六丈記2

備忘録のようなもの

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お引っ越しのご挨拶

イザ!閉鎖の伴い、こちらに引っ越してきました。
愚にも付かないことを書き連ねていますが、宜しければお付き合い下さい。

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中国の防空識別圏について6

・・・中国の防空識別圏について5の続き
 
 
◆防空識別圏設定をした中国の意図
 防空識別圏は、設定したら発表しなければならないというものではない。ロシアも防空識別圏を設定していると思われるが、公表はしていない。中国は何らかの意図をもって公表したものと思われるが、それは中国政府の幹部にしか分からないものであるため、真相は闇の中である。しかしながら、中国側の言動などから推測は可能であろう。中国がこの様な形で防空識別圏設定をしたのか、自分なりに考えてみる。
●防空識別圏設定を発表したことについて
 今年2月の中国軍艦船による射撃管制用レーダー照射事件が発生した時に、人民解放軍の幹部が防空識別圏に言及している。4月には、中国国防省の主任が空についても連絡メカニズムを構築したいと日本の防衛省の局長に提案し、今後、詳細を検討すると言っていた。以前から防空識別圏の計画は練られていたのであろうが、人民解放軍の幹部の発言を切っ掛けとして、中国国防省が防空識別圏についての検討を本格的に始めたのではないかと思われる。
 9月には無人機を尖閣諸島付近に飛ばし始めていることから、夏頃に海と同様、空からも圧力を加えるという方針になったのであろう。順序としては、防空識別圏を主張してから偵察機を常時飛ばすというのが自然な流れなのだが、この時は防空識別圏に言及していない。防空識別圏を有効に機能させるには、監視体制を構築する必要があるが、それが整っていないので防空識別圏を持ち出さなかったのではあるまいか。とりあえず、無人機を飛ばすことで、さらなる圧力を加えながら様子を見るということが中国の狙いだったと思う。
 ところが、この無人機飛行に対して、安倍政権は領空侵犯を犯した場合には撃墜する可能性を示唆した。たぶん、中国は、日本がここまで強い態度に出るとは思っていなかったであろう。予想外の反応に、中国は準備不足のまま対抗措置として急遽、防空識別圏を発表したのだと思う。中国が防空識別圏を発表したのは安倍政権が撃墜方針を示した1ヵ月後であったし、中国の稚拙ぶりを見るとそう思える。
●東シナ海の防空識別圏設定を優先したことについて
 中国は東シナ海同様、南シナ海でも領有権問題を起こしている。中国は順次防空識別圏を設定するとしているが、東シナ海を最初にしたのは何故であろうか。一番の理由は安倍政権の対応であろうが、フィリピンが今年初めに南シナ海の領有権問題を国際司法裁判所へ提訴したことも影響しているだろう。中国国際司法裁判所に訴えられるのはこれが初めてであり、怒り心頭に発しているようだが、武力による威圧は不利に働くと考え、当面のターゲットを東シナ海に絞ったのではないか。
●防空識別圏の範囲について
 中国が発表した防空識別圏には、尖閣諸島が領土として示されているが、台湾は除かれている。中国台湾を国とは認めていないので、尖閣諸島を領土とするなら台湾も領土として示すのが当然と思うし、台湾海峡を挟んで軍事的ににらみ合っているのであるから、防空識別圏から台湾を外すのは理屈に合わない。それなのにあえてそうしないのは、むやみに対立を広げずにターゲットを日本だけに絞ったということであろう。中国は特定の国に向けたものではないと言っていたが、各個撃破を行おうとしているのは明らかである。
 中国が設定した防空識別圏は東シナ海の大部分が含まれている。到底中国には、この全ての範囲を監視する能力が無いにも拘らず、東シナ海の大部分を防空識別圏にした。監視能力が無ければ、防空識別圏を設定しても意味を成さないのにである。どうも中国は、EEZと防空識別圏をリンクさせて考えているようである。中国が主張するEEZ内に沿って防空識別圏が設定されている。
 
●防空識別圏の根底にあるものについて
 EEZは、国連海洋法条約で沿岸国の経済主権が認められた水域であるが、軍事的活動には沿岸国の主権は適用されず、各国とも相互のEEZ内で活動している。しかしながら、中国EEZを「海洋国土」と呼び、多くの海洋国家の解釈とは異なる独自の解釈をしている。中国は、EEZは沿岸国が「主権的権利」及び「管轄権」を有しており、「国際水域」ではないと認識しているのである。実際に中国は以前から、中国が主張するEEZ内での他国の軍事活動も主権に関わることであると主張し、他国に軍艦の航行などの事前承認を求めていた。これに、アメリカなどは中国の要求を一方的であるとして従わず、中国が主張するEEZ内で軍事活動を続け、対立している。
 中国の主張は海だけに留まらず、空にも及んでいる。EEZ内の上空も制約を受け、「航行及び上空飛行の自由」は、公海とは異なると以前から示していた。ただ、中国は飛行の自由自体を否定している訳ではないようで、EEZ内の飛行は、領海における「無害通航」のようなものと考えているそうである。よって、中国が防空識別圏設定で、防空識別圏を飛行する航空機に対し飛行計画提出を義務付け、飛行中においても中国の指令に従う義務を明確に打ち出したのは、EEZの解釈に原因があったようである。
 中国では、一般国民のみならず軍の将兵の多くがEEZを領海のごとく捉えているとのこと。そして、周辺諸国によって中国の主権が侵害されていると思っているそうである。EEZを勝手に解釈し、被害妄想を膨らませているのは、中国人の順法精神の欠如と貪欲及びアヘン戦争以来常に被害者だったというプロパガンダによるものであろう。中国は南シナ海や東シナ海を自国の内海のようにしようとしているが、その膨張主義の裏には中国人独特の感情に基づいているという面もあるのかもしれない。
 

◆戦後秩序を破壊する中国
 日本が尖閣諸島を国有化して以来、中国は一方的に現状を変更したと非難を繰り返している。2012年9月には、楊潔チ部長(外相)が国連総会で尖閣諸島国有化について「日本が釣魚島などを盗んだという歴史的事実を変えることはできない」「反ファシズム戦争の勝利に対する否定と挑戦だ」とまで言っていた。今回もその論法に則って、中国国防省が尖閣諸島の国有化を挙げて「一方的に現状を変更し、事態をエスカレートさせているのはいったいどちらか、国際社会はおのずと分かっているはずだ」と日本を批判していた。92年2月に領海法を制定して、尖閣諸島を自国の領土と初めて明文化した中国こそ「一方的に現状を変更」した張本人なのだが、自分を省みずに相手に責任転嫁するのが中華の文化なので、中国らしい対応ではある。
 日本、韓国、台湾の防空識別圏はアメリカからを引き継いだもので、この空域の秩序はアメリカが作り、米軍の影響下で周辺国が長年維持してきたのである。今の現状を作ったアメリカに、中国は「アメリカは特定の立場を取らず、不適切な発言をやめるべきだ」と言ってのけた。無知なのか厚顔なのかは判断しかねるが、東アジアの覇権を握る上で一番邪魔な存在であるアメリカを排除したいとの思いが透けて見える。
 西側陣営における第2次世界大戦後の戦後秩序は、アメリカが主導して築いた。東アジアでは、日本の戦後処理がサンフランシスコ講和条約でなされ、日米安全保障条約が結ばれたことで、この地域の秩序の基礎が作られたのである。そのサンフランシスコ講和条約に基づいて、尖閣諸島も日本に返還された。しかし、中国はカイロ宣言、ポツダム宣言が戦後秩序の基礎であり、サンフランシスコ講和条約も沖縄返還協定も無効であると言い始めているのである。戦後秩序を破壊しようとしているのは中国なのであるが、それを日本にすり替え、日米離反を狙っている。
 日本は中国からの侵略圧力に対抗するため、日米関係を強化し、国内体制を整えている最中である。防衛力を有効に発揮するためには、法改正を進め、軍備も充実させなければならないのも確かであるが、それよりも先に中国のプロパガンダを徹底的に潰す方が大事なように思える。
 
・・・終わり。
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防衛駐在官の見た中国 (その10)     -中国の海洋国土、公海と公空-
http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/topics-column/col-021.html
EEZ、米を驚かせた中国の二重基準
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130706/amr13070611290004-n1.htm

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南スーダン内戦で銃弾提供 集団的自衛権の行使になるのでは

韓国軍に陸自の小銃弾、国連通じ初の武器提供
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2087381.html
 政府は、治安が悪化している南スーダンで活動する韓国軍に対して自衛隊の小銃弾を提供する方針を決めました。国連を通じた武器の提供は今回が初めてです。
 政府は、南スーダンでPKO=国連の平和維持活動を行っている韓国軍からの要請を受けて、陸上自衛隊の小銃弾1万発を提供する方針を持ち回りの閣議で決めました。PKO協力法に基づき国連を通じて他国の軍に武器を提供するのは今回が初めてです。
 政府は、緊急性と人道性が高いことを理由に武器輸出三原則の例外として扱う方針で、官房長官談話を発表しました。
 小銃弾は、国連のヘリコプターで南スーダンの首都ジュバから韓国軍の宿営地まで輸送されました。
 
