内地においてこれの従業婦等を募集するに当り、ことさらに軍部諒解などの名儀を利用したために軍の威信を傷つけかつ一般民の誤解を招くおそれあるもの」とあり、内地でも軍の名をかたっていた女衒がいたことがうかがわれます。朝鮮半島でも同様のことをしていた女衒はいたでしょう。
 金福善が意図的に日本の官憲による被害者を装おうとしているのでないのであれば、官憲に成りすました朝鮮人女衒にだまされたということでしょう。巡査や憲兵の区別がよく分からなかった金福善が漠然と日本の公職者と思い込んでいたということではないでしょうか。
 尹順萬は大阪で慰安婦として働かされたと言っていましたが、大阪に慰安所はありませんでした。尹順萬は朝鮮半島で暗躍していた悪質な女衒にだまされ、大阪の遊郭に売られたということではないでしょうか。

 遺族会は1991年12月に日本国を相手に戦後補償請求民事訴訟を東京地裁に提訴した団体です。公開された映像に映り込んでいた福島瑞穂はこの訴訟の代理人で、聞き取り調査の対象となった16人の内、5人が原告でした。
 遺族会は、聞き取り調査の事前打ち合わせのために訪韓した日本政府関係者にこの訴訟の訴状を資料として採用するように要求し、「歴史を明らかにして何が残るのか。責任はどうなるのか。罪の意識はないのか」「言葉でならいくらでも謝れる。首相も天皇も言葉では謝罪した。そんなものではだめだ」とも言っていたそうです。
 当時の日本政府の内部資料には、遺族会について「『訴状を参考資料として用いよ』『証言聴取の際には、遺族会としてビデオを入れる』など、この証言を契機に、慰安婦問題について今後の裁判、わが国への補償要求につなげていこうとの意図とみられる発言も随所にある」との記述があるとのことです。
 聞き取り調査を自らの裁判に利用したいとの意図があったから、福島瑞穂が立会い、目を光らせていたのでしょう。

 聞き取り調査の報告書は、個人情報の保護を理由に公表されていません。しかし、遺族会が映像を公開したので、個人情報を保護するという目的は一部崩されました。それに、韓国では映像公開に対し、批判は出ていないようです。ですから報告書を公表したとしても、韓国側は文句を付けられないでしょう。
 河野談話に批判が集まっているのですから、談話の基となった報告書を公表し、国民の判断を仰ぐべきではないでしょうか。

///////////////////////////
河野談話 生きている証拠
http://www.youtube.com/watch?v=-wAfRT2lNf4
韓国「真相明らかにして何が残る」 ずさんな元慰安婦聞き取り
http://www.sankei.com/politics/news/141027/plt1410270013-n1.html
軍慰安所従業婦等募集に関する件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E6%85%B0%E5%AE%89%E6%89%80%E5%BE%93%E6%A5%AD%E5%A9%A6%E7%AD%89%E5%8B%9F%E9%9B%86%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E4%BB%B6

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宮沢経産相のSMバー領収書

 宮沢洋一経済産業相の政治資金収支報告書にSMバーへの支出が記載されていた問題で、宮沢経産相は、地元秘書が店を利用し、政治資金として処理をしたと弁明した。宮沢経産相は「政治資金として支出していいはずはない」と述べ、地元秘書に当該額を弁済させるとのことだ。つまり、SMバーの利用は政治活動ではなく、地元秘書が私的流用したと認めたのである。
 宮沢経産相は、地元秘書がSMバーを利用したと言うが、その証拠は示されていない。かと言って、宮沢経産相自身が利用していた様子は無いようだ。宮沢経産相はアリバイがあると言い、バーの店長も来店していないと証言している。だったらやはり、地元秘書が利用したのだろうか。

 世の中には「B勘屋」という裏商売がある。領収書を販売する業者のことだ。脱税を目論む企業が領収書を買い取り、経費を水増して税額を圧縮しようとするから、この様な商売が存在する。B勘屋は倒産会社や休眠会社などの領収書を売買するのだが、領収書の必要の無い者から買い取ったりもする。B勘屋が売る時の販売価格は領収書の額面の5%位らしい。

 もし、宮沢経産相の政治資金団体が1万8000円の領収書をB勘屋から買っていたとしたら、その価格は900円程度だろう。とすると、1万7100円程を裏金にすることが出来る。
 政治資金規正法は何が政治活動にあたるのかを規定していないため、SMバーを利用しても違法にはならないらしい。しかし、買い取った領収書で支出の水増しをしていたとしたら、有罪は確実で、宮沢経産相の政治生命も危機に陥るだろう。もし、SMバーに行っておらず、買った領収書の中にあったということだったとしても、SMバーを利用したと言い張るしかない。例え「SM政治家」と揶揄され、嘲りを受けたとしても、法的に追い詰められるよりましだからだ。

 政治家秘書といっても色々な品性の人物がいる。SMバー通いをしてそのツケを政治資金団体に廻すということも有り得ないことではない。また、政治活動には表に出したくない支出のために裏金を必要とすることもあるだろう。果たして、地元秘書は政治資金を私的に流用していたのだろうか。

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青山繁晴氏がエボラ出血熱を語る 後編

 青山氏は10月15日の水曜アンカーでこの様なことを話していました。
●安倍総理を始めとする日本政府の関係者にエボラ対策の改善を働きかけている。
●厚生労働省のホームページの訂正を要請している。
●アメリカ疾病対策センター(CDC)は、安全保障上の問題としてアメリカ国内のエボラ出血熱患者の治療を直接管理しているが、失敗して2次感染患者を出し、批判されている。
●CDCは、WHOは感染者を4割ほどしかカウントしておらず、「来年1月20日までに感染者は世界で最大140万人に達する」と見込んでいる。
●WHOの事務局長は中国人のマーガレット・チャンで、中国共産党の意向に従って感染者を少なく発表している疑いがある。流行が懸念されると、特に衛生体制が不十分な中国では経済に大きな悪影響をおよぼすため、流行を軽く見せかけようとしてるのではないか。
●世界のインテリジェンスは、エボラウィルスが圧倒的な速度で変異している恐れを懸念し、空気感染するようになるのではないかと恐れている。
●「青山氏の提言に従い、関係者を首相官邸に緊急召集した」と言っている政権中枢にいる人物に5つのエボラ対策を提言した。
●自衛隊に感染症の専門家はおらず、今は国立感染症研究所系の独立行政法人の専門医が一人だけ現地に派遣されているのが現状。
●政権中枢は水際対策を強化したと強調しているが、潜伏期間が長くなっているので、効果は薄い。
●症状があれば、自己診断せずに医師と相談し、自ら危機管理するのが肝要。

 この様に青山氏は、様々なことに言及していましたが、エボラウィルスについてはどの様な認識を持っているのでしょうか。具体的に取り上げてみます。(動画は前エントリー「青山繁晴氏がエボラ出血熱を語る 前編」に掲載)

◆10月15日動画24:05~26:33の会話
青山繁晴
「サバンナでライオン見たりするだけですから、現地で感染するリスクは、非常に低いっていうのは、役人言葉で言うと、ないって言ってるに等しいわけですよ。ね。で、下のところは何言ってるかというと、で、もともとうつる可能性が少ない上に、もともと病院内で感染してるだけの病気なんだから、日本国内の病院は、すごくきっちりしてるし、生活環境も清潔だから、何があっても日本国内で、このエボラが流行する可能性ってのは、現時点ではって言い訳ついてるけけど、ほとんどありませんと。だから、心配しなくていいよっていうことをこう、言ってるだけなんですけれども、これが違うんですよ。これは、あの、先週の、実は『アンカー』でも、実は言ってるんですけどね。僕のこう、唾のことなんかも言ったんですよね。で、もう一度ちらっと言いますと、僕はこれ話しながら、こうたとえば、村西キャスターや、この両キャスター(岡安譲・堀田篤)に、唾が飛んでると誰も思わないけど、本当はこの空間は細かいチリがいっぱい、浮かんでるんで、人間の目に見えないだけです。僕、目いいですけど僕でも見えません。で、そのチリの上に細かい唾の飛沫が乗っかりますから、このスタジオにいる人は、この、画面に出てこないカメラマンや、その、たとえば時間を計ってくれてる人、みんなに、僕の唾は実は行きわたっていきます、この放送時間内に十分。それだけじゃなくて、僕はこうやって身体を動かしながら言ってると実は、細かく汗をかく。で、そのかいた汗も同じように飛沫に乗っかっていってみんなにくっつくわけですよ。このことを考えるとですね、エボラウイルスってのは今のところ空気感染しないけれども、その唾自体に触れると、汗に触れると、十分感染する、わけですから」
岡安譲
「いわゆる飛沫の感染ということですね」
青山繁晴
「そうです。したがって、この、病院に近づかない日本人旅行者、そしてあんまりアフリカに行かないんだから、うつらないっていうことは、もうこれ、あの、かつては、かつての広がりぐらいだったら言えたけど、現在はもうこれ言っちゃいけないことなんですよ(一同同意)。それを未だにホームページで言ってて、それをもとにして日本で流行しないって言ってるから、これは全く間違いなんで、これを早く直して下さいって言ってるわけです(一同同意)。で、残念ながら論より証拠が起きてしまって、えー、僕の今申したことが、電話してる間にも起きてしまいました。それは何が起きたかというと、これです」
=ここでの青山氏の発言ポイント=
●エボラウィルスは飛沫感染する。

