六丈記2

備忘録のようなもの

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<ショートショート>正恩の影武者

 金日成生誕100年記念に打ち上げる人工衛星について、日米韓のみならず中国やロシアも反対していることが金正恩の耳に入った。本音では違っていても、表立っては米国側に付かなかった国々までもが離反する姿勢を見せたことは権力の座を引き継いで間もない若き指導者を不安にさせた。不安に苛まれても、人工衛星打ち上げは父、金正日の遺訓であるから、中止することは出来ない。それに、若し中止したら権力基盤が崩壊しかねないのだ。

 

 正恩は不安を抑えられず、義理の叔父で後見人の張成沢を呼んだ。
「叔父さん、人工衛星打ち上げを弾道ミサイル実験と各国が騒いでいるが、本当にロケットを発射して大丈夫だろうか。」
「正恩大将、前にも話しましたが、非難をする国は多くあるでしょうが、本気で我が国を攻撃する国はありません。大丈夫です。」
「ロケットは大丈夫にしても、その後にやる予定の核実験はどうだろうか。」
「核実験は我が国の核武装のために絶対必要です。核実験を実施することで、大きな譲歩も引き出せるのです。心配ありません。」
 納得していない正恩の表情に、張成沢は続ける。
「過去2回の地下核実験を思い起こしてください。上手く事が運んだではありませんか。今回も上手くいきます。万が一にも、我が国を軍事攻撃してくる国はありませんからご安心下さい。」
「正面切って軍事攻撃を仕掛けてくることはないかもしれないが、俺を暗殺しようとする国が出てくるとも限らないのではないか。」
 肝が据わっていない正恩を宥める様に張成沢は一つの提案をする。
「それでは正恩大将、正恩大将の影武者をしつらえましょう。それで安心出来るでしょう。」
「それはいい。早速、影武者を探すことにする。」
 張成沢の提案に正恩は跳び付き、その場で総参謀長の李英鎬と国家安全保衛部長の禹東則に電話をかけ、影武者探しを命令した。
 傍らで聞いていた張成沢は電話が終わるのを待って、正恩に話しかけた。
「正恩大将、私は対外連絡部を動かすことにしましょう。」
「軍と公安を使えば国内を隈なく探すことが出来るのだから、なにも、国外にまで手を伸ばす必要はないではないか。」
「ですが、早く見つける為にはなるべく広範囲で探した方が良いではありませんか。」
「そこまで言うのなら止めはしないが、我が国には2500万人近くいるのだから、すぐに適当な人物を見つけられるさ。」
「そうなると、よろしいですね。」
 そう言うと、張成沢は部屋を出て行った。

 

 廊下を歩きながら、周りに人影がないのを確認すると張成沢はつぶやいた。
「あのブタは我が国に自分の様な肥満体が他にも存在していると思っているのか。」
 

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中川昭一氏の宿題「水資源保全条例」

 正体不明の外国資本による水源地等の買収が問題になっていましたが、昨日の23日、定例道議会でその対策の「水資源保全条例」が全会一致で可決されました。4月1日に施行され、実際の運用は10月頃となる見込みです。ニセコ町にも同様の条例が制定されていますが、都道府県では全国初となりました。
 この条例により、指定した水源地を売買する場合、3か月前までに道に届け出ることが義務付けられ、違反を改善するよう勧告しても従わない場合は名前が公表されますが、罰則はありません。
 外国資本の土地取引は取得目的が不明の場合が多いので、事前届け出により道が実態を把握できるようになると期待されますが、罰則がないので実効性や水資源を保全する効果がどの程度あるのかは疑問の残るところです。七飯町は水源地を守るため、町が水源地周辺の山林を買取しました。

 

 高橋はるみ知事は記者会見で「北海道の水資源には世界に誇る価値がある。取引には一定の制約が必要だ。国も土地取引をルール化してほしい」と述べ、国に法整備を求めています。条例では限界がありますから、水資源保全のためには法により規制するのが望ましいの明らかです。国会では有志議員により「水循環基本法案」が準備されていますが、まだ時間がかかるようです。
 
 実はこの「水資源保全条例」には中川昭一氏が関係しているのです。
 条例が作られる切っ掛けは小野寺道議が平成22年6月1日の北海道議会水産林務委員会で「海外資本による道内の森林取得の現状等について」の質問でした。
 小野寺道議によると平成20年の年末に、当時、財務・金融担当だった中川昭一大臣から「北海道の森林を、中国資本が買っているという情報がある。もしそれが水源であれば大問題だと思っている。これを調査してくれないだろうか」と言われたそうです。小野寺道議は簡単なことだと思い安請け合いしたところ、「個人情報保護法」の壁に阻まれ情報収集に大変苦労したようです。平成21年10月4日には中川昭一氏が突然亡くなられ、心理的にも圧迫されみたいです。しかし、小野寺道議は中川氏の宿題だと思い、最後までやり遂げました。その果実が昨日、実ったのです。
 お疲れ様でした、小野寺道議。
 