 このニュースで、NEWS23Xのアンカーの岸井成格氏は、武器輸出三原則に反する重大なことなので閣議ではなく国会で議論してから決めるべきだと主張していた。
 
 今、南スーダンはどのような状況なのか、ここ数日のNHKニュースを拾い上げる。
■南スーダン 米大使館員ら退避
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131219/k10013950891000.html
~略~
南スーダンの首都ジュバでは、今月15日から軍の部隊どうしの戦闘が続き、多数の死傷者が出ているもようで、外交筋によりますと、兵士らおよそ400人が死亡、およそ800人がけがをしたという未確認の情報があり、住民ら少なくとも7000人がPKOの部隊の拠点に避難するなど、緊張した状態が続いています。
こうした事態を受けて、アメリカ政府は、大使館の通常業務を停止し緊急要員以外の職員を出国させることなどを決め、18日、アメリカ軍の輸送機2機と民間チャーター機1機を利用し、大使館員やNGOの職員ら200人以上を退避させました。
~略~
■南スーダン 国連施設が襲撃される
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131220/k10013982751000.html
~略~
スーダンでは、首都ジュバで15日以降、軍の部隊どうしの戦闘が続き、南スーダン政府によりますと、少なくとも兵士ら500人以上が死亡したということです。キール大統領は、対立関係にある前の副大統領に近いグループによるクーデターの企てだという見方を示していますが、背景には異なる部族の間での対立もあるとみられています。
戦闘は、首都ジュバでは鎮静化する一方で地方に広がっていて、国連によりますと、19日、東部のジョングレイ州にある国連のPKO部隊の施設が武装したグループに襲撃され、施設に避難していた住民の中に死傷者が出ているもようだということです。
~略~
■南スーダンインド兵2人死亡
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131220/k10013998011000.html
~略~
スーダンでは、今月15日に首都ジュバで始まった軍の部隊どうしの戦闘が地方にも広がり、19日には東部ジョングレイ州のアコボにあるPKO部隊の施設が、武装したグループに襲撃されました。インド外務省などによりますと、この襲撃でPKO部隊のインド人兵士2人が死亡し、1人がけがをしたほか、施設に逃げ込んでいた住民などに死傷者が出ているもようだということです。
~略~
■南スーダン 直ちに暴力停止を 国連安保理
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131221/k10014016841000.html
~略~
スーダンでは今月15日以降、首都ジュバでキール大統領とマシャール前副大統領をそれぞれ支持する軍の部隊どうしの戦闘が続き、およそ500人が死亡しました。さらに19日には東部ジョングレイ州のアコボで、大統領の出身母体であるディンカ族の住民が国連のPKOの施設に避難していたところ、前副大統領の出身母体のヌエル族とみられる武装グループが襲撃し、PKOのインド人兵士を含め少なくとも13人が死亡しました。
こうした事態を受け、国連安保理では20日、緊急の会合が開かれ、南スーダン各地で合わせて3万5000人の住民がPKOの施設に身を寄せていて、周辺に武装グループが陣取っているところもあることなどが報告されました。安保理はこのあと声明を発表し、直ちに暴力を停止し、対話による解決を目指すよう求めました。
~略~
■南スーダン 米軍輸送機に攻撃
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131222/k10014028581000.html
~略~
こうしたなか、21日にはジョングレイ州の州都ボルに向かっていたアメリカ軍の輸送機3機が前副大統領の支持派とみられる武装集団の攻撃を受け、アメリカ軍によりますと、兵士4人がけがをしたということです。
輸送機はアメリカ空軍の垂直離着陸型の新型輸送機オスプレイで、現地に滞在しているアメリカ人を退避させるため着陸しようとしていたところ攻撃を受けたということです。
一方、現地の日本大使館によりますと、南スーダンに滞在している日本人のうち、援助関係者などは順次、民間機などで退避しているほか、PKOに参加する陸上自衛隊の隊員は宿営地から出ないようにしていて今のところ被害の情報はないということです。
■南スーダン 東部など戦闘続く
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131223/k10014049511000.html
~略~
このうち、東部ジョングレイ州の州都ボルの周辺では戦闘が激しさを増していて、国連によりますと、ボルにある国連の施設には住民およそ1万5000人が避難しているということです。
これを受けて国連は22日、声明を出し、ジョングレイ州の施設から文民の要員をジュバに避難させるなどの措置を取る一方、各地の国連の施設に避難している合わせて2万人の住民の保護に当たるため、ジョングレイ州を中心に兵力を増強する方針を示しました。
~略~
■南スーダン滞在邦人に退避勧告
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131223/k10014050441000.html
~略~
外務省は、南スーダンで、今後、社会的混乱がさらに拡大することが懸念されるとして、南スーダン全土を対象に、「退避勧告」を出しました。
そして、南スーダンに滞在する日本人にできるだけ早く国外に退避するよう呼びかけています。
また、南スーダンへの渡航はどのような目的であれ延期することも求めています。
「退避勧告」は、外務省が出している4段階の危険情報の中で危険の度合いが最も高いものです。
外務省によりますと、南スーダン国内には、PKO活動に派遣されている自衛隊員以外に、ボランティアなどで100人余りの日本人が滞在しているということです。
■銃弾提供を決定 政府「例外措置」と説明
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131223/k10014049501000.html
~略~
スーダンでは、今月15日以降、首都ジュバで、キール大統領を支持する軍の部隊と、マシャール前副大統領を支持する部隊との戦闘が続き、東部のジョングレイ州では国連の施設が襲撃され、PKO部隊のインド軍兵士など少なくとも10数人が死亡するなど、緊張が高まっています。
こうしたなか、ジョングレイ州でPKO活動に参加している韓国軍から、日本政府と国連に対し、部隊と避難民の防護に備え、弾薬が不足していることから、PKOに参加している陸上自衛隊が所有する小銃用の5.56ミリ弾を提供してほしいという要請がありました。
これを受けて23日、安倍総理大臣や小野寺防衛大臣ら、国家安全保障会議の関係閣僚が総理大臣公邸で対応を協議しました。
その結果、PKO部隊の中で同じ型の銃弾を保有しているのは陸上自衛隊だけであること、提供しなければ避難民の防護などに支障が出ることなどから、PKO協力法に基づき、自衛隊が所有する銃弾1万発を国連を通じて韓国軍に提供する方針を決め、23日午後、持ち回りの閣議で正式に決定しました。
PKO協力法に基づいて、国連に武器が提供されるのは初めてです。
政府は23日中に提供したいとしています。
政府は過去に国会で、PKO活動での物資協力に関連して、国連への武器や弾薬の提供は「含めない」という見解を示し、「国連側からそういった要請があると想定しておらず、仮にあったとしても断る」などと答弁しています。
政府は、今回の措置について「一刻を争う緊急事態であり、緊急性と人道性が極めて高いことから、提供することを判断した」と説明しており、併せて武器の輸出を原則として禁じてきた、いわゆる武器輸出三原則の例外措置として実施したなどとする、菅官房長官の談話を発表することにしています。
~略~
韓国軍は、ことし3月から特殊部隊70人を含むおよそ280人が、東部ジョングレイ州の州都ボルでPKO活動に参加していて、主に道路の補修や医療活動など市民生活の支援を行っています。
韓国国防省によりますと、南スーダンの大統領を支持する部隊と、前副大統領を支持する部隊の戦闘がボルに迫ってきているため、韓国軍の部隊は駐屯地の外での活動を控え、警備を強化しているということです。
さらに非常事態に備えるため、銃弾を補充することを決め、国連に相談したところ、陸上自衛隊が所有しているという知らせがあり、1万発の銃弾の提供を求めることにしたとしています。
南スーダンの状況について、キム・グァンジン国防相は国会で、「現時点で駐屯地周辺の状況に異常はない」としながらも、「最悪の場合には当然、部隊の撤収はありうる」と述べて、引き続き警戒を続ける考えを示しました。
~略~
 
 15日に始まった南スーダンの内戦は激化し、国連の施設までもが襲撃され、PKO部隊の兵士も多数犠牲になった。内戦は広がりをみせ、韓国軍の派遣されている地域も戦闘が激化している。韓国軍の駐屯地に1000人以上の反政府軍が接近しているとの情報もあるようだ。
 韓国軍は道路建設や医療支援などが主な任務のために重火器を保有しておらず、派遣部隊約280人の内、戦闘員は約70人しかいないらしい。大規模な戦闘に巻き込まれるとは想定していなかったようで、十分な弾薬を用意していなかったようだ。韓国は空軍の輸送機で火器や銃弾を送る検討をしているが、現地の韓国軍PKO部隊に待っている余裕は無く、国連に弾薬の提供を求めたのだ。
 事態はそれ程逼迫しているというのに、岸井成格氏は国会で議論しろと言っている。韓国軍PKO部隊が必要としている弾薬をすぐに用意できるのは自衛隊のPKO部隊しかいないのに、長々と議論していたら、韓国軍PKO部隊のみならず、避難民にも多大な犠牲が出かねない。議論が終わって弾薬を提供することになっても、その時には既に遅く、役に立たないという可能性が高い。支援するにしろ、見捨てるにしろ、即断を要することなのだ。
 岸井成格氏は即断しなければならない状況だということを理解していないのではないか。この人物のような左巻きの連中は、往々にして、問題が発生すると議論、議論と声高に叫ぶ。話し合いをすれば、それで終わりだと思っている。議論は手段であって、目的ではないのだが、思考停止してしまっているので、気が付かないのだろう。毎日新聞の主筆まで務めた人物がこの程度なのだ。というか、毎日新聞で出世するような人物だからこの程度なのだと考えるべきか。
 
 韓国は、日本政府が集団的自衛権の行使容認に転じたことを散々批判してきた。先日は、韓国国会が集団的自衛権の行使容認中止を求める決議案を採択までした。また、以前には武器輸出3原則緩和にも反対していた。
 自民党集団的自衛権の容認に転じたのは、主に日米関係を強化することが目的だが、集団的自衛権を行使できるようになるとPKO活動でも他国に対して武力的支援が可能になる。


 今回、韓国軍PKO部隊に自衛隊に弾薬を供給することになったが、それは韓国軍に対する後方支援を意味する。韓国軍の兵站の一部を自衛隊が担ったのだ。また、弾薬を提供することは武器輸出3原則に抵触することにもなった。結果的に、韓国集団的自衛権の行使容認や武器輸出3原則緩和に踏み出させることになったのだが、韓国や日本の左翼メディアの論調はどの様になるだろうか。どういう反応になるのか楽しみにしているのだが、スルーされて終わりかな。
 

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中国の防空識別圏について5

・・・中国の防空識別圏について4の続き
 
 
◆中国のレーダー監視状況について
 11月26日にB52爆撃機2機が、中国が設定した防空識別圏内を飛行した翌日、中国国防省は「中国軍は(米軍機の)全航程を監視し、直ちに識別した」と発表し、28日には「防空識別圏に進入する各国の航空機に対しては直ちに識別を行っており、関係する航空機の状況はすべて把握している」と記者会見で述べていた。
 中国のレーダー監視網がどの様になっているのか分からないし、知る由も無いが、戦略爆撃機が飛んで来ても何の対応もしていない様子をみると、中国は本当に防空識別圏内を監視出来ているのか疑問に思う。
 
△レーダー探知距離
 レーダーは発信した電波の反射波を捕らえるため、出力や感度、対象物の形状により、探知出来る距離は限られる。また、探知距離内であっても地球の丸みによって、死角が出来る。所謂、レーダー水平線である。中国の航空機に尖閣諸島で領空侵犯された時は、宮古島のレーダーの死角に入られて探知できなかった。
 
 

 

 当たり前のことであるが、レーダーの設置高さが高くなると遠くまで見通せ、対象物の高度が大きくなるほど、見通せる距離は長くなる。その関係は幾何学的に求められるが、電波は地球の表面に沿って屈折するので、レーダー水平線は幾何学的水平線より遠くになることを考慮しなければならない。それを考慮した計算式が下記の近似式である。ただ、条件により見通せる距離は変化するので、類似の計算式は幾つかあるようである。
 
D=4.12*(√ha+√ht)
D:見通し距離(km)
ha:レーダーアンテナの水面からの高さ(m)
ht:対象物の高度(m)
 
 例えば、イージス艦のレーダー水平線までの距離を求めてみる。イージス艦のレーダーパネルの搭載位置を水面上20mとするとha=20。水平線は海面の高さと同じだから、ht=0。
D=4.12*(√20+√0)
 ≒18.4
 イージス艦からレーダー水平線までの距離は18.4kmとなる。厳密にいえば、直線距離か地球の円周上の距離かで違いがあるが、その差は十分に小さいため、無視出来る。
 
△中国のレーダーサイト
 中国のレーダーサイトがどの様に配置されているか不明だが、東シナ海近くに2つのレーダーサイトらしきものがある。
●浙江省寧波市 太白山(天童太白山)
標高653.6m
北緯29.81度 東経121.78度
レーダー水平線105km
 
●浙江省温州市 北雁湯山
標高1150m
北緯28.37度 東経121.05度
レーダー水平線139km
 
 
△レーダーサイトから防空識別圏の境界までの距離
●防空識別圏境界の緯度経度
①北緯33.18度 東経121.78度
②北緯33.18度 東経125.00度
③北緯31.00度 東経128.33度
④北緯25.63度 東経125.00度
⑤北緯24.75度 東経123.00度
⑥北緯26.73度 東経120.96度
 
●レーダーサイトからの距離
A-① 197km
A-② 413km
A-③ 733km
A-④ 440km
A-⑤ 330km
A-⑥ 200km
B-① 290km
B-② 527km
B-③ 827km
B-④ 469km
B-⑤ 304km
B-⑥ 94km
●レーダーサイトの死角となる境の高度
A-① 495m
A-② 10048m
A-③ 31652m
A-④ 11405m
A-⑤ 6415m
A-⑥ 2356m
B-① 1330m
B-② 16361m
B-③ 40291m
B-④ 12958m
B-⑤ 5444m
B-⑥ 520m
 