◆10月15日動画35:00~36:01の会話
村西利恵
「潜伏期間は大幅に伸びて、21日間の例も」
青山繁晴
「ええ、この潜伏期間を、先週の放送で、普通1週間ぐらいと申したんですね。それは現在でもそうなんですよ。1週間ぐらいの潜伏期間で、発症した、つまり症状が出てきた、熱とか嘔吐が始まった患者の方もたくさんいらっしゃるんですが、何とその、潜伏期間が、その、前後にギューッと延びてですね、一番短い人だと、確認された例だと、たった2日間しかなかった。で、長い人だと、21日間。だから、普通の1週間の潜伏期間が、3週間に延びちゃった人もいるんですよ。3週間に延びちゃうと、つまり、たとえば僕がその3週間に延びた分のウイルスが今、体内に入ってるとすると、3週間この『アンカー』に出ても、まだ誰も気がつかない、本人も気がついてない状態ですから」
村西利恵
「その間、まき散らし続けるということですよね」
青山繁晴
「ということなんです。だから、その恐ろしさを考えると、日本政府の今の対応で済むわけがないということなんですが、それに対して、じゃあ、政府側は何て答えたかというとこうです」
=ここでの青山氏の発言ポイント=
●エボラウィルスの潜伏期間は2日から3週間。
●潜伏期間中でも感染力を持つ。

 青山氏は10月8日の放送でこの様なことも言っていました。
●エボラ出血熱の致死率は高いが、エボラウィルスの感染力は低い。
●エボラウィルスは空気感染しない。接触しないと感染しない。
●くしゃみで飛んだ唾液の飛沫でも、傷口があると感染する。

◆感染力について
 青山氏の発言でまず気になるのは、「感染力」の意味を取り違えているのではないかということです。
 感染力とは、宿主に伝播する(侵入して感染を成立させる)能力のことです。ウイルスが体内に入っても免疫反応によって排除されますが、排除されず(若しくは排除が追いつかない)に定着したら感染したことになります。例えば、ネット上には出典不明ながら「エボラウイルスは感染力が大変強く、インフルエンザウイルスは体内に数百個~数万個のウイルスが入らないと感染しないのに対し、エボラウイルスは数個のウイルスが体内に入っただけでも感染する。」という文章が拡散しています。感染力とはこういうことを言うのです。青山氏は「体外へ拡散する能力」(伝染性)のことを「感染力」と言っているようです。

◆未発症感染者について
 青山氏は、潜伏期間中でもエボラウィルス感染者はウィルスをまき散らすとしています。
 ところが、WHOのファクトシートには「症状が発現するまでの間は、感染者は感染力をもちません。」とあります。また、厚生労働省のQ&Aには「エボラウイルスに感染し、症状が出ている患者の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物)や患者の体液等に汚染された物質(注射針など)に十分な防護なしに触れた際、ウイルスが傷口や粘膜から侵入することで感染します。一般的に、症状のない患者からは感染しません。空気感染もしません。」と書いてあります。
 青山氏は、WHOは信用できないと言い、厚生労働省にも不満を述べていますから、WHOや厚生労働省の見解は間違いだと判断しているのかもしれません。そう判断するには根拠が必要ですが、根拠はあるのでしょうか。

◆飛沫感染について
 主な感染経路には下図の様なものがあります。
感染経路

①空気感染(飛沫核感染、塵埃感染)
【特徴】
空気中に浮遊する0.1~4μmほどの大きさの病原体が皮膚にそのまま付いたり、呼吸によって吸い込み鼻腔や肺などの粘膜に直接付着して発病の原因となります。
【疾病の主なもの】
ノロウイルス・麻疹ウイルス・水痘帯状疱疹ウイルス・結核菌による感染性疾患
②飛沫感染
【特徴】
咳やくしゃみ、会話によって飛んだ唾やしぶき(飛沫)に含まれる病原体を吸入することで引き起こされる感染をいいます。
【疾病の主なもの】
インフルエンザ・風邪症候群・おたふく風邪・風疹など
③動物・昆虫感染
【特徴】
病原体を持つ動物に噛まれたり、引っかかれたり、体や糞に触れることで感染する狂犬病や蚊・ノミ・ダニに刺されて感染するマラリアや日本脳炎のように昆虫を媒介として感染するものがあります。
【疾病の主なもの】
マラリア・日本脳炎・フィラリア・狂犬病・疥癬等
④接触感染
【特徴】
接触感染とは、皮膚や粘膜の直接的な接触や、手、ドアノブ、手すり、便座、スイッチ、電話等の表面を介しての接触で病原体が付着することによる感染のことをいいます。
【疾病の主なもの】
ノロウイルス・ロタウイルス・腸管出血性大腸菌(O-157)・サルモネラ菌・黄色ブドウ球菌による感染性胃腸炎
⑤経口感染
【特徴】
病原体に汚染された食品を食したり、物品・手指・病原体を含む汚物等を介して主に口から体内に侵入します。
【疾病の主なもの】
サルモネラ菌・A型肝炎・食中毒菌や胃腸炎ウイルスなどによる感染性胃腸炎
※飛沫と飛沫核の違いは、病原体を含む微粒子の中で水分を多く含んだものが飛沫で、水分が蒸発して小さくなったものが飛沫核です。
飛沫核;5μm以下で、長時間浮遊。
飛 沫;5μm以上で、直ぐに落下し、飛距離1m程度。

 青山氏は、喋った時の唾液の飛沫や汗の飛沫が遠くまで漂いエボラウィルスに十分感染すると述べる一方で、空気感染しないとも言っています。飛沫は重いので直ぐ落下し、遠くまでは飛びません。遠くまで漂うなら飛沫核であり、それで感染するなら飛沫感染ではなく、空気感染です。青山氏は飛沫感染と空気感染の区別が付いていないようです。
 今のところ、エボラウィルスが空気感染しないというのは共通認識になっていますが、飛沫感染はどうでしょうか。厚生労働省のQ&Aには「エボラ出血熱は、咳やくしゃみを介してヒトからヒトに感染するインフルエンザ等の疾患とは異なり、簡単にヒトからヒトに伝播する病気ではありません。」とあります。ただ、WHOのファクトシートには「エボラウイルスの疑いまたは確定した患者を世話する医療従事者は患者の血液と体液との接触を防ぐために、さらなる感染管理の対策をとる必要があります。1m以内でエボラウイルス感染者と接するときには、医療従事者は顔面の防御(フェイス・シールド、医療用マスクとゴーグル)、清潔かつ非滅菌性で長袖のガウン、手袋(いろいろな処置を行うための滅菌手袋)をつける必要があります。」ともあります。IBTimesは米疾病予防管理センター、KSDK.com、USAトゥデイの情報から「エボラ出血熱の兆候がある人が、ほかの人に向かって直接くしゃみや咳をした場合、感染する可能性はある。粘液や唾液が相手の目、鼻、あるいは開いた傷口に届いた場合は、感染リスクがあることになる。ただし、くしゃみや咳はエボラ出血熱の症状ではない。」と書いていますが、その通りなのでしょう。直接浴びた場合は、飛沫感染の可能性を排除できないというのが現在の世界的認識ではないでしょうか。青山氏が唱える「唾液の飛沫が物体に付着し、そこからも感染が起きる」というのは根拠のあることなのでしょうか。

