六丈記2

備忘録のようなもの

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アイヌ民族はいないと発言した札幌市議6

 9月22日、金子市議に対する辞職勧告決議案が可決されました。
 札幌テレビはそれを次のように短く伝えていました。
*** 市議の辞職勧告案可決 ***
 札幌市の金子快之市議が「アイヌ民族は、もういない」とツイッターに書き込んだ問題で、札幌市議会は、金子市議に対する辞職勧告決議を賛成多数で可決しました。
 「賛成起立多数で本件は可決されました」
 札幌市議会で自民党・市民会議以外の各会派は、金子市議に対する辞職勧告決議案を提案し、賛成多数で可決されました。決議に法的拘束力はなく金子市議は辞職の考えはないと答えました。
 (金子快之札幌市議)「決議案の根拠はきわめて希薄であり辞職・撤回・猛省の考えはございません」 
 金子市議は、これからもアイヌ民族について発信を続けるとしています。
******************************

 この日、金子市議に対する決議案は2本提出されていました。1本は自民党提出の「金子快之市議に対し、一連のアイヌ民族に対する発言の撤回・謝罪と猛省を求める決議」。もう1本は民主党、公明党、共産党、市民ネット、改革、みんなの党が提出した「金子やすゆき議員に対する議員辞職を求める決議」です。
 決議文の内容は両方とも大体同じで、金子市議の一連の発言が2007年の先住民に関する国連宣言や2008年の国会決議と相容れず、アイヌ民族の歴史や尊厳を傷付けたにも拘らず、発言を撤回しないので、議会の信頼性を損ねたというもの。自民党は撤回と謝罪を求め、民主党等は議員辞職を求めたという所が相違しているだけです。
 金子市議は、この決議の過程で次の5項目に分けて反論していました。それを要約します。
*** 金子市議の議会での反論の要約 ***
1.Twitter の仕組み
 ツイッターの発言は議員と支持者との間の私信であり、個人的なやり取りを取り上げて「差別だ」などと騒ぎ立て、さらに謝罪撤回を求めるとは、言いがかり以外の何物でもない。
2.民族とは
 ツイートの真意はアイヌ民族を称した不透明な補助制度に問題提起するものであり、アイヌの人々の歴史や文化、尊厳を否定するものではない。
 民族は、言語や宗教、文化、生活習慣や歴史が違うため、同化しない集団が民族としてグループ化し、それぞれの権益を争う存在。わが国には、民族紛争や少数民族の差別・弾圧・抑圧などは存在しない。アイヌの人々の歴史や文化、尊厳を否定するものではないが、独自の言語や文化、経済圏を持って民族の権利をことさら主張するような「アイヌ民族」は現在の日本に存在しない。これは自分の特異な意見ではなく、故・知里北大教授も言っている学術的定説である。
3.国会決議について
 歴史的根拠が無いから、国会決議の直前まで、政府の方針はアイヌの人々を先住民族と認めていなかった。アイヌ文化期は13世紀ごろからとされているが、札幌には旧石器時代から人が住んでいた。日本書紀には、斉明天皇4年の時に朝廷が北海道の蝦夷から樺太の粛慎(しゅくしん)を平定し、後志地方に郡司を置いたとの記録がある。意冨比(おおひ)神社に平安時代のわに口が残っている。函館の船魂神社は1135年、知内町の雷公神社は1244年に創建され、この地ではアイヌの人々より先に和人が住んでいた証拠である。
 アイヌ民族の定義がないまま、アイヌの人々が本当に先住民族なのか、国民の中でも大きな疑問があるにもかかわらず、国会決議は、衆参両院とも質疑が行われれず採決され、政府の方針を一日で大転換させた。仮に決議の内容が正しかったとしても、時代の変遷や世論の変化に合わせて修正が加えられるのは当然のことであり、金科玉条ごとく扱うべきではない。国会決議に異を唱えただけで糾弾され、議員辞職を求められるならば、それは恐怖政治であり、憲法が定める言論の自由に反する。言論の自由は基本的人権である。
 国会決議可決後、旭川アイヌ協議会は過去の「植民地支配」について天皇陛下の謝罪と5兆円の賠償などを求める要求書を内閣府に提出している。明治政府は、アイヌの人々に農業を奨励し、文化的な教育や医療を施し、同じ帝国臣民として支援したのであって、植民地支配を行った事実はない。決議案は「アイヌ民族のこれまでの苦難の歴史や権利回復を求める戦いを全否定する差別発言だ」と決めつけているが、誤った歴史認識であり、アイヌ先住民族論は歴史の歪曲に他ならない。
 国会決議は、河野談話や南京大虐殺などと同様に、日本国民の歴史と先達の名誉を不当に貶める原因にもなっており、歴史的史実に基づいた検証が必要。従軍慰安婦ねつ造問題も、34年の歳月を経てようやく歴史が修正された。政治は歴史の検証を恐れるべきではない。
4.国際連合宣言とは
 「国際連合宣言」が定める先住民族とは、「独自の文化伝統を有しながらも、侵略者により土地を奪われ、集団虐殺で民族の崩壊に到った人々」「あるいは基本的人権を剥奪され植民地化された人々など」であり、わが国のアイヌの人々には当てはまらない。
 仮にアイヌが国連宣言の先住民族と認められるならば、アイヌ民族の自決権や領土の割譲、アイヌ語による学校教育やアイヌ語による国営放送、アイヌ独自の司法制度など、常識では考え難い要求を受け入れることになりかねない。実際に北海道庁の調査で、北海道アイヌ協会札幌支部が、アイヌの自主憲法制定や軍隊、警察、裁判所の設立などを検討していたことが判明している。一国二制度につながる反社会的思想を持つ団体に公的補助を与えていることは危険。
5.アイヌの定義は
 アイヌの定義とは、北海道アイヌ協会によれば「アイヌの血を引くと確認されたもの、およびその家族・配偶者・子孫がアイヌであり、養子縁組などでアイヌの家族となったものも含まれる」ということで、自己申告制である。アイヌの血を引かない者でも家族になれば、政策的優遇を受けられることが問題。しかも、政策的優遇を享受している人は一握りに過ぎない。差別がない社会を標榜しながら、自ら差別を演出することによって優遇を受ける、これは差別の再生産にほかならない。日本国民は法の下に平等であるから、理由なき差別・優遇策は終えるべきである。
 今回のことにより、全国の日本国民から応援のメッセージを多数頂いている。数の力で言論を封殺しようとしても、真理が消えることはなく、国民の声も消えない。決議案は議会の自殺行為である。
 「アイヌ民族は本当にいるのか」「本当に先住民族なのか」という根本的議論がなされていない。この議論をし、今のアイヌ施策が本当にアイヌの人々のためになっているのかを考えて欲しい。
**************************************

 この金子市議の反論の後、2つの決議案の採決が行われ、自民党提出の決議案は否決、民主党等が提出したの決議案は可決されました。予想通りの結果でした。
 辞職勧告決議に強制力はありませんから、金子市議を辞職させることはできず、市会議の意思を示しただけでした。もし、金子市議を辞職させるなら、リコール請求という手段があります。「SAPPORO AGAINST RACISM」という怪しげな団体が、15070名(中国人や韓国人を含む)の署名を集め、市議会に議員辞職の陳情をしていたようですが、リコール請求のための署名活動がされているとは聞きません。本気で辞職させたいのなら、リコールするしかないのですが、そうした活動はされていないようです。何故でしょうか。
 地方議員に対するリコールの条件を書き出してみます。
*** 地方自治法第80条第1項 ***
選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、所属の選挙区におけるその総数の三分の一(その総数が四十万を超える場合にあつては、その超える数に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数)以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該選挙区に属する普通地方公共団体の議会の議員の解職の請求をすることができる。この場合において選挙区がないときは、選挙権を有する者の総数の三分の一(その総数が四十万を超える場合にあつては、その超える数に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数)以上の者の連署をもつて、議員の解職の請求をすることができる。
**********************************
*** 地方自治法第83条 ***
普通地方公共団体の議会の議員又は長は、第八十条第三項又は第八十一条第二項の規定による解職の投票において、過半数の同意があつたときは、その職を失う。
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*** 地方自治法第84条 ***
第八十条第一項又は第八十一条第一項の規定による普通地方公共団体の議会の議員又は長の解職の請求は、その就職の日から一年間及び第八十条第三項又は第八十一条第二項の規定による解職の投票の日から一年間は、これをすることができない。ただし、公職選挙法第百条第六項 の規定により当選人と定められ普通地方公共団体の議会の議員又は長となつた者に対する解職の請求は、その就職の日から一年以内においても、これをすることができる。
****************************
 金子市議が当選したのは平成23年4月で、東区選出でした。投票日から1年以上経過していますのでリコール可能です。また、この選挙での東区の有権者数は207989人でしたから、今もそう変わらないでしょう。とすると、東区の有権者の約7万人から署名を集めればリコール請求でき、住民投票でリコールに賛成する票が過半数(有効投票総数の過半数)に達すると失職になります。
 7万人の署名を集めるのは困難なのでしょうか。参考にするために平成23年4月の札幌市議会議員選挙の東区における党派別得票数を載せます。

民 主 党 31,906
自 民 党 39,290
共 産 党 16,778
公 明 党 16,966
みんなの党 10,585
その他   0
計     115,525

 辞職勧告決議案を提出したのは、民主党、公明党、共産党、市民ネット、改革、みんなの党でしたから、これらの党の得票数を足し合わせる(みんなの党の票は金子市議が得た票だから除く)と65650票になります。有権者の1/3には若干足りませんが、7万人の署名は不可能ではないことを示す数字です。それでも、リコール請求という話しが出ないのは、藪をつついて蛇を出すということになるのを恐れているのでしょうか。少なくとも、何が何でも辞職させようとの熱意は無いのでしょう。

 辞職勧告決議案が可決された日、金子市議はサイト上で、札幌市議会が慰安婦問題の解決を求める意見書を可決していたことを取り上げ、議員辞職決議の評価を全国の国民に委ねたいと書いていました。
 調べてみると、札幌市議会は毎定例会ごとに様々な意見書や決議を出しているようです。
 ちなみに、意見書と決議の違いは、意見書が市政に関しての法に基づく要請で、決議が市議会の意思表明ということのようです。
*** 「意見書」とは? ***
市政の発展に必要な事柄の実現を、国や北海道など関係機関に要請するため、地方自治法第99条に基づき、市議会の意思を決定し、表明したものです。
**************************
*** 「決議」とは? ***
決議とは、市議会としての意思を決定し、それを対外的に表明するものです。
************************
*** 地方自治法第九十九条 ***
普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。
******************************

