六丈記2

備忘録のようなもの

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<ショートショート>チョッパリ

韓国人作家「蔑称『チョッパリ』はただの哀れな呻き」と指摘
http://www.news-postseven.com/archives/20150103_295067.html
 比較できるすべての事柄で、日本は韓国より遥かに先んじている。尊重すべき対象にはなっても、蔑視対象にはならない。根拠がない日本への蔑視は、自激之心(劣等感)の赤裸々な露出以外の何物でもない。国家間で表れる自激之心は、やがて国粋主義の根源となる。国粋主義の閉鎖性は、国家を最初から麻痺させる慢性病のようなものだ。
 “チョッパリ”という日本人の蔑称は、新国粋主義、新鎖国主義的な防御意識であり、コンプレックスを抱えた嫉妬に過ぎない。卑称や蔑称は、それを発した者に跳ね返ってくるのが常である。
 “チョッパリ”──それは自尊心を踏みにじられた者の哀れな呻きに過ぎない。しかも日本には“チョッパリ”や“倭人”のような蔑称、卑語がない。彼らは私たちをひどく蔑む時も、その呼称はそのまま“韓国人”であり“朝鮮人”だ。批判や拒否や攻撃は、堂々とした正攻法であってこそ意味があり、正攻法には一定の力が伴われなければならない。
 ※柳舜夏氏・著/『韓国人の癇癪 日本人の微笑み』より
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 ソウルの一流ホテルのロビーで、一人の老人が時間を持て余していた。老人は韓国人作家で、雑誌の取材を受けるために待ち合わせをしていたのだが、予定より早く到着していたのだ。
 老作家がソファに腰掛け、ロビーを見渡していると、一人の青年と目が合った。老作家は視線をそらしながら身構えた。
 老作家が警戒する素振りを見せたのには、理由がある。8月に【あなたたちの日本】という日韓比較論を出版した時、韓国社会から『親日派』『歴史観を傷つけた』などと大批判を受け、直接『京都生まれのパンチョッパリ』『売国奴』と罵声を浴びせる者もいたからだ。

 素知らぬ顔でやり過ごそうとしていた老作家に向かって、青年が歩み寄ってきた。
 老作家は、【あなたたちの日本】の日本語版を日本で出版したことを責められるのではと思い、立ち去ろうと腰を上げようとしたが、遅かった。青年は既に前に立ちはだかっていた。
「柳先生ですね。突然声をお掛けして申し訳ありません。」
 その言葉に、老作家の警戒心は和らいだ。
「そうだが、何か用かね。」
「実は、日本人に詳しい先生に教えて欲しいことがあるのです。」
「待ち合わせをしているので、時間が無いのだが・・・。」
「簡単な事なので直ぐに済みます。」
 この青年に答えてやる義理など無いのだが、雑誌の担当者が来るまで付きまとわられるよりはマシと思い、老作家は答えることにした。
「分かった。手短に頼むよ。」
「日本人が怒り狂う悪口を教えて欲しいのです。精神的ダメージを与えるような罵りの言葉を。」
 老作家は、何故そんなことが知りたいのかと理由を尋ねようとしたが、込み入った話になると面倒なので止めた。
「チョッパリやウェノムではダメかね。」
「そんなの悪口じゃありません。」
「意味を知らないからではないかね。」
「奴らは、チョッパリが『豚の足』ということや、ウェノムが『倭奴=矮小野郎』ということを知っているのに全く怒らず、歯牙にも掛けないんです。」
「では、『父なし野蛮人の息子』『物乞いして食べまくるやつ』『糞尿で揚げて殺すべきやつ』とかではどうかね。」
「そういう類の韓国で使われている悪口は既に試してみましたが、通じないんです。」
「やむを得ない。取って置きの言葉を教えよう。これを言われたら、確実に日本人は侮辱するなと怒るだろう。」
 老作家はそう言うと、青年の耳元である言葉をささやいた。青年は怪訝な表情を浮かべたが、信じることにし、立ち去った。

 青年はパソコンに向かい、いつもの様に日韓交流サイトで日本人相手に論戦を仕掛けていた。そしていつもの様に資料を示され、論破されていた。今までなら悔しい思いだけが残るだけだったが、今日は老作家から教えられた言葉がある。半信半疑ながら書き込んでみると、怒りに震える反応が返ってきた。思った以上の効果があり、相手に精神的ダメージを与えられたようだった。
 それ以来、青年は日本人に向かって『この朝鮮人』と書き込み、溜飲を下げるのだった。

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<ショートショート>菅氏の処分

 8月某日、永田町の民主党本部の一室で両院議員総会が開催されていた。一時は400人を越える国

会議員で賑わっていたが、今は衆議院議員57人、参議院議員59人だけになってしまい、重苦しい空

気が支配していた。
 役員席に陣取る面々がうつむく中、細野豪志幹事長参議院選挙惨敗のお詫びの言葉が響く。今更、

やめる人間の敗戦の弁を聞いても仕方が無いと思っているのか、出席者は皆、うわの空で、まるで法事

の読経を聞いているような雰囲気を醸し出している。
 その空気を変える言葉が細野幹事長から発せられた。
「それでは鳩山由紀夫・菅直人両元代表の処分を発表します。」
 議員たちの背筋が伸びる。今日の両院議員総会は役員会の下した処分を承認するために開かれていた