 ジェット旅客機の巡航高度は8千~1万2千mである。軍用機の場合は任務によって大きく変わるが、同じ様なもののようである。無人偵察機のグローバルホークのように2万mを飛行する物もあるが、高高度飛行といっても普通は1万5千m位までであるらしい。
 実際のところ、中国のレーダーサイトがどれ程あるか分からないが、大陸のレーダーサイトからは防空識別圏の東端を監視するのは無理である。東経125度より東側はほとんど探知出来ていないと思われる。
 11月26日にB52爆撃機が尖閣諸島周辺の上空を飛行した後、中国国防省はB52の全航程を監視していたと言っていた。B52の実用上昇高度は5万ft(15240m)であり、アメリカは通常の訓練の一環としながらも政治的意味合いを込めたものであろうから、1万5千m程の高度を飛行していたと思われる。であるとしたら、機種の識別が出来ていたかは別にして、中国のレーダーでも探知していたのではないか。ただ、28日の「防空識別圏に進入する各国の航空機に対しては直ちに識別を行っており、関係する航空機の状況はすべて把握している」という発言には、疑義がある。中国がこの言葉の通りにこの広い空域をカバーするには、対空レーダーを搭載した艦船や警戒機を配置しなければならないが、中国はそのような体制を整えているのか。そもそも、その体制を維持する能力があるのか。たぶん、そこまでには至っていないであろう。
 
◆中国の防空識別圏に対する日本の対応
 中国が防空識別圏設定を発表してから、日本は一貫して撤回を要求してきた。それに対し、中国は撤回や範囲を変更を拒否している。中国の防空識別圏設定を非難する声は各国で上がったが、日本以外に撤回を要求した国はなかったと思う。アメリカも、中国が設定した防空識別圏を認めないとしたものの、撤回までは求めなかった。
 防空識別圏は各国が勝手に設定しているものであり、日本も設定している。日本が中国に撤回を求めるのは日本のエゴなのであろうか。
 中国は防空識別圏設定を発表した時に、設定空域を示す地図も発表している。この地図をよく見ると、尖閣諸島の周りは領空を示す線で囲われている。つまり、中国は尖閣諸島を自国の領土としているのである。下手に中国が設定した防空識別圏を認めてしまえば、尖閣諸島は中国領と認めたと中国が主張するのは分かりきっている。日本が中国に撤回を求めるのは当然であって、不当ではない。
 
 

・・・続く。
////////////////////////////
1・3 マイクロ波の伝搬
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2005/00135/contents/0002.htm
地図上で2点間の直線距離を測る
http://www.benricho.org/map_straightdistance/
2地点間の距離と方位角
http://keisan.casio.jp/has10/SpecExec.cgi?id=system/2006/1257670779

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張成沢処刑、金慶喜は存命なのか

 金正恩の後見人として北朝鮮のナンバー2と目されていた張成沢が、8日に開かれた朝鮮労働党中央委員会政治局の拡大会議で全役職を解任されて失脚したと思ったら、12日に国家安全保衛部特別軍事裁判で死刑判決を言い渡されて処刑された。失脚後に生存が確認されていたため、不意を衝かれた感じだ。張成沢を生かしておくと、張成沢派や中国を使って反撃される恐れがあるので、早々に処刑したのだろう。
 朝鮮中央通信は、張成沢が「私は、軍隊と人民に対し、現在の国の経済実態と人民生活が破局的であるにもかかわらず、現政権はいかなる対策も出せないという不満を抱かせようと試みた」と告白し、罪状を認めたと報道した。政権は、北朝鮮の現状が破局的であると認識しているようだ。人々の不満が危機的状況まで高まっているのだろう。その不満の原因は張成沢にあったのだと、責任を張成沢に被せて殺した。経済建て直しを進めていた張成沢としては、無念極まりなかったに違いない。
 
 張成沢が粛清されたことで、2年前に金正日の葬儀で霊柩車に付き添った8人の内、5人が消えた。金正日後の政権の中心となると思われていたこの8人を並べると、以下の通り。役職は当時のもの。
●金正恩・党中央軍事委員会副委員長
張成沢・国防委副委員長
●金基南・党書記
●崔泰福・党書記兼最高人民会議議長
●李英浩・党中央軍事委副委員長兼軍総参謀長
●金英春・人民武力部長
●金正覚・軍総政治局第1副局長
●禹東則・国家安全保衛部第1副部長
 2年後に残ったのは、金正恩、金基南、崔泰福の3人だけだ。金基南は83歳、崔泰福は82歳と高齢のため、この2人も遠くない将来に消えるだろう。
 
 張成沢は、1978年と2003年に失脚しながら、復活してナンバー2にまでなった。張成沢が2度も復活できたのは、妻の金慶喜が兄の金正日に働きかけたからと思われている。張成沢と金慶喜は以前から不仲だったと言われているが、仲があまり良くないにしろ、金慶喜は張成沢を自分の家族と扱っていたのだろう。そうでなければ、張成沢が復活することはなかった。
 張成沢の力の源泉は、金慶喜の夫であることにより、北朝鮮のロイヤルファミリーの一員になっているということだ。張成沢の権力は金慶喜がいなければ揺らぐ。
 金正日の妹としてロイヤルファミリー内で重きをなしてきた金慶喜だが、この夏、健康異常説が噂されていた。9月には、重度の糖尿病になり危篤状態でシンガポールの病院に入院したと伝えられている。 金慶喜は66歳だから、病死したとしても不思議ではない。もしかしたら、11月位に死亡しているのかもしれない。それで、後ろ盾を無くした張成沢が突然失脚したのかもしれない。12月17日は金正日の命日だから、追悼行事が行われる筈だ。それに現れないとなると、死亡している可能性が高いのではないだろうか。
 
 張成沢の粛清劇の大方の見方は、金正恩が主導したというものだ。金正日が代替わりの時に、先代の側近なんかを大規模に粛清しているからそれと同様に考え、金正恩の独裁体制がさらに強まると思われている。妥当な分析なのかもしれないが、別な見方は出来ないだろうか。
 金正恩は、軍の幹部を何度も入れ替えた。崔竜海総政治局長を除き、人民武力部長、総参謀長、保衛司令官など軍部の中心役職が随時と入れ替わった。例えば、人民武力部長は3回、総参謀長は2回交代している。入れ替わったのは、最高幹部クラスだけではなく、軍団長クラスも半分近く入れ替えたようだ。世代交代させ、忠誠心を上げる意図があるのだろうが、追放された者は恨み骨髄に徹すだろう。残った者も何時追放されるかも分からないので、不安に感じている筈だ。この様な状況から、軍が密かにクーデターを起こしたと考えられないだろうか。少し無理があるかもしれないが。
 反乱軍がロイヤルファミリーを拘束し、従わなければ金正男にトップを入れ替えるとでも金正恩を脅せば、金正恩は生き延びるために傀儡になるしかないだろう。
 もう少し荒唐無稽に考えるなら、黒幕は金正恩の妻の李雪主というのはどうだろう。8月に李雪主が所属していた「銀河水管弦楽団」のメンバーが多数処刑された。結婚前の李雪主のセックススキャンダルを広めたからと言われているが、神格化するために過去消したとは考えられないだろうか。自分が権力者になるために。金正恩が急死し、李雪主が息子をトップに据えて睡蓮政治を始めたら、時代劇のようでドラマチックなのだが。有り得ないだろうな。
 
 
****** 張成沢の失脚を伝える労働新聞 ******
朝鮮労働党中央委員会政治局拡大会議に関する報道>
 
朝鮮労働党中央委員会政治局拡大会議が12月8日、革命の首都・平壌で行われた。
朝鮮労働党第1秘書の敬愛する金正恩同志が政治局拡大会議を指導された。
会議には党中央委員会政治局委員、候補委員らが参加した。
党中央委員会、党委員会、武力機関の当該責任活動家らが傍聴に参加した。
今日、我が党員たちと人民軍将兵、全人民たちは、民族の大国葬の後、敬愛する金正恩同志に全ての運命を全面的に託して党中央を先頭に固く団結し、偉大な金正日同志の遺訓を貫徹するための闘争に力強く乗り出している。
ところが最近、党内にいた偶然分子、異色分子たちが、主体革命偉業の継承の重大な歴史的時期に党の唯一的領導の勢いをそぎ、分派策動で自己の勢力を拡大して党に挑戦する、危険な反党・反革命的宗派事件が発生した。
党中央委員会政治局はこれに関連して拡大会議を招集し、張成沢の反党・反革命的宗派行為と関連した問題を討議した。
政治局拡大会議では、先に張成沢が行った反党・反革命的宗派行為とその害毒性、反動性がすべて暴露された。
一つの思想、一つの領導中心に基づく統一団結を強固に保障してこそ、党が首領の党としての革命的性格を固守して、歴史的使命を遂行していくことができるということは、およそ70年にわたるわが党の歴史が示す哲理だ。
偉大な指導者・金正日同志は次のように指摘された。
「全党、全軍、全国民が金正恩同志を先頭に団結、団結、また団結して、白頭山から始まった主体の行軍の道を正しく継承していかなければなりません」
全党、全軍、全国民が敬愛する金正恩同志の領導に従い、歴史のあらゆる挑戦と革命の敵たちの悪辣な策動を断固としてたたきつぶし、強盛国家建設の最終勝利に向けて力強く前進している今日の現実は、金正恩同志を唯一中心とする党と革命隊列の一心団結を巌のように固め、全党と全社会に党の唯一的領導体制をより徹底的に確立していくことを切実に要求している。
しかし、張成沢一味は党の統一団結を蝕んで党の唯一的領導体制を打ち立てる事業を阻害する反党・反革命的宗派行為を敢行し、強盛国家建設と人民生活向上のための闘争に莫大な害毒を与える反国家的、反人民的犯罪行為を犯した。
張成沢は表では党と首領を高く捧げるふりをして、裏では同床異夢、謀議のための宗派的行為を行った。
張成沢は党と首領の高い政治的信任によって党と国家の責任的な位置に登用されたが、人間の初歩的な道徳義理と良心すら投げ捨て、偉大な首領様と偉大な将軍様を永遠に高く掲げるための事業を無視して各方面に妨害・裏切り行為を敢行した。
張成沢は自分に対する幻想を作り上げ、自分の周りの信念が足りない者たち、おべっか分子を引き寄せて党内に分派を形成するため、悪辣に策動した。
張成沢は政治的野心から、過去に厳重な過ちを犯して処罰を受けた者たちを党中央委員会部門と傘下の幹部に割り込ませて勢力を拡大し、地盤を築こうと画策した。
張成沢とその追従者らは我が党の組織的意思な党の路線と政策を心から受け入れられず、その執行を意識的に妨げ、党の方針を公然と覆し、朝鮮人民軍最高司令官の命令に従わない反革命的な行為をためらわずに敢行した。
張成沢一派は司法・検察、人民保安機関に対する党籍指導を緩めることで、制度保衛、政策保衛、人民保衛事業に厳重な害毒を与えた。
このような行為は、敵対勢力の反共和国圧殺攻勢に投降して階級闘争を放棄し、人民民主主義独裁機能を麻痺させることを狙った反革命的、反人民的的犯罪行為である。
張成沢は、党が提示した内閣中心制、内閣責任制原則に違反し、国の経済事業と人民生活向上に多大な支障を与えた。
張成沢一味は巧妙な方法で、国の経済発展と人民生活の向上に主要な役割を担当した部門を掌握し、内閣をはじめとする経済指導機関が自らの役割をできないようにした。
国家財政管理体系を混乱に陥れ、国の貴重な資源を安値で売ってしまう売国行為をすることによって、主体鉄と主体肥料、主体ビナロン工業を発展させる偉大な首領様と父なる将軍様の遺訓を貫徹できなくした。
張成沢は資本主義生活様式に浸り、不正腐敗行為を冒して堕落した生活をした。
張成沢は権力を乱用して不正腐敗行為を行い、様々な女性たちと不当な関係を持ち、高級レストランの奥の部屋で酒におぼれた。
思想的に病気にかかってからは麻薬を使い、党の配慮によって他国に病気治療に行っている期間には外貨を浪費し、賭博場にまで通っていた。
張成沢とその追従者たちが犯した犯罪行為は想像を超越し、我が党と革命に及ぼした害毒は非常に大きい。
我が党の永遠の総書記である偉大な指導者金正日同志の3年間の服喪期間中、張成沢一派が敢行した恩知らずな犯罪行為は、私たちの党員たちと人民軍将兵、人民の込み上げる憤りを示している。
政治局拡大会議では討論が行われた。
討論者たちは、一様に張成沢グループが敢行した反党反革命的宗派行為を強く批判しており、敬愛する金正恩同志の思想と領導に忠実に仕え、党中央を政治思想的に、命をかけて決死擁護していく固い決意を表明した。
会議では張成沢をすべての職務から解任し、一切の称号を剥奪し、我が党から離党、除名させることについて党中央委員会政治局の決定書が採択された。
党では張成沢氏一派の反党反革命的宗派行為を、ずっと前から知って注視しており、何度も警告して打撃も与えたが応じず、度を超したため、これ以上傍観できず、張成沢を除去してその一派を粛清することにより、党内に新たに芽生えた危険な分派的行動に決定的な打撃を与えた。
わが党はこれからも革命の原則に反し、党の領導に挑戦し、党と国家の利益、人民の利益を侵害する者は誰でも職位と功労に関係なくひとたまりも容赦しないだろう。
一握りにもならない、反党反革命の宗派の分子がいくらかみついてこようとも、敬愛する金正恩同志を団結の唯一の中心、領導の唯一の中心に掲げる全党員たちと人民軍将兵、人民の革命的信念は絶対に揺さぶることはできない。
現代版の宗派でありながら我が党の隊列に偶然に介入してきた不純分子である張成沢一派が摘発粛清されることにより、我が党と革命隊伍はより純潔になり、我々の一心団結はさらに倍加するであろう。主体革命偉業は勝利の道に従い、より活力にあふれて前進して行けるようになった。
偉大な金日成金正日主義の旗を高く掲げて、敬愛する金正恩同志を先頭に心を一つに合わせ、固く結ばれて最後の勝利に向けて力強く前進する、我が党と軍隊と人民の行く手に立ちはだかる者はこの世にない。
 