 意見書は市の公益に関する事柄について提出されるものですが、札幌市の意見書には札幌市の公益にどのように関係しているのか疑問な物が少なくありません。
 例えば、
集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書(平成25年第4回定例会)
新聞への消費税の軽減税率適用を求める意見書(平成25年第4回定例会)
司法試験合格者数の段階的減少と裁判官・検察官の適正な増員を図ることを求める意見書(平成25年第4回定例会)
核兵器廃絶に向けた取り組みを求める意見書(平成25年第2回定例会)
日本国憲法第96条の改正に反対する意見書(平成25年第2回定例会)
北朝鮮の地下核実験実施に対し厳しい制裁を求める意見書(平成25年第1回定例会)
メタンハイドレートの実用化を求める意見書(平成24年第4回定例会)
「治安維持法犠牲者国家賠償法(仮称)」の制定を求める意見書(平成24年第4回定例会)
我が国の領土・主権に関する意見書(平成24年第3回定例会)
「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」の改正を求める意見書(平成24年第2回定例会)
衆議院の比例代表定数削減に関する意見書(平成24年第1回定例会)
 ・
 ・
 ・
等など。
 色々と問題のありそうな意見書がありますが、金子市議がサイト上で取り上げていた慰安婦問題に関係する意見書はこれです。平成24年第1回定例会で採択されていました。
*** 日韓請求権協定に基づく協議に応じることを求める意見書 ***
 昨年8月30日に韓国憲法裁判所は、韓国人原爆被爆者問題と日本軍「慰安婦」被害者問題について、「日韓会談では協議されていないので未解決であり、韓国政府が、日本政府と解決のための協議を行わないでいるのは、政府に国民の人権を守る義務を課している韓国憲法に違反する」との決定を下した。
 これを受けて、韓国外交通商部は9月15日、日本政府に日韓請求権協定に基づく協議を公式に求めたが日本政府は、「日韓請求権協定で解決済み」として協議に応じようとしていない。
 同協定は、被害者が日本国に対して有する賠償請求権が、日韓請求権協定第2条第1項(完全かつ最終的に解決条項)によって消滅したか否かに関する日韓両国間の解釈上の紛争がある場合は、同協定第3条が定めた手続き(①まず外交上の経路を通じて解決する、②それができなかった場合には仲裁委員会をつくる)に沿って解決することとなっており、両国に解釈上の紛争があることは明らかであることから、日本政府は協議に応ずる条約上の義務があると考えられる。
 札幌市は一昨年、韓国の大田広域市と姉妹都市提携を締結し、日韓親善に努めているところであるが、政府間レベルでは昨年の日韓首脳会談以降、日韓関係は冷却している。
 日韓関係に関して本市議会は、1992年6月に「従軍慰安婦問題に対する公正な施策を求める意見書」を全会一致で可決し、「わが国の真摯な対応が内外から求められている」として、政府に「誠意ある施策を速やかに講ずることを強く要望」した。また、2008年11月に「『慰安婦』問題に関する意見書」を可決し、政府と国会に「被害者の尊厳回復」と「誠実な対応」を求めた経緯がある。
 韓国人原爆被爆者の問題は、裁判等を通して被爆者援護法の同等適用について改善されてきてはいるものの、根本的解決は図られていない。朝鮮人被爆者は広島で5万人、長崎で2万人とされており、全被爆者の約1割である。2008年に韓国憲法裁判所に訴えた被爆者2,745人のうち203人が亡くなっており、この問題の解決も急がれる。
よって、政府においては、韓国政府との協議に応じ、韓国人原爆被爆者問題と「慰安婦」問題の解決に関する協議を早急に開始することを強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成24年(2012年)3月28日
                札幌市議会
(提出先)内閣総理大臣、総務大臣、外務大臣
(提出者)民主党・市民連合、公明党、日本共産党、市民ネットワーク北海道及び市政改革クラブ所属議員全員
**************************************************************
 金子市議は、この意見書についてアイヌに対する発言以前の2014年08月05日にもサイトで取り上げていて、次のように書き込んでいました。
*** 「強制連行は誤報」ついに朝日新聞認める。さて、札幌市議会はどうする? ***
朝日新聞社は、「日本軍が朝鮮で慰安婦を強制連行した」との報道が虚偽であったことを認め、
「記事を取り消す」と8月5日付の紙面で発表しました。
~略~
さて問題は、これをうのみにして3度も慰安婦賠償決議案を出した札幌市議会です。
平成24年に決議案が可決されたときは、全国から札幌市に非難の手紙が殺到しました。
札幌市議会の権威も名誉も完全に失墜して、全国に恥をさらす結果となりました。
今日の朝日新聞社の弁明を踏まえて、もはやこの決議案は撤回すべきだと思います。
しかし議会事務局によると、いったん出してしまった決議案の撤回は前例がなく、全国にも
同様な行政実例が見当たらないため、現実的に取り消しは相当難しい、とのこと。
そもそも、後で取り消すような決議案を安易に出すべきではないのだそうです。
言われてみればその通りで、返す言葉もありません。
現状の市議会のパワーバランス上も、意見書撤回が可決される見込みは極めて薄い。
今のところ、民主・共産・公明・ネットなどで過半数を占めているからです。
~略~
******************************************************************************
 「3度も慰安婦賠償決議案を出した」と書かれています。平成20年第3回定例会の時の意見書は確認できましたが、もう一つは何時なされたのか分かりませんでした。とりあえず、平成20年第3回定例会の意見書も載せます。
*** 「慰安婦」問題に関する意見書 ***
 2007年7月30日、アメリカ下院議会は全会一致で、「日本軍が女性を強制的に性奴隷にした」ことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議を採択した。
 日本政府に謝罪と賠償、歴史教育などを求める決議案は、アメリカに続き、昨年11月にオランダとカナダで、12月13日にはEU議会で採択されている。また、今年3月にはフィリピン議会下院外交委員会も2005年に続く2度目の決議を採択している他、国連やILOなどの国際的な人権擁護機構からも繰り返し、勧告、指摘を受けている。
 しかしながら日本政府は、これらの決議採択を受けても、公式な謝罪をしていない。これは、1993年の河野洋平官房長官の談話と矛盾する態度である。
 日本政府が、「慰安婦」の被害にあった女性達に対して、いまだに公式の謝罪もせず、補償もせず、真相究明をしないばかりか、教科書からもその記述を消し去ろうとしていることに対して、世界各国で批判の声が高まっている。
 よって、国会及び政府においては、1993年の河野洋平官房長官の談話に基づき、「慰安婦」問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復に努め、下記の事項のとおり、誠実な対応をされるよう強く要望する。
                 記
1 政府は、「慰安婦」被害の事実を確認し、被害者に対し閣議決定による謝罪を行うこと。
2 政府は、「慰安婦」問題解決のための法律をつくり、被害者の名誉回復と損害賠償を行うこと。
3 学校や社会の教育において「慰安婦」問題の歴史を教え、国民が歴史を継承できるようにすること。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成20年(2008年)11月7日
                 札 幌 市 議 会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、法務大臣、外務大臣、文部科学大臣
(提出者)民主党・市民連合、公明党、日本共産党、市民ネットワーク北海道及び市政改革クラブ所属議員全員
**************************************
 金子市議のサイトの書き込みを読むと、札幌市議会がどんな議会なのかうかがえます。
 決議された「金子やすゆき議員に対する議員辞職を求める決議」(議員辞職決議)には、「議会の信頼を大きく失墜させるものであり、断じて容認できないものである。」という文言がありました。だけど、こんな意見書を採択する議会なのですから、「議会の信頼」なんてありません。「議会の信頼」を口にするなら、これらの意見書にけりを付けてからすべきでしょう。
 また、議員辞職決議には、「2008年6月に全議員賛成のもとで衆参両院が行った、アイヌ民族を日本の「先住民族」と認めた「国会決議」をないがしろにするものである。」ともありました。要するに、国会が決めたことに逆らうのはけしからんということです。
 過去の札幌市議会の意見書を見ていると、平成20年第1回定例会で次の意見書が採択されていました。
*** 自主共済制度の保険業法の適用除外を求める意見書 ***
 2006年4月、「保険業法等の一部を改正する法律」(以下、「保険業法」という。)が施行された。
~略~
 よって、国会及び政府においては、すべての自主共済制度が今後も存続していくことができるよう、下記の事項について早急に実施するよう強く要望する。
         記
1 構成員が限定され、助け合いを目的とした共済の実態を踏まえ、保険業法の制度と運用を見直すこと。
2 団体が構成員のために自主的かつ健全に運営している共済を、保険業法の適用から除外すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成20年(2008年)3月28日
~略~
********************************************************
 要するにこの意見書で、札幌市議会は、国会で定められた法律を訂正するように求めているのです。議員辞職決議では、国会が決めたことに従えと言い、一方で、国会で定められたことに堂々と反対しています。これでは、ダブルスタンダードのそしりは免れないでしょう。

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リコール (地方公共団体)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB_(%E5%9C%B0%E6%96%B9%E5%85%AC%E5%85%B1%E5%9B%A3%E4%BD%93)
登録者数・有権者数一覧
http://www.city.sapporo.jp/ncms/senkan/sokuhou/html/d/005.html
意見書・決議
http://www.city.sapporo.jp/gikai/html/ikensho.html
「強制連行は誤報」ついに朝日新聞認める。さて、札幌市議会はどうする?
http://kaneko-yasu.seesaa.net/article/403247547.html

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アイヌ民族はいないと発言した札幌市議5

 金子市議は8月29日に質問状に対する回答書を提出し、翌日に公開していました。

********************* 回答書 *********************
                平成26年8月29日
アイヌ差別発言究明共同実行委員会御中

  8月22日付公開質問状について(ご回答)

            札幌市議会議員 金子やすゆき

この度は公開質問状をお寄せいただいたことに感謝申し上げます。
下記の通りご返信申し上げますので、何卒ご理解を賜りたいと存じます。
なお、質問状には質問だけでなく要望、引用、ご主張などが多岐にわたるため、恐縮ながら当方で要点を整理して回答させていただくことを御容赦ください。
回答がご希望の期日より遅くなりお詫び申し上げます。

         記
質問1.「アイヌ民族はもういない発言の真意」「アイヌ民族精神文化事業を否定するのか」との質問に対して
回答
北海道のそれぞれの地域でアイヌの人々が暮らし、祖先から受け継いた文化や歴史を大切に育んでおられることはもちろん承知しており、とても尊いことと敬意を表する次第です。
私の発言は決してアイヌの人々を貶めたり、その文化や歴史を否定する意図ではないことをまずご理解いただきたいと存じます。
その上で私が述べた「民族」とは宗教や言語、文化、歴史などを共有し、自治権や国家形成などの政治的な要求を持つ集団の意味とされており、かかる意味でのアイヌ「民族」やその他「民族」との対立構造は北海道内に存在しないものと認識しています。
そのなかで札幌市や北海道が行っているアイヌ「民族」に対する補助政策について、その定義が不明確であること、また運用の実態にもさまざまな問題がみられることなど、市民から厳しい批判が寄せられています。
私の発言は、これらの観点からアイヌ政策全般について問題提起を行っているものです。

質問2.「アイヌ協会に属しないアイヌ民族も否定し、死ねというのか」との質問に対して
回答
平成18年の北海道調査でアイヌの人々(定義:アイヌの血を受け継いでいると思われる方、また、婚姻、養子縁組等によりそれらと同一の生計を営んでいる方)は23,782人である一方で、北海道アイヌ協会の会員は2,700名(協会発表による)に過ぎないとのことですから、北海道アイヌ協会に属しないアイヌの人々が約9割であることは承知しております。
アイヌ協会に属しないアイヌの方を否定する意図はございません。
また、これらの方に「死ね」との言葉を述べたことはございません。

質問3.「一部のアイヌ協会の利権幹部と真面目なアイヌの人々を区別して発言せよ」との主張について
回答
不透明な利権を悪用しているのは、アイヌを称するごく一部の人々であることは過去の議会質疑や報道などでも明らかになっています。
真面目に暮らしているアイヌの人々がほとんどであることは申すまでもなく、これらの区別が不十分だとのご指摘は真摯に受け止め、真面目に暮らしているアイヌの方々にお詫びを申し上げます。

質問4.「2008年国会決議を認めないのか」との質問に対して
回答
●「アイヌの人々が国連宣言に言う先住民族であるという状況にございません」(福田康夫総理答弁、平成19年10月3日衆議院本会議)
●「アイヌの人々がこの宣言に言う先住民族であるかについては結論を下せる状況にない」(高村正彦大臣答弁、平成20年5月23日参議院沖縄北方特別委員会)
上記のように平成20年の国会決議直前まで、政府はアイヌを先住民族と判断していませんでした。
同年6月6日の国会決議はアイヌ民族を先住民族とすべく政府の方針を180度転換させるものですが、衆議院、参議院のいずれにおいても委員会審査を省略し、本会議でも一切の質疑もないまま簡易採決で可決されたものです。
国会決議の法的効力を否定するものではありませんが、かくも重大な政府の方針転換が国権の最高機関たる国会で一言の議論もないまま、わずか一日で決定された経緯に私は一国民として大きな疑問を感じており、今後も国民世論に基づく見直しが必要だと考えています。

質問5.「平凡社大百科事典の改定経緯を知っているか」との質問に対して
回答
ご質問にもあるように、出版社(平凡社)は北海道アイヌ協会から「差別」と抗議を受け、出版社の判断でかつて知里教授が担当したアイヌ民族の関する当該記述の訂正を決定したと承知しています。
出版の自由は現憲法で保障されており、差別を理由に出版社に圧力をかけ自らの主張に沿うように記述を変えさせること自体が問題であると考えます。
たとえ出版社が当該記述を削除したとしても、その学術上の見解が消滅するわけではありませんし、多様な国民世論と言論の自由を守る立場からも不適切な行為と言わざるを得ません。

質問6.「旧土人保護法を持ちだしたような発言は公人として恥ずかしくないか」との質問について
回答
北海道旧土人保護法は、就農を希望するアイヌに無償で土地や農具、種子を交付し、自立支援を行うほか、小学校建設など教育奨励や生活扶助、社会福祉など幅広い観点からアイヌへの支援を行うことを定めた法律です。
保護法の成立を望んだのはアイヌ自身であり、その証しとして、帯広の酋長伏根弘三翁の令嬢シン子さんは保護法国会通過のお礼のために伊勢神宮に参拝し、次のような詩を詠んだといわれています。

 待焦れたる保護法は
  今日両院を通過しぬ
  想へば長き七歳の
  努力は遂に報はれぬ
  御法の光輝いや増して
  ウタリの上に輝かん
    『コタンの痕跡』(旧土人保護法とともに五十年:喜多章明)

当時アイヌの人たちの悲願であった本法がいま、その法的使命を終えてすでに廃止となっていることは誠に感慨深いものと考えます。
なお、私の発言や政治信条と北海道旧土人保護法との直接的関連はありませんので、これについて公人として恥ずかしいとは認識しておりません。

質問7.「国際人権規約を知っているか」「人種・人権差別を助長するのではないか」との質問について
回答
日本が国際人権規約を批准していることは承知しています。
質問1への回答で述べたとおり、民族の定義に基づき、かかる民族問題の存在を否定したものであり、人種・人権差別には当たらないと考えます。
なお、市民的及び政治的権利に関する国際規約(International Covenant on Civil and Political Rights、ICCPR)には、法の下の平等とあらゆる差別の禁止、とともに思想・良心の自由、表現の自由が定められていることを申し添えます。

質問8.「真面目に生きているアイヌ民族に対して謝罪を」との要求について
回答
真面目に生きている方は大変素晴らしく、アイヌの人々であろうとどなたであろうと私は等しく敬意を表するものです。
ご要望の謝罪について、どの部分が「罪」なのか、また、どなたに謝罪すべきなのか、質問状からは読み取ることができませんでしたが、
質問3への回答でもお答えした通り、「一部のアイヌ協会の利権幹部と真面目なアイヌの人々を区別して発言せよ」との指摘に対しては、真面目に暮らしているアイヌの方々がほとんどであることは申すまでもなく、これらの区別が不十分だとのご指摘は真摯に受け止め、真面目に暮らしているアイヌの方々にお詫びを申し上げます。
なお、アイヌ差別発言究明共同実行委員会にはアイヌの人々以外の方も加入されているようですが、それらや諸外国の人々までも謝罪の対象ではないものと考えます。
以上
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 「金子やすゆき市議のアイヌ民族差別発言を究明する共同実行委員会」の質問状にある質問項目は3つなのですが、質問と意見が入り混じり、どこまでが質問なのかよく分かりません。金子市議はそれを読み解き、8つに整理して解答しています。