◆政府のエボラ対策について
 青山氏は最低限しなければならないこととして5つの提言をしています。
1)全国の医療機関に対する緊急研修。
2)ウイルス変異による悪夢への備え。
3)自衛隊の医官を派遣することの検討。
4)アフリカへの渡航禁止や延期などを徹底する。
5)感染者の隔離場所の確保。
 これらのことは大事なことでしょう。しかし、エボラウィルスを扱えるバイオセーフティーレベル4(BSL-4)の施設についての言及はありませんでした。
 日本には、国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)と理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)にBSL-4の設備がありますが、地元住民の反対などから、BSL-4での運用は許可されていません。
 厚生労働省は現状でも「感染疑い段階の検体は感染研で取り扱うことができ、簡易診断までは行うことができる」としています。しかしながら、BSL-4施設でなければウィルスを抽出・分離したり、培養したりすることは許可されていないため、確定診断が出来ません。それにウィルスの培養が出来れば、ウィルスがどこから来たのかを調べることが出来、患者に投与しなくても薬の効果を確認することも可能です。こういうことを考えれば、政府が早急しなければならないのは、まずBSL-4の指定でしょう。
 また、青山氏は「エボラの脅威に対しても、ご自分でたとえば発熱があったり嘔吐になったりした時に、特にこれからインフルエンザの季節になって、先週申したとおりインフルエンザは必ず流行しますから、その時に、今までのインフルエンザと同じと自分で決めつけないで、医師の目を見て、ま、医師ともよく協議して、医師のエボラウイルスの知識も確認しながら、自ら取り組んでいく。そうするとこれを機会にして、逆に危機管理が自分のものになっていきます」と述べています。つまり、症状があれば、病院でよく相談しなさいということでしょう。
 もし、エボラウィルスに感染していて症状が出ているのであれば、病院に行く事は賢明な行動とは思えません。多くの病院の待合室は患者で過密状態にあり、そんな所にエボラ患者が行けば感染拡大のリスクを高めることになります。だから政府が取る対策としては、疑わしい場合は電話相談を通して対応をするようなシステムを構築し、疑わしき者を安易に移動させないようにすることが重要であると思います。


 青山氏の話しは面白いですが、今ひとつ信用できません。コメンテーターとは、そういうものだと言われてしまえばそれまでですが、「危機管理の専門家って何なんなの」と思わざる得ません。

/////////////////////////
感染症疫学事始
http://plaza.umin.ac.jp/infepi/InfEpi.htm
感染経路別病原体
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/hp-lab/rinkenhome/subfile/DCMI/kannsennkeiro_pdf.pdf
感染経路の種類
http://cleanhand.jp/basis/kind
エボラウイルスについて (ファクトシート)
http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2014/10091357.html
エボラ出血熱に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola_qa.html
エボラ出血熱に感染しないための心得
http://jp.ibtimes.com/articles/62121/20141018/868947/page1.htm
エボラ出血熱:国内検査に懸念…危険ウイルス扱えず
http://mainichi.jp/select/news/20141016k0000m040139000c.html

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青山繁晴氏がエボラ出血熱を語る 前編

 10月15日に放送された関西テレビの「アンカー」の「ニュースDEズバリ」のコーナーは、青山繁晴氏がコーナー全部の時間を使ってエボラ出血熱について解説をしていました。

◆10月15日の水曜アンカーの動画

◆10月15日動画15:30~17:35の会話
青山繁晴
「はい。あの、このエボラ出血熱、もっと正しく言うと、エボラウイルス疾患ですけれども(一同同意)、これについては先週の、『アンカー』のこのコーナーでもやったんですよね。で、そのあといただいた反響の中にですね、たとえば、現役の医療関係者からいただいたのは、その、えー、僕の話は、パニックにならないように、たとえばこの場合、電車に乗れなくなっちゃうような方も出てくる恐れがあるんで、つまり気持ちの問題として」
岡安譲
「ええ」
青山繁晴
「そうならないように同時に、日本政府の対応が甘いところを含めて、危機意識を持ちましょうっていう、バランスを取った解説だったと、自分は思ったけれども、ネットの中には、たとえばインフルエンザと比較して、それよりはマシだから、青山は火消しをしようとしてると、いうような解釈もみられたと。で、それは、大変誤解だと思うと、いう反響もいただいてですね」
岡安譲
「なるほど」
青山繁晴
「で、他の反響も含めて、えー、改めてじっくり考えまして、で、ひとつはですね、先週はギモズバ!っていうことで、3つの項目のうちの1つとしてやりましたね(一同同意)。で、そうするとどうしてもですね、時間が、ま、今日もどうせ時間ないんですけれども、時間がなくて舌足らずになるってことが一点と、それから、まあ、ギリギリのバランスを取ろうとする時にですね、やっぱり詳しく言わないと、その、そのバランスがこう、どっちかに傾いて見えるってことはやっぱりありますから。で、インターネット上の話、反響っていうのは、もちろん中傷誹謗、年がら年中あるんですけど、そうじゃなくて、中傷誹謗じゃなくて、その、まともに考えて誤解する例ももちろんありますからね。大事な、やっぱり情報だと思うんですよ」
岡安譲
「ええ」
青山繁晴
「で、したがって、今日は、えー、コーナー全部の時間を使って、エボラについてお話ししようと思います。先ほどのオバマさんと安倍総理との電話会談も、まあ30分やったうちの本当は、27~8分ぐらいずっとエボラの話」

 先週の放送の青山氏の発言がネット上で問題視されたため、今週は誤解を解くためにエボラ出血熱だけを取り上げるとのことです。先週、青山氏はどの様な発言をしていたのでしょうか。先週の放送を確認してみます。

◆10月8日の水曜アンカーの動画

◆10月8日動画7:52~11:35の会話
青山繁晴
「まず、あの、エボラ出血熱は大変恐ろしい病気です(一同同意)。それはもうここ見ていただくと、今回の流行だけでですね、要するに感染した人の半分ぐらい亡くなってるわけですね(一同同意)。で、場合によっては、その、感染地域で9割、人が死んだりしてるんで、さっき言いました通りエボラウイルスの毒性が、極めて強いと、いうことになるわけですね。それからさらに新しい事態になってるのは、その、今まではアフリカで感染した人が、ヨーロッパに戻ってきて、あるいはアメリカに入国してしまって騒ぎになるってことだったんですが、今、新たに起きてることはですね、その、アフリカで感染したんじゃなくて、ヨーロッパで感染したっていう例が出てきてますから」
岡安譲
「スペインですね」
青山繁晴
「重大な事態なんですが、それを踏まえた上でですね、ここ見て下さい。これまでの累計、死者5000人ちょっと。これはですね、エボラ出血熱って病気が初めて見つかったのがだいたい40年弱ぐらい前です。ま、38年ぐらい前なんですが。その40年近い間にですね、その、かかった人、感染者は、実は全部で1万人なんですよ。で、その半分が亡くなってるから恐ろしい病気だけど、40年かかって、こういう感染が拡大していく病気が、全部合わせて1万人しか感染してないっていうのは、実はこういう意味です」
村西利恵
「エボラ出血熱は致死率は高いが、感染力は低い。なので、正確な知識と冷静な対応を」
青山繁晴
「はい。たとえば、これを見て下さい。はい、出して下さい」
村西利恵
「インフルエンザで年間に亡くなる方は、日本ではおよそ1万人、世界ではおよそ25万人から50万人にもなります」
青山繁晴
「はい。これ、どうして出したかというと、インフルエンザって病気、知らない人はいないですよね。このスタジオでも今までにかかった人、何人もいらっしゃると思います。そしてこれは新型インフルエンザを抜きにして、今までのタイプのインフルエンザで、この、毎年日本で1万人ぐらいが亡くなるっていうことを、厚生労働省が見込んでるんです。世界で言うと最大50万人、毎年毎年亡くなっていくんで、40年経っても、まだ亡くなった人が5000人というエボラ出血熱は、半分亡くなったりして非常に怖いけれども、感染力は低いと、いうことは、考えないといけないです、冷静にですね。それはどうしてかというと、空気感染しません。したがって、こうやって、あの、接触しないと感染しないんですが、但しですね、これ最後に申しておきますと、僕は危機管理が本職のひとつです。どうしてもそういう人間、あるいは政府もですね、統計で見ようとするんですよ。しかし、個人個人にとったら、特に日本は、ひとりひとりの値打ちが全部同じ国ですからね。同じ高い値打ちがあるんですよ。たとえば、中国とはそこは国の成り立ちが違う。たとえば、堀田キャスターがそのエボラ出血熱に何かで感染するケースを考えるとですね、たとえば岡安キャスターがどっかに出張してですよ、そして、感染に気がついてなくて、たとえばくしゃみをして、このボールペンに岡安キャスターの唾液がつく」
青山繁晴
「でもその唾液は目に見えないです。それを、まあスタジオにこう置いてあったら何げなく、堀田さんが触るとですね、接触、近くにはいても触ってないのに、実はそこで岡安キャスターの唾液に触るとですね、そこから、ちょっとその手に傷があったりすると簡単にエボラウイルスが入って来て、入って来たら、もう、50から90%の確率で亡くなる。で、そういうことが起きたらですね、この、ここにいる人間はもう全部働けないです。全部隔離されなきゃいけなくて、この関テレって報道機関が、機能を失うことにもなりかねないので、したがって、これは、私たちがよーく自分で勉強をして、インターネットって便利なツールもありますから、備えることが必要です。政府は、法改正も準備してますから。感染症法って法律を変えてですね、嫌がる人でも、強制的に採血できる法律を、今(こん)臨時国会で通そうとしてますから、そういうことも含めて、私たちが勉強する段階に来ました。はい」