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北海道で水資源保全条例が成立 全国初、4月1日に施行
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/359683.html

ニセコ町水道水源保護条例
http://www.town.niseko.lg.jp/machitsukuri/kankyo/cat265/post_36.html

北海道水資源の保全に関する条例(仮称)に係る主な経過について
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/ksk/totiriyo/dai1kaisiryo1.pdf
北海道水資源の保全に関する条例(仮称)の制定に向けた検討について
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/ksk/totiriyo/ikenkoukan_shiryou1.pdf

北海道道議会議員 小野寺まさる
http://www.onoderamasaru.jp/
平成22年第8回水産林務委員会
http://www.onoderamasaru.jp/gikai/shitsumon/20100601-2/
やっと、昭一さんの宿題を・・・
http://www.onoderamasaru.jp/blog/%e3%82%84%e3%81%a3%e3%81%a8%e3%80%81%e6%98%ad%e4%b8%80%e3%81%95%e3%82%93%e3%81%ae%e5%ae%bf%e9%a1%8c%e3%82%92%e3%83%bb%e3%83%bb%e3%83%bb/
 

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函館大火と久慈次郎

 78年前の今日(1934年3月21日)、函館大火がありました。戦争や震災による火災を除くと昭和以降に起きた火災の中では最大級(死傷者の数)の大火災なのですが、知っている人はほとんどいないと思います。
 午後7時頃に出火し、翌日の午前6時に鎮火するまでに函館の市街地のかなりの部分が延焼しました。現代の地図に焼失範囲を重ね合わせると下図のようになります。
 
◆被害規模
●焼失建物:11105棟
●死者:2166人
焼死748人、溺死917人、凍死217人 、窒息死143人、その他29人、その他収容後死亡112
●重症者:2318人
●軽傷者:7167人
 
 強風によって荒れ狂った炎から逃れるために、海岸に避難した人が多く、そこへ、大波が襲い掛かったため、溺死者や凍死者を多数出してしまった模様です。
 函館大火はこのような大災害であったため、直接被災しなかった人々の人生も変えてしまいました。その中の一人が久慈次郎です。

 

 久慈次郎は正力松太郎や沢村栄治らと共に第1回目の野球殿堂に入った名選手なのですが、名前も聞いたことが無い人がほとんどだと思いますので、経歴を簡単に説明します。
 1898年青森市に生まれ、盛岡市で育つ。早稲田大学野球部に在籍。卒業後、引手あまたの名捕手だった久慈は社会人野球の名門「函館大洋倶楽部」に入部。1931年と1934年に来日したアメリカ大リーグ選抜チームとの日米野球大会では両年とも全日本チームの捕手兼主将を務める。34年の時は沢村栄治やスタルヒンとバッテリーを組み、ベーブルースやゲーリックと対戦する。このときの全日本チームが母体となって本格的プロ野球チーム「大日本野球倶楽部」(東京巨人軍の前身)が発足し、主将として参加を要請されるも辞退。この年、周囲に押されて函館市議になる。1939年、選手兼任監督として出場した札幌倶楽部との対戦で、敬遠され、1塁へ向かった際、ホームベース上で次の打者に指示を与えようと振り向いた瞬間、捕手の牽制球が右こめかみの上部分に直撃した。病院に運ばれたが2日後永眠。享年40歳。その死は全国に報じられ、葬儀には1000人を超える参列者が続き、沿道には最後の別れを惜しむ市民が埋めつくした。
 
 

 「大日本野球倶楽部」発足時、三原脩や水原茂が100円代の給料だったのに対して、500円という破格の待遇であったにもかかわらず、久慈は参加しませんでした。なぜなら、この年の春の大火で復旧のめどもつかない函館を見捨てるような真似は出来なかったからです。函館大火が久慈次郎の運命を変えてしまったのです。もし、この時参加していたら早死にすることも無く、プロ野球黎明期の大スターとして名を後世に残していたかもしれません。
 
 野球に人生を捧げ、野球場で死んでいった久慈次郎。その功績を称え、函館市の千代台公園野球場(函館オーシャンスタジアム)にはスタルヒン球場の方向にミットを構えた久慈の銅像が建てられています。

 

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函館大火概要
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/syoubou/w-hakosho/ayumi/w-ayumi-taika.html
久慈次郎
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%85%E6%85%88%E6%AC%A1%E9%83%8E