 共同実行委員会は、民族の定義が知里真志保教授の生きていた時代の認識と現在の認識は違うと主張しながら、その定義を明らかにしないままアイヌ民族の存在を肯定しています。金子市議の認識が間違っているとするなら、「アイヌ民族はいる」と言い張って終わりにするのではなく、アイヌ民族の定義を示し、だから「アイヌ系日本人ではなく、アイヌ民族なのだ」とすべきでしょう。共同実行委員会からは、自分達の主張は揺るぎの無い真実であり、それ以外は議論に値しないとの独善性の強さを感じます。
 金子市議は民族の定義を「民族とは宗教や言語、文化、歴史などを共有し、自治権や国家形成などの政治的な要求を持つ集団」と認識しています。どの集団に帰属意識があるのかが一番重要だと思うのですが、そういう主観的要素は入っておらず、政治的な要求の有無が重要と考えているようです。金子市議の民族の定義が、学術的にどう評価されるのかは分かりません。ですが、民族の定義に正解は無いという現代的な認識からすると、間違いとすることは出来ないのでしょう。
 ただ、疑問は残ります。例えば、明治初期に函館へ渡った榎本武揚ら旧幕府軍は、朝廷に対して北海道を徳川家に下賜するよう嘆願する一方、蝦夷地領有宣言式を決行し、蝦夷政権(所謂、蝦夷共和国)を樹立しました。榎本らは、徳川家を北海道の領主として置き、徳川家による恒久的な北海道支配を画策していたのです。この旧幕府軍は「自治権や国家形成などの政治的な要求を持つ集団」といえるのではないでしょうか。それに、旧幕府軍の人達は「宗教や言語、文化、歴史などを共有」していたと判断できます。金子市議の民族の定義だと、榎本ら旧幕府軍を一つの「民族」と認めなければならないのではないでしょうか。同じ様に、新皇を名乗った平将門ら、実質的自治をしていた奥州藤原氏、朝廷の支配から脱却した鎌倉武士、戦国時代に権力者に取り入って自治都市を形成していた堺の商人の場合はどう判断したらいいのでしょうか。

 金子市議は2008年6月に国会で採択された「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」の手続きについて、審議も無いまま可決されたことを批判しています。何故、この様な手続きになったのでしょう。的場光昭氏が著書の中で以下のように説明しています。
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決議が採択された翌七日の北海道新聞朝刊によれば、決議に向けた動きが水面下で始まったのは平成二十年一月、新党大地の鈴木宗男代表が自民党北海道連会長の今津寛衆院議員(当時)に持ちかけたのがきっかけだったといいます。民主党の鳩山由紀夫幹事長(当時)も同じ思いで、三月には今津衆院議員を代表に「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」が発足、水面下で政府との調整を行い、原案を作成した。「自民党の党内手続きで必要な政務調査会の審議を経れば、『さらに異論が出てまとまらなくなる』(閣僚経験者)とみて、いきなり党の最高意思決定機関の総務会に諮り、了解を得た。通常手続きではないが、決議の骨格を守るための巧妙な案だった」と記事は紹介しています。
 まともに議論すると決議案が潰れるから、議論させないようにしたということでしょう。民主主義の精神に著しくおとるばかりか、国会の存在を自己否定する暴挙といえましょう。さらにこの暴挙を北海道新聞は、「巧妙な案だった」と持ち上げています。
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 ここに書かれている2008年6月7日の北海道新聞の記事を探してみましたが、見つかりませんでした。それで、当時の新聞報道から該当部分を要約し、どんな流れになっていたのかみてみます。
●2008年5月23日毎日新聞
 超党派の議員連盟の「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」が国会決議案をまとめる。
 社民党の福島瑞穂党首と国民新党の亀井静香代表代行、新党日本の田中康夫代表が世話人に加わり、今津代表世話人が「すべての政党がそろって決議を目指すことになった」と発言。
 各党の世話人が決議案を持ち帰り、5月中の国会提出を目指し党内手続きに入るが、自民党内には慎重論もあり、自民党内がまとまるかは不透明。
●2008年5月24日毎日新聞
 政府は、先住民族の認定が将来的に土地の補償要求などにつながることを懸念。自民党内には国会決議そのものに慎重論も残っており、北海道ウタリ協会の悲願である先住民族としての認定には、まだまだ高いハードルが残っている。
 鈴木宗男・新党大地代表は「ウタリ協会は大所高所にたって判断してくれている。政府や行政が懸念しているような話はない」と否定。
 今津寛・自民党道連会長は「加藤理事長は『土地の問題などはいっさい要望しない』と町村信孝官房長官にはっきり伝えている」と述べ、先住民族の認定と具体的な権利要求を切り離しているという考え。
 ウタリ協会加藤理事長は「(設置を求めている)有識者懇談会で討議してもらえばいい。(国会決議を)やる前から『これもだ』『あれもだ』ということにはならない」。
●2008年5月30日毎日新聞
 国会決議案が6月6日の衆参両院本会議で全会一致で採択される見通し。
 「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」は7月の北海道洞爺湖サミットを前に国会決議を実現しようと協議を重ねていた。
 政府・自民党内には先住権の認定が政治的権利や財産権の要求につながることへの警戒感があるため、先住権をどう具体化するかについては決議案に明記せず、有識者懇談会の設置を求める表現にとどめた。原案には、日本近代化の過程でアイヌ民族が「拘束、収奪された」などの記述があったが、自民党の反発で削除された。
●2008年5月31日日本経済新聞
 自民党の大島理森国会対策委員長が国会決議案について、今週中に党内の了承手続きを済ませ、衆参両院の本会議で採択したい考えを示した。
●2008年6月4日毎日新聞
 衆参両院議院運営委員会が国会決議案を6日の両院本会議にはかることを正式に決めた。
 自民党は総務会で決議案を了承。他党は賛成方針。
●2008年6月5日読売新聞
 町村官房長官が、国会決議案が6日に採択された場合、アイヌ民族の権利内容を審議する有識者懇談会を設置する方針を明らかにする。
●2008年6月6日毎日新聞
 国会決議が6日の衆参両院本会議で採択された。
 政府が、アイヌ民族について「先住民族であるとの認識」を明記した官房長官談話を発表した。
 町村長官は記者会見で、国連宣言にある先住民族として認定するかどうかについては「議論しても意味がない」と言及を避けた。

 確かに根回しで、自民党の党内手続きを省略していたのがみてとれます。ただこの流れを見ると、議員連盟が議論させないことを目的としていたというより、7月のに間に合わせるために、兎に角「アイヌ民族が先住民族」と認めさせようと急いでいたように見えます。北海道洞爺湖サミット(7月7日~7月9日)の直前に、初の「先住民族サミット」(7月1日~7月4日)が開催されることになっていましたので、それまでに片付けておこうとした面があったように思えます。
 ただ、金子市議が指摘することはもっともで、後々大きな影響を及ぼすことについて議論が無かったのは問題です。それに、国会で決まったことであっても、地方議員が口出しするのは何の問題もありません。そんな前例は幾らでもあり、特に問題にされていません。

 金子市議は、平凡社の大百科事典を引用したことについて、改訂経緯についてだけに回答しています。何故、改正前の大百科事典を引用したかについては回答していません。たぶん、的場光昭氏の著書には改訂されていることが書いてありませんでしたので、知らなかったのだと思います。
 共同実行委員会は、民族について「当時の認識と現在の認識は違う」と言っていますが、確かにそのようです。
 日本では、昭和の初頭まで「民族」を人種的区分や国家構成員の概念との混同して使っていました。その後、「フォルク」(近代以前の未発達の潜在的な民族)と「ナチオン」(中央集権国家の成立や民主主義の確立などによって、フォルクが発展して自覚的となった民族)という用語を用い、民族を論じるようになったようです。1960年代の後半になると、民族はより大きな社会集団に取り込まれる過程の存在、前近代の遺物との考え方(同化理論)が支配的になりました。時が経ち、社会運動研究の場では資源動員論が席巻(70年代から80年代初め)したこともあり、「民族」は政治的運動のために動員される資源との主張がなされます。少数民族のエリートたちが排外的な政治活動のために民族の独自性を操作しているとの主張がなされ、民族性は内部から構築されるものと考えられるようになったようです。そのため、民族は民族意識を共有する人達との認識になったみたいです。この様に「民族」に対する考え方は、自明的な集団(本質主義的理解)から、帰属アイデンティティにより規定されながら変化の過程にある集団へと長期的に変化していました。
 平凡社が大百科事典を改訂した切っ掛けは北海道アイヌ協会から「差別」と抗議を受けたことによるものでしょうけど、学術的な変化に合わせる必要性もあったのでしょう。

 共同実行委員会は、金子市議に「昔政府が作った旧土人保護法を持ち出したような発言で現在の認識を認めないで公人として恥ずかしくないですか?」と、非難とも取れる問いを投げかけていました。共同実行委員会は北海道旧土人保護法を酷く差別的なものとみているようです。「土人」は、現在では差別用語として扱われていますが、当時は「土地の人」という意味でしかなく、差別的意味合いはありませんでした。「旧土人」はアイヌの人を意味していましたが、「新土人」は明治以降に入植した人を指していたのです。
 では、北海道旧土人保護法はアイヌの人を差別するために制定された法律なのでしょうか。道庁の説明はこの様になっています。
*** 北海道旧土人保護法 道庁の見解 ***
■日本国民への同化が目的
 明治時代になると、政府の植民策がすすみ北海道への移住者が増加してきました。開拓使や北海道庁は、先住していたアイヌの人たちに一部の地域で農業の奨励や教育・医療などの施策をおこなってきましたが、十分ではなく、次第に生活に困窮する人たちが増えてきました。
 このため、政府は明治32年に「北海道旧土人保護法」を制定しました。これは、アイヌの人たちを日本国民に同化させることを目的に、土地を付与して農業を奨励することをはじめ、医療、生活扶助、教育などの保護対策をおこなうものでした。
 しかし、和人の移住者に大量の土地を配分したあとで、新たに付与する良好な土地は少なく、付与された土地もその多くは、開墾できずに没収されたり、戦後の農地改革では他人に貸していた土地が強制買収されたりしました。
 また、その他の対策も必ずしも成果は上げられませんでした。
■戦後も生き続けた旧土人保護法
 法律は下記のように、漢字にカタカナの混じった文ですが、戦後も法律として効力をもち続けました。
 このうち、実際に機能していたのは、付与された土地を他人に譲渡する際に知事の許可を必要としたことと、共有財産を知事が管理することの規定のみでした。(共有財産とは、明治時代の漁場経営の収益金や宮内省からの教育資金としての御下賜金などの残りを積み立てていたものです。)
 また、昭和9年に制定され、旭川市における土地の処分について定めた「旭川市旧土人保護地処分法」も、土地の譲渡について旧土人保護法の規定を準用することを定めたことだけが機能していました。
 この二つの法律は、平成9年7月新法の施行に伴い廃止されました。
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 北海道旧土人保護法以前にも、「旧土人救済方法」など行政機関によるアイヌ保護政策が取られていましたが、アイヌの窮状を解消するには十分ではありませんでした。そこで、金子市議も指摘するようにアイヌ人達も保護法の成立を望んだのです。ですが、北海道旧土人保護法が施行されると問題点が現れ、社会環境の変化に合わせて5回(大正8年、昭和12年、昭和21年、昭和22年、昭和43年)一部改正が行われました。そして、最終改正後は下記の通りになりました。
*** 北海道旧土人保護法 最終改正後 ***
[土地の無償交付]
第一条 北海道旧土人ニシテ農業ニ従事スル者又ハ従事セムト欲スル者ニハー戸ニ付土地一万五千坪以内ヲ限リ無償下付スルコトヲ得

[所有権の制限]
第二条 前条二依リ下付シタル土地ノ所有権ハ左ノ制限ニ従フへキモノトス
一 相続ニ因ルノ外譲渡スルコトヲ得ス
ニ 質権抵当権地上権又ハ永小作権ヲ設定スルコトヲ得ス
三 北海道庁長官(北海道知事)ノ許可ヲ得ルニ非サレハ地役権ヲ設定スルコトヲ得ス
四 留置権先取得権ノ目的トナルコトナシ
② 第三条[没収]ノ規定二依ル没収ヲ受クルコトナキニ至リタル土地二付テハ前項ノ規定ハ之ヲ適用セズ此ノ場合ニ於テ譲渡又ハ物権ノ設定行為ハ北海道庁長官(北海道知事)ノ許可ヲ得ルニ非ザレバ其ノ効カヲ生ゼズ但シ相続以外ノ原因二因ル所有権ノ移転アリタル後二於テハ此ノ限ニ在ラズ
第二条ノニ 削除

[没収]
第三条 第一条[土地の無償交付]二依リ下付シタル土地ニシテ其ノ下付ノ年ヨリ起算シ十五箇年ヲ経ルモ尚開墾セサル部分ハ之ヲ没収ス
第四条乃至第六条 削除

[保護施設]
第七条 北海道旧土人ノ保護ノ為必要アルトキハ之二関スル施設ヲ為シ又ハ施設ヲ為ス者ニ対シ補助ヲ為スコトヲ得

[費用の負担]
第八条 前条ニ要スル費用ハ北海道旧土人共有財産ノ収益ヲ以テ之ニ充ツ若シ不足アルトキハ国庫ヨリ之ヲ支出ス
第九条 削除

[共有財産の管理]
第十条 北海道庁長官(北海道知事)ハ北海道旧土人共有財産ヲ管理スルコトヲ得
② 北海道庁長官(北海道知事)ハ共有者ノ利益ノ為ニ共有財産ノ処分ヲ為シ又必要ト認ムルトキハ其ノ分割ヲ拒ムコトヲ得
③ 北海道庁長官(北海道知事)ノ管理スル共有財産ハ北海道庁長官(北海道知事)之ヲ指定ス
第十一条 削除
附 則 (省略)
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 戦後に新しい法律の成立によって関連条項が削除されたため、この様になりました。土地関連条項については、第一条の土地の付与は戦後行われておらず、よって第三条の土地の没収も実行されず、第二条の土地の所有権の制限と第十条の北海道庁長官の権限だけが効力を持ち続けていました。第七条の保護施設は地域振興策による施設に代替されたため、第八条も実質的に意味の無いものでした。死法化していたのです。
 1970年には、全道市長会において北海道旧土人保護法の廃止が決議されますが、その時に北海道ウタリ協会(現・北海道アイヌ協会)は廃止に対して反対決議を行っていました。北海道ウタリ協会が同法廃止と新しい法律制定を総会で求める決議をしたのは1982年のことでした。