 青山氏の発言を箇条書きにまとめると、このようになります。
●エボラ出血熱の致死率は高いが、エボラウィルスの感染力は低い。
●エボラウィルスは空気感染しない。接触しないと感染しない。
●エボラウィルスはインフルエンザウィルスに比べ拡散する能力が非常に低い。
●インフルエンザで死亡する人より、エボラ出血熱で死亡する人は少ない。
●(感染に気がついてなくてということから推測すると)未発症の感染者も感染力を持つ。
●くしゃみで飛んだ唾液の飛沫は、傷口があると間接的にでも感染する。
●政府は、強制的に採血できるよう法改正を準備している。
 青山氏は、医療関係者から「日本政府の対応が甘いところを含めて、危機意識を持ちましょうっていう、バランスを取った解説だった」という意見を受け取っていると言っていますが、この放送の中に政府対応の甘さを指摘する部分は見出せません。政府の法改正に触れていますが、遅いとか足りないとかの非難をしている訳ではありませんから、甘さを指摘したとはいえないでしょう。本当に医療関係者からの意見はあったのでしょうか。
 青山氏の発言の要旨は「エボラウィルスはインフルエンザウィルスに比べ拡散する能力が非常に低いので、結果的にエボラ出血熱で死亡する人はインフルエンザで死亡する人より少ないというのが現実。それを正しく理解し、無闇に怖がってはいけない。ただし、死者が出るのも事実だから、感染を防ぐために個人個人が勉強して自己防衛する必要がある。」ということではないでしょうか。「インフルエンザと比較して、それよりはマシだから、青山は火消しをしようとしてる」と感じ取ったとしてもそんなに的外れではないと思います。

 実は、青山氏は8月6日の水曜アンカーでもエボラ出血熱を話題にし、こんな発言をしていました。

◆8月6日の水曜アンカーの動画

◆上記動画の文字起こし
岡安譲
「危機管理の専門家でもあります青山さんはこの状況をどうみていますか。」
青山繁晴
「あの、僕を含めてもちろん危機管理の仕事の世界ではね、日頃エボラ出血熱というのは前から関心事ですが、日本について言うと必要な手立てをちゃんとしつつ、恐れることはほぼありません。て言いますのはね、あの、まず最初の患者が出たのはアフリカのエボラ川ていう川の所の出身の男性が亡くなったケースがあるんですが、それがもう40年近く前なんですね。」
岡安譲
「ええ」
青山繁晴
「この38年位の間にですね、出た患者、患者じゃない、ごめんなさい、亡くなった方の総数が大体3千人前後なんですね。そうしますとね、他の皆さんよくご存知の伝染病、コレラであったりインフルエンザであったり、そうやって広がりのある病気でいうと何十万人の方が亡くなっている訳ですから。」
岡安譲
「そうですね」
青山繁晴
「全然比較にならない。つまりその、エボラのウィルス自体は、あの1個でも2個でも体内に入ったら致死率が急に上がるっていうね、ウィルスの毒性が極めて強いけれども。」
岡安譲
「そこが怖いんですよね。」
青山繁晴
「伝染する力は、まあ非常に弱いんですよ。空気感染しないということと、それからあまりにも致死率が高いので、直ぐ亡くなってしまって動き回ったりする確立が低いんで、つまり飛行機乗ったりすることも少ないんですよ。潜伏期間は1週間ありますけれども。」
岡安譲
「ええ」
青山繁晴
「だからそれを乗り越えて、その例えばパンデミックというね、インフルエンザで皆さんよくご存知の世界的の爆発流行になるという恐れはほとんど無い。アフリカにとっては、アフリカの人々にとっては、あるいはアメリカ人でも感染したひとにとっては致死率高いから大変な問題で、ちゃんと国際社会の協力が、さっきあの女性の医師がおっしゃっていた通り必要ですけど、日本の社会にとってはエボラ出血熱っていうおどろおどろしい名前に騙されないこと。エボラというのは唯の川の名前ですし。」
岡安譲
「ええ」
青山繁晴
「出血もする場合としない場合がありますから。映画で、例えばアウトブレイクという映画で僕も何度も見ましたが、エボラ、エボラみたいなことが出てくるんですが、あの映画のようにはなりませんから。直接、血液とか唾液に触ったりしない限りはほぼ感染しませんので。そこは、あの、よくお考えいただいて同時にこのウィルスは毒性持っているのに消毒に弱いんです。だから、日本の様にちゃんと普段から消毒している社会ではほとんど伝染力ありませんから。それを理解された上で警戒すべきを警戒なさって下さい。」
岡安譲
「分かりました」

 青山氏は、エボラ出血熱はパンデミックになることはほとんど無い、特に日本の様な社会ではほとんど伝染力が無いと発言しています。明らかにパニックを防ぐことを目的とした発言でしょう。
 この8月6日の放送があった頃は、エボラ出血熱の患者数が急増し始めた頃で、医師等の医療関係者も続々と感染していると伝えられていました。米国人医師のケント・ブラントリー氏が感染し、アメリカに搬送されて治療を受けているというニュースが報じられたのは、この放送の前のことでした。
 日常的にエボラ患者に接している医師らは感染確立が高いとはいえ、知識も有り防護服を着用するなど、感染予防対策をしていてもエボラウィルスに感染してしまったのです。日本の現状は、この医師らに比べたら知識も乏しく、日常的に感染防護をしている訳ではありません。その現実を甘くみているから、「日本の様にちゃんと普段から消毒している社会ではほとんど伝染力ありません」と軽々しく発言したのではないかと思わずにいられませんでした。同様に思っていた人も多かったのではないでしょうか。青山氏に対する批判は、8月6日の放送が下地にあり、10月8日の放送があったから、「青山は火消しをしようとしてる」となったのでしょう。

・・・続く。

※10月15日の水曜アンカーと10月8日の水曜アンカーの文字起こしは、くっくり氏のサイト「ぼやきくっくり」から引用させていただきました。
//////////////////////////
水曜アンカー・青山繁晴のニュースDEズバリ 10月15日
https://www.youtube.com/watch?v=YU34iawcDSM
10/15放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1629.html
10月8日アンカーD
http://www.youtube.com/watch?v=Mbrd2vM5ZCI&feature=player_embedded
10/8放送 関西テレビ「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1626.html
青山繁晴 エボラ出血熱 はパンデミックにはならない
http://www.youtube.com/watch?v=bLi9Fkk1Q5s
2014年の西アフリカエボラ出血熱流行
http://ja.wikipedia.org/wiki/2014%E5%B9%B4%E3%81%AE%E8%A5%BF%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E5%A4%A7%E6%B5%81%E8%A1%8C