主体102(2013)年12月8日 平壌
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中国の防空識別圏について4

・・・中国の防空識別圏について3の続き
 
 
◆国際民間航空機関
 国際民間航空機関(ICAO)は、国際民間航空条約(シカゴ条約)に基づき1947年4月4日に発足した国連の専門機関。加盟国は191ヶ国(2012年末現在)。理事国は、アメリカイギリスフランスロシア中国、日本、オーストラリア韓国などの36ヶ国。
 ICAOの目的は国際民間航空の安全かつ秩序ある発展であり、この目的のために国際航空運送業務やハイジャック対策のための条約の作成、国際航空運送に関する国際標準、勧告、ガイドラインの作成などを行っている。
 目的の一つである国際航空交通の円滑で安全な流れを促進するため、ICAOは、世界の空を分割し、飛行情報区(FIR)を設定している。FIRを割り当てられた国は、その空域の航空交通業務(航空交通管制業務、飛行情報提供業務、警急業務)を担当する。つまり、その空域の管理者となり、航空機に指示や情報提供などを行って安全で効率的な運航を出来るようにし、事故時には捜索・救助作業も提供する責任を負うのである。
 航空機側には、飛行するFIRの航空交通管制機関に飛行計画(ATCフライト・プラン)を提出して承認を得ることが義務づけられている。飛行計画には、航空機の国籍記号、登録記号と無線呼び出し符号、航空機の型式、機長の氏名、計器飛行方式または有視界飛行方式の区別、出発地と出発時刻、巡航高度における真対気速度、使用する無線設備、代替飛行場、搭載燃料による飛行可能時間、搭乗する総人数、その他航空交通管制や捜索救助のために参考となる事項が含まれている。
 例えば、国際線のフライト・プランの流れは次のようになっているようである。
●離陸前、機長が出発国の管制機関に提出

●出発国の管制機関が通過国の管制機関に伝達

●通過国の管制機関が目的国の管制機関に伝達

●目的国の管制機関が出発国の管制機関に伝達

●各国の承認を確認し、出発国の管制機関が機長に承認を出す
 
 日本付近のFIRの設定状況は、以下の図のようになっている。
 
 東シナ海空域を拡大する。
 
 日本と台湾との間は、東経124度のラインで区切られているのが確認できる。東経124度上を更に拡大すると、石垣島と西表島の間に東経124度のラインが通っているのが分かる。西表島や与那国島が台北FIRに含まれているのは、実務上不都合がないのかと思うが、FIRが国境を表すものではないことの左証である。
 
 

 日本の防空識別圏と福岡FIRを重ねると下図のような感じになる。
 
 福岡FIR内に防空識別圏は概ね収まっているが、はみ出ている部分もある。特に日本海では、ロシアのシベリア沿岸近くまで張り出している。防空識別圏は国防上の理由から、FIRは民間航空機の航行のために設けられているものであるから、包括範囲が合致しなければならないというものではない。だから、中国が上海FIRを越えて防空識別圏を設定したということだけをもって、一方的に責め立てることは出来ない。
 
 
◆日中の防空識別圏における取り決めの比較
 日本の主権は、公空には及ばないので、防空識別圏を飛行しても自衛隊に飛行計画などを通報する義務は無い。だが、中国は飛行計画の提出などを義務付けている。対する日本はどうなのか、中国国防部の公告と自衛隊の訓令を比較してみる。
△飛行計画について
中国
●東シナ海防空識別区航空機識別規則公告2条1項
 飛行計画識別。東シナ海防空識別区を飛行する航空機は、中華人民共和国外交部あるいは民間航空局に飛行計画を通達しなければならない。
<自衛隊>
防衛庁訓令第36号第3条
 機長は、次の各号に該当する場合には、飛行計画を通報する際、それぞれ当該各号に掲げる事項を、適当な方法で、防空管制群又は警戒群に対して通報しなければならない。
●自衛隊統合達第6号第3条
 訓令第3条に規定する防空管制群、警戒群又は警戒隊に対する通報は、次の各号に定めるところにより行うものとする。
 
 程永華駐日大使は「この区域における民間航空機の飛行に影響を来すことはない」(11月27日)と言っていたが、中国は民間航空機を含む航空機に飛行計画提出を義務付けている。一方、日本は「飛行計画を通報する際」の方法を決めているだけである。飛行計画を提出するなら、こういう方法を取りなさいとしているだけで、飛行計画提出を義務付けている訳ではない。
 ちなみに日本の場合、通常、飛行計画は航空交通管制部に提出され、国土交通省の飛行情報管理システムが処理し、防衛省に送られている。
 
△無線について
中国
●東シナ海防空識別区航空機識別規則公告2条2項
 無線識別。東シナ海防空識別区を飛行する航空機は、双方向無線通信を維持し、東シナ海防空識別区管理機関または委任機関からの識別の問い合わせに速やかにかつ正確に必ず回答しなければならない。
<自衛隊>
●自衛隊統合達第6号第4条
 機長は、次の各号に該当する場合には、それぞれ当該各号に定めるところにより当該各号に掲げる事項を、適当な方法で、防空管制群又は警戒群に対して通報しなければならない。
2 前項の規定は、同項各号に該当する場合において、当該航空機に無線による通信の設備又は配員が欠けているか又はこれが十分でないため同項の通報をするための無線による通信をすることができないときは、適用しない。
●自衛隊統合達第6号第5条
 機長は、次の各号に該当する場合には、その旨を、遅滞なく、適当な方法で、防空管制群又は警戒群に対して通報しなければならない。
●自衛隊統合達第6号第4条
 訓令第4条及び第5条の規定に基づく通報は、防空管制群、警戒群若しくは警戒隊に直接に、又は防衛省若しくは国土交通省の航空交通管制機関を通じて実施するものとする。
●自衛隊統合達第6号第5条
 機長は、防空識別圏を飛行中に飛行計画を変更又は訂正する場合には、その旨を遅滞なく防空管制群、警戒群又は警戒隊に対して通報するものとする。
●自衛隊統合達第6号第6条
 防空識別圏を飛行する航空機は、支障のない限り、警戒群又は警戒隊の使用する周波数又は緊急周波数による通信を、常時受信できる状態にしておくものとする。
 
 日本は様々な飛行方法を想定しているためか、細かく規定を設け通報を義務付けているが、無線通信可能な状態にしておくことは義務ではなく要請である。一方、中国は無線通信可能な状態にしておくことを義務とし、返答まで義務化している。ここが日本の場合と大きく違うところである。日本は返答を義務化していない。
 例えば、軍用機が防空識別圏(公空)を飛行した場合、中国には回答せねばならず、日本には通信を交わさなくともいいということになるだろうか。
 
△識別装置について
 レーダーサイトから電波を発射し、航空機に当たって戻ってきた電波を捉えるのが一次レーダー。レーダーサイトからの信号を受けた航空機が発した信号を捉えるのが二次レーダー。航空機に搭載され、二次レーダーのために自動的に応答信号を発信する装置がトランスポンダ。トランスポンダの一種で敵味方識別を行う装置がIFFとSIF。航空機には通常トランスポンダが搭載されていて、識別情報などを送信している。
中国
●東シナ海防空識別区航空機識別規則公告2条3項
 トランスポンダ識別。東シナ海防空識別区を飛行する航空機は、搭載している二次レーダートランスポンダを全行程で作動させること。
<自衛隊>
●自衛隊統合達第6号第6条2項
 IFF又はSIFを装備した航空機は、別に示す手順により識別のため必要な表示を行うものとする。
 
 中国は航空機全般について規定しているが、日本は軍用機(自衛隊機や米軍機)に対するものであろうか。
 
△識別標識について
中国
●東シナ海防空識別区航空機識別規則公告2条4項
 標識識別。東シナ海防空識別区を飛行する航空機は、関連する国際条約の規定に必ず従わなければならず、国籍標示と登録識別標識を明確に表示すること。
<自衛隊>
●自衛隊統合達第6号第6条3項
 防空識別圏を飛行する航空機は、固有識別表を携行するものとする。ただし、特に命ぜられた場合を除き、局地飛行又は航空路若しくは日本本土及びその沿岸のみを飛行する場合には、携行しないことができる。
 
 中国のいう関連する国際条約の規定とは、国際民間航空条約第20条「国際航空に従事するすべての航空機は、その適正な国籍及び登録の記号を掲げなければならない。」のことであろうか。
 この項目については、日中とも同様か。
 
△不服従の場合について
中国
●東シナ海防空識別区航空機識別規則公告3条
 東シナ海防空識別区を飛行する航空機は、東シナ海防空識別区管理機関または委任機関の指令に従わなければならない。識別に非協力あるいは指令を拒否する航空機に対し、中国の軍隊をもって防御的な緊急措置を講じる。
<自衛隊>
●自衛隊統合達第6号第7条
 要撃機に捕捉された航空機は、回避行動(急激な進路又は高度の変更等をいう。)を行うことなく、要撃機に指示された場合を除き、飛行計画どおりの飛行を継続するものとする。
 