 金子市議は、「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。せいぜいアイヌ系日本人が良いところですが、利権を行使しまくっているこの不合理。納税者に説明できません。」という発言について、「人種・人権差別には当たらない」との考えを示しています。アイヌ民族はもういないという内容はアイヌを自認する人々には不快かもしれませんが、それが何故差別になるのか誰も説明していません。レッテルを貼って言論を封じることは、非常に多く行われていることですが、この様な全体主義的傾向を危惧します。

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民族(minzoku),民族集団(ethnic group)
http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/000612nation.html
台湾民族論 <上>
http://www.taiwannation.org.tw/jpn/ikutoku01.htm
土人
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%9F%E4%BA%BA
[旧]北海道旧土人保護法について
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/ass/sinpou4.htm
北海道旧土人保護法
http://ja.wikisource.org/wiki/%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E8%88%8A%E5%9C%9F%E4%BA%BA%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%B3%95
北海道アイヌ協会 主な沿革
http://www.ainu-assn.or.jp/about05.html

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アイヌ民族はいないと発言した札幌市議4

 8月22日、「金子やすゆき市議のアイヌ民族差別発言を究明する共同実行委員会」が説明と謝罪を求める質問状を、金子市議が所属する自民党・市民会議に提出し、記者会見で「人種、人権差別を助長し、世間を混乱させる発言。公人として反省してほしい」と訴えていました。 個人としてのツイッター上での発言ですから、本人に渡すのが筋だと思うのですが、意図は想像できます。
 8月29日、金子市議は質問状の回答文書を提出した後、記者会見を開きました。それを伝えた共同通信の記事が下記です。
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<アイヌ民族存在しない…札幌市議主張撤回せず>
 短文投稿サイト「ツイッター」に「アイヌ民族なんて、いまはもういない」と書き込んだ札幌市議会の金子快之議員(43)が29日、同市内で記者会見し「厳密な意味での民族としては存在しない」と述べ、主張を撤回しない方針を示した。
 金子氏は同日、アイヌ民族の団体などでつくる「金子やすゆき市議のアイヌ民族差別発言を究明する共同実行委員会」から提出された質問状に文書で回答し、その内容を会見で説明した。
 回答で、金子氏は発言の真意について「アイヌの文化や歴史を否定する意図ではない」とした上で、「宗教や言語が違い、政治的な要求を持つ集団という意味での民族としては存在しないと認識している」と主張。「書き込みの撤回ではなく、真意を説明するのが務めだと思う」と述べた。
 実行委員会の木幡寛事務局長は「回答というより言い訳の文書。はぐらかそうとしているようにしか思えず、納得できない」と話した。
 金子氏は、所属会派の自民党・市民会議から28日、離脱勧告を受けたことについて「熟慮している」と述べるにとどめた。9月4日までに発言を撤回しないか、勧告に応じない限り除名処分となる見通し。(共同)
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 他紙の報道内容も似たり寄ったりで、質問状や回答文書の詳細を伝えている新聞はありません。金子市議は回答文書をマスコミに公開していると言っていますが、マスコミは全文報道することはないでしょうから、金子市議のサイトから転載させていただきます。

********************* 質問状 *********************
札幌市市会議員金子やすゆき殿
  金子やすゆき市議のアイヌ民族差別発言を究明する共同実行委員会

  金子やすゆき市議のアイヌ民族差別発言を究明する共同実行委員会
   長老会議会長:小川隆吉
   旭川アイヌ協議会代表: 川村兼一
   アシリチェプノミ実行委員会代表:鎌倉圭子
   アイヌモシリチノミの会代表: 木幡寛
   ウコチャランケの会代表: 石井ポンペ
   伝承の実態を考える会代表: 石井ポンペ
   レラの会代表: 山道靖子
   アイヌ民族差別発言を究明する個人:葛野次男・結城幸司・宇梶シズエ・荒木繁
   アイヌ民族を支援する倭人諸外国の人々:ロスリン・アン・yau huijun(シンガポール)
   事務局長: 木幡寛

次の事項を公開質問します。
1:今回の発言の真意が何処に有るのか解りません、利権を追求する一部のアイヌも居るが
 真面目なアイヌ民族も生きているぞ、否定するのか。

 私達は小さい時からアイヌとして育てられ差別を受けてきました。特に役人、政治家、倭人の富裕層、権力者によって差別を受けても負けずに生き先祖の伝統アイヌプリ伝承を引き継ぎ、次世代の事を考えて活動していますが、私達も滅亡したと言うのか?
 私達の素晴らしい伝統・伝承文化、精神を現代社会は「政府・北海道・国民」も受け入れているから、色々なアイヌ民族精神文化事業が行われているのです。それも否定するのか?

 アイヌ民族と貴方は一言で述べていますが、アイヌ民族はアイヌ協会に入っている人だけがアイヌ民族では無く、今や世界中にアイヌ民族がいます。貴方の発言によりアイヌ協会に関係ないアイヌの人々の心が傷つき、アイヌ協会に属しないで真面目に生きているアイヌ民族も否定し、死ねと言っているのですか。
 貴方はアイヌ協会幹部の利権がらみに関し発言している様ですが、一部の利権幹部と真面目なアイヌ民族を区別して発言し、ブログ、ツイッター、マスメディアに発信して下さい。

2:2008年国会の衆議院参議院会の満場一致で採決されたアイヌ民族を日本の先住民族と採決された。国会決議と日本政府も先住民族であることを認め、当時の町村官房長官の談話を発表され、その後現在もある有識者懇談会を貴方は認めないと言うことですか?

 衆議院、参議院の決定は歴史的事実を認めたと言う事を日本政府は日本国民だけではなく世界に向け発信している、この事実を貴方は認めないのですか。

 上記の事を踏まえ現在、日本国政府(自民党・公明党)がアイヌ民族を認め推進されている「民族共生の象徴となる空間」における博物館の基本構想施策「アイヌ民族国立博物館建築(イオル)」を推進し、また日本政府と北海道が海外に向け一緒に推進している、アイヌ民族
の言語を使って行っている「イランカラプテ」キャンペーンの政策、施策も認めないのですか?

3:知里真志保教授が北海道大学新聞に寄せた談話をブログで引用していますが、改正前の大百科事典を引用したのであれば、何故改正されているのか?また改正された大百科事典は差別・人権的差別を助長しないために削除されているのにも関わらず、あえて古い大百科事典を引用しているのはなぜですか悪意を感じます。悪意を持って発言していませんか?
 また貴方が発言している、大学新聞に寄せた知里真志保教授談話は平凡社と当時の知里真志保教授が置かれた環境と現在の環境は違う上でアイヌ協会とで話し合われ、平凡社が自ら改正している事実を分かった上での発言ですか?
 回収できない百科事典には補足している事も同様な発言ですか、事実を隠し民衆に悪意を持たせようとしている意図を感じます。

 当時の認識と現在の認識は違う事を認めて公人と発言しなさい。昔政府が作った旧士人保護法を持ち出したような発言で現在の認識を認めないで公人として恥ずかしくないですか?発言するべきでは有りませんし、立派な政治家であれば認識していますし、発言に今回見たいな
無知蒙昧な事は言いません。

○また貴方のブログから引用。
さて、毎日新聞さんには「不勉強」「不見識だ」とまで厳しく批判されました。
と出ていましたが、はっきり言うべきで利権を追求するのは貴方ですね、その利権の代表(アイヌ協会)と有りますが、ただ何処のアイヌ協会かアイヌ協会だけでは分かりません、今のアイヌ協会、公益法人北海道アイヌ協会で札幌であれば札幌アイヌ協会と言う名称です。
それとも北海道の全てのアイヌ協会からコメントを取っても仕方がないのですか。
 わざわざ北海道大学に行き図書館だけで済ませたのですか?北大にはアイヌ先住民研究センターが有りますが、センターの意見を何故聞かなかったのですか?
毎日新聞さんの「不勉強」「不見識だ」指摘も当たっていると思いますよ、先程述べたように現代の認識と過去の認識(過去の100円と現代の100円の価値が違います)を一緒にして発言しているよう公人に対して、毎日新聞さんは公人が発信するような発言ではないと言っているのだと思います。

 現代の公人としての常識(国と北海道が進めている政策、施策をはっきり認識し)とした上で現代の状況を把握して発言するのが公人としての常識で今回の発言に関し、真面目に生きているアイヌ民族に透明性のある説明を求めます。

 今回の発言により人種・人権差別を助長し、世間を混乱させる様な発言ですが、国際人権規約があることを知っていますか?日本政府も加盟し推進しているその規約で人種・人権差別撤廃条約に記載されていることを分かった上での発言ですか?

 最後に歴史的事実文献、研究報告書、アイヌ協会の過去の不正を現代の認識と過去の認識を一緒くたにした発言を今後改め反省し真面目に生きているアイヌ民族に対して謝罪を要求して回答書を期限までに求めます。

 誠意を持った回答を求めます。
回答期限2014年8月27日まで文書回答を求めます。
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 「貴方はアイヌ協会幹部の利権がらみに関し発言している様ですが、一部の利権幹部と真面目なアイヌ民族を区別して発言し、ブログ、ツイッター、マスメディアに発信して下さい。」。アイヌの人達がアイヌ利権の存在を認めています。
 利権アイヌと非利権アイヌを分けて発言するとしたら、必然的にアイヌ利権に触れることになりますが、それでも良いからマスコミなどに発信しろということでしょうか。だけど、大手マスコミがアイヌ利権を報道する訳はありません。今までも、アイヌ団体が事件を起こす度に、アイヌ利権を追求する機会はありましたが、新聞やTVは強烈な抗議を受けることを怖がり、表面的な報道でお茶を濁してきました。今回も、質問状をそのまま報じるとアイヌ利権に触ってしまうと思ったからでしょうか、内容の詳細を伝えるマスコミはありませんでした。

 さて、アイヌ協会幹部は利権まみれで、自分達は真面目なアイヌと言うこの人達は何者なのでしょうか。一寸、調べてみます。
■小川隆吉
●1935年、北海道の浦河町で、朝鮮人の父とアイヌ民族の母との間に生まれる。
●父は朝鮮に帰り、母も9歳で亡くなり、幼年期から青年期まで貧困生活を送る。
●札幌アイヌ民芸企業組合などの立ち上げに参画。
●北海道ウタリ協会石狩支部(後の北海道アイヌ協会札幌支部)の創設に参加、支部長などを歴任。協会本部理事にも就任。
●札幌市ウタリ教育相談員。
●北大人骨事件で事実究明を求める活動を展開。
●樺太アイヌ強制移住殉難者墓前祭実行委員長。
●アイヌ民族共有財産裁判原告団長。
●アイヌ民族文化伝承の会会長。
●北海道教育大学非常勤講師。
●アイヌ長老会議議長。
●アイヌ民族の語り部。

■川村兼一
●国鉄の測量技手で、アイヌ測量隊をひきいて三信鉄道建設に貢献した川村カ子トの長男。
●川村カ子トアイヌ記念館館長。
●旭川チカップニ・アイヌ民族文化保存会会長。
●旭川アイヌ語教室運営委員長。
●旭川アイヌ文化フェスティバル開催。
●旭川アイヌ協議会会長。
●2009年6月、アイヌ・ラマット実行委員会の出原昌志共同代表と共に内閣官房アイヌ政策推進室に申し入れ書(《1》同化政策などに対する政府と天皇の謝罪《2》土地、資源などを奪ったことへの賠償《3》国会と地方議会の民族特別議席《4》アイヌ語を中心にアイヌ文化・歴史を学べる教育機関設置-など)を提出する。

■鎌倉圭子
●札幌アイヌ文化協会アシリチェプノミ実行委員会委員長
●札幌アイヌ文化協会は、道内各地に住むエカシ、フチより儀式の執り行い方、道具の再現などの指導を受け、アイヌ民族の伝統儀式アシリチェップ・ノミ(新しい鮭を迎える儀式)を、およそ100年ぶりに復活させた団体。
●アシリチェプノミは、毎年豊平川で開催され、札幌市より伝統文化保存伝承事業補助金の交付(80万円)を受けている。

■木幡寛
●1956年、北海道平取町生まれ。
●1975年、ウタリ協会入会(現・北海道アイヌ協会札幌支部)。2年後に脱会。
●1988年、ウタリ協会に再入会。住宅部長、教育副部長を歴任。
●2008年、「先住民サミット」アイヌモシリ2008の事務局次長。
●2009年、北海道アイヌ協会脱会。
●2009年、NPO法人アイヌモシリチノミの会を設立し、代表に就任。
●アイヌモシリチノミの会はアイヌ文化文様教室を開催している模様。
●ツイッターに下記書き込みあり。
木幡寛 @sanihi 04 8月
札幌市のポロチセ改修のデタラメな工事に関し質問書、再質問書提出、回答期限は明日だがまだ来ず、また、はぐらかすのか?
木幡寛 @sanihi 10 8月
先に札幌アイヌ協会が嫌がらせを徹底的にしてきます、自分たちの無知をさらけ出して、金儲け主義に走り理性を失った協会です。
木幡寛 @sanihi 10 8月
札幌上田文雄市長が話し合いに応じてくれるそうです、果たして結果はいかに?
●反原発活動にも参加しているらしい。