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産経の朴大統領名誉毀損事件<2>

◆起訴内容
 さて、加藤ソウル前支局長の起訴内容を改めて確認する。
*** 起訴状 ***
 被告は1991年4月、産経新聞に入社し、2004年9月から2005年3月ごろまで、産経新聞ソウル支局で研修記者として活動し、2010年11月1日付で産経新聞ソウル支局長として発令を受け、約4年間特派員として勤務している日本人である。
 被告は14年4月16日に発生したセウォル号事故に関連し、朴槿恵大統領の当日の日程が論じられた14年7月18日付の朝鮮日報「大統領を取り巻く噂」というコラムに「大統領府秘書室長の国会答弁を契機に、セウォル号事故発生当日、朴槿恵大統領が某所で秘線とともにいたという噂が作られた」などの文章が掲載されたことを見つけるや、その噂の真偽可否に対して当事者および関係者らを対象に、事実関係を確認しようとの努力などをしないまま、上記コラムを一部抜粋、引用し、出所不明の消息筋に頼り、あたかもセウォル号事故当日、被害者、朴槿恵大統領が被害者、チョン・ユンフェと一緒にいたとか、チョン・ユンフェもしくはチェ・テミンと緊密な男女関係だという根拠なき噂が事実であるかのように報道する記事を掲載しようと考えた。
 被告は14年8月2日ごろ、産経新聞ソウル支局の事務室でコンピューターを利用し、被害者、朴槿恵大統領と被害者、チョン・ユンフェの噂に関する記事を作成した。
 被告は「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明…誰と会っていた?」というタイトルのもと、「調査機関『韓国ギャラップ』によると、7月最終週の朴槿恵大統領の支持率は前週に続いての40%となった。大統領の権威はいまや見る影もないことを物語る結果となった。こうなると噴き出してくるのが大統領など権力中枢に対する真偽不明のウワサだ。こうした中、旅客船沈没事故発生当日の4月16日、朴大統領が日中、7時間にわたって所在不明となっていたとする『ファクト』が飛び出し、政権の混迷ぶりが際立つ事態となっている。(ソウル 加藤達也)」と書き出し、上記、朝鮮日報コラムの内容中、「金(大統領府秘書)室長が『私は分からない』といったのは大統領を守るためだっただろう。しかし、これは、隠すべき大統領のスケジュールがあったものと解釈されている。世間では『大統領は当日、あるところで“秘線”とともにいた』というウワサが作られた」などという噂と関連した部分を中心に引用し、「証券街の関係筋によれば、それは朴大統領と男性の関係に関するものだ。相手は、大統領の母体、セヌリ党の元側近で当時は妻帯者だったという。だが、この証券筋は、それ以上具体的なことになると口が重くなる。さらに『ウワサはすでに韓国のインターネットなどからは消え、読むことができない』ともいう。一種の都市伝説化しているのだ」「証券筋が言うところでは、朴大統領の“秘線”はチョン氏を念頭に置いたものとみられている。だが、『朴氏との緊密な関係がウワサになったのは、チョン氏ではなく、その岳父のチェ牧師の方だ』と明かす政界筋もいて、話は単純ではない」との内容の記事を作成した。
 被告は、上記のように作成した記事をコンピューターファイルに保存した後、日本・東京にある産経新聞本社に送信し、8月3日正午、産経新聞インターネット記事欄に掲載した。
 しかし事実はセウォル号事故発生当日、被害者、朴槿恵大統領は青瓦台の敷地内におり、被害者、チョン・ユンフェは青瓦台を出入りした事実がないうえに、外部で自身の知人と会い昼食をともにした後、帰宅したため、被害者らが一緒にいたとの事実はなく、被害者、朴槿恵大統領と被害者、チョン・ユンフェやチェ・テミンと緊密な男女関係がなかったにもかかわらず、被告は前記したように、当事者および政府関係者らを相手に事実関係確認のための最小限の処置もなく、「証券界の関係者」あるいは「政界の消息筋」などを引用し、あたかも朴槿恵大統領がセウォル号事故発生当日、チョン・ユンフェとともにおり、チョン・ユンフェもしくはチェ・テミンと緊密な男女関係であるかのように虚偽の事実を概括した。
 結局、被告は被害者らを批判する目的で情報通信網を通して、公然と虚偽の事実を際立たせて、被害者らの名誉をそれぞれ毀損した。
****************
 簡単にまとめると、
●事故発生当日、朴槿恵大統領は青瓦台の敷地内におり、チョン・ユンフェは青瓦台に出入りしていない。
●朝鮮日報のコラム「大統領を取り巻く噂」の「朴槿恵大統領が某所で秘線とともにいたという噂が作られた」という部分の真偽を確認しなかった。
●取材源を「証券界の関係者」あるいは「政界の消息筋」などとし、根拠を十分に示していない。
●朴槿恵大統領がチョン・ユンフェもしくはチェ・テミンと緊密な男女関係であるかのように虚偽の事実を記事にし、名誉を毀損した。
ということである。

◆朴大統領の空白の7時間について
 「空白の7時間」とは、セウォル号沈没事故発生当日、朴大統領が書面で初めて報告を受けて(午前10時ごろ)から中央災害安全対策本部に出向く(午後5時ごろ)までの7時間のことである。この間、対面での報告も、大統領主宰の会議もなかったと言われている。
 この空白の7時間について、青瓦台筋が朴大統領は「敷地内にとどまって事故関連の報告を受けていた」と述べた(9月8日)と報道されていたが、ソウル中央地検はこれを元に朴大統領が青瓦台にいたとしたのであろうか。
 韓国のメディアはこれについてどの様な報道をしているのか、韓国の記事を機械翻訳をして確認する。

*** 朴大統領の「セウォル号 7時間」疑惑解けた? ***
http://www.pressian.com/news/article.html?no=120189
 セウォル号事故当日パク・クネ大統領に会ったという疑惑を受けているチョン・ユンフェ(59)さんが実際には他の場所で第三者と会っていたと検察が最終結論を出した。 検察は事故当日である4月16日パク大統領の行方と関連させ、私生活疑惑を提起した日本の右翼紙の産経新聞加藤達也(48)ソウル支局長に対する司法処理の有無を早ければ今週内で決める方針だ。
 ソウル中央地検刑事1部(部長検事チョン・スボン)によれば、検察は先月15日チョン・ユンフェさんを参考人として呼んで産経新聞報道と関連した事実関係を調査した。 この席でチョンさんは「事故当日大統領府に出入りしなかった」と述べたと分かった。
 チョンさんが具体的なアリバイも提示したことも確認された。 チョンさんは検察の調査でセウォル号事故が発生した去る4月16日午前11時頃から午後3時前までソウル、江北(カンブク)の某所で普段から懇意にしていた漢学者に会っていたと述べた。
 検察はチョンさんが会ったという漢学者も呼んでチョンさんの陳述が事実なのかを確認し「この日チョンさんに会ったのは事実」という漢学者の陳述も確保した。
 これで検察は近い将来にパク大統領の私生活疑惑を提起した加藤支局長に対する刑事処罰の有無と程度を決める方針だ。 先立って加藤支局長は「パク・クネ大統領が旅客船沈没当日、行方不明…誰と会ったのだろうか?」という題目でパク大統領の私生活疑惑を提起した。
 加藤支局長はセウォル号事故当日7時間ほどパク・クネ大統領の素行が把握されなかったという<朝鮮>のコラム内容とパク大統領が秘密裏にある男性と一緒にいたという証券街情報誌の内容を根拠に上げた。
 一方、チョン・ユンフェ氏は1998年4月にパク・クネ大統領が大邱(テグ)達城郡(タルソングン)補欠選挙で政界に入門する当時から2004年3月のハンナラ党代表就任まで秘書室長役割をした中心的側近だった。
 チョンさんはパク・チョンヒ政権末期に各種不正疑惑に包まれて内部調査を受けた故チェ・テミン牧師の婿という事実が表面化したためにパク大統領に負担を与えないとし自らパク大統領のそばを離れたと知られている。 去る3月にチョン・ユンフェさんが離婚したという事実まで確認されてパク大統領とチョンさんのデマはより一層広がった。
       プレシアンニュース 2014年9月15日
******************************************************

*** [単独] 「セウォル号当日大統領府記録、指定記録根拠ない」 ***
http://joongang.joins.com/article/303/16036303.html?ctg=1200
大統領記録館に公定解釈を依頼した結果「保護される根拠ない」
大統領府「視点によって違う解釈可能」
[アンカー]
 大統領府はセウォル号事故当日、秘書室と国家安保室などは大統領にどんな内容を報告したかということに関し、その内容を公開できないという方針を貫いています。 これは大統領が事故当日どんな報告を受け、どんな指示をしたかということに直結する問題でもあります。 ところで大統領府はこの部分に対して監査院監査を受けながらもいわゆる「大統領指定記録」に指定されるかもしれないとして公開を拒否したことが確認されました。 しかし大統領記録館の立場は違いました。
 カン・シンフ記者が単独報道します。
[記者]
 監査院は去る5月セウォル号事故以後、大統領府に対する監査で事故当日の大統領行方に関連した資料を要求しました。
 しかし、大統領府は資料提出を拒否しました。
 監査院は最近、新政治連合のチョン・ヘチョル議員室へ提出した報告書に当時、大統領府が「大統領指定記録」と指定可能な場合、その内容を保護することができるという主張を展開したと明らかにしました。
 指定記録というのは、国家安保などの理由で最長30年間公開しない記録物です。
 退任後の指定記録になる可能性があることを前提に、公開することができないという論理を取っており、監査院はこれを受け入れて追加調査をしていないのです。
 JTBCは大統領府と監査院の解釈が法律的に問題がないのか大統領記録館に公定解釈を依頼しました。
 大統領記録館は関連法施行令により「指定記録の保護期間は大統領任期が終わる翌日から始まる」と答えました。
 事故当日の大統領府の記録が指定記録として保護される法的根拠がないということです。
 これに対して大統領府は「大統領記録館の主張がすべて正しい訳ではない、立場に応じて異なる解釈ができる」と明らかにしました。
                 JTBC 2014年10月6日
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※「JTBC」は中央日報系のTV局