 中国は指令に従う義務を明確にし、従わない場合は中国軍機が緊急措置を取るとしている。中国外務省の秦剛報道局長は「脅威の程度を見極め、相応の対応を取る」と言っていたが、緊急措置が具体的にどういうことをするのかは不明である。
 例えば、福岡FIR内にある中国の防空識別圏を飛行する民間航空機に中国が指示を出した場合はどうなるであろうか。上海FIR内であれば中国側の管制指示に従うのは当然であるが、福岡FIRを飛行中は日本側の管制指示に従わなければならない。国際条約上、民間航空機は福岡FIRの管制指示に従うだろうが、それでは中国側の指示を無視することになる。中国は、指令を拒否する航空機に対して緊急措置を講じるとしているのだから、何らかのアクションを民間航空機に対して起こすのだろう。それが、領空に接近しないように警告するだけ又は監視するだけなら許容範囲であろうが、指令に従う義務を謳っていながら指令を拒否する行為を許容するのだろうか。
 日本の方は指令に従うことを義務化しているとはいえない。従わない場合も、それによって何らかの措置をするともしていない。そもそも、日本は防空識別圏を法律ではなく訓令と通達で定めている。訓令とは、辞書を引くとこうなっている。
******************
訓令
上級行政機関が下級行政機関に対してなす命令または示達をいう。訓令が文書によりなされた場合を通達という。国の場合,大臣,委員会,庁の長官が訓令を発することができることは明文で規定されているが(国家行政組織法14条2項),明文規定がなくても,それ以外の上級行政機関も訓令を発することができる。訓令は行政機関相互の行政監督権行使の一形態であり,もっぱら行政機関を拘束するものであって国民を拘束しない。このため訓令は必ずしもその全部が公表されているわけではない。
******************
 だから、この訓令は自衛隊員を縛るものであって、自衛隊以外の者に強制力を持たないのである。
 
 防空識別圏は公空若しくは他国の領空に設定されるものであるから、国内法でもって強制力を持たせることは出来ない。だが、中国は国内法でもって公空にも強制力をおよぼそうとしているように思える。中国はICAOの理事国でありながら、防空識別圏とFIRを混同してるいるようにもみえる。
 スクランブルは日本の場合、国籍不明機が領空侵犯する恐れがある時に目視確認や警告を発するために行われる。無線機で領空接近を通告しても、退去の意思がみられない場合に行われる訳であるから、防空識別圏侵入即スクランブルではない。たぶん、通告は福岡FIR内に入ってから行っているのだろう。日本の防空識別圏にも福岡FIRからはみ出している部分もあるが、その部分はレーダーで監視するだけで、スクランブル対応はしていないと思う。中国も同様であることが望ましいが、中国は国際情報を勘案しながら対応を変化させるつもりなのだろう。
 中国の防空識別圏の取り決めが、国際法上妥当なものとは思えないが、アメリカロシア韓国台湾などがどの様な措置を取っているのか、比較する必要はあるであろう。
 
◆日本の防空識別圏の歴史
 羽田空港の西側の1都8県にまたがる広大な空域は、日本の航空機が自由に飛行することが出来ない。この空域は「横田ラプコン(RAPCON、Radar Approach Controlの略)」と呼ばれ、アメリカ空軍の管制下にあり、米軍の許可無く飛行出来ないため、実質的に民間航空機は飛行出来ないのである。日本の領空内にあるにも拘わらず、米軍が航空管制権を握っている空域があるのは、日米安全保障条約によるものだが、遡ればGHQの占領に由来する。
 

 

 敗戦によりGHQに占領された日本は、陸・海軍の解体で軍用機は無くなり、民間航空も全面禁止になった。航空管制権は米軍が掌握し、日本の空は米空軍が管理したのである。
 1950年にアメリカが世界で初めて防空識別圏を設定するが、GHQの占領下(実質的に米軍の占領下)にあった日本にもこの時に防空識別圏を設定したようである。地図には、「ADIZ」の文字と共に「FIR]の文字もあるので、防空識別圏より先に飛行情報区が設定されていた模様である。
 
 福岡FIRには、北方四島や竹島が入っていない。その原因は、飛行情報区設定時に日本が占領下にあったため、その時の状況が反映されているからであろう。飛行情報区はマッカーサー・ラインを参照して区域分けしたのではないか。
 
 1952年に、日本は独立を回復するが、ソ連機による領空侵犯が多発していた。この様な状況に同年11月、在日米軍は日本の領空でソ連機と交戦する承認を本国から得る。旧安保条約では、アメリカが日本を防衛する義務はなかったため、岡崎勝男外務大臣は1953年1月にロバート・マーフィー駐日大使に対して「領空侵犯が発生した場合には米関係当局においてこれを排除するための有効適切な措置をとらんことを要請いたします」と要請し、アメリカが了承(岡崎・マーフィー往復書簡)。米軍による領空侵犯措置任務が開始された。この1ヵ月後の2月16日、ソ連戦闘機2機が領空侵犯。米軍機が警告後、発砲し、ソ連戦闘機1機を撃墜し、もう1機を退去させるたということが発生している。独立後も日本の空は米軍管理下にあったのである。
 1954年に自衛隊が発足し、航空自衛隊も誕生。自衛隊法84条により、領空侵犯措置は航空自衛隊の任務となるが、航空管制権は米空軍が握ったままであった。航空管制権が全面的に移管されたのは1959年のことである。
 1969年、在日米空軍の防空識別圏を沖縄を除いて自衛隊が引き継ぐ。沖縄周辺の防空識別圏も1972年の沖縄返還と共に引き継ぎ、自衛隊が編入した。自衛隊は在日米空軍の防空識別圏をそのまま引き継いだため、与那国島の上空に防空識別圏の境があったが、2010年に与那国島の西側に範囲を広げている。
 
 防空識別圏は自国の防衛のために各国が勝手に設定しているものであるから、重なり合うこともある。しかし、日本、韓国台湾は隣接しながらも綺麗に分かれていた。しかも、与那国島の上空に日本と台湾の防空識別圏の境界があった。この原因は、やはり米軍にあるのだろう。
 日本と韓国には米軍が駐留しているが、台湾にも米中国交回復まで米軍が駐留していた。アメリカが防空識別圏を設定した時には、3国とも米軍の強い影響下にあったのである。日本と同様、韓国台湾も、航空管制権は米空軍が握っていたと思われ、防空識別圏の区分けは米空軍がし、後に日本と同じく米空軍から防空識別圏をそのまま引き継いだのであろう。
 
1945年:日本が占領下に置かれる。
1946年:マッカーサー・ラインが引かれる。
1947年:ICAO発足。
1950年:朝鮮戦争勃発。アメリカが防空識別圏を設定。
1951年:戦後初の国内民間航空定期便が就航。
1952年:サンフランシスコ講和条約、日米安全保障条約発効し、日本が独立を回復。日米民間航空運送協定調印。
1953年:日本の航空会社による国際線定期路線が就航。
1954年:自衛隊発足。
1956年:運輸省航空局が羽田・伊丹など4空港の航空管制権を米空軍から引き継ぐ。
1959年:日本上空の航空管制を米国から全面的に移管される。
1969年:日本が防空識別圏をアメリカから引継ぎ、設定。
1972年:米軍が平時指揮権韓国軍に移譲。沖縄返還。
1979年:在台湾米軍撤退。
2010年:与那国島付近の防空識別圏を拡大。
 
 中国国防省は「日本は今から44年前の1969年に防空識別圏を設定した。日本側が中国の防空識別圏の設定にとやかく言う権利はない。もし撤回しろと言うのなら、日本側がまず撤回すべきだ。そうすれば、中国も44年後に撤回を検討する。」と強弁していた。確かに、日本は1969年に防空識別圏を設定してはいるが、それは米軍から引き継いだものである。それに、東シナ海に日本が防空識別圏を設定したのは1972年のことである。中国は、極東の空の秩序が作られた経緯を理解していないのではないか。
 
・・・続く。
////////////////////////////
国際民間航空機関(ICAO)の概要
http://www.mlit.go.jp/common/000138355.pdf
飛行情報区
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9B%E8%A1%8C%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%8C%BA
航空交通業務 air traffic service
http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p324.html
航空管制業務について
http://www.mlit.go.jp/common/000164767.pdf
http://www.youtube.com/watch?v=Wc5hOvd-28g
国際民間航空条約
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S38-T2-1149_1.pdf
絹笠泰男の防衛・軍事法学論集 領空侵犯措置法講義 第1編 国際法の側面
http://gunjihougaku.la.coocan.jp/ryiusin7.html
訓令
http://kotobank.jp/word/%E8%A8%93%E4%BB%A4
 

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中国の防空識別圏について3

・・・中国の防空識別圏について2の続き
 
 
中国が防空識別圏設定時に発表した声明及び公告
 中国が公表した防空識別圏に関する声明及び公告の和訳の文章が見当たらないので、中華人民共和国国防部に掲載されている原文を訳す。誤訳があるかもしれないので、原文を参照することを勧める。
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中華人民共和国政府の東シナ海防空識別区設定に関する声明
 
国防部11月23日発表:中華人民共和国政府は、1997年3月14日<中華人民共和国国防法>、1995年10月30日<中華人民共和国民間航空法>、2001年7月27日<中華人民共和国飛行基本規則>を根拠として、東シナ海防空識別区の設定を宣言する。具体的範囲は、以下の6点を結んだ線と当国領海線の間にある空域の範囲である。北緯33度11分東経121度47分、北緯33度11分東経125度00分、北緯31度00分東経128度20分、北緯25度38分、東経125度00分、北緯24度45分東経123度00分、北緯26度44分東経120度58分。

************************
中華人民共和国東シナ海防空識別区航空機識別規則公告
 
国防部11月23日発表:中華人民共和国国防部は中国政府の東シナ海防空識別区設定に関する声明に従って、現在の東シナ海防空識別区域における航空機識別規則を以下のように発表する。
 
一、中華人民共和国東シナ海防空識別区(以下、略称は東シナ海防空識別区)を飛行する航空機は、本規則を必ず遵守しなければならない。
二、東シナ海防空識別区飛行する航空機は、以下の識別手段を必ず提供しなければならない。
(一)飛行計画識別。東シナ海防空識別区を飛行する航空機は、中華人民共和国外交部あるいは民間航空局に飛行計画を通達しなければならない。
(二)無線識別。東シナ海防空識別区を飛行する航空機は、双方向無線通信を維持し、東シナ海防空識別区管理機関または委任機関からの識別の問い合わせに速やかにかつ正確に必ず回答しなければならない。
(三)トランスポンダ識別。東シナ海防空識別区を飛行する航空機は、搭載している二次レーダートランスポンダを全行程で作動させること。
(四)標識識別。東シナ海防空識別区を飛行する航空機は、関連する国際条約の規定に必ず従わなければならず、国籍標示と登録識別標識を明確に表示すること。
三、東シナ海防空識別区を飛行する航空機は、東シナ海防空識別区管理機関または委任機関の指令に従わなければならない。識別に非協力あるいは指令を拒否する航空機に対し、中国の軍隊をもって防御的な緊急措置を講じる。
四、東シナ海防空識別区管理機関は中華人民共和国国防部である。
五、本規則は中華人民共和国国防部が説明の責任を負う。
六、本規則は2013年11月23日10時から施行する。
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◆自衛隊の防空識別圏に関する訓令等
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防衛庁訓令第36号
防空識別圏における飛行要領に関する訓令を次のように定める。
 