■石井ポンペ
●1945年生まれ。
●原住アイヌ民族の権利を取り戻すウコチャランケの会代表。
●伝承の実態を考える会代表。
●「のりこえねっと」(正式名称:ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク)共同代表
●北海道アイヌ協会札幌支部長、支部役員を歴任。
●石狩カムイノム実行委員会代表。
●インカルシペ・ヌプリ・カムイノミ実行委員会祭司。
●ムックリ、トンコリの演奏、木工などのアイヌ民族の文化の担い手。

■山道靖子
●1946年、北海道鵡川町生まれ。
●「沙流川を守る会」を立ち上げた際の中心人物。
●二風谷で、フリースクールもかねたアイヌ語と伝統文化を伝える「山道アイヌ語学校」を主宰。
●アイヌモシリ一万年祭の中心人物。
●写真家・宇井眞紀子の写文集「アイヌ、風の肖像」とコラボレーション。

■葛野次男
●1954年、北海道静内町(現新ひだか町)生まれ。
●アイヌ文化伝承者でアイヌ民族のエカシ(長老)と呼ばれた葛野辰次郎の息子。
●父と共に各地のアイヌの祭に参加するなど、アイヌ文化の伝承活動に携わる。
●静内アイヌ語教室講師。

■結城幸司
●1964年生まれ。
●北海道ウタリ協会の理事であり、アイヌ解放同盟の代表であった過激なアイヌ民族解放運動活動家の結城庄司の息子。
●東京でアイヌ民族運動に参加。
●12ヶ国の先住民が参加した「先住民族サミット」アイヌモシリ2008の実行委員会事務局長。
●版画家、木彫作家、アイヌ民族運動家、ロックシンガー。
●芸術家集団「アイヌ・アート・プロジェクト」代表。

■宇梶シズエ
●1933年、北海道浦河郡生まれ。千葉県鴨川市在住。
●俳優・宇梶剛士の母。
●エカシ(長老)で関東ウタリ会会長の浦川治造の姉。
●東京アイヌウタリ協会初代会長。
●アイヌ古布絵作家、アイヌ解放運動家。

■荒木繁
●木彫作家。
●財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構アドバイザー。
●荒木熊彫り製作所経営。

■ロスリン・アン
●フルネームは「アン ローティン ロスリン」?
●北海道大学 大学院文学研究科・文学部在籍?
●専攻はアイヌ民族研究か?

 質問状を提出した後に記者会見したのは、石井ポンペ氏、木幡寛氏、荒木繁氏の3人。たぶん、この抗議活動の中心は事務局長の木幡氏でしょう。その木幡氏のツイッターの書き込みをみると、行動や思想様式が左翼活動家そのものに見えます。70年代、新左翼の政治思想に「アイヌ革命論」なるものがあったそうです。結城幸司氏の父、結城庄司氏はアイヌ解放同盟を結成して新左翼活動家であった太田竜と過激な活動をしていたようです。木幡氏が1975年にウタリ協会入会した頃は、アイヌ解放同盟に警察の捜査が及んでいた頃で、1976年には、結城庄司氏がウタリ協会の理事を退いていました。木幡氏は結城庄司氏に触発されてウタリ協会に入会するも、結城庄司氏が退いたため、脱会したということでしょうか。木幡氏の思想の基底は左翼思想のような気がします。
 また、木幡氏のツイッターの書き込みからは、北海道アイヌ協会と対立している様子がうかがえます。木幡氏は2009年にアイヌ協会を脱会していることと関係があるのでしょうか。アイヌ協会は2009年4月1日に名称を「北海道ウタリ協会」から「北海道アイヌ協会」に改称しているのですが、この年に釧路支部の一部会員が分離独立し、「千島・道東アイヌ協会」を設立していました。このことと木幡氏の脱会は関係しているから、北海道アイヌ協会を利権団体のように言ってはばからないのでしょうか。
 共同実行委員会には、北海道アイヌ協会に所属している人物も名前を連ねています。石井氏は札幌支部長のようですし、小川隆吉氏は現役なのか分かりませんが、理事でした。鎌倉圭子氏と荒木氏はアイヌ協会の関連団体に所属しています。葛野次雄氏の父は葛野辰次郎氏ですが、その辰次郎氏の写真がアイヌ協会のHPのトップページに使われています。この人達は反アイヌ協会とも思えないのですが、どうして名前を連ねているのでしょう。

 色々と調べている内に、「アイヌ民族の団結と権利奪還にむけた共同宣言」というものがあることが分かりました。そのメンバーは以下の通りです。
・共同代表 旭川アイヌ協議会会長  川村 シンリツ エオリパック アイヌ
・共同代表 現住、アイヌ民族の権利を取り戻すウコチャランケの会代表  石井 ポンペ
・アシリ レラ(山道アイヌ学校主宰)
・荒木 繁(札幌在住)
・石原 修(山梨在住)
・伊藤 稔(伊藤ヌプリ、先住アイヌ居住検討委員会事務局長)
・宇梶静江(千葉在住)
・宇梶良子(千葉在住)
・浦川政広(埼玉在住)
・太田奈奈(旭川アイヌ協議会)
・小川隆吉(アイヌ長老会議議長)
・鎌倉圭子(アシリチェップノミ実行委員会委員長)
・萱野志朗(萱野茂二風谷アイヌ資料館館長)
・北川しま子(「北方領土の日」反対!「アイヌ新法」実現!全国実行委員会副代表)
・木幡 寛(NPO法人「アイヌモシリ チノミの会」代表)
・工藤 稠(旭川アイヌ協議会事務局長)
・坂井トモエ(札幌在住)
・島崎直美(チカラニサッタ共同代表)
・杉村恵子(旭川アイヌ協議会)
・杉村フサ(旭川アイヌ協議会)
・杉村芙満郎(旭川アイヌ協議会)
・高橋英子(札幌在住)
・徳田昭子(オンネフチの会)
・豊川重雄(アシリチェップノミ実行委員会顧問)
・藤戸竹喜(彫刻家)
・平田 幸(レラの会)
・山本一昭(「北方領土の日」反対!「アイヌ新法」実現!全国実行委員会代表)
・旭川アイヌ協議会
・現住、アイヌ民族の権利を取り戻すウコチャランケの会
・北大人骨問題の真相を究明する会

 外国人を除き、共同実行委員会のメンバーと重複していないのは、葛野氏と結城氏の2人だけです。
 それに、質問状に載せられていた山道氏と葛野氏の名前が間違っていました。山道靖子、葛野次男ではなく、正しくは山道康子、葛野次雄です。
 この様なことから推測すると、共同実行委員会は木幡氏が共同宣言のメンバーを中心として名義を借りて作り、質問状の内容もほとんど木幡氏が作ったのではないかと思います。

 北海道アイヌ協会は最大のアイヌ団体ですが、分裂していますし、首都圏で活動するアイヌ団体もあります。アイヌ団体は林立し、各々がどのように関連しているのかはよく分かりませんが、北海道アイヌ協会に歩調を合わせる団体ばかりではないようです。アイヌの人達も一枚岩ではないのでしょう。

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アイヌ民族存在しない…札幌市議主張撤回せず
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20140829-1358502.html
小川隆吉
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%B7%9D%E9%9A%86%E5%90%89
「私が北大に文書開示請求した理由」小川隆吉さん(アイヌ長老会議)ムービー
http://hokudai-monjyo.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-8805.html
平成21年度 アイヌ文化奨励賞(個人)  川村 兼一(58歳)
http://www.frpac.or.jp/about/details/2158.html
先住民族アイヌの権利回復を!: 資料
http://asahikawaramat.blogspot.jp/p/blog-page_09.html
サケに感謝の祈り 豊平川でアイヌ民族の伝統儀式
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/video/?c=fuubutu&v=608329432001
サケ漁の儀式、復活30年 札幌アイヌ文化協会 活動の記念誌発行
http://www.47news.jp/CI/201304/CI-20130408-00690.html
平成13年度 アイヌ文化奨励賞(団体)  札幌アイヌ文化協会
http://www.frpac.or.jp/about/details/13-1.html
伝統文化保存伝承事業 - 札幌市
http://www.city.sapporo.jp/chosei/new-plan/h20shinchoku/documents/513_dentoubunka.pdf
木幡寛 on Twitter
https://mobile.twitter.com/sanihi?p=s
マイノリティーの拠点 新大久保に登場
http://www.peeep.us/702bb93c
のりこえねっと
http://www.norikoenet.org/representative.html
山道康子
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E9%81%93%E5%BA%B7%E5%AD%90
アイヌモシリ一万年祭
http://www.akiramania.com/profile/ainu2001.html
葛野次雄
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%9B%E9%87%8E%E6%AC%A1%E9%9B%84
結城幸司
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%90%E5%9F%8E%E5%B9%B8%E5%8F%B8
宇梶静江
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E6%A2%B6%E9%9D%99%E6%B1%9F
平成24年度 アイヌ文化奨励賞  荒木 繁(71歳)
http://www.frpac.or.jp/about/details/2471.html
優秀工芸師
http://www.ainu-assn.or.jp/zigyo02.html
北海道アイヌ協会
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C%E5%8D%94%E4%BC%9A
アイヌ民族の団結と権利奪還にむけた共同宣言 | ピリカモシリ
http://pirikagento.jugem.jp/?eid=73
特定非営利活動法人アイヌモシリ チノミの会
http://ainu-chinomi.com/index.html

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アイヌ民族はいないと発言した札幌市議3

 金子市議のツイッター騒動は、議員辞職勧告にまで発展しています。どうしてここまでに至ったのか、改めて振り返ってみます。
 問題は、金子市議のツイッター上でのやり取りから始まりました。
*******************
●金子快之 8月6日
またもや、札幌市役所に韓国国旗が掲げてありました。いったい札幌はどうなってしまったのでしょうか。強く正しい札幌を取り戻さなければなりません。
●burabu 8月10日
市長が朝鮮学校を差別してはいけないと話した記事を読売で読みました。もう、決定です。札幌の人間ではありませんが、監視し、闘います。北海道にはアイヌ民族の問題もあるので。
●金子快之 8月11日
アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。せいぜいアイヌ系日本人が良いところですが、利権を行使しまくっているこの不合理。納税者に説明できません。
*******************
 金子市議は騒動を巻き起こそうとした訳ではありませんが、このやり取りの中の言葉が問題視されて、ツイッター上で批判が集まり、17日の新聞報道につながったようです。金子市議のサイトのコメント欄にある書き込みにはこんなものがありました。
***** コメント *****
なぜ大新聞社がここまで大上段に叩くのか?
そもそも本件が毎日新聞社の記事になったのは、
大阪は鶴橋にいる方が、どこかの新聞社の記者に、
記事にするよう働き掛けたことが発端のようです。
https://pbs.twimg.com/media/BvOpTKTCAAEkX1z.jpg:large
※該当のツイートは既に削除されています。
なぜ大阪と札幌がつながっているのか?
被差別をうたって利権を貪ろうとする団体に
利用されないよう、我々市民は十分に留意すべきです。
******************
 ツイッター上での批判に終わらせずに、大々的にバッシングしようと画策した者がいたようです。
 その思惑に乗ったのが毎日新聞で、北海道アイヌ協会の口を借りて「不見識」と批判したのに加え、「ネット上で自説」と書いてしまいました。知里名誉教授の説を知らず、思い込みで書いてしまったのでしょう。毎日新聞は、また低能な地方議員が問題を起こしたという感覚だったのかもしれません。
 ところが、毎日新聞は思わぬ反撃を受けます。金子市議がサイト上で、自説ではなく世界大百科事典の記述だということを明らかにしたのです。金子市議は大学図書館で世界大百科事典の記述を発見したかのようにブログで書いていますが、的場光昭氏の著書に出典まで書かれていることです。改めて的場光昭氏の著述内容を確認したということでしょう。
 ともあれ、名指しで反論された毎日新聞は慌てたに違いありません。しかし、その反論のエントリーのコメント欄に書かれたコメントを見て、助かったとの思いになったのではないでしょうか。コメント欄には次のように書かれていました。
***** コメント *****
平凡社世界大百科のアイヌの項は、内容が差別的で誤りがあったとして、
平凡社が謝罪して訂正の小冊子まで配っています。
http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20070428_1.html
さらには、これがきっかけで全体の大改訂が行われました。
こういった経緯をご存知の上で、上記の記事を載せていらっしゃるのでしょうか。
******************
 金子市議が取り上げたのは世界大百科事典の2005年版でしたが、上記のコメントが平凡社の改訂告知を示し、2007年版から改訂されていたことが明らかになりました。毎日新聞はこのコメントを参考にしたのでしょう。改訂前の事典引用して反論するのは不適切だと一蹴したようです。この報道により、反論は封じられ、所属会派の自民党・市民会議が不処分としたことも批判に晒されることになりました。
 それでも、金子市議がツイッターでの発言を撤回しないため、騒動は続きました。ただ、金子市議は発言を撤回しない一方で、サイトの記述は削除していたようです。北海道新聞の記事(8月18日:「アイヌ」証明根拠、現行法にない 金子札幌市議、ブログに)からすると、金子市議のサイトには「アイヌ文化や歴史を否定するものではありません」、「『アイヌ』を法的に証明する根拠が現行法にない」、「行政からの便益を獲得すること」、「『自称』『推定』を認める客観性の乏しい仕組み」と書いてあったようですが、今はありません。
 それはそうとして、騒動は、アイヌ有志が「金子やすゆき市議のアイヌ民族差別発言を究明する共同実行委員会」を作り、質問状を金子市議の所属会派に提出して回答と謝罪を求めるに至りました。これが自民党・市民会議の方針転換を促し、金子市議に撤回と謝罪を求めることになったものの、金子市議が従わないため会派離脱勧告、除名という流れになりました。追い込まれた金子市議は、「自由に発言する立場を取り戻す」として、自ら所属会派を離脱しましたが、更に議員辞職を迫られる事態になっています。