*** 法曹界「捜査、産経の朴槿恵名誉毀損証明は難しい」 ***
http://www.mediatoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=119257
 パク・クネ大統領のセウォル号事故当日7時間の行方と関連して側近「チョン・ユンフェ密会説」を報道した産経新聞の加藤達也前支局長を検察が在宅起訴したことについて法曹界では「大統領名誉毀損」疑惑と「故意性」を立証するのは容易でないという分析を出している。
 パク大統領が大韓民国最高の「公人」身分の上に疑惑の対象とした「7時間」が公務をしなければならない時間であり、国民数百人が死んでいっていた時だったという点で「チョン・ユンフェと会ったという噂」に言及した産経記事だけで名誉毀損の故意性を見つけるのは難しいという判断からだ。また、加藤支局長がチョン・ユンフェとの関係について主に引用した朝鮮日報コラムは放って置いたまま産経だけ処罰するということは公平に反するという指摘も提起されている。
~省略~
 法曹界は検察がパク大統領名誉毀損の根拠に上げた「虚偽事実」の有無について確証を出すことができなかったと指摘した。検察は「パク大統領が当日大統領府の敷地におり、チョン・ユンフェさんも大統領府に出入りしていない」と明らかにした。だが、検察はパク大統領が大統領府の敷地のどこにいたのかについて「回答することは不適切である」と答えを避けた。検察は調査方法も大統領府の関係者を直接調査しないまま、書面調査で代替していたことが分かった。
 大統領選挙前、パク大統領の私生活疑惑記事を転載して検察に起訴されたペク・ウンジョン「ソウルの声」代表の名誉毀損事件弁護人であるキム・インスク弁護士は10日にメディアトゥディのインタビューで「検察が出したことだけでは虚偽事実の有無が確認されない」とし「問題の7時間は私生活と見ることも難しいため、CCTVとともに(大統領府の敷地にあったという)客観的証拠が提示されなければならない」と指摘した。キム弁護士は「外国メディアを実際に起訴するつもりだったなら、検察でより確実に捜査すべきだった」と強調した。
 イ・グァンチョル法務法人の弁護士は10日にメディアトゥディのインタビューで「産経の記事内容もチョン・ユンフェ密会説だけを断定的に述べたものではないようだ」として「朝鮮日報を引用してソウル発で国内政治状況がパク大統領のレイムダック化を早めそうだということが主な内容」と分析した。イ弁護士は「記事にたとえ噂やデマを入れるとしても、まるで噂やデマが確認される前までは一切言及さえ出来ないようにすることは行き過ぎた表現の自由の封鎖行為」と指摘した。
~省略~
 検察はまた「当事者と政府関係者への確認などの措置をせずに証券街情報誌および政界消息筋を引用した」、「23年目記者であり韓国にも4年暮した人」と明らかにして産経支局長の「故意性」を強調した。しかしこれも証明するのは難しいという反論が少なくない。
 キム・インスク弁護士は「朝鮮日報コラムをそのまま引用したが、私が見る限り朝鮮コラムはもっとひどい」としながら「チョン・ユンフェさんの離婚事実と『婚姻中の出来事を口外しない』という離婚条件まで取り上げたことを読めば何を想像するか。ましてこの程度の内容を引用して疑問だと報道したことだけを罪に問い、最初に発表した朝鮮日報を放って置くのは公平性にも合わない」と指摘した。
 キム弁護士は「朝鮮日報コラムが出てきた時は何の言及なしに放置しておいて産経がこれを引用すると問題と見なしたのも一貫性がない」と話した。
 パク・チャンジョン弁護士は「名誉毀損の故意を立証するのは非常に難しいこと」としながら「チョン・ユンフェ密会説が当時広範囲に広まっていた」と伝えた。イ・グァンチョル弁護士も「産経支局長の記事は国内政治状況に対して政治的論評をする趣旨で書いた文章なので虚偽事実流布で名誉毀損をしようとしたという故意を認めることは難しいようだ」と分析した。
 大統領に対する名誉毀損事件の前例を見つけ難いという点も検察には不利だ。公人として最高の地位にある国家元首を批判することを名誉毀損罪で処罰することに関しその基準や判例さえないためだ。
 検察はこれと関連し「何の根拠もなく『女性大統領』に不適切な男女関係があるように虚偽を用いて大統領の名誉を傷つけた」として「女性大統領」と「不適切な男女関係」を特に強調した。女性大統領だから不適切なデマからより保護されなければならないと読むことが出来る部分だ。
 これに対してキム・インスク弁護士は「核心はパク大統領の男女関係とか、これを知りたいということでなく、どこで何をしたのか、その時まで寝ていたのか、書類だけ見たのかなどのこと」としながら「これが一つも明らかにならなかったし、誰もこれを知らないではないか」と指摘した。
 イ・グァンチョル弁護士は「この事件が大統領名誉毀損という範疇に入るのか法理的に確かめてみることもできるが、パク大統領の7時間は厳然たる大統領の勤務時間だった」として「法理的な議論をするまでもなく公人の公務に対する疑問」と明らかにした。イ弁護士は「87年以降大統領に対する名誉毀損を起訴したのは初めて見る」として「パク大統領自身が名誉毀損されたと考えれば当日何があったのか堂々と出てきて明らかにすれば良いことではないか」と問題を提起した。
 パク・チャンジョン弁護士は「私の記憶にも大統領を名誉毀損したと裁判まで行った事件について記憶はあまりない」として「公人でも保護されなければならない私生活の領域に該当するのか、故意があったのかなどを確かめてみる前にこの事件はプライバシーに関するものと見ることができない」と明らかにした。
 パク弁護士は「検察が大統領の名誉を保護しなければならないと気遣ったことで言論の自由がある大韓民国の国の品格が失われる事態を作ってしまった」と批判した。
 また、検察が加藤産経前支局長を起訴する時「大統領と青瓦台が事故当日における大統領の7時間の行方を説明しなかったことによる疑問を自ら招いた責任」が全く考慮されない点も無理な起訴という方に力を加えている。
 パク・チャンジョン弁護士は「補佐陣と大統領の当事者責任が大きい」として「青瓦台の敷地にだけいれば執務状態とみなせるが、何時に何処にいたのか明らかにしないことによりデマを育てたからだ」と話した。イ・グァンチョル弁護士も「私たちの検察がそのような大統領府責任論を判断する意志があったとすれば最初から起訴しなかっただろう」と指摘した。
~省略~
 イ・グァンチョル弁護士は「名誉毀損は非犯罪化することだ」として「損害賠償などの民事的制裁でも十分だ」と明らかにした。イ弁護士は「名誉毀損『罪』は民主主義の原則に深刻な障害になるから」としながら「名誉毀損事件が『公益の目的』である場合、違法性がなくなる。その判断は司法の領域に移る」と説明した。公論の場で見解をやりとりするのではなく詰まって検察に、裁判所に駆けつけ傾向が生じたということだ。イ弁護士は「このようになれば公論の場の機能は止まって刑罰権が発動されて民主主義原理である表現の自由が歪曲されて、思想の自由市場が成熟でない悪循環が繰り返される」と指摘した。
 キム・インスク弁護士も「名誉毀損罪があまりにも蔓延している」として「政治家経済人言論人など公人または、公的な性格がある社会指導層が名誉毀損訴訟を乱発して監視と批判を防ぐ結果を産んでいる」と批判した。
 パク・チャンジョン弁護士も「世の中は法律だけで治められるのではない」としながら「インターネット上で中傷することは改善する必要があるが、自制心を通じて公利を作っていくようにしなければならない」と注文した。
         メディアトゥディ 2014年10月10日
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 これらの記事からすると、こういうことである。
●青瓦台は、セウォル号事故当日の記録を「大統領指定記録」に指定されるかもしれないとして公開していない。
●ソウル中央地検は、事故当日のチョン・ユンフェ氏のアリバイ確認をしている。チョン・ユンフェ氏は聴取に応じ、午前11時頃から午後3時前までソウルの江北で漢学者と会っていたと供述。漢学者も「この日チョンさんに会ったのは事実」と証言している。
●ソウル中央地検は、青瓦台からの書類回答をそのまま受け入れ、「朴大統領が当日大統領府の敷地におり、チョン・ユンフェさんも大統領府に出入りしていない」としている。
●弁護士らは、空白の7時間について説明されておらず、朴大統領が何時に何処にいたのかは明らかになっていないとの認識。

チョン・ユンフェ氏が、漢学者と会っていたのが事実としても、漢学者の証言からは午前11時頃から午後3時前まで一緒にいたかはハッキリしない。また、午後3時までのアリバイが証明されたとしても2時間の空白が残る。
チョン・ユンフェ氏が江北区の何処にいたかは明らかにされていないので分からないが、仮に江北区の北の外れ辺りにある徳成女子大学にいたと仮定すると、青瓦台から徳成女子大学までの道なりの距離は13.7kmであり、車で移動すると34分位である。江北区の他の場所にいたとしてもこれ以上の時間はかからないであろう。
朴大統領名誉毀損事件1
 だから、チョン・ユンフェ氏の証言が本当だとしても、朴大統領とチョン・ユンフェ氏が会っていないとの証明にはならない。
 しかしながら、「チョン・ユンフェ密会説」の可能性は低いのではないかと思う。