20120321函館大火と久慈次郎

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<ショートショート>北朝鮮の弾道ミサイル

「情報担当者が面会を求めてます。」
 若い女性秘書が来客を告げた。この情報担当者はこの部屋の主の側近の一人で、主にとっては心を許せる数少ない話し相手でもある。
「通せ。」
 主の小太りの若い男はソファに座りながら、横柄に答えた。
 女性秘書に導かれて側近が入室し、男の前に立った。
「敬愛する金正恩大将に報告します。我が国が打ち上げる人工衛星に対し、アメリカ、日本、南鮮が反発しています。」
「そんなことか。飛行ルートが他国の領土を通過しないように設定してあるのに大騒ぎするとはしょうがない連中だ。」
「いかがなさるのでしょうか。」
「予定通り打ち上げる。4月15日は祖父の生誕100年だ。その大事な記念日にロケットを打ち上げ、国民に俺の指導力を見せ付ける重要性はお前も理解しているだろう。」
「ですが、アメリカは予想外に強硬姿勢です。2月の合意に違反していると、食糧支援の中止や軍事介入までちらつかせてます。」
「ブラフだよ。アメリカはイランの問題で我が国にかまっているヒマはないさ。人工衛星だと言い張っていればいい。」
 金正恩は自信たっぷりに言い放った。
 側近は金正恩の様子を見ながら、なおも食い下がる。
「それで、アメリカが引き下がるでしょうか。軍事介入は無いにせよ、もしも、食糧支援が金主席生誕100年記念に間に合わなかったらどうしましょう。」
 金正恩は身を乗り出し、小声で話し出す。
「お前も心配性だな。実は既に手は打ってある。世界のどの国も納得する方法だ。」
 側近がそんな妙手があるのかと考えていると、不意に金正恩が立ち上がり、声を掛けた。
「これから出かける。お前も付き合え。」
 側近は金正恩の後に続き、部屋を後にした。

 

 二人は車に乗り込み、目的地も分からないまま走り出した。
 側近が何処に向かっているのだろうと窓の外を眺めていると、それを察したのか金正恩が得意げに話し出す。
「これから、我が国の英雄に会いに行く。我が国の希望の星になる男だ。」
 そんな男がいたのかなと思いつつ、側近が質問する。
「金正恩大将が態々足を運ばなければならない英雄がいたのですか。」
「出向くというより、その場所に行かなければならないのだ。」
 会話が終わらないうちに、車は目的地に着いた。門には撮影所と書かれていた。

 

 SPに囲まれながら撮影所の中を歩き、二人が屋外セットの入り口に着くと金正恩が立ち止まり、セットの中央に立つ男を指差した。
「あの男が我が国の英雄だ。」
 指差す方を見ると、その男は屈強そうな若者だった。しかも、レーシングスーツのようなものを着ている。
「しばらく時間がかかるから、お前は車で待っていろ。」
 怪訝な表情を浮かべる側近に金正恩はそう言うとセットに向かって歩いて行った。
 側近は何をしているのか気になり、遠巻きに見ていると金正恩が若者に抱きつき握手をしている。金正恩が離れると、北朝鮮の幹部連中が若者と次々に握手をし出した。しばらく、握手責めが続いた後、一通り撮影が終わったのか、一団は屋内に移って行った。

 

 側近は言われたまま車で待っていると、1時間程して金正恩がやって来た。
 金正恩は車に乗り込むなり、ぼやいた。
「服を何度も着替えさせて何シーンも撮影したので、思ったより時間がかかってしまった。」
「それはお疲れ様でした。ところで、あの若者は何者なのです。」
「今度打ち上げるロケットに乗る軍人だ。」
 側近が驚いた顔で金正恩を見つめていると、金正恩が話を続ける。
「過去2回は無人だったが、今回は有人にした。ソ連、アメリカ中国に続き、我が国が4番目の有人宇宙飛行をする国になる。祖父の生誕100年を祝うのに相応しいだろう。」
 側近は喜びを隠さず、質問した。
「我が国のロケット技術はいつの間にかに発展していたのですね。存じ上げませんでした。我が国の技術者は何処の国で有人飛行実験をしていたのですか。」
「実験はしていない。」
 金正恩は平然と答えた。
 側近は困惑しながらも、恐る恐る訊いた。
「大気圏に再突入する技術は大変難しいと聞いていますが、帰還カプセルはそれで大丈夫でしょうか。」
「我が国に失敗は無い。それに帰還カプセルも無い。」
「しかし、それでは帰還出来ませんが。」
「帰還ならもうしているのではないか。さっき、帰還シーンの撮影を済ませただろう。」
 側近は有人宇宙飛行を実際に行うのではなく、アピールするだけなのだと悟りがっかりした。それでも、側近は気を取り直し、話題をずらして金正恩に話しかける。
「今回のテポドンの改良型は前回のよりかなり大きくなるのでしょうか。」
「ああ、大きくなるようだ。人間が搭乗するスペースを作ったために、特に太さが大きくなったようだ。」
「えっ、宇宙飛行士を搭乗させるのですか。」
「そうだ、実際に乗せる。搭乗シーンや打ち上げシーンを各国の賓客に見せる予定になっている。」
 なんと言ったらいいか言葉見つからない側近を尻目に金正恩はなおも続ける。
「弾頭を載せて発射したら弾道ミサイルだが、人を載せて打ち上げたらロケットだろ。これで、どこの国も弾道ミサイル実験と非難できなくなる。弾道ミサイル実験も堂々と出来て、一石二鳥だ。どうだ、いい手だろう。」
「そうですね。しかし、あの若者は・・・」
 側近はそう言ったところで話すのをやめた。若者を不憫に思っても、北朝鮮では仕方が無いことなのだ。
 側近が若者に思いを馳せていることに気付いた金正恩は先ほど会った若者について触れた。
「なぁに、気にかけることは無いさ。あの若者は我が国初の宇宙飛行士なれると大喜びしてた。俺が祖国の星になってくれと声を掛けたら泣いて喜んでいたよ。地球を回る本当の星になるとも知らずにね。」
 そう言うと、金正恩は笑い始めた。
 側近は窓の外を眺めながら、星屑になるより海の藻屑になる可能性の方が高いだろうなと思った。