昭和44 年8月29 日
防衛庁長官有田喜一
 
防空識別圏における飛行要領に関する訓令
(目的)
第1条 この訓令は、防空識別圏における自衛隊の使用する航空機の飛行要領を定めることにより、わが国の周辺を飛行する航空機の識別を容易にし、もつて自衛隊法(昭和29 年法律第165 号)第84 条に規定する領空侵犯に対する措置の有効な実施に資することを目的とする。
(防空識別圏の範囲)
第2条 防空識別圏は、次項の外側線によつて囲まれる空域から第3項の内側線(第4項の規定により変更されたときは、変更後の内側線)によつて囲まれる空域を除いた空域とする。
2 外側線は、次の(1)から(30)までの地点を順次直線((10)の地点と(11)の地点との間については、与那国島に係る領海の基線(領海及び接続水域に関する法律(昭和52 年法律第30 号)第2条第1項に規定する基線をいう。)からその外側14 海里の線(ただし、(10)の地点と(11)の地点とを直線によつて結んだ線の西側の線に限る。)並びに(24)の地点と(25)の地点との間及び(26)の地点と(27)の地点との間については、北海道本島の海岸線から海上3海里の線)によつて結ぶ線とする。
(1) 北緯45 度45 分7秒東経138 度44 分47 秒
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 省 略
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(30) 北緯45 度45 分7秒東経138 度44 分47 秒
3 内側線は、次の(1)から(19)までの地点を順次直線((10)の地点と(11)の地点との間については、北緯26 度22 分14 秒東経127 度47 分
53 秒の地点を中心として、北緯25 度4分15 秒東経126 度36 分53秒の点を通る半径100 海里の円弧)によつて結ぶ線とする。
(1) 北緯44 度8秒東経140 度59 分46 秒
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 省 略
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(21) 北緯44 度8秒東経140 度59 分46 秒
4 統合幕僚長は、事態が緊迫し、必要があると認める場合には、防衛大臣の承認を得て、臨時に前項の内側線を変更して防空識別圏を拡大することができる。
(飛行計画の通報の際の通報)
第3条 機長は、次の各号に該当する場合には、飛行計画を通報する際、それぞれ当該各号に掲げる事項を、適当な方法で、防空管制群又は警戒群に対して通報しなければならない。
(1) 有視界飛行方式により防空識別圏を飛行する場合その旨
(2) 防空識別圏に外側線側から進入する場合防空識別圏への予定進入地点及び予定進入時刻又は離陸後進入までの所要時間
(3) 次条第1項各号に該当する場合において、当該航空機に無線による通信の設備又は配員が欠けているか又はこれが十分でないため同
項の通報をするための無線による通信をすることができないとき
その旨
(飛行中の通報)
第4条 機長は、次の各号に該当する場合には、それぞれ当該各号に定めるところにより当該各号に掲げる事項を、適当な方法で、防空管制群又は警戒群に対して通報しなければならない。
(1) 防空識別圏を飛行する場合(計器飛行方式により管制空域を特定経路の指定を受けて飛行する場合を除く。)防空識別圏の飛行の開始後30 分以内及びその後少なくとも30 分ごとに、現在の位置及び30 分後の予定位置
(2) 航空路を飛行して防空識別圏に外側線側から進入しようとする場合防空識別圏に進入する直前の位置通報点において、防空識別圏への予定進入時刻
(3) 航空路外を飛行して防空識別圏に外側線から進入しようとする場合防空識別圏に進入しようとする30 分前から15 分前までの間にお
いて、防空識別圏への予定進入時刻、予定進入地点及び予定進入高度
(4) 防空識別圏に外側線側から進入した後航空路外を日本本土へ向けて飛行する場合日本本土の海岸線から海上100 海里の地点において、その位置
2 前項の規定は、同項各号に該当する場合において、当該航空機に無線による通信の設備又は配員が欠けているか又はこれが十分でないため同項の通報をするための無線による通信をすることができないときは、適用しない。
(通報の訂正)
第5条 機長は、次の各号に該当する場合には、その旨を、遅滞なく、適当な方法で、防空管制群又は警戒群に対して通報しなければならない。
(1) 前条第1項第2号又は第3号の規定により通報した予定進入時刻と前後5分以上異なつた時刻において防空識別圏に進入することが
明らかとなつた場合
(2) 前条第1項第3号の規定により通報した予定進入地点から20 海里以上離れた地点において防空識別圏に進入することが明らかとな
つた場合
(特別の飛行の場合の特例)
第6条 前2条の規定は、特別の任務又は教育訓練のため一定の期間、防空識別圏の一定の空域を飛行する場合において、航空機の使用及び搭乗に関する訓令(昭和36 年防衛庁訓令第2号)第2条第6号に規定する航空機使用者が航空総隊司令官又はその指定する者と必要な協
議を行つたときは、適用しない。この場合において、機長は、当該協議に基づいて行う航空機使用者の指示に従わなければならない。
 
附則
この訓令は、昭和44 年9月1日から施行する。
附則(昭和47 年5月10 日庁訓第11 号)
この訓令は、昭和47 年5月15 日から施行する。
附則(昭和48 年6月30 日庁訓第32 号)
この訓令は、昭和48 年7月1日から施行する。
附則(平成14 年3月20 日庁訓第6号)
この訓令は、平成14 年4月1日から施行する。
附則(平成18 年3月27 日庁訓第12 号)
この訓令は、平成18 年3月27 日から施行する。
附則(平成19 年1月5日庁訓第1号)
この訓令は、平成19 年1月9日から施行する。
附則(平成22 年6月16 日省訓第23 号)
この訓令は、平成22 年6月25 日から施行する。
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自衛隊統合達第6号
防空識別圏における飛行要領に関する訓令(昭和44年防衛庁訓令第36号)の規定に基づき、防空識別圏における飛行要領に関する達を次のように定める。
 
平成18年3月27日
統合幕僚長陸将先崎一
 
防空識別圏における飛行要領に関する達
 改正平成18年6月2日自衛隊統合達第27号
 平成19年1月5日自衛隊統合達第1号
(趣旨)
第1条 この達は、航空自衛隊の部隊及び機関が行う防空識別圏における飛行の実施の細部に関して必要な事項を定めるものとする。
(内側線の変更)
第2条 統合幕僚長は、防空識別圏における飛行要領に関する訓令(昭和44年防衛庁訓令第36号。以下「訓令」という。)第2条第4項の規定により内側線の変更に関して防衛大臣の承認を得た場合には、直ちに関係部隊及び機関の長に通知する。
2 航空総隊司令官は、事態が緊迫し、必要があると認める場合には、内側線の変更に関し統合幕僚長(運用第1課長気付)に上申することができる。
(飛行計画の通報)
第3条 訓令第3条に規定する防空管制群、警戒群又は警戒隊に対する通報は、次の各号に定めるところにより行うものとする。
(1)機長は、同条各号に掲げる事項を記載した飛行計画書を飛行場勤務隊等
に提出する。
(2)前号の飛行計画書を受理した飛行場勤務隊等は、航空支援集団司令官の
定める通報要領により飛行管理隊等(千歳管制隊、春日管制隊及び那覇管
制隊を含む。以下同じ。)に通報する。
(3)前号により通報を受けた飛行管理隊等は、防空管制群、警戒群又は警戒隊に通報する。
(4)前3号にかかわらず局地飛行の場合にあっては、飛行場勤務を担当する部隊の長と航空方面隊司令官又はその指定する者が協議して定めるところによる。
2 訓令第3条各号に掲げる事項の飛行計画書への記入要領は、別に示す。
この記入要領は、局地飛行計画書を記入する場合に準用する。
(位置通報等)
第4条 訓令第4条及び第5条の規定に基づく通報は、防空管制群、警戒群若しくは警戒隊に直接に、又は防衛省若しくは国土交通省の航空交通管制機関を通じて実施するものとする。
2 航空自衛隊の航空交通管制機関は、前項の通報を受けた場合には、防空管制群、警戒群若しくは警戒隊に直接に、又は飛行管理隊を通じて当該通報を通報するものとする。
(飛行中の飛行計画の変更等の通報)
第5条機長は、防空識別圏を飛行中に飛行計画を変更又は訂正する場合には、その旨を遅滞なく防空管制群、警戒群又は警戒隊に対して通報するものとする。
2 前条の規定は、前項に基づき通報する場合に準用する。
(無線の聴取等)
第6条 防空識別圏を飛行する航空機は、支障のない限り、警戒群又は警戒隊の使用する周波数又は緊急周波数による通信を、常時受信できる状態にしておくものとする。
2 IFF又はSIFを装備した航空機は、別に示す手順により識別のため必要な表示を行うものとする。
3 防空識別圏を飛行する航空機は、固有識別表を携行するものとする。ただし、特に命ぜられた場合を除き、局地飛行又は航空路若しくは日本本土及びその沿岸のみを飛行する場合には、携行しないことができる。
(要撃機に捕捉された場合の処置)
第7条 要撃機に捕捉された航空機は、回避行動(急激な進路又は高度の変更等をいう。)を行うことなく、要撃機に指示された場合を除き、飛行計画どおりの飛行を継続するものとする。
 
附則
この達は、平成18年3月27日から施行する。
附則(平成18年6月2日自衛隊統合達第27号)
この達は、平成18年6月2日から施行する。
附則(平成19年1月5日自衛隊統合達第1号)
この達は、平成19年1月9日から施行する。
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・・・続く。
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中華人民共和国政府の東シナ海防空識別区設定に関する声明
http://news.mod.gov.cn/headlines/2013-11/23/content_4476112.htm
中華人民共和国東シナ海防空識別区航空機識別規則公告
Announcement of the Aircraft Identification Rules for the East China Sea Air Defense Identification Zone of the P.R.C.
http://eng.mod.gov.cn/Press/2013-11/23/content_4476143.htm
http://news.mod.gov.cn/headlines/2013-11/23/content_4476113.htm
防衛省 訓令等の検索
http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_web/