 朴大統領は空白の7時間に何をしていたのであろうか。ハンギョレ新聞がこんな報道をしている。
*** 『ハンギョレ』と「参与連帯」、朴大統領「空白の7時間」の情報公開を要求 ***
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/18518.html
朴大統領「ライフジャケット着てるのにどうして?」
セウォル号事故が起こって7時間がすぎてした質問
事故当日の14回にわたる大統領への書面報告内容に疑問
非公開ならば行政訴訟の方針
「4月16日午前10時から午後5時まで」
 セウォル号事故当日のこの日午前10時は、朴槿恵(パク・クネ)大統領が当時キム・ジャンス大統領府国家安保室長からセウォル号沈没に関して最初の報告(書面)を受けた時刻だ。 その時、セウォル号はすでに船体左舷がほとんど水に浸り転覆直前だった。 そして午後5時、朴大統領が大統領府からソウル世宗路(セジョンノ)にある安全行政部中央災害安全対策本部に出発する。 朴大統領は中央災害安全対策本部に到着すると「高校生たちがライフジャケットを着ているというのに、彼らの発見がなぜ難しいのか?」と尋ねる。 だが、その時刻には既に荒々しい波と潮流が転覆したセウォル号を取り巻き、潜水士でさえ船体に進入できなかった時だった。 その後に救助された乗客はただの1人もいない。
 遺族や野党が大統領府に「朴大統領の7時間の行跡」を要求することになった契機は、このように朴大統領が救助現況や現場事情についての情報を全く把握していないような対応をしたためだ。 大統領は事故に関する報告をまともに受けていたのか、その日、朴大統領をはじめとする大統領府参謀はいったいどのような対処をしていたのか、疑問を抱いて当然だった。 大統領への誤った報告が続き、そのために対応が遅れたとすれば、これを公開して責任の所在を明らかにしなければならない事案でもある。
~省略~
                    ハンギョレ新聞  10月15日
*******************************************************************************

*** セウォル号事故当日の朴大統領と海洋警察庁長の通話時刻にも疑惑 ***
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/18519.html
朴大統領は10時30分に「特攻隊投入」を指示したと言うが
大統領府安保室では「海洋警察庁長は10時15分頃
ヘリコプターで移動中で通話できず」
海洋警察の資料とも食い違い確認が必要
 朴槿恵(パク・クネ)大統領と大統領府が、セウォル号事故当日の4月16日にどんな報告を受け、どんな措置を取ったのかを明確にしなければならない理由は、事故後に大統領府がした説明の中で実際につじつまが合わない部分があるためでもある。
 朴大統領が午前10時30分にキム・ソクキュン海洋警察庁長官に直接電話をかけて「海洋警察の特攻隊を投じてでも現場人命救助に最善を尽くすように」と指示したという部分が代表的だ。 朴大統領が最初の事故報告を受けてから7時間後の午後5時に中央災害安全対策本部を訪問するまで、内部ではなく外部と連絡を取った唯一の事例でもある。 種々の状況や記録から見る時、朴大統領がキム庁長と直接通話したということについて事実関係を争う余地はないように見える。 ただし、大統領府が明らかにした通話時刻などに対する疑問は残る。
 朴大統領とキム庁長が通話したと言う時刻は10時30分だが、ミン・ギョンウク大統領府報道官は大統領府春秋館で正確に10時30分に「朴大統領がキム庁長に電話をかけ海洋警察特攻隊投入など、必要な指示をした」とブリーフィングした。 大統領府が通話したと明らかにした時刻が不正確なのか、あるいはミン報道官がこれから朴大統領とキム庁長がこのような内容の通話をするという事実を伝え聞き、先にブリーフィングをしたのかは明らかでない。
 これと関連して7月8日の国会運営委会議でキム・キュヒョン国家安保室1次長が答えた内容も釈然としない部分として挙げられる。 彼は事故の報告を受けた大統領が、安保室長を通じて海洋警察に指示事項を伝達した経緯を説明して「安保室長が大統領の通話(10時15分)後にすぐに海洋警察庁長に電話をしたが、海洋警察庁長がヘリコプターに移動中だったため通話ができなかった」と答えた。 だが、海洋警察が国会に提出した海洋警察庁長の動線では、キム庁長は10時15分に海洋警察庁危機管理会議室で状況を指揮していたし、キム庁長のヘリコプター搭乗時刻は10時50分だった。 キム次長が国会で間違った返事をして疑惑を大きくしたのか、あるいは別の事情があったのか、確認が必要な部分だ。
                   ハンギョレ新聞  10月15日
**********************************************************************

 セウォル号は午前8時58分に遭難信号を発信し、午前9時50分頃には船長らが海洋警察の警備艇に救助され、11時20分頃に転覆、沈没している。セウォル号が沈没する様子は上空から撮影され、日本でもその日の内にその映像が流された。韓国では昼の内に放映されていた筈である。
 もし、朴大統領がTVのニュースを見ていたら、「高校生たちがライフジャケットを着ているというのに、彼らの発見がなぜ難しいのか?」という発言は無かったと思う。夕方になっても、救助現況や現場事情について全く把握していないと言われているが、その通りなのであろう。朴大統領が事故状況について全く把握していない様子からみて、ニュースすら見ておらず、事故について関心を持っていなかったのがうかがえる。
 青瓦台は、朴大統領がセウォル号事故で指示を出していたと発表しているが、辻褄が合わなくなっている様子。批判をかわすために誤魔化そうとしている印象を持たざる得ない。この様なことを払拭するには、大統領の行動記録を公開するのが一番なのであるが、「大統領指定記録」という制度を援用してまでも隠し通すようである。余程、公開できない理由があるのであろう。
 朴大統領は「不通大統領」と呼ばれている。他人の意見を受け入れず、側近やメディアなどとも意思疎通が不十分という意味である。朴大統領への報告は口頭ではなく、主にメールが使われているという。桜井よしこ氏もこう書いている。
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 朴氏は閣僚ともプレスとも闊達な意見交換をするタイプではない。この1年間、国内で大統領が質疑応答を伴う記者会見をしたのは「一度だけ」と2月25日の「朝日」が報じていた。公式の会見や行事以外、友人らとの会食も殆どない。広い大統領公邸で愛犬を傍らに、資料や本を読んで過ごすという。情報筋によれば、朴氏側近も深夜まで働き、報告のメールを午前2時、3時という時間帯に送り、大統領はそのようなメールを見て、忠勤の度合いを測るという。
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 朴大統領は部屋に閉じ篭り、誰とも会わずに仕事をするタイプらしい。報告はメールで入るだけで対面する訳ではないから、部下達も大統領が仕事をしているかどうか把握していないのではないか。寝ていたとしても、分からないのかもしれない。案外、空白の7時間は昼寝をしていたので事故の状況を把握していなかったという単純なことなのかもしれない。

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韓国客船セウォル号沈没 時系列まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2139781434023495501
朴槿恵対日外交の絶望的意固地
http://yoshiko-sakurai.jp/2014/03/06/5179
朴槿恵「反日大統領」の深い孤独
http://www.asyura2.com/14/asia15/msg/178.html