 

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なでしこジャパンのFIFAランキング続き

 前回からの続き、というか訂正。
 前回示した算出方法はFIFAのファクトシートから導き出したのだが、実際の結果に当て嵌めてみると数値が合わなかった。そこで、改めてFIFAのサイトを漁ってみると違うファクトシート(下記FIFA/Coca-Cola Women’s World Ranking)を発見した。読んでみると2004年に評価方法が変更されたとある。主に試合の重要性の評価値と試合内容に関する評価値を変えたようだ。そこで、改めて算出方法を記載する。

 

◆女子FIFAランキング算出方法
■算出式
Ra=Rb+K*(Sa-Se)
Ra:試合後のランキングポイント
Rb:試合前のランキングポイント
K :試合の重要度
Sa:試合内容値
Se:期待値

 

■Sa:試合内容値
 0-1で負けるのと、1-5で負けるのとでは同じ負けるにしても、同じではない。それを数値化したのがこの値。得点と得失点差からどの位勝ったのか、またはどの位負けたのかを割合で決めている。例えば、70%の勝利ならば相手は30%の勝利という具合。
 その割合は下の表から求める。表は勝てなかった方の割合を示しているので、まず、負けた方の割合を表から求めた後、勝った方の割合を算出する。
 例えば、4-5の試合なら負けた方は19%、勝った方は81%(100%-19%)になる。2-4なら負けた方は9.8%、勝った方は90.2%だ。
 ただ、分からないのが引き分けの場合だ。1-1なら50%ずつになるので問題は無いが、0-0なら片方が47%、もう片方が53%になってしまう。引き分けなのに割合が違うのはおかしい。そこで、引き分けの場合は両方とも表の値にしているものと考えることにする。つまり、0-0なら両方とも47%、3-3なら両方とも52%になると考える。
 また、6点以上取って勝てなかった場合の値が表には無いが、それについてはどの様に処理するのか分からない。稀有な例なのでとりあえず考えないことにする。

※縦の欄は負けた方の得点、横の欄は得失点差。

 

■Se:期待値
 この値はランキングポイント差とホームアドバンテージを考慮した値だ。
1)H:ホームアドバンテージ
 ホームチームの方が有利という統計結果があるので、それを補正するためにホームチームのランキングポイントに100ポイントを加算してする。なので、中立地での試合には適応されない。
 例えば、Aチーム(1850pt)とBチーム(1920pt)が中立地で試合をした場合はそのままのポイントで計算するが、Aチームのホームで試合をした場合は1950ptと1920ptとする。

2)P:ランキングポイント差
 1500ptのチームが1600ptのチームに勝つのと2000ptのチームに勝つのとでは勝利の重みが違う。それを考慮したのがこの値だ。Pはランキングポイント差(=x)の関数で表され、式は次の通り。
P=1/[1+10(x/2)]
 xは次の式で与えられる。
x=(r1-r2)/scaling factor
 r1、r2はそれぞれのランキングポイント。scaling factorは最高ポイントが2000以上、初ランキングが1000になるよう決められているらしい。

 Pの式は反比例の関数のように書かれているが、本当は指数関数なのだと思う(前エントリー参照)。10(x/2)は10*(x/2)では無く、10^(x/2)だろう。10の右肩に小さく(x/2)と書かれるべきなのに文章を作成する時に小さく書けないため、同じ大きさで打ち込んだのではないか。
 よって、Pの式を以下のように書き換える。
P=1/[1+10^(x/2)]

 計算例から逆算するとscaling factorは-200になる。だから、xの式は
x=(r1-r2)/(-200)
となっているのだろう。

 xを代入するとPの式は下記のようになる。
P=1/[1+10^((r1-r2)/(-200)/2)]
P=1/[1+10^((r1-r2)/-400]
P=1/{1+10^[(r2-r1)/400)]}
3)期待値
 期待値SeはPの関数にHを加味したものであるから、開催地により次のようになる。
●中立地開催の場合
Se=1/{1+10^[(r2-r1)/400)]}
●r1のチームがホームの場合
Se=1/{1+10^[(r2-r1-100)/400)]}
●r1のチームがアウェーの場合
Se=1/{1+10^[(r2-r1+100)/400)]}

 

■K:試合の重要度
 親善試合とワールドカップの試合では本気度が異なる。より重要な試合ほどチームの実力が反映されるため、それを補正するための係数である。
 基本は15で重要度によって倍率が変わる。試合の種類による倍率は以下の通り。
●親善試合:1倍
●ランキング10位以内同士の親善試合:2倍
●大陸選手権の予選:2倍
●大陸選手権の本大会:3倍
●オリンピックトーナメント予選:3倍
ワールドカップ予選:3倍
●オリンピックトーナメント:4倍
ワールドカップ:4倍