 ターニングポイントは2007年版の改訂が示されたことでしょう。よって、記述の変遷を調べてみます。
 まず、世界大百科事典の2005年版を金子市議のサイトから転載します。
*** 世界大百科事典2005年版「アイヌ」の項 ***
今これらの人々は一口にアイヌと呼ばれているが、その大部分は日本人との混血によって本来の人種的特質を希薄にし、さらに明治以来の同化政策の効果もあって、急速に同化の一途をたどり、今はその固有の文化を失って、物心ともに一般の日本人と少しも変わることがない生活を営むまでにいたっている。したがって、民族としてのアイヌは既に滅びたといってよく、厳密にいうならば、彼らは、もはやアイヌではなく、せいぜいアイヌ系日本人とでも称すべきものである。
**************************************************
 金子市議の調べでは1955年版からこの記述があるそうです。ちなみに、この項は、故・知里眞志保北海道大学名誉教授が担当したものです。
 次に、平凡社の改訂告知を示します。
*** 『世界大百科事典』「アイヌ関連項目集」についてのお知らせ ***
このたび、小社では『世界大百科事典』の「アイヌ」の項目を全面的に改稿することといたしました。現行の同項目は、1970年代後半の編集になるもので、アイヌ民族が日本の先住民族であるとの視点にないものであり、現時点では適切なものではないばかりか、アイヌ民族に対する偏見や差別を助長しかねないとの認識にいたったためです。この改稿は本年秋に予定しております同百科事典の2007年版に反映いたしますが、2002年以降にご購入いただき、読者登録をされている皆さまには、改稿あるいは今回新規に立項します項目を小冊子「アイヌ関連項目集」にまとめ、お届けいたします。なお、小社で把握できない購読者の皆さまにつきましては、下記へお問い合わせください。読者の皆さまはじめ関連項目の当事者、利用者の皆さまにはご迷惑をおかけいたしますが、上記経緯につきご理解いただき、ご容赦くださいますようお願いいたします。
 平成19年4月28日
  〒112-0001 東京都文京区白山2-29-4
  株式会社 平凡社 営業部
******************************************************************
 版を重ねる内に、辞書類の内容が変わることは珍しくありません。だけど、「内容が変わること」を告知することは普通しません。版が変わった時に新しい内容に差し替えるだけです。平凡社は、「改稿すると決めた」というだけなのに告知し、新しい原稿が出来たら過去に販売した事典にまで反映させるという異例の対応をしています。何故、この様な対応になったのでしょうか。
 この改訂告知が出された頃は、先住民族にとって重要な時期でした。この前年には、20年以上起草作業が続けられていた「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が国際連合人権理事会で採択(2006年6月29日)され、翌年に国連総会で決議(2007年9月13日)されています。日本は、総会での決議に賛成し、2008年6月に国会で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を全会一致で採択していました。
 この様な先住民族の権利獲得の動きに呼応した団体があったのでしょう。そういう団体が平凡社に「差別的な記述」と抗議し、平凡社は圧力に屈して取り合えず変えることを表明したのだと思います。そうでもないと、この奇妙な告知を理解できません。学術的に間違いがあったと判断したのではなく、差別と糾弾されたから改訂したのでしょう。
 さて、世界大百科事典2007年版はどんな記述になったのでしょうか。「kotobank」には以下のように記述してありました。
*** 世界大百科事典2007年版「アイヌ」の項 ***
アイヌ【Ainu】
アイヌをどう定義するか,とりわけ現代のアイヌをどう認識し,どう定義するか,という問題は,彼らを取り巻く歴史的環境とその中での彼らの自己認識のあり方や,〈民族〉の定義の問題とも深く関わっているだけに,その定義のしかたは,時代とともに大きく揺れ動いてきた。1960年代ころまでのアイヌの現状に対する研究者を含めた大方の認識の特徴は,彼らを和人とは異なる固有の文化を有した一つの民族とはみないで,彼らは,いずれ和人に同化される,との認識を前提にして,〈アイヌ系住民〉〈アイヌ系日本人〉と称したところにある。
**************************************************
 これは「アイヌ」の解説というより「60年代のアイヌ研究者」を解説する記述になっています。それで、これがこの項の全ての記述ではないのではと思い、検索を進めると、「ウィキまとめ」にそれらしき物がありました。たぶん、これが世界大百科事典2007年版の記述だと思います。前文の次に目次があり、1.民族の系統と人口、2.歴史、3.起源、4.体質、5.物質文化、6.社会組織、7.宗教、8.文学、9.音楽、10.舞踊についての解説がありますが、前文の部分だけ転載します。
************ ウィキまとめ「アイヌ」 ************
Ainu∥Aynu
アイヌをどう定義するか,とりわけ現代のアイヌをどう認識し,どう定義するか,という問題は,彼らを取り巻く歴史的環境とその中での彼らの自己認識のあり方や,〈民族〉の定義の問題とも深く関わっているだけに,その定義のしかたは,時代とともに大きく揺れ動いてきた。1960年代ころまでのアイヌの現状に対する研究者を含めた大方の認識の特徴は,彼らを和人とは異なる固有の文化を有した一つの民族とはみないで,彼らは,いずれ和人に同化される,との認識を前提にして,〈アイヌ系住民〉〈アイヌ系日本人〉と称したところにある。こうしたこともあって,アイヌ民族の学者である知里真志保でさえ,〈今やその固有の文化を失って,物心ともに一般の日本人と少しも変わるところがない生活を営むまでにいたっている。したがって,民族としてのアイヌはすでに滅びたといってよく,厳密にいうならば,彼らは,もはやアイヌではなく,せいぜいアイヌ系日本人とでも称すべきものである〉(平凡社《世界大百科事典》旧版,1955年刊)と記さざるをえなかった。しかし,後述のように,1984年北海道ウタリ協会が〈アイヌ民族に関する法律(案)〉(通称〈アイヌ新法〉)を採択し,政府に〈アイヌ新法〉の制定を求める運動を展開して以来,アイヌ民族の歴史や文化,さらにはアイヌ民族の現状に対する国民の関心がしだいに高まり,こうした状況を大きな背景としてアイヌ民族の歴史や現状に対する認識も大きく変化してきた。したがってここでは〈アイヌ〉を,主として北海道に居住する日本の先住少数民族,と定義しておく。
**************************************************
 つまり、「アイヌ団体の政治運動によって社会の民族に対する認識が変化し、『アイヌの定義』も多様化した。そのため、統一的な見解を見出せないため、取りあえず『主として北海道に居住する日本の先住少数民族』ということにして解説する。」ということでしょうか。

 国語辞書で「民族」を調べると、こう書いています。
****** 国語辞書「民族」 ******
みん‐ぞく【民族】
言語・人種・文化・歴史的運命を共有し、同族意識によって結ばれた人々の集団。「騎馬―」「少数―」
********************************
 一般人の「民族」に対する理解はこの程度のものでしょう。ですが、学問的には、その定義は多様で、民族の区分も歴史的社会的に変化し、固定的で永続的なものではないそうです。それに、「民族」という言葉は、外国語(ドイツ語では「Volk」「Ethnos」「Nation」、英語では「people」「ethnic group」「nation」)を訳したものですが、厳密に分けなかったために、日本語の「民族」は多義性、特にネーションnationとエトノスethnosの2つの意味を持つそうです。
 幾つかの辞典類から「民族」の解説を挙げてみます。
***** 知恵蔵2014「民族」 *****
文化、言語、生活様式などの特定の要素を絆(きずな)として共有し、「われわれ」という意識を持った人間集団。(1)文化、宗教、言語、生活様式、肌の色など身体的形質を標識として、他集団との相違を確認できる客観的な側面と、(2)歴史意識、利害関心、未来志向などを介して、集団に共属しているという意識や感情の主観的な側面がある。そのため民族やエスニック・グループは固定した集団ではなく、歴史的に変化し、社会的文脈によって客観的標識も異なる。また、少数民族がその内にさらに少数集団を含むことも多い。民族とエスニック・グループとの相違は不明確である。ただし民族という用語の方が古く、また「民族自決」「少数民族運動」といった用法のように、集団が自治や国家形成など政治共同体としての要求を持つと認められた場合には、民族と呼ばれることが多い。
( 坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 )
********************************
*** 世界大百科事典 第2版 ****
みんぞく【民族】
ギリシア語のエトノスethnos(ドイツ語やロシア語では,ふつうこの語形を用いる),それから派生した英語のethnic groupあるいはethnic unitに対応する学術用語であるが,日常用語としても用いられる。多くの民族学者(文化人類学者)の考えでは,民族とは次のような性格をそなえた集団である。第1に,伝統的な生活様式を共有する集団である。つまり語族や語群が言語の系統分類にもとづき,人種が身体形質を基準とした分類であるのに対して,民族は文化にもとづいて他と区別される集団なのである。
********************************
******* 大辞林 第三版 ********
みんぞく【民族】
「われわれ…人」という帰属意識を共有する集団。従来,共通の出自・言語・宗教・生活様式・居住地などをもつ集団とされることが多かった。民族は政治的・歴史的に形成され,状況によりその範囲や捉え方などが変化する。国民の範囲と一致しないことが多く,複数の民族が共存する国家が多い。
********************************
**** 百科事典マイペディア ****
民族 【みんぞく】
日本語の〈民族〉は包括的な概念であり,ナショナリズム(国民国家への志向)の主体としての国民nationをさす場合,国民国家内部における〈われわれ〉意識をもつエスニック集団(エスニシティ)をさす場合,さらに国民国家を形成する以前の〈われわれ〉意識をもつ集団(部族など)をさす場合がある。
※本文は出典元の用語解説の一部を掲載しています。
********************************
** ブリタニカ国際大百科事典 **
民族
みんぞく
ethnic group; nation; people
一定地域に共同の生活を長期間にわたって営むことにより,言語,習俗,宗教,政治,経済などの各種の文化内容の大部分を共有し,集団帰属意識 (→エスニック・アイデンティティ ) によって結ばれた人間の集団の最大単位をいう。
本文は出典元の記述の一部を掲載しています。
********************************
 「アイヌ民族はもういない」と言った場合、「民族」をどういう意味で使ったのか、「民族の定義」についてどのような学説によっているかによって、その正否の判断は分かれるということなのでしょう。だから、いくら論争しても学術的な深みに嵌るだけで、決着は付かないように思います。

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『世界大百科事典』「アイヌ関連項目集」についてのお知らせ
http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20070428_1.html
世界大百科事典 第2版の解説 アイヌ
http://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C?dic=sekaidaihyakka&oid=00087065
ウィキまとめ アイヌ
http://wikimatome.com/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C
民族
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%91%E6%97%8F
kotobank 民族
http://kotobank.jp/word/%E6%B0%91%E6%97%8F

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アイヌ民族はいないと発言した札幌市議2

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金子快之@札幌市
アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。せいぜいアイヌ系日本人が良いところですが、利権を行使しまくっているこの不合理。納税者に説明できません。
12:59 8月11日(月)
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 この金子市議のツイッターでの発言を初めて聞いたのは、TVの地方ニュースででした。その時、真っ先に思い浮かんだのは、「的場光昭氏の著書を読んでいるな」ということでした。
 的場光昭氏は旭川の医師なのですが、アイヌ民族についての政治家や北海道アイヌ協会の主張に疑問を呈し、執筆活動をしている方です。著書には、「『アイヌ先住民族』その真実―疑問だらけの国会決議と歴史の捏造」、「アイヌ先住民族、その不都合な真実20」という2冊があります。
●「アイヌ先住民族」その真実―疑問だらけの国会決議と歴史の捏造
展転社 (2009/11)
内容:アイヌは先住民族ではない、アイヌ系日本人だ!「同化・融和・共生」の歴史をゆがめ、ありもしない民族問題で「国内分裂」を策す“プロアイヌ”とその取り巻きたち。日本暗黒史観はもういらない。
●アイヌ先住民族、その不都合な真実20
展転社 (2012/06)
内容:アイヌ語の公用語化、議会への特別議席枠、膨大な補償と天皇の謝罪まで要求するアイヌ先住民族運動の驚くべき実態。

 「今では、アイヌ民族ではなくアイヌ系日本人」との主張は、アイヌ出身の知里眞志保北海道大学名誉教授が唱えていたもので、上記著書にも記載されています。「アイヌ系日本人」という言葉を使っているからには、金子市議も知里名誉教授の説を知っていると思われます。それなのに、金子市議が「アイヌ民族はもういない」は自説ではなく知里名誉教授の説だと説明したという話しは、聞きませんでした。そのため、金子市議は大騒ぎになった後に自説ではないことを明かし、マスコミの無知とアイヌ利権を批判する戦略なのかと考えていましたが、後で同様に考えている人がいたことを知りました。北海道議会議員の小野寺まさる氏です。
 小野寺まさる氏は、中川昭一氏から外国資本による森林買収の調査を依頼され、水資源の保全対策に尽力した自民党の道議です(2012年3月24日のエントリー 中川昭一氏の宿題「水資源保全条例」参照)。その小野寺道議がツイッターに次のように書き込んでいました。
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小野寺まさる
策の闇を全国に知らしめられるかも知れない。北海道議会での追及には限界があり、これはビッグチャンスだ!!「自分は誹謗・中傷をされても一向に構わない。マスコミは付け焼き刃的な知識でアイヌ関連の馬鹿な記事を連発しますように…」と切に願っている。
6:07 8月18日(月)
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 だけど現実は、小野寺道議の思惑通りにはなりませんでした。この問題は何日もTVで報道されましたが、「アイヌ政策の闇」には触れられませんでした。報道初日はツイッター全文が紹介され、「利権を行使しまくっているこの不合理。納税者に説明できません。」の部分も報道されましたが、その後は無くなり、「アイヌ民族はもういない」が前面に押し出され、金子市議を非常識なレイシスト議員扱いする報道ばかりになりました。