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中国の防空識別圏について2

・・・中国の防空識別圏について1の続き
 
 
中国防空識別圏に関する時系列
2月18日
中国軍艦船による射撃管制用レーダー照射に関し、人民日報が、防空識別圏設定や警告射撃について「日本人の特権ではない」「我々も防空識別圏を設定し警告射撃をすることができる」との中国人民解放軍の最高学術団体・軍事科学院の副理事長を務める羅援少将の主張を掲載。
4月26日
●海上連絡メカニズム構築に向けた対話再開の協議のために訪中していた防衛省の徳地秀士防衛政策局長に対し、中国国防省外事弁公室の主任が「メカニズムを空にも拡大したい」と提案し、内容に関しては「今後中国側でも詳細を検討する」と述べた。
9月9日
中国軍の無人機が日本の防空識別圏に入り、沖縄県・尖閣諸島付近を飛行。
10月20日
●日本政府が、領空侵犯した無人機が退去要請などの警告に従わない場合には有人機と同様に撃墜を含めた強制措置を取る方針を固める。
11月10日
●共同通信が、空軍指揮学院(北京)の幹部が識別圏を「早急に」設けるよう提言したとの中国軍の文書を入手し、中国人民解放軍が領空の外側に防空識別圏の設定を検討していると報道。
11月23日
中国政府が防空識別圏を設定したと発表。同日午前10時(日本時間同11時)から施行した。
●昼から夕方にかけて、中国軍の情報収集機2機が日本の防空識別圏に侵入したため、空自機がスクランブル対応したと自衛隊が発表。
台湾国防部が、防空識別圏に尖閣諸島が含まれたことについて、「遺憾」の意を表明。
外務省の伊原純一アジア大洋州局長が韓志強駐日公使に電話で抗議。
●全日本空輸が中国当局に飛行計画を提出。
11月24日
アメリカ国家安全保障会議NSC)が「強い懸念」を声明発表。ケリー国務長官、ヘーゲル国防長官も中国批判の声明を出した。
韓国国防省が韓国の識別圏と重なっているとして遺憾の意を表明。
●岸田文雄外相が「公海上における飛行の自由の原則を不当に侵害する」などと指摘し、「強い懸念」の声明を出した。
●日本航空が中国当局に飛行計画を提出。
11月25日
外務省の斎木昭隆事務次官がに防空識別圏の撤回要求。
中国国防省の楊宇軍報道官が、日本政府の抗議について「中国の防空識別圏設定にあれこれ言う権利は日本側にない」「何らの道理もなく、まったく受け入れることはできない」とコメントし、空自機が中国軍機に対して監視行動を取っていることを「航行の自由を妨げ事故を招きかねない」と非難。更に「米国がこの問題で不当な言動を控え、日本の冒険的性質を助長する誤ったシグナルを送らないよう望む」と語った。
中国軍機関紙の解放軍報が、日米両国の批判に対し、「日本が1969年に防空識別圏を設定した行為こそが非常に危険で一方的な行為だ」と反論、「大国の顔色をうかがう必要はない」と強調し、「国家主権を守ろうとする中国軍の決意を見くびってはいけない」と警告する社論を掲載。
中国共産党機関紙の人民日報系の環球時報が、もし日本の戦闘機が中国の防空識別圏内で中国機の飛行を妨害するなら、中国の戦闘機も断固として日本の戦闘機の飛行を阻むべきだと主張。
中央テレビの番組で、中国海軍の諮問委員会で主任を務める尹卓少将が、「(政府は)今後、黄海、南シナ海のような関連海域の上空にも防空識別圏を設定するだろう」と述べ、東シナ海上空に設定したのは将来の別海域での設定を見据えた措置だと指摘。
中国外務省の秦剛報道局長が、「他の防空識別圏についても適宜発表していく」と述べ、南シナ海などでも設定作業を進めていることを示唆し、中国外務省幹部が木寺昌人駐中国大使に「理不尽に騒ぎ立てていることに対する強い不満と厳重な抗議を申し入れた」と述べた。
韓国国防省の報道官が、「中国が一方的に設定した」と指摘し、韓国の航空機が離於島上空を通過する際は中国に通報しない方針を明らかにした。
韓国外務省がソウルの中国大使館の担当者を呼び、一方的な識別圏設定について遺憾の意を伝えた。
11月26日
●程永華駐日大使が、広島大で中国人留学生を対象に講演し、「一部の人は地域の秩序を乱すと言うが、1950年代から導入している国もある」「話し合いを通じ、釣魚島(尖閣諸島の中国名)の問題などで解決の出口を探す努力をするべきだ」「日本の防空識別圏は中国大陸の玄関口まで来ている。中国もそれ相応の措置を取らざるを得ない」と述べた。
●菅義偉官房長官が記者会見で、中国が尖閣諸島上空に防空識別圏を設定し、「国際法にかなうもので正当だ」と主張していることについて、「全く、その言葉をそのまま(中国に)返したい。中国の措置は国際法上の一般原則である公海上空における飛行の自由を不当に侵害するものだ」と反論。
●米国防総省のウォレン報道部長が、「われわれは識別圏を飛行する際、(中国に)飛行計画を提出せず、無線周波数などを認識させることもしない。米軍機は(中国が求める)措置を一切取ることなく飛行できる」と強調。
●米軍のB52爆撃機2機が、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏内を事前通報なしに飛行。
韓国海軍の哨戒機1機が、中国が設定した防空識別圏内の暗礁・離於島の上空を、中国に通報せず飛行。
11月27日
●日本航空、全日本空輸など国内航空各社が、中国当局への飛行計画提出を取りやめた。
●米国防総省が、爆弾などを搭載しないB52が護衛機も伴わないで尖閣諸島の上空周辺を飛行し、中国側のスクランブルも無かったと公表。
中国国防省は、B52戦略爆撃機2機が中国の設定した防空識別圏内を飛行したことについて、中国時間の26日午前11時から午後1時22分の間に識別圏の東端で南北方向に往復した米軍機を識別し、航空機の種類も特定したとして、「中国軍は(米軍機の)全航程を監視し、直ちに識別した」との談話を発表。また、今後識別圏内を飛行する全ての航空機を監視する方針を表明。
●程永華駐日大使が、岡山市内での講演で、防空識別圏について「特定の国や目的のために設定したわけではなく、この区域における民間航空機の飛行に影響を来すことはない」との考えを示した。
中国国務院台湾事務弁公室の范麗青報道官が、尖閣諸島を含む東シナ海上空で防空識別圏を設定したことに関し「(中台)両岸の同胞は家族であり、中華民族の利益を守ることは両岸の共同責任だ」と述べ、台湾側に結束を呼び掛けた。
中国外務省の秦剛報道局長が、「(設定を)発表する前に関連の問題について関係国に通知した」と事前通知した国名を明らかにせずに述べ、一方的な行動ではないと主張。更に、日米韓などの航空機が識別圏内を飛行すれば「脅威の程度を見極め、相応の対応を取る」と強調。
●沖縄本島東方沖の太平洋上で行われている日米合同演習(米原子力空母の発着艦訓練)を報道関係者に公開。
中国唐家セン元国務委員が山崎拓自民党元副総裁らと会談し、軍用機同士の不測事態を回避するため、日中間の危機管理メカニズム構築に向けた協議を呼び掛けた。
11月28日
中国国防省の楊宇軍報道官は、記者会見で次の事を述べた。
日本政府が措置の撤回を求めていることについて、「防空識別圏の問題で我々の立場はすでに何度も日本側に伝えた」と述べ中国政府として防空識別圏の設定を撤回したり、範囲を変更したりする考えがないことを強調。更に、「日本は今から44年前の1969年に防空識別圏を設定した。日本側が中国の防空識別圏の設定にとやかく言う権利はない」「もし撤回しろと言うのなら、日本側がまず撤回すべきだ。そうすれば、中国も44年後に撤回を検討する」と主張。
東シナ海の現状を一方的に変更し、事態をエスカレートさせかねない危険な行為との日本の批判に対して、尖閣諸島の国有化を挙げて「一方的に現状を変更し、事態をエスカレートさせているのはいったいどちらか、国際社会はおのずと分かっているはずだ」と反発。
自衛隊の哨戒機などがこの空域で活動を続けていることに関し、「防空識別圏に進入する各国の航空機に対しては直ちに識別を行っており、関係する航空機の状況はすべて把握している」とした。
日米政府が自制を求めていることに関し、「アメリカや日本などは中国の安全を尊重して道理のない非難を停止すべきだ」と反論、「アメリカは特定の立場を取らず、不適切な発言をやめるべきだ」と述べた上で、「日中は独特な地理を持つ東シナ海を隔てて向かい合っているため、両国の防空識別圏の範囲が重なるのは避けられない。日本側が中国を非難するのをやめ、外交ルートを通じて技術的な問題を中国と協議すべきだ」とした。
●韓国の白承周・国防次官と中国の王冠中・人民解放軍副総参謀長の中韓国防戦略対話で、中国側は韓国側の変更要求を拒否。
●菅義偉官房長官が、「中国が防空識別圏を設定した後も、同空域で従前通りの警戒監視活動を実施している。今後も中国への配慮のために変更するつもりは一切ない」と述べ、中国側の反応について「特異な現象はまったく見られなかった」とした。防空識別圏設定した後もP3C哨戒機などが飛行していたことを認めた上で、中国側のスクランブルがなかったことを明らかにした。
欧州連合のアシュトン外交安全保障上級代表が、中国の防空識別圏設定について「地域の緊張を高める」と懸念を表明。
●オーストラリアのビショップ外相が、「(地域の)緊張を高める一方的な行為には、いかなる国に対しても反対する」と述べ、中国の防空識別圏設定について反対の意向を示した。
●フィリピンのデルロサリオ外相が、「公海上空における航行の自由を侵害する」と中国の防空識別圏設定を批判。
11月29日
中国国防省が、中国空軍がスクランブルをかけ、東シナ海の防空識別圏に入った日本のF15戦闘機など10機と米軍偵察機2機を確認したと公表。(日米両政府は確認していない。)
中国空軍がスクランブルをかけたとの中国発表に、日本政府関係者が「承知していない」と述べる。防衛省幹部は「中国の戦闘機のパイロットが自衛隊機を視認するほどの距離まで近づいていたならば日本側が特異な事例として公表している」としたが、「遠い距離から確認していた可能性はある」とも述べた。
中国軍機関紙の解放軍報で、中国空軍の申進科報道官(大佐)が、中国の防空識別圏内において新型の空中警戒管制機(AWACS)と主力戦闘機による哨戒飛行を28日から開始したことを明らかにし、この哨戒を常態化させるとした。
●菅義偉官房長官が、中国の哨戒常態化に関し、「今後も警戒、警備は変更しない。冷静な対応で万全を期す」と述べ、自衛隊による同空域での警戒監視活動を続けると強調。
中国共産党機関紙の人民日報系の環球時報が、「中国は闘争の狙いを日本に集中し、日本の野心を打ち砕くべきだ」との見出しの社説を掲載し、当面は圧力の照準を日本に絞った上で、双方の軍事衝突も辞さない姿勢を強調。
中国外務省の秦剛報道官が、「中国は双方が意思疎通を強化し、共同で飛行の安全を維持するべきだと主張している」と述べ、日中間で協議が必要との認識を示した。
●日本政府が、中国の防空識別圏設定を国際民間航空機関(ICAO)理事会で対応策を検討するよう提案。
中国軍がスクランブルさせたと発表したことに関して、米政府筋は「中国の早期警戒能力は日米に大きく劣る。中国は、防空識別圏全域をカバーする警戒・監視能力を備えているわけではない」と指摘し、「中国の警戒・監視能力を誇示し、米軍と自衛隊を牽制するための宣伝だ」との見方を示した。
アメリカ国務省は、中国の防空識別圏設定を受け入れた訳では無いとしながら、「米政府は一般論として、国際便を運航している米民間航空会社が、外国政府の航空情報と一致して運航することを期待する」との見解を発表し、民間機が中国の指示に従うよう促した。
11月30日
●小野寺五典防衛相が、中国国防省スクランブル発表について「急に航空機が接近してくるなど特異な状況として公表する事態はない」と否定し、「警戒監視をお互いにしている。どこにどのくらいの航空機が飛んでいるかを把握するのは通常のことだ」と述べた。
●香港誌「亜洲週刊」が、中央軍事委員会に近い消息筋の話として、4カ月前に習近平国家主席が「資源の争いから、戦略的争いへと変わった」との見解を示し、東シナ海での防空識別圏の設定を決断していたと報じた。
 