 

◆女子FIFAランキング算出方法の特徴
 K*(Sa-Se)の部分はその試合によって生じるポイントの増減を表していて、例えば、片方のチームが25pt増えれば、もう片方のチームは25pt減る。ただし、引き分けの場合を除く。
 また、この計算方法だと勝ってもポイントが下がったり、逆に負けてもポイントが上がったりする。例えば、400pt下のチームをホームに向かえて試合をした場合、1-0で勝ってもポイントはマイナスになる。5-0で勝ってようやくポイントはプラスになる。(小数第1位を四捨五入で計算)

 

◆実例1
 2009年9月25日の日本のランキングは6位(2011pt)、ニュージーランドは24位(1747pt)。次回のランキング(2009年11月18日)では日本6位(2010pt)、ニュージーランド24位(1748pt)だった。この間、なでしこジャパンはニュージーランドと親善試合を1試合しただけである。
 ランキング算出方法を確かめるには良い例なので、この試合で算出方法が正しいか確かめてみる。
●試合結果
日本 2-1 ニュージーランド
11月14日 国際親善試合 さいたま市駒場スタジアム
●計算
Sa=1-0.16=0.84
日本のポイント2011(r1)、ニュージーランドのポイント1747(r2)
日本のホームなので
r1=2011+100=2111
Se=1/{1+10^[(1747-2111)/400)]}=0.89
親善試合なので
K=15
Ra=2011+15*(0.84-0.89)=2011-0.75=2010.25≒2010
11月のポイントと同じになる。

一方、ニュージーランドは
Sa=0.16
Se=1/{1+10^[(2111-1747)/400)]}=0.11
K=15
Ra=1747+15*(0.16-0.11)=1747+0.75=1747.75≒1748
ニュージーランドがこの試合以外していないのか分からないが、11月のポイントと同じになる。

 

◆実例2
 2010年11月と2011年3月にランキングが発表されている。
 
 この間、なでしこジャパンはアルガルベ杯2011でしか試合をしていないので、アルガルベ杯の成績を用いて、算出方法が正しいか確かめる。
 アルガルベ杯がW杯、五輪に次ぐ大会と言われているが、試合の重要度がどれに該当するのか分からないため、3つの想定をする。
<1>大陸選手権の本大会相当
<2>グループリーグが大陸選手権の予選相当、順位戦が大陸選手権の本大会相当
<3>親善試合

 この間、なでしこジャパンは26pt増やしているが、計算してみると<1>の場合で+35pt、<2>の場合で+28pt、<3>の場合で+19ptになる。
 一番近い<2>の場合でも2ptの開きがある。
 なので、アメリカのポイントも計算してみる。
 
 この間、アメリカは6pt増やしているので、<3>の場合がピッタリと当てはまる。しかし、<3>の場合だと、なでしこジャパンは更に差が開いてしまう。
 そこで、考えたのだが、計算の元となるポイント(r1、r2)は前回公表されたポイントをその間ずっと使うのではなく、試合が終わるごとに変動しているのではないだろうか。
 例えば、第1戦でなでしこジャパンアメリカに負けて-4pt、フィンランドはノルウェーに負けて-3pt。だから、第2戦の日本対フィンランド戦は日本のポイント(r1)は2036ptではなく2032pt、フィンランドのポイント(r2)は1828ptではなく1825ptとして計算しているのではないか。
 
 
 当初、アルガルベ杯2012を終えて、なでしこジャパンのランキングポイントが幾らになるのか試算しようと思っていた。しかし、毎試合ランキングポイントが変動していると予想されるので諦めた。正確なランキングポイントを計算するには全ての対戦相手の国際Aマッチの戦績を調べねばならず、とても無理だ。
 今日、女子FIFAランキングが発表される。1位のアメリカとは42pt差、2位のドイツとも37pt差がある。それに、決勝戦ではドイツに負けているので、ランクアップはないと思うが、少しでも差が縮まっているといいな。

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FACT SheetFIFA/Coca-Cola Women’s World Ranking
http://www.fifa.com/mm/document/fifafacts/r&a-wwr/52/00/99/fs-590_06e_wwr-new.pdf
FIFA/Coca-Cola Women’s World Ranking
http://www.fifa.com/worldranking/rankingtable/women/index.html
JFAなでしこジャパン
http://www.jfa.or.jp/national_team/2012/nadeshiko/20120307/index.html
US WNT official
http://www.ussoccer.com/Teams/US-Women.aspx
 