 金子市議が知里名誉教授の説を知っている筈というのは、見込み違いだったのでしょうか。そこで金子市議の公式サイトを確認してみました。
 金子市議のサイトのトップページには、「アイヌ先住民族、その不都合な真実20」が推薦図書として掲載され、「アイヌ先住民族問題のすべてが分かります。どうか、ぜひご一読ください。」と書かれていました。また、2014年08月17日に「『民族としてのアイヌは既に滅びた』~世界大百科事典(平凡社)より」というエントリーでは、「世界大百科事典第二版(平凡社)」を示し、「アイヌ民族は既に滅びた」は自説ではなく事典に書いてあることと明言していました。更に、「毎日新聞さん、私の『自説』ではありませんよ。正しい教育を受けて本を読んでいる国民なら、みな知っていることです。軽々しく「不見識」と批判する前に、よく勉強し、よく取材してください。」ともありました。
 やはり、金子市議は的場光昭氏の著書を読んでいて、知里名誉教授の唱えた説を知っていたのです。それに、ツイートが報道されたその日の内に、自説ではないことを示していました。ただ、騒動後は所属会派からの要請でツイッターやブログなどでの情報発信は控えていたようです。だからといって、マスコミが金子市議の自説ではないことを知らなかったとは思えません。問題の元となったのがツイッターなのですから本人のサイトぐらいはチェックしていた筈です。しかし、これまで見たTVニュースで、「アイヌ民族はもういない」というのは金子市議の自説ではないと伝えたものは記憶にありません。新聞報道はどうだったのでしょうか。過去記事を各新聞サイトで調べてみました。

■朝日新聞8月29日:「アイヌ民族いない」発言、自民会派が市議に離脱勧告
~略~
 「自民党・市民会議」の村松正海会長によると、金子氏は発言が問題となった当初、会派の聴取に対して「百科事典の記事を引用した。自分の意見ではない」などと説明。このため「誤解を招く言動はしないように」と注意するだけにとどめた。
~略~
■毎日新聞8月19日:札幌市議:「アイヌもういない」 「不適切」改訂前の事典引用、反論
~略~金子市議は17日付のブログなどで事典の記述を引用し「『民族としてのアイヌはすでに滅びた』と書いてある」と~略~
■読売新聞
検索しても該当する記事は見つからない。
■産経新聞
検索しても該当する記事は見つからない。
■北海道新聞8月19日:「アイヌ民族いない」書き込み問題 金子札幌市議を処分せず 自民会派「個人的見解」
~略~
 同会派の村山秀哉幹事長によると、金子氏は百科事典の記述を引用したとした上で「民族の歴史、文化を否定するものではない」と説明したという。村山幹事長は「文献を引用しており、問題はない」とした。
 金子氏が引用したという世界大百科事典(平凡社)の2005年版は「民族としてのアイヌは既に滅びたといってよい」などの記述があるが、「差別を助長しかねない」との指摘を受け、07年版から改訂されている。
~略~

 3紙が「アイヌ民族はもういない」が事典からの引用だと書いています。TVと違って、新聞では一応、伝えられていたようです。そもそも、自説云々の前に、毎日新聞と北海道新聞以外はあまり取り上げていない様子。北海道新聞の記事量が多いのは地元のことだからでしょうが、毎日新聞の記事量が多いのは金子市議に「軽々しく『不見識』と批判する前に、よく勉強し、よく取材してください。」と批判されたから引けなくなったからでしょうか。
 結局、金子市議が非常識なトンデモ議員にされたのは、自説ではないことが明らかになっても、その引用元が改訂されていることをいいことに、金子市議の発言を全て間違いという方向で進められたからでしょう。世間的には、マスコミが初めから決めていた「差別問題」という結論になりそうです。残念ながら、「アイヌ政策の闇」を暴くことにはなりそうにもありません。だけど、今回の騒動を契機に「アイヌ政策の闇」を知った人も増えたでしょう。一気に変えることは困難でも、アイヌ利権の存在を多少なりとも広めたことに意義がありました。

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「アイヌ先住民族」その真実―疑問だらけの国会決議と歴史の捏造
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C%E5%85%88%E4%BD%8F%E6%B0%91%E6%97%8F%E3%80%8D%E3%81%9D%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F%E2%80%95%E7%96%91%E5%95%8F%E3%81%A0%E3%82%89%E3%81%91%E3%81%AE%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E6%B1%BA%E8%AD%B0%E3%81%A8%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%81%AE%E6%8D%8F%E9%80%A0-%E7%9A%84%E5%A0%B4-%E5%85%89%E6%98%AD/dp/4886563392/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1410028780&sr=1-1&keywords=%E7%9A%84%E5%A0%B4%E5%85%89%E6%98%AD
アイヌ先住民族、その不都合な真実20
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C%E5%85%88%E4%BD%8F%E6%B0%91%E6%97%8F%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%B8%8D%E9%83%BD%E5%90%88%E3%81%AA%E7%9C%9F%E5%AE%9F20-%E7%9A%84%E5%A0%B4-%E5%85%89%E6%98%AD/dp/4886563724/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1410028780&sr=1-3&keywords=%E7%9A%84%E5%A0%B4%E5%85%89%E6%98%AD
知里眞志保
http://www.weblio.jp/content/%E7%9F%A5%E9%87%8C%E7%9C%9E%E5%BF%97%E4%BF%9D
自民党議員がアイヌ利権にメスを入れる模様
http://hosyusokuhou.jp/archives/39741177.html
金子やすゆき札幌市議会議員オフィシャルホームページ
http://kaneko-yasu.seesaa.net/

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アイヌ民族はいないと発言した札幌市議1

 札幌市議会の会派である民主党・市民連合が、ツイッターに「アイヌ民族なんて、いまはもういないんですよね。」と書き込んだ金子快之札幌市議会議員に対する議員辞職勧告決議案を9月22日開会の定例市議会に提出するそうです。決議案が可決しても法的拘束力は無いため、議員辞職をする必要はありませんが、可決される公算が大きいとのこと。

 札幌市議会の構成は次の通りなっています。
●札幌市議会自民党・市民会議(24人)
●札幌市議会民主党・市民連合議員会 (23人)
●札幌市議会公明党議員会 (9人)
●日本共産党札幌市議会議員団 (5人)
●札幌市議会市民ネットワーク北海道 (3人)
●改革 (2人)
●無所属 (1人)
●札幌市議会みんなの党 (1人)
※無所属は金子快之市議
 決議案に賛成するとみられているのは、民主党・市民連合、公明党、共産党、市民ネットワーク北海道です。この4つの会派を合わせると40票になり、定数68の過半数を超えますから、可決されるのはほぼ確実です。注目は、会派離脱を勧告した自民党が賛成に回るか否かでしょう。

 金子市議は、元々みんなの党所属で、今年1月に離党した後は無所属議員になり、自民党・市民会議に席を置いていました。自民党から出馬していた訳ではないので、自民党とは繋がりが薄いのです。だから、発言を撤回しなかったのでしょう。自民党議員なら問題視された時に撤回していたはずです。何故かというと、アイヌ政策を主導したのが自民党だからです。
 アイヌで初の国会議員となった萱野茂(かやの しげる)氏は、社会党から出馬して参議院議員(1994年~1998年)になっていることから分かるとおり、昔は社会党がアイヌの人々を取り込んでいました。ところが、社会党が崩壊し、鈴木宗男氏が新党大地を立ち上げると、鈴木氏はアイヌ系の多原香里氏を候補者に立ててアイヌ票の取り込みを始めます。国会で力を失っていた鈴木氏は、アイヌ権利確立のために、自民党道連会長だった今津寛衆議院議員に話しを持ち込み、民主党の鳩山由紀夫氏も巻き込みます。2008年3月に超党派の国会議員連盟「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」(代表 今津寛)が発足し、3ヵ月後の6月、国会で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で採択されました。前年に国連総会で「先住民族の権利に関する国際連合宣言」採択されていたことも後押しになっていたと思われます。ともあれ、国会決議により、アイヌ政策の推進が加速されました。
 アイヌ政策推進の動きは道議会にも広まり、2012年12月には「先住民族であるアイヌ民族としての誇りが尊重される社会の実現を図るため、アイヌ政策の推進に寄与すること」を目的とする超党派の「アイヌ政策推進北海道議会議員連盟」(会長 神戸典臣)が設立されています。神戸典臣は自民党の道議会議員であり、自民党道連のアイヌ政策推進調査会長でもあります。
 この様な政治の動きもあって、北海道ではアイヌ政策が着々と進んでいます。例えば、開道100年を記念して開設された道立北海道開拓記念館は、アイヌ民族の視点に立った歴史を大幅に取り入れ、「北海道博物館」と改称してリニューアルオープン(2015年春予定)します。そして、ちょうど今は「イランカラプテ」と称するアイヌ文化を広めるキャンペーンが行われています。見ようによっては、アイヌ文化を利用した北海道の振興策が行われているともいえます。
 行政の様々な推進政策には当然、税金が使われ、巨額になるほど利権も拡大します。利益を得るのはアイヌの人々だけではなく、政治家、役人などにも及んでいるのです。例えば、公金で運営されているアイヌ関連団体が道庁の役人の天下り先になっていたりします。
 こんな状況で、アイヌ政策を根本から否定しかねない「アイヌ民族はいない」という発言をすると、アイヌの人々だけではなく、マスコミ、行政、政治家、役人など多くの人を敵に廻すことになります。金子市議は正義感の強い骨のある議員なのでしょう。ですが、現状のままでは厳しい状況に置かれると予想されます。

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金子・札幌市議に辞職勧告案 民主党・市民連合、可決の公算大
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/560766.html

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朝日新聞の慰安婦報道検証特集について考える【5】

◆軍慰安婦報道とマスコミの体質
 1990年代前半頃まで、強制連行があったように報道したのは朝日新聞だけではありませんでした。新聞だけではなく、TVや雑誌もそうでした。朝日新聞が他社もそうだったと言いたいのは分かります。朝日新聞ばかりが叩かれていますが、朝日新聞ほど悪質ではないにせよ他のマスコミも同様でした。
 読売新聞は、8月6日の紙面で「本紙、繰り返し誤り正す」と題し、挺身隊と慰安婦の混同があったが、社説などで挺身隊と慰安婦は異なるということ示していた、吉田証言を基に慰安婦狩りを行ったとは報じていないとしています。毎日新聞は、起きた出来事を報道しただけとしています。産経新聞は、吉田証言について、紹介した時には信ぴょう性に疑問があることを指摘し、後に虚構と報じたとしています。読売新聞は混同した記事を訂正しているのでしょうか。毎日新聞や産経新聞は、従軍慰安婦関連の報道で誤報や誤解をさせるような表現も無かったのでしょうか。朝日新聞は一応検証らしきことをし、訂正しました。他紙は自己の過去報道を検証するつもりは無いのでしょうか。TVも従軍慰安婦を広め、多くの国民に誤った認識を植えつけたことに、大きく寄与しました。新聞だけではなく、TVも自己検証すべきでしょう。

 朝日新聞が特集で読売新聞、毎日新聞、産経新聞の過去記事を取り上げ、同様の間違いを犯していたと暗に主張したことにも批判が集まりました。確かに見苦しい行為ですが、否定はしません。マスコミは自ら「マスコミの役目は権力の監視」と言っているのですから、第4の権力であるマスコミをマスコミが批判するのは本来あるべき姿だからです。慰安婦問題では、以前から産経新聞が朝日新聞を批判していましたが、新聞やTVなどの大手メディアでは特異なことでした。従来から、大手メディアでは馴れ合い体質が強く、互いの報道内容には不干渉で、名指しで批判しないのが普通でした。
 これは、日本の大手メディア報道の大きな問題点の一つです。日本の大手メディア報道が内包する問題を列挙するとこの様になるのではないでしょうか。
①1つのメディアが騒ぎ出すと、他のメディアが盲目的に追従し、同じ様な情報、論調で溢れること。
②真実を追究するするよりバッシングに走ること。
③大手メディアの馴れ合い体質。
④報道しない自由を駆使すること。
⑤説明を要求するが、自身が説明を求められても記者会見を開かず、押し黙ること。
⑥威圧的な抗議に弱いこと。

 1990年代初頭、朝日新聞が従軍慰安婦報道を始めた時、他社が安易に同じ論調で追従せずに、疑問を持ったり違う視点で報道すれば、慰安婦狩りが事実であるかのようには広まらず、政府が追い込まれて河野談話を出す事態にならなかったかもしれません。また、吉田証言の信憑性が無くなった時、朝日新聞を名指しで批判する声が大きければ、朝日新聞が長い間放置することもなく、慰安婦問題が世界に広がることも無かったかもしれません。そもそも、メディアは自ら進んで記者会見を開かねばならないという慣習があれば、もっと慎重に報道したでしょう。
 慰安婦問題を朝日新聞の誤報で終わらせず、日本のメディアのあり方自体を問わなければならないのではないでしょうか。