 
・・・続く。
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警告無視の接近ならレーダー照射も 解放軍少将が警告=人民日報
http://www.epochtimes.jp/jp/2013/02/html/d16872.html
中国、空の「衝突回避策」提案 日本の警備態勢探る意図?
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130613/plc13061301310002-n1.htm
無人機が警告無視なら撃墜も 対処方針、首相が了承
http://www.47news.jp/CN/201310/CN2013102001001919.html
中国が防空識別圏を検討 日本と重複、東シナ海で緊張も
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013110901001640.html
中国、尖閣上空に「防空識別圏」 日本と重複…空の緊張必至
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131123/plc13112312410007-n1.htm
台湾も「遺憾」表明 中国の防空識別圏設定
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131123/chn13112322090006-n1.htm
尖閣から40キロまで接近飛行 中国情報収集機
日本政府が中国に厳重抗議 防空識別圏設定で 防衛相「大変危険な行為」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131124/plc13112401000003-n1.htm
米政府、中国に「強い懸念」伝達 尖閣含む防空識別圏設定を批判
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112401001413.html
韓国が遺憾の意 一部重複、中国と協議の意向
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131124/kor13112419180003-n1.htm
中国防空識別圏、外相が懸念表明 「非常に危険」と談話
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112401002187.html
中国大使に防空識別圏の撤回要求 外務次官
http://www.47news.jp/news/photonews/2013/11/post_20131125193423.php
中国国防省、防空識別圏設定で日本の抗議を拒絶 「あれこれ言う権利はない」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131125/chn13112510410000-n1.htm
「中国の決意見くびるな」防衛識別圏設置で軍機関紙、日米に警告
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131125/chn13112512430001-n1.htm
「南シナ海にも設定する」防空識別圏で中国少将、テレビ番組で強調
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131125/chn13112513230002-n1.htm
中国、他地域でも識別圏設定へ 南シナ海念頭を示唆
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112501002225.html
中国識別圏、韓国にも波紋 離於島上空、航空機通過「中国には通報せず」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131125/kor13112516300001-n1.htm
全日空と日航、中国当局に飛行計画書の提出を始める 台湾便などで
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131126/biz13112600500000-n1.htm
「相応の措置」と中国大使
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131126/chn13112617530007-n1.htm
「そのまま言葉を返す」菅長官、国際法あげ中国に反論
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131126/plc13112612070014-n1.htm
米、中国の要求一蹴 「経路通報など措置取らぬ」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131126/amr13112622290004-n1.htm
国内航空各社は飛行計画提出取り止め
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131126/plc13112623390034-n1.htm
「全ての航空機監視し識別」と中国国防省 米軍機航程を監視
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131127/chn13112716320003-n1.htm
防空識別圏、民間機に影響しない 中国大使、岡山で講演
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2013112722272549
中国台湾に結束呼び掛け 防空識別圏設定で
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131127/chn13112721180005-n1.htm
韓国も通報せず哨戒飛行 中国設定の防空識別圏
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131127/kor13112721190002-n1.htm
中国「脅威の程度に応じ対処」 外国機の識別圏内飛行で
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112701001865.html
「日本が先に撤回せよ」 防空識別圏で中国国防省
http://photo.sankei.jp.msn.com/highlight/data/2013/11/28/33china/
中国「識別圏重複は避けられず」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131128/k10013423841000.html
沖縄近海、日米合同演習を公開 識別圏設定「影響なし」
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112801001585.html
中国が韓国の変更要求を拒否 国防戦略対話で
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131128/kor13112821180002-n1.htm
中国軍機が日米機に「緊急発進」 東シナ海防空識別圏、国防省発表
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112901002819.html
自衛隊機、海保機相次ぎ飛行 菅長官「配慮しない」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131129/plc13112908050002-n1.htm
中国防空識別圏にEUも懸念 「緊張高める」と表明
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112901001234.html
緊急発進は承知していないと日本政府関係者
http://www.47news.jp/FN/201311/FN2013112901002829.html
中国、防空識別圏哨戒を常態化 AWACS、主力戦闘機で
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131129/chn13112912210002-n1.htm
中国防空圏で自衛隊活動変更せず 官房長官
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112901001563.html
豪外相あらためて反対
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131129/asi13112913260000-n1.htm
日本と軍事衝突も、中国紙 防空識別圏で対日強硬策を強調
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112901001708.html
比外相「航行の自由を侵害」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131129/asi13112913290001-n1.htm
日中で空の危機管理を提案 要人会談で唐元国務委員
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112801001919.html
「日中の意思疎通強化を」と中国外務省 協議要請の可能性も
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131129/chn13112919080011-n1.htm
政府関係者「承知せず」 緊急発進発表の意図分析
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013112901002841.html
防衛相「特異な状況ない」 中国軍緊急発進を否定
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131130/plc13113010190009-n1.htm
防空識別圏でICAOに対応要請 日本「安全脅かす」
http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013113001002146.html
習主席が4カ月前に設定決断 日中関係「戦略的争いへと変わった」 香港誌報道
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131130/chn13113020580007-n1.htm
「緊急発進」発表…米政府「牽制のための宣伝」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131130/amr13113021160005-n1.htm
対中結束に「冷や水」 米政府、民間航空に飛行計画事前提出促す
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131130/amr13113023240006-n1.htm
 

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中国の防空識別圏について1

 昨年の12月13日、中国国家海洋局所属の小型プロペラ機「Y12」1機が尖閣諸島の魚釣島付近の領空に侵入した。中国による領空侵犯は初めてだった。
 年々、中国機による東シナ海の日本の防空識別圏への侵入が増え、スクランブル出動した回数は、平成23年度が156回、平成24年度が306回だった。今年度に入っても侵入は止まらず、9月までに149回のスクランブル出動を数えている。中国が、海からの圧力に加え、空からも圧力を掛けようとしているのは明らかである。中国はその様な方針を更に押し進め、尖閣諸島を含む東シナ海の大部分に防空識別圏を設定した。
 この中国の防空識別圏設定に日本の世論は沸き立ち、非難一色に染まったが、ネットの掲示板の反応などを見ていると、中には誤認をしていると思われる書き込みも少なからず見受けられた。なので、少し冷静に考えてみようと思う。
 
 
◆領空と飛行の自由
 領空は領土と領海(領土から12海里、22.2キロメートルの範囲まで)の上方空間のことであり、一般的に大気圏まで(100km位まで)とされているが、明確な取り決めは無い。領空は、領土と領海と同じく国家の主権(領域主権)に属し、領海に認められているような無害通航権は基本的に認められていない。よって、外国機が当該国の許可なしに領空を通過したり着陸することは、領空侵犯となり、国際法上の不法行為となる。
 どの国の領空でも無い空域は「公空」と呼ばれ、公海や無主地の上空がそれに当たる。領空は無許可飛行が認められていないが、公空には飛行の自由が国際的に認められている。
 国連海洋法条約には、排他的経済水域や公海の上空についての飛行の自由が明記されている。国連海洋法条約の締約国は162の国・地域(批准140、加入15、承継6、正式確認1)に及び、 日本、中国韓国などが批准しているが、アメリカ台湾は署名していない。
 日本、中国韓国はこの条約を批准しているのだから、東シナ海の領海以外の大部分について飛行の自由を尊重しなければならない立場である。
************************
海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)
第五十八条 排他的経済水域における他の国の権利及び義務
1 すべての国は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず、排他的経済水域において、この条約の関連する規定に定めるところにより、第八十七条に定める航行及び上空飛行の自由並びに海底電線及び海底パイプラインの敷設の自由並びにこれらの自由に関連し及びこの条約のその他の規定と両立するその他の国際的に適法な海洋の利用(船舶及び航空機の運航並びに海底電線及び海底パイプラインの運用に係る海洋の利用等)の自由を享有する。
2 第八十八条から第百十五条までの規定及び国際法の他の関連する規則は、この部の規定に反しない限り、排他的経済水域について適用する。
3 いずれの国も、排他的経済水域においてこの条約により自国の権利を行使し及び自国の義務を履行するに当たり、沿岸国の権利及び義務に妥当な考慮を払うものとし、また、この部の規定に反しない限り、この条約及び国際法の他の規則に従って沿岸国が制定する法令を遵守する。
第八十七条 公海の自由
1 公海は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず、すべての国に開放される。公海の自由は、この条約及び国際法の他の規則に定める条件に従って行使される。この公海の自由には、沿岸国及び内陸国のいずれについても、特に次のものが含まれる。
(a) 航行の自由
(b) 上空飛行の自由
(c) 海底電線及び海底パイプラインを敷設する自由。ただし、第六部の規定の適用が妨げられるものではない。
(d) 国際法によって認められる人工島その他の施設を建設する自由。ただし、第六部の規定の適用が妨げられるものではない。
(e) 第二節に定める条件に従って漁獲を行う自由
(f) 科学的調査を行う自由。ただし、第六部及び第十三部の規定の適用が妨げられるものではない。
2 1に規定する自由は、すべての国により、公海の自由を行使する他の国の利益及び深海底における活動に関するこの条約に基づく権利に妥当な考慮を払って行使されなければならない。
************************
 
 
◆防空識別圏
 防空識別圏(ADIZ)は、領空に接近する航空機を識別するために、領空の外側に設けた空域のことである。各国が国内法などで独自に設定しているものであり、国際法で認められた権利ではない。日本では、「防空識別圏における飛行要領に関する訓令(防衛庁訓令第36号)」で防空識別圏の範囲を定めている。だから、防衛大臣の承認で防空識別圏の変更は可能である。
 防空識別圏を設ける目的は、領空に侵入されてから対応していたのでは領土上空に到達される可能性が高いため、領空の外側に航空機を識別するための空域を設け、領空に侵入される前に対象航空機の危険性を見極め、領空侵犯されたら直ぐに対処できるようにすることである。だから、未確認飛行物体が防空識別圏に侵入すると、戦闘機によるスクランブル出動がなされたりする。
 
 各国が防空識別圏を設定しているが、国土防衛のために、各国が勝手に領空外に制定しているだけなので、他国に対して排他的権利を主張できるものではない。だから、他国の防空識別圏に侵入したとしても他国の権利を侵害するものではないし、他国の要請に従う義務も生じない。防空識別圏に侵入されたとしても、退去するように要請するか、領空侵犯をしないように警告するくらいしか出来ないのである。ロシアは頻繁に日本の防空識別圏に侵入してくるため、その都度自衛隊機がスクランブル対応しているが、ロシア軍機は警告に従うことはない。
 防空識別圏は各国が勝手に制定しているものなので、他国の領空内に設定してもかまわない。実際にそういう例もある。台湾の防空識別圏は、最西端の島である与那国島の上空に設定(島の西側2/3)している。だから、中国がどこに防空識別圏を設定しても、咎めるだてすることは出来ない。たとえ、東京上空に防空識別圏を設定したとしても中国の勝手である。ただ、防空識別圏はスクランブル出動の基準でもあるため、常時レーダーなどで監視し、未確認飛行物体の侵入に備えてスクランブル体制を整わせていなければ国防上の意味が無い。だから、防空識別圏の設定には能力と合理性が肝要なのである。
 
 ちなみに、日本の領空侵犯機に対する措置は自衛隊法で定められており、対応手順は以下の通り。
************************
自衛隊法第84条第1項(領空侵犯に対する措置)
防衛大臣は、外国の航空機が国際法規又は航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)その他の法令の規定に違反してわが国の領域の上空に侵入したときは、自衛隊の部隊に対し、これを着陸させ、又はわが国の領域の上空から退去させるため必要な措置を講じさせることができる。
************************
●レーダーが防空識別圏内に航空機を探知

●飛行計画と照合

●航空機に対し、航空無線機で領空に接近していることを通告

●退去の意思がみられない場合は、戦闘機2機がスクランブル発進

●戦闘機が航空機を目視確認

●戦闘機からの無線で領空に接近していること伝え、針路変更を要請

<領空侵犯>

●無線で領空侵犯を伝え、退去するようにと警告

●戦闘機1機が航空機の前方で翼を振り、着陸誘導する

●航空機の前方で警告射撃
 過去の例ではここまで。領空侵犯事例は30回以上あるが、警告射撃を行ったのはソ連の偵察機が沖縄本島上空を通過した時の1回のみ。強制着陸の事例は無い。
 自衛隊法第84条には、攻撃について明確な記述はないため、正当防衛以外で撃墜可能かは微妙である。ただ、警告無視の無人機に対しては、10月に安倍首相が撃墜を含めた強制措置を了承している。
※民間機への攻撃は国際民間航空条約で原則的に禁止となっている。
 
 
・・・続く。
//////////////////////////////
国連海洋法条約
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/mt/19821210.T1J.html
防空識別圏における飛行要領に関する訓令
http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1969/ax19690829_00036_000.pdf
与那国空港
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8E%E9%82%A3%E5%9B%BD%E7%A9%BA%E6%B8%AF#.E9.98.B2.E7.A9.BA.E8.AD.98.E5.88.A5.E5.9C.8F.E5.95.8F.E9.A1.8C
領空侵犯
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%98%E7%A9%BA%E4%BE%B5%E7%8A%AF
 

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