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産経の朴大統領名誉毀損事件<1>

*** 韓国各紙「異例」「外交摩擦に」と指摘 検察の立証を「困難視」も ***
http://www.sankei.com/world/news/141009/wor1410090056-n1.html
【ソウル=藤本欣也】産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(48)が書いた朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領に関するコラムをめぐり、ソウル中央地検が加藤前支局長を「情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律」(情報通信網法)における名誉毀損で在宅起訴したことについて、韓国各紙は9日付で取り上げ、検察当局の起訴理由や裁判の見通しなどを報じた。
 この中で保守系大手紙、中央日報や朝鮮日報は検察側の起訴理由について詳報。報道を総合すると、検察側は(1)女性大統領にとって不適切な男女関係があるように虚偽事実を示し、大統領の名誉を毀損した(2)当事者らに事実確認を行うなど必要な措置をきちんと取っていない(3)証券街情報紙など信頼の置けない資料以外に取材根拠を示すことができない(4)謝罪や反省の意向を示していない-点を起訴理由に挙げたという。
 これに対し、左派系の京郷新聞は、「検察側は加藤前支局長のコラムに関し、『虚偽』『悪意的』だと強調するが、立証するのは容易ではないとみられる」と指摘。「(加藤前支局長のコラムは)公益的目的のための疑惑提起だったことから、加藤前支局長が明白に虚偽であると認識していたと立証するのは困難」という西江大法学専門大学院教授のコメントを添えた。
 京郷新聞はまた、加藤前支局長の裁判では、韓国最高裁が2011年に、MBC放送の虚偽報道に対し、刑事上の名誉毀損に関しては無罪判決を出した際の判例が基準になると主張した。これはMBCが米国産牛肉について、BSE(牛海綿状脳症)の危険性を番組で指摘したもので、政府当局者の名誉が毀損されたと起訴されていた。
 このほか中央日報は「韓日間の外交摩擦に飛び火している」などと伝えた。
                   2014年10月9日 産経ニュース
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◆この事件に関する過程
△4月16日
セウォル号沈没事故発生
△7月7日
韓国国会運営委員会において、金淇春(キム・ギチュン)秘書室長と新政治民主連合の朴映宣(パク・ヨンソン)院内代表の間で以下の問答があった。
朴代表「キム室長。セウォル号の事故当日、朴大統領に書面報告を10時にしたという答弁がありましたね」
金室長「はい」
朴代表「その際、大統領はどこにいましたか」
朴代表「大統領は執務室にいましたか」
金室長「位置に関しては、私は分かりません」
朴代表「秘書室長が知らなければ、誰が知っているのですか」
金室長「秘書室長が大統領の動きをひとつひとつ知っているわけではありません」
朴代表「(当日、日中の)大統領のスケジュールはなかったと聞いていますが。執務室にいなかったということですか」
金室長「違います」
朴代表「では、なぜ分からないのですか」
金室長「執務室が遠いので、書面での報告をよく行います」
△7月18日
朝鮮日報が「大統領をめぐるウワサ」というコラムを掲載。大統領が書面で最初の報告を受けてから中央災難安全対策本部を訪問するまでの7時間の間、所在不明となっていたことについて、「大統領は某所で秘線と一緒にいた」という噂がメディアで取り上げられていると書く。
△8月3日
産経新聞のウェブサイト(MSN産経ニュース)に、加藤支局長による「【追跡~ソウル発】朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」という記事が掲載される。この記事で朝鮮日報のコラムを引用する。
△8月7日
青瓦台(大統領府)の尹斗鉉(ユン・ドゥヒョン)広報首席秘書官が、「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」と題する記事を掲載した日本の産経新聞に対し、「口にするのも恥ずかしいことを記事にした。うそを書いて読者を増やせるのかもしれないが、とことんまで厳しく対処していく」と述べ、民事・刑事上の責任を問う方針を示す。また、市民団体が産経新聞を告発していることを明らかにする。
△8月8日
ソウル中央地検が産経新聞ソウル支局の加藤支局長に対し、12日に出頭するよう求める。
△8月9日
韓国メディアが「同地検刑事1部が加藤支局長に出国禁止を通告した」と報じる。
△8月18日
ソウル中央地検の手続き上の理由から出頭は18日となり、加藤支局長が「情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律(情報通信網法)」違反の疑いで聴取される。
△8月20日
加藤支局長がソウル中央地検に事情聴取される。
△9月5日
ソウル中央地検が「大統領をめぐるウワサ」を執筆した朝鮮日報の崔普植記者に対して調査書を送付。朝鮮日報の記者は召還されずに書面調査のみとなった。
△9月8日
青瓦台(大統領府)の高位関係者が、記者たちに「金淇春(キム・ギチュン)大統領秘書室長の国会運営委員会(7月7日)の答弁は『執務室にいたのか』という野党議員の質問に『場所については知らない』と答えたが、この答弁は大統領の警護上どこにいたか分からなかったということであり、執務室と官邸を行き来しながら敷地内にいたということが分かる」、「金室長が『大統領は敷地内にいればそこが執務室』と話したのはそのため」と話し、「敷地内にとどまって事故関連の報告を受けていた」と述べる。
△9月12日
新政治民主連合の薛勲(ソル・フン)国会議員が会議で「大統領が(ある男性と)恋愛しているというのはうそだと思う」と発言。噂を取り上げたことに対し、与党セヌリ党が強い批判をする。
△9月16日
朴大統領が閣議で、「国民を代表する大統領を冒涜する発言が度と超えている」と発言し、薛議員の発言を非難。
△9月17日
朝鮮日報の崔普植記者が韓国記者団に文書で産経新聞の低俗な記事とは違うと主張。
△10月2日
加藤支局長がソウル中央地検に出頭。6回目の出国禁止処分の延長がされ、15日まで出国禁止になる。
△10月8日
ソウル中央地検が加藤支局長を情報通信網法違反の罪で在宅起訴する。

◆起訴に対する批判
 産経新聞のソウル前支局長の加藤達也氏が在宅起訴され、様々なところから批判が上がっている。5大紙の社説もこの様な見出しを付け、韓国を非難していた。
読売新聞<産経前支局長 韓国ならではの「政治的」起訴>
朝日新聞<産経記者起訴 韓国は報道の自由守れ>
毎日新聞<産経記者起訴 韓国の法治感覚を憂う>
産経新聞<前支局長起訴 一言でいえば異様である 言論自由の原点を忘れるな>
日経新聞<報道の自由侵害と日韓関係悪化を憂う>
 反日色が強いとされる東京新聞や北海道新聞、中日新聞でさえ、同様である。
東京新聞<産経記者起訴 韓国は報道の自由守れ>
北海道新聞<産経記者起訴 言論の自由脅かす行為>
中日新聞<産経記者起訴 韓国は報道の自由守れ>
 日本新聞協会、日本民間放送連盟、日本外国特派員協会、ソウル外信記者クラブ、国境なき記者団などの内外の報道関連団体も「報道の自由」が犯されたことに強い懸念を示している。
 マスコミが韓国の振る舞いに懸念を示すのは、直接の利害が関係するために当然であるが、日本政府は内政干渉を控えるとしながらも、菅官房長官を筆頭に下村文部科学相、小渕経済産業相、太田国土交通相、石破地方創生担当相らが批判を繰り広げている。また、各政党も軒並み否定的である。自民党、公明党、民主党、維新の党、みんなの党、次世代の党、共産党、社民党、生活の党、国政政党のほとんどに及んでいる。社民党の又市征治幹事長は「言論の自由そのものを封殺するような対応だ。厳しく批判しなければならない」と発言し、共産党の志位和夫委員長でさえ「言論の自由、報道の自由は守られなければならない。言論による体制批判には言論で応えるのが、民主主義のあるべき姿だ。懸念と憂慮を持っている」と述べている。共産党が民主主義のあるべき姿について説教しても違和感しか生まれないのであるが、批判はしたいらしい。
 言論の自由の侵害は、韓国よりも中国方が深刻なのであるが、日頃、中国の言論の自由侵害を批判しないような新聞や政党が、この件について批判を表しているのをみると、世間の潮流が嫌韓に傾いているため、これを機に宗旨替えを目論んでいるのかと勘ぐってしまう。
 日本は概ね今回の起訴について批判的であるが、欧米の主要メディアも同様のようである。また、米国のサキ国務省報道官や国連のステファン事務総長報道官も懸念を表明している。こういう状況にあるのに、韓国国内では日本に対する反発が第一で、危機感をあまり持っていないようである。韓国の反応はどうでもいいが、これを機に各国が、韓国は自由主義陣営と同じ価値観を共有する国ではなく、ある面で北朝鮮や中国に近い思考をすることに気付き、韓国の諸々の主張を疑問を持って聞くようになれば、勿怪の幸いである。

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朴大統領めぐるうわさ報道 産経新聞に「責任問う」=韓国 
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/07/2014080702311.html
本紙ソウル支局長に出頭要請 ウェブ記事「大統領の名誉毀損」 韓国検察
http://www.sankei.com/world/news/140809/wor1408090018-n1.html
産経新聞ソウル支局長を「出国禁止に」 韓国で報道
http://www.sankei.com/world/news/140809/wor1408090056-n1.html
本紙ソウル支局長、聴取終了 韓国大統領の名誉毀損告発で
http://www.sankei.com/politics/news/140818/plt1408180030-n1.html
ソウル中央地検に2度目の出頭 韓国大統領の名誉毀損告発で
http://www.sankei.com/world/news/140820/wor1408200023-n1.html
朝鮮日報記者に調査書 産経ソウル支局長の記事めぐり 韓国紙報道、書面のみか
http://www.sankei.com/world/news/140905/wor1409050026-n1.html
セウォル号惨事当日、「朴大統領は敷地内にいた」
http://japanese.joins.com/article/725/188725.html
朴大統領 「恋愛発言」の野党議員を冒涜と非難
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2014/09/16/0900000000AJP20140916001700882.HTML
朝鮮日報記者「産経と結びつけられるのは不快」 検察対応を疑問視 ソウル支局長聴取問題
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140918/frn1409181205008-n1.htm
加藤・本紙前ソウル支局長、3回目の出頭
http://www.sankei.com/world/news/141002/wor1410020032-n1.html

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