◆学者の見解について
 朝日新聞は8月22日に特集の英語版をホームページに掲載しました。慰安婦問題は海外に広がっているのだから、海外にも説明すべきだと指摘されたからでしょう。だけど姑息なことに、朝日新聞は、英語版を海外向けの朝日新聞サイトには載せず、国内向けの朝日新聞サイトに載せてお茶を濁しました。本音は誤報したことを海外に知られたくないのでしょう。
 この英語版は特集記事全てを英訳した訳ではなく、「米国からの視線」と「慰安婦問題特集 3氏に聞く」が抜けていました。邪推すると、秦郁彦氏の見解を知られたくなかったのでは無いでしょうか。秦氏が「前回の検証では米軍がビルマで捕虜にした朝鮮人慰安婦たちの尋問報告から、慰安婦の置かれた境遇について【一カ月三百―千五百円の稼ぎを得て(中略)『都会では買い物も許された』】と引用したくだりを今回は落としてしまった。付け加えると、彼女たちの稼ぎは兵士の数十倍という高収入で故郷へ送金していたし、廃業帰国や接客拒否の自由もあった。奴隷とは言いかねるのに、なぜか国際常識化しかけている性奴隷説に朝日は追随しようとしているかに見える。」と書いた部分を海外に知られたくなかったのでしょう。

 特集の最後は学者3人の見解でした。秦郁彦氏の見解に異論はありませんが、吉見義明氏と小熊英二氏の見解には同意しかねます。
 吉見氏は、特集からは「被害者に寄り添う姿勢がうかがえない」と主張していますが、それは報道の使命ではありません。報道機関のすべきことは、真実を広く伝え、市民の知る権利に答えることでしょう。吉見氏は、日本史研究会などの学会にも所属している歴史学者だそうですが、事実を尊重する姿勢が見られません。学者というより活動家に見えます。
 また、吉見氏は慰安婦問題で日本の責任を認めない言論が支持されるのは、根底に自国の誇りや名誉を守りたいという意識があるとみていますが、見当外れです。その様な人達は少ないでしょう。多くは、従軍慰安婦について言われていたことが嘘だと分かり、嘘を続けることに反対しているのです。吉見氏には、都合が悪い現実は見えないのでしょう。
 小熊英二氏は、軍人や役人が直接に女性を連行したか否かだけを論点しても国際的には通用せず、ガラパゴス的な弁明と断じています。はたしてそうでしょうか。キャロル・グラックコロンビア大教授やマイク・モチヅキジョージワシントン大教授の見解を読むと、慰安婦狩りが事実であると認識し、その見地に立脚して論じているように感じます。根本となった部分が崩れると、日本の世論と同じ様に考えが変わるのではないでしょうか。ガラパゴス的な弁明とすることによって、慰安婦問題の見直しを封じようとしているとしか思えません。
 また、小熊氏は慰安婦問題の解決として、各国の首脳が共同で各国の被害者に過ちを繰り返さないと誓ってはどうかと提案していますが、中韓が受け入れるはずも無いし、元慰安婦やその取り巻き連中が納得するわけもありません。そんなことで解決するなら、首相の謝罪で終わっているはずです。慰安婦問題が政治的に深刻になった根本をまるで理解していないのではないでしょうか。


◆慰安婦問題の本質
 特集は「日韓関係なぜこじれたか」で、慰安婦問題がヒートアップする過程を説明していましたが、報道は何も影響を与えなかったように書かれています。朝日新聞は8月28日の紙面でも、河野談話は吉田証言に依拠していないとし、吉田証言が広まったせいで政治が動かされたわけではないと言いたげです。紙面を使い、元慰安婦に謝罪や賠償をするように散々主張してきたのに、全く影響が無かったと言い張るなんて、開いた口が塞がりません。
 朝日新聞は、平成6年1月25日の創刊115周年記念特集で「政治動かした調査報道」という記事を掲載し、「(慰安婦問題など)戦後補償問題に、朝日新聞の通信網は精力的に取り組み、その実像を発掘してきた」「(3年に)韓国から名乗り出た元慰安婦三人が個人補償を求めて東京地裁に提訴すると、その証言を詳しく紹介した。年明けには宮沢(喜一)首相(当時)韓国を訪問して公式に謝罪し、国連人権委員会が取り上げるに至る」と書いていたそうです。自社報道が政治を動かしたと誇っていたのに、都合が悪くなると手のひら返し。これが朝日流ジャーナリズムなのでしょう。

 朝日新聞は過去「従軍慰安婦」という言葉を散々使っていたのに、今回の特集では「従軍慰安婦」を使わず、ただ「慰安婦」としています。「従軍」をあえて取ったのは、慰安婦問題の本質は「強制連行」ではなく、「自由意思を奪われた『強制性』」にあるとすり替えたからだと思います。強制連行説を維持できないために、強制性に間口を広げ、慰安婦になった過程よりも、慰安所で性行為を強要されたことを問題視するのでしょう。これからは、慰安婦は「性奴隷」だったとする路線で行くに違いません。

 特集では、慰安婦をボスニア紛争での民兵による強姦事件と同列に並べ、「戦時下での女性に対する性暴力」は女性の人権問題だと訴えています。何故、戦時下に限るのでしょうか。終戦後、満州ではソ連兵に満州開拓移民の女性が、朝鮮半島では朝鮮人に引き揚げ途中の女性が、本土ではGHQの兵士や朝鮮進駐軍と自称する朝鮮人に女性が、多数強姦されました。自国民が非常に多く被害に遭っているのに、朝日新聞をはじめとする左翼は全く目を向けようとしません。本物の強姦被害には目をつぶり、公娼であった慰安婦を被害者だと言い立てるあたりに左翼の欺瞞性がよく現れています。彼らにとっての正義は、「反日であること」であり、そのためにはでっち上げも許されると信じているのでしょう。

 慰安婦問題の本質は、女性の人権問題ではありません。慰安婦問題の本質は、「反日=正義」という歪んだ正義感、問題を作り出すことにより利益を得る人々の存在、マスコミの馴れ合い体質、政治家や役人の事なかれ主義、朝鮮の社会と民族性の問題などです。戦後の日本社会のあり方が問われる問題なのです。


・・・終わり。

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また問題のすり替えとごまかしか 朝日、再度の慰安婦特集記事
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140829/plc14082904000002-n2.htm

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池上彰氏コラム不掲載騒動

 朝日新聞が池上彰氏コラムを掲載拒否して一騒動起きていましたが、結局、朝日新聞が折れて掲載されました。吉田調書の件で朝日新聞を批判していた門田隆将氏には、「朝日新聞社の名誉と信用を著しく毀損しており、到底看過できません」という抗議書を送りつけて法的措置を講じると脅しを掛けていたのとは対照的です。池上彰氏は、有名人で影響力も強いので強硬な手段に出るのは得策ではないと判断したのでしょう。朝日新聞の体質がよく現れています。

 4日の朝刊で掲載されたコラムを引用します。
*** (池上彰の新聞ななめ読み)慰安婦報道検証 ***
 過ちがあったなら、訂正するのは当然。でも、遅きに失したのではないか。過ちがあれば、率直に認めること。でも、潔くないのではないか。過ちを訂正するなら、謝罪もするべきではないか。
 朝日新聞は、8月5日付と6日付朝刊で、「慰安婦問題を考える」と題し、自社の過去の慰安婦報道を検証しました。これを読んだ私の感想が、冒頭のものです。
~略~
 こういう記事が出たら、裏付け取材をするのが記者のイロハ。朝日の社会部記者が「吉田氏に会い、裏付けのための関係者の紹介やデータ提供を要請したが拒まれたという」と検証記事は書きます。この時点で、証言の信憑(しんぴょう)性は大きく揺らいだはずです。朝日はなぜ証言が信用できなくなったと書かなかったのか。今回の特集では、その点の検証がありません。検証記事として不十分です。
~略~
 ところが、検証記事の本文では「朝日新聞は93年以降、両者を混同しないよう努めてきた」とも書いています。ということは、93年時点で混同に気づいていたということです。その時点で、どうして訂正を出さなかったのか。それについての検証もありません。
 今回の検証特集では、他紙の報道についても触れ、吉田氏の証言は他紙も報じた、挺身隊と慰安婦の混同は他紙もしていたと書いています。問題は朝日の報道の過ちです。他社を引き合いに出すのは潔くありません。
 今回の検証は、自社の報道の過ちを認め、読者に報告しているのに、謝罪の言葉がありません。せっかく勇気を奮って訂正したのでしょうに、お詫(わ)びがなければ、試みは台無しです。
~略~
 でも、新聞記者は、事実の前で謙虚になるべきです。過ちは潔く認め、謝罪する。これは国と国との関係であっても、新聞記者のモラルとしても、同じことではないでしょうか。

■池上さんと読者の皆様へ
 今回のコラムは当初、朝日新聞社として掲載を見合わせましたが、その後の社内での検討や池上さんとのやり取りの結果、掲載することが適切だと判断しました。池上さんや読者の皆様にご迷惑をおかけしたことをおわびします。
■池上さんのコメント
 私はいま、「過ちては改むるに憚(はばか)ることなかれ」という言葉を思い出しています。今回の掲載見合わせについて、朝日新聞が判断の誤りを認め、改めて掲載したいとの申し入れを受けました。過ちを認め、謝罪する。このコラムで私が主張したことを、今回に関しては朝日新聞が実行されたと考え、掲載を認めることにしました。
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 最後に朝日新聞と池上氏のコメントが載せられていますが、これは池上氏が朝日新聞から掲載の連絡を受けた時、何も無かったように掲載することに反対し、掲載する理由を載せることを掲載条件にしたからだそうです。

 読売新聞は4日の朝刊でこの騒動を取り上げ、池上氏が同コラムでたびたび朝日新聞の記事を批判していたと書いていました。その例として郵便不正事件を上げ、「池上彰の新聞ななめ読み 奇妙な訂正記事 郵便不正事件その後」で朝日新聞の訂正記事を皮肉っていたとしていました。
 そのコラムを探してみると、誤報の被害者となった牧義夫・前衆議院議員のサイトに記事の写真がありました。
奇妙な訂正記事 郵便不正事件その後

 「1面トップで報じた記事を、忘れたころに小さく訂正する。時々、見かけますね。」、「さりげなく責任を大阪地検に押し付けているようにも読めますね。読者の理解を得られるでしょうか。」と書いてあります。

 今回のコラムは、特集を読んだ誰もが抱くようなことで、週刊誌などに比べ特段辛辣ではありません。郵便不正事件のコラムを問題無く掲載していたのに、今回は何故不掲載ということになったのでしょう。この程度の批判も受け入れる余裕は無くなったということでしょうか。
 8月上旬に特集を掲載して以来、朝日新聞は社外から猛烈な批判に晒されているばかりではなく、社内からも不満が湧き上がっているようです。内部からの突き上げもあるのでしょう。朝日新聞上層部はそういうこともあり、神経質になっているのかもしれませんが、かえって迷走を招いているように見えます。組織の崩壊過程に入っているのかもしれませんね。

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門田隆将オフィシャルブログ「夏炉冬扇の記」 「日本を貶める朝日新聞」は生き残れない
http://www.kadotaryusho.com/blog/
(池上彰の新聞ななめ読み)慰安婦報道検証
http://www.asahi.com/articles/ASG935H4GG93UPQJ008.html
結いの党・牧義夫公式サイト 牧義夫が障害者郵便制度悪用事件に関連していたとされる報道について
http://makiyoshio.jp/post.html

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八王子スーパー強盗殺人事件 カナダの中国人3

 2013年9月26日のエントリー「八王子スーパー強盗殺人事件 カナダの中国人2」で、ナンペイ事件の実行犯を知っていると思われているカナダの中国人を取り上げた。その続報になる。

 昨年11月、このカナダの中国人は日本に移送され、旅券法違反容疑で逮捕されていた。8月31日に放送された「世紀の瞬間&日本の未解決事件スペシャル」(テレビ朝日)によると、容疑者の名前は「可亮」、日本に滞在していた時は大森の鉄工所に勤務していたとのこと。この番組で、可亮容疑者は、事件とは無関係と主張し、鉄工所には可亮の他に7人ほどの中国人がいて、悪い中国人の噂も聞いたと言っていた。だが、その中国人の名前は、家族に害が及ぶかもしれないとの理由で明かさなかった。

 犯行現場には実行犯のものと思われる指紋とDNAが残されていて、可亮容疑者との照合は終えているだろうから、可亮容疑者が実行犯である可能性はほぼ無い。警察が旅券法違反という微罪で可亮容疑者をカナダからわざわざ引き渡しを受けたのは、麻薬密輸の罪で中国で死刑になった武田輝夫が「カナダにいる中国人が実行犯を知っているはずだ」と供述したからだった。武田は名古屋出身の暴力団組員で、麻薬密売組織の主犯格として死刑になっているが、日中混成強盗団の主犯格としても愛知県警から指名手配されていた人物だ。その武田が可亮容疑者を名指ししたと言うことは、可亮容疑者も日中混成強盗団の一員だったということだろう。そうでなければ、武田が可亮容疑者の名前を知っている筈は無い。
 武田の供述は信用性が低かったが、警察としては捜査が手詰まりになっている中、可亮容疑者の証言に望みを掛けたのだろう。だが、可亮容疑者が実行犯を知っているのかどうかもハッキリせず、空振りに終わったようだ。ただ、可亮容疑者が大森の鉄工所に勤務し、そこに7人ほどの中国人がいたことが分かったことは、進展なのかもしれない。何故なら、犯行現場に残された足跡からアーク溶接の時に飛散する鉄粉(スパッタ)が検出されているからだ。鉄工所で働いていれば、スパッタが靴底に付着したとしてもおかしくない。鉄工所にいた中国人の中に実行犯がいる可能性が見えてきた。
 警察はこれらの中国人の身元の洗い出しを当然しているだろう。既に身元特定を終えているかもしれない。ただ、既に国内にいない可能性が高いので、居場所を探し出すのが大変だ。事件解決にはまだまだ時間が掛かりそうだ。

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八王子・スーパー「ナンペイ」店員射殺事件
http://yabusaka.moo.jp/nanpei.htm

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