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国連で南北朝鮮場外乱闘

 12日、国連人権理事会で北朝鮮代表と韓国の国会議員が小競り合いとなる騒ぎがあり、各局のニュースで流れた。韓国の国会議員4人が北朝鮮代表に文書を手渡そうとして、小競り合いになり、国連の警備担当者に排除された模様だ。
 TBSのニュースは「韓国の議員団によりますと、北朝鮮の代表団に中国で拘束された脱北者の強制送還をやめるよう抗議した際、北朝鮮側の警護担当者に足を蹴られたり、腕を捻られたりしたということです。国連人権理事会でのこうした衝突は異例で、韓国の議員団は北朝鮮側に謝罪を求めているということです。」と伝え、読売新聞は「韓国の女性議員は北朝鮮の随行員に腕をねじ上げられ、男性議員の一人は国連警備員に約30分間拘束されたという。議員団は「国連には北朝鮮の乱暴な行為に断固とした対応をしてほしい」と怒りが収まらない様子だった。」と書いている。

 

 各局のサイトのニュース映像を見たが、北朝鮮側のSPと思われる人物が韓国の女性議員の腕を捻り上げたり、蹴ったりしているようには見えなかった。
 本当にその様なことがあったのだろうか。
 TBSのニュース動画が一番長く騒動を映しており、また、テレビ朝日のニュース動画がTBSのニュース動画の前後を映しているので、この2つの動画のキャプチャ画像を用いて、騒動を検証してみる。

 

◆テレビ朝日画像

 中央が北朝鮮代表、後がSPと思われる人物。
 

 
 退席した北朝鮮代表に話しかけている白い服の女性が韓国の女性議員。

 

◆TBS画像
 黄色いマフラーをした一団が韓国の議員団。黒人が制服の警備員。グレーのスーツの白人が私服の警備員。

 

◆テレビ朝日画像
 北朝鮮代表が揉みくちゃにされながら立ち去る後の続き。

 

◆騒動の流れ
北朝鮮代表が退席
●SPが後に続く
●白い服の女性議員が北朝鮮代表に話しかける
北朝鮮代表は相手にしない
●男性議員が駆け寄る
●白服の女性議員と男性議員が北朝鮮代表に談判
●カーキ色の服の女性議員が遠巻きに参加
●制服の警備員が制止に入る
●私服の警備員はカーキ服の女性議員の行動を制止する
●制服の警備員と私服の警備員が北朝鮮代表と議員達の間に入り、ブロック
●執拗に食い下がる男性議員を私服の警備員が押し出し、壁に押し付ける
●白服の女性議員がまた北朝鮮代表に詰め寄る
●カーキ服の女性議員は人ごみに遮られて近寄れない
●白服の女性議員が北朝鮮代表に掴みかかる
●制服の警備員が間に入り、白服の女性議員は後方に置き去りにされる
●オールバックの東洋人(北朝鮮の随行員?)に白服の女性議員が抱きつく
●カーキ服の女性議員が北朝鮮代表を追いかける
●制服の警備員がカーキ服の女性議員を押しのけ、北朝鮮代表のもとへ向かう
北朝鮮代表は警備員に囲まれ、立ち去る

 


 ニュースでは南北が小競り合いと伝えているが、小競り合いを演じているのは警備員と韓国議員団だ。北朝鮮側の人物が争っているようには見えない。
 北朝鮮代表のSPは代表の背後に張り付いていて、手出しはしていない。オールバックの東洋人らしき人物が白服の女性議員と接触しているが、この人間が北朝鮮側の人物なのか。人影に隠れてよく分からないが、女性議員の両手を掴んでいるようにも見えなくは無い。しかし、腕を捻り上げたり、蹴ったりしているようには見えない。この後、改めて腕を捻り上げて蹴りを入れたというのか。そんなことがあったなら、その場で女性議員が大騒ぎをし、周囲にアピールしているだろうし、取り押さえられている筈だ。
 カーキ服の女性議員に至っては北朝鮮代表に近づけず、腕を掴まれた様子も無い。
 
 結局、韓国議員側が北朝鮮側に暴行されたと言い張っているだけで、証拠は何も無い。周囲には大勢の人々がいたのだから、暴行が事実だとすると誰かが目撃している筈だ。今後、韓国側以外の目撃者が出てくるのだろうか。たぶん、出てこないと思う。
 真実は、制止を無視したり、掴みかかったりしたことを国連職員に説諭され、面子を失った韓国議員団が「北朝鮮側だって暴力を振るった、我々は被害者だ」と言い訳をしているだけだろう。
 男性議員が此れ見よがしに三角巾で腕を吊っているのも被害者を強調するための小細工だろう。

 

 自分のした行為は棚に上げ、架空の事実をでっち上げてまで、相手を攻め立てて謝罪を求め、周囲にアピールする。民族性が発露したのだろうが、なんとも、困った人達だ。
 
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北朝鮮代表と韓国国会議員、つかみ合い場外乱闘
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120313-OYT1T00989.htm

韓国議員らと北朝鮮代表団が小競り合い
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4976381.html

韓国議員ら退場…北朝鮮国連の会議場で衝突
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220313042.html
 

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「絆」をめぐる2つの記事

 東日本大震災から一年が過ぎた事を機に在日外国人による2つの記事が出ました。一つは中国人特派員がコメントしている記事。もう一つは元ワシントン・ポスト東京特派員のポール・ブルスタイン氏による記事です。
 日本人の絆を題材にしながら、内容は正反対です。中国人特派員は「皆が被災者を助けるため心を一つにしていることは、今後の復興に非常に重要」と未だ絆が健在との認識を示しています。一方、ブルスタイン氏は自治体ががれきの受け入れを拒否していることを引き合いに出し、「絆という言葉で象徴される震災直後の団結の精神が失われている」と失望感を表しています。
 日本人の連帯意識は未だ健在なのでしょうか。それとも、元々、口先だけだったのでしょうか。
 天皇陛下は「国民皆が被災者に心を寄せ、被災地の状況が改善されていくようたゆみなく努力を続けていくよう期待しています」とおっしゃいました。一日本人としては多くの国民がそのご期待に沿う気持ちを持っているものと信じたい。

 

 ちなみに、ブルスタイン氏は昨年の春に放射能被害を恐れる外国に対して冷静さを保つことの必要性を訴え、日本は困難を乗り越えることの出来る国だとの記事を書いた人です。

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中国国営テレビが「ミタ」紹介…震災で絆に注目- 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20120311-OYT1T00503.htm
「絆」の精神喪失=日本在住の元Wポスト紙記者- 時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012031100150 
「なぜ日本を離れないか」米紙元特派員が訴える“必要な冷静さ”
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/03/19/kiji/K20110319000457530.html
 

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東日本大震災1周年

 東日本大震災からもう一年が過ぎた。津波が押し寄せる様子をテレビで見ていたのが一年も前のこととは思えない。それだけ、衝撃的な出来事だった。
 しかし、現実ははるかに酷かったらしい。津波の被害に遭いながらも生き残った人々の話を聞くと言葉では理解できるものの、想像が出来ない。実際に体験した者でないと本当の酷さや悲しみは分からないものなんだろう。簡単に共感なんて言葉は使ってはいけない気もする。
 
 東日本大震災1周年の日に中島みゆきさんの「時代」を聴く。被災者の方が「そんな時代もあったねといつか話せる日が来る」ことを願って。

 

 

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なでしこジャパンのFIFAランキング

 アルガルベ・カップの決勝。前半、2点差になった時はこのまま押し切られるかと思ったが、後半早々に追いつき、逆転もあるかと期待しながら観戦していると、終了間近にPK。3点目を決められて、終わったなと思うや否や、再び追いつく展開。ロスタイムに入り、PK戦が見てきた矢先、一瞬の隙を突かれて追加点を奪われ、万事休す。ここまで驚異的な粘りを見せていたが、奇跡を起こすには時間がなさ過ぎた。
 負けはしたが、最後まで諦めない姿勢が貫かれた試合だった。

 

 なでしこジャパンW杯優勝以来、メディアに登場する機会が飛躍的に増え、本業の方が疎かになっているのではないかと心配していたが、杞憂に終わった。新戦力も順調に育っているようで、ロンドン五輪も期待が持てそうだ。

 

 ところで、なでしこジャパンFIFAランキング(更新日2011年12月23日)は現在、2148ポイントのアメリカ、2143ポイントのドイツに次ぎ、2106ポイントで3位だ。次の更新日は3月16日なので、この大会の結果が反映され、順位が上がる可能性があるのか、少々調べてみた。
 ウィキペディアによると、FIFA女子世界ランキングは男子と異なる算出方法のようだ。男子が直近の4年間を集計の対象とするのに対し、女子は1971年4月17日以降の全試合を集計の対象しているのが大きく異なるとのこと。
 ウィキペディアには算出方法の詳細が無いので、FIFAのサイトを当たると、男子とは計算式も違うことが分かった。その計算式が次の式だ。

 

WWRnew=WWRold+M*[A-P(r1+H、r2)]

 

WWRnew:新ランキングポイント
WWRold:旧ランキングポイント
M:試合の重要性
A:試合結果の割合
P:予測値(ランキングポイントの相違からの値)
r1:自チームのランキングポイント
r2:相手チームのランキングポイント
H:ホームアドバンテージの補正値

 

A:試合結果の割合

 得点と得失点差から試合結果の割合を表から割り出す。
 例えば、3-4で負けた場合は得点3得失点差1だから、18%=0.18になる。
 表は負けた場合の値だから、勝った場合は100%から相手チームの割合を差し引いた値が割合となる。例えば、3-1で勝った場合、相手チームは得点1得失点差2だから、相手チームは8.9%となる。よって、100%-8.9%=91.1%(=0.911)がこの場合の割合。

 

M:試合の重要性

 試合の種類により重みが違うため、表より係数を求める。

 

P:予測値(ランキングポイントの相違からの値)
 FIFAの説明ではPの式が次のようになっている。

P(x)=1/(1+10(x/2))
x=[r1-r2]/scaling factor

 そして、計算例としてランキングポイントの差が+100の時は64%、+200の時は76%、+300の時は85%、-300の時は15%となると示されている。
 しかし、この式の通り当て嵌めてみても計算例の値にならないため、イロレーティングを参考にして、式を作り直したのが下記である。

P=1/{1+10^[(r2-r1)/400)]}

 

H:ホームアドバンテージの補正
 ホームチームの方が有利という統計があるので、ホームチームのランキングポイントに100ポイントを加算して補正する。
 例えば、自チームがホームでランキングポイント1650ポイントだった場合は100ポイント加算されて、1750ポイントになる。


 上記を踏まえ、改めてポイント算出の式を書き直すと次になる。

 

r1’=r1 又は r1’=r1+100(ホームの場合)
P=1/{1+10^[(r2-r1’)/400)]}
WWRnew=WWRold+M*[A-P]

 

 この式を算出例に当て嵌め、正しいか確かめる。

●算出例1
W杯のホームゲームでランキングポイント1650の相手に3-2で勝った場合。自チームのランキングポイントは1800。

r1=1800
r2=1650
ホームなので
r1’=1800+100=1900

W杯なので
M=40

勝っているので、まず相手の試合結果の割合を表より求める。
相手は得点2得失点差1なので17%。
よって、
A=1-0.17=0.83

P=1/{1+10^[(1650-1900)/400)]}≒0.81

WWRnew=1800+40*(0.83-0.81)=1801
算出例の値と一致する。

 

●算出例2
中立地のフレンドリーマッチでランキングポイント1700の相手に0-4で負けた場合。自チームのランキングポイントは1800。

r1=1800
r2=1700
中立地なので加算無し
r1’=1800+0=1800

フレンドリーマッチなので
M=10

得点0得失点差4なので表より
A=0.03

P=1/{1+10^[(1700-1800)/400)]}≒0.64

WWRnew=1800+10*(0.03-0.64)=1794
算出例の値と一致する。


・・・続く。
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FIFA女子ランキング
http://ja.wikipedia.org/wiki/FIFA%E5%A5%B3%E5%AD%90%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0

FIFA Women's World Ranking Methodology
http://www.fifa.com/worldranking/procedureandschedule/womenprocedure/index.html

FIFA Women's World Ranking
http://www.fifa.com/mm/document/fifafacts/r&a-wwr/52/00/99/fs-590_06e_wwrlong.pdf

イロレーティング
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0

 

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南京事件のホロコースト化を防がなければならない

 フランスの憲法裁判所は「アルメニア人集団殺害の否定を犯罪と見なす法律」について、思想や発言の自由に抵触するとして「違憲」の判断をした。ホロコーストを否定すると犯罪に問われるのとは対照的な結果になった。

 

 欧米ではホロコーストの定説に疑義を挟むとリビジョニストと呼ばれ、社会的に抹殺されかねない。定説に疑問を持つことも分析することも許されないのだ。
 現実に、「本当に600万人も死んだのか」という本を書いてホロコーストの死者数に疑問を表明したドイツ人は逮捕され、ガス室の煉瓦からチクロンBが検出されないことから「チクロンBの不使用とガス室を否定した」論文を発表した化学者も逮捕されている。ホロコーストに関しては言論の自由や学問の自由は存在しない。

 

 アルメニア人集団殺害の否定のタブー化が失敗したのはアルメニア系住民の政治力がユダヤ人程ではなかったためと、ホロコーストと異なり、アルメニア人集団殺害には欧州人が関わっていない為、冷静に判断できたのだろう。

 

 翻って日中間に目を向けると、今だに河村たかし市長による「南京大虐殺」否定発言が尾を引いている。中国が発言に反発し、柔道交流を中止したり、SKEの公演を中止したことが日本でニュースとして流れ、河村市長を非難する論調で溢れている。
 中国は正面から論破しようとせず、様々な圧力を掛けて従わせようとするいつも通りのやり方だ。尖閣諸島の中国漁船衝突事件の時もレアアースの禁輸や日本人技術者の拘束をした。それと比べると、まだ今回は穏当の方だろう。

 

 日本のメディアは中国のこのような対応を非難しない。内弁慶というのか、外と揉めると発言の正否を問わず、波風を立てたのが悪いと身内を攻め立てる。特に物事を深く考えないキャスターやコメンテーターに顕著だ。
 日頃からジャーナリストは表現の自由や報道の自由を主張しているのに、メディア以外の言論の自由や学問の自由となると無頓着になる。中国のような横車を押す行為を非難するべきなのにそうはならない。結局、表現の自由や言論の自由はお題目に過ぎないのだろう。

 

 中国の主張に唯々諾々と従い、反論を潰すようなことをしていると、今に南京事件ホロコーストのような扱いになり、中国の決めたこと以外主張出来なくなる。学問としても扱うことが出来なくなるのだ。中国南京事件を歴史としてではなく、政治上の道具として利用しているので、十分有り得ることだ。中国プロパガンダを甘くみるべきではない。

 

 「決して、学問の自由を犯してはならない。」これが重要なのは歴史をみれば分かるはずだ。


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憲法院、「アルメニア虐殺否定は犯罪」に違憲
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120229-OYT1T00867.htm

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