のだった。
鳩山由紀夫元代表につきましては、既に離党されているため、党としては処分する手立てがありませ

んが、党として黙認することも出来ませんので、復党を認めないということになりました。」
 議員席からは次々と声が上がる。
「それで処分になるのか。」
「元民主党代表という肩書きを使わせないように出来ないのか。」
「言動を制限出来ないのか。」
「皆様のお怒りはよく分かりますが、党籍のない人に処分を下せないという現実をご理解下さい。鳩山

元代表の復党を認めないということに異議がある方は挙手をお願いします。」
 細野幹事長がそう言うと、議員たち黙り込んだ。
「異議なしと認めます。それでは次に菅顧問の処分を発表します。除名です。」
 話が終わらない内に、幾人かの議員から怒号が上がり、どよめきが広がった。
「お静かに。続けます。処分理由は党最高顧問という地位にありながら党の方針に従わず、再三の注意

を無視し、執行部に反旗を翻し無所属で出馬した大河原雅子氏を公然と応援したことです。公認候補の

鈴木寛氏の足を引っ張り、重要地域である東京での議席を失わせたという結果の重大性を重視しました

。重大な処分ですので、菅顧問に弁明があれば伺います。」
 菅氏は立ち上がり、役員席を睨め付けて怒鳴った。
「お前ら、俺を追い出すというのか。民主党は俺と鳩山が作った党だ。気に入らないならお前らが出て

行け。俺は出て行かないぞ。」
 議員席から次々と罵声が飛んだ。
民主党を私物化するな。」
「党の決定に従えない者は党にいる資格が無い。」
「お前のせいで何人の議員が落選したか分かっているのか。」
 声がした方に、菅氏は向き、見据える。
「誰だ。文句があるなら堂々と言え。」
 すると、若手議員が立ち上がった。
「ホォー、勇気がある奴だ。みどころがある。お前の選挙には俺が直接応援演説に行ってやる。」
「来ていただかなくとも結構です。そんな必要はありません。」
「何だと。お前が断っても俺は行くからな。お前の選挙区で、俺の後継者なれる優秀な人物だと褒めて

やる。」
 若手議員は青くなった。そんなことされたら票が減る。すかさず、菅氏がたたみ掛ける。
「俺が除名になったら、民主党から自由になるんだ。誰が何と言っても止められないんだ。分かってい

るのか。」
 菅氏は若手議員に近寄り、顔を覗き込みながら静かに言い放った。
「お前は俺の除名に賛成なのか。」
「いいえ。」
「聞こえない。ハッキリと言え。」
「除名に反対です。」
「除名に賛成する奴はいるか。俺に応援演説をして欲しい奴はいるか。」
 周囲を見渡しながら、菅氏はそう言うと、更に続けた。
「俺の除名に賛成する奴は手を上げろ。」
 議員たちは震え上がり、皆下を向いた。挙手する者はいなかった。
「見ろ、俺の除名に賛成する奴はいないだろう。除名処分は不承認だ。処分は無しだ、いいな。」
 そう細野幹事長に言い放つと、菅氏は部屋から出て行った。

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<ショートショート>正恩の影武者

 金日成生誕100年記念に打ち上げる人工衛星について、日米韓のみならず中国やロシアも反対していることが金正恩の耳に入った。本音では違っていても、表立っては米国側に付かなかった国々までもが離反する姿勢を見せたことは権力の座を引き継いで間もない若き指導者を不安にさせた。不安に苛まれても、人工衛星打ち上げは父、金正日の遺訓であるから、中止することは出来ない。それに、若し中止したら権力基盤が崩壊しかねないのだ。

 

 正恩は不安を抑えられず、義理の叔父で後見人の張成沢を呼んだ。
「叔父さん、人工衛星打ち上げを弾道ミサイル実験と各国が騒いでいるが、本当にロケットを発射して大丈夫だろうか。」
「正恩大将、前にも話しましたが、非難をする国は多くあるでしょうが、本気で我が国を攻撃する国はありません。大丈夫です。」
「ロケットは大丈夫にしても、その後にやる予定の核実験はどうだろうか。」
「核実験は我が国の核武装のために絶対必要です。核実験を実施することで、大きな譲歩も引き出せるのです。心配ありません。」
 納得していない正恩の表情に、張成沢は続ける。
「過去2回の地下核実験を思い起こしてください。上手く事が運んだではありませんか。今回も上手くいきます。万が一にも、我が国を軍事攻撃してくる国はありませんからご安心下さい。」
「正面切って軍事攻撃を仕掛けてくることはないかもしれないが、俺を暗殺しようとする国が出てくるとも限らないのではないか。」
 肝が据わっていない正恩を宥める様に張成沢は一つの提案をする。
「それでは正恩大将、正恩大将の影武者をしつらえましょう。それで安心出来るでしょう。」
「それはいい。早速、影武者を探すことにする。」
 張成沢の提案に正恩は跳び付き、その場で総参謀長の李英鎬と国家安全保衛部長の禹東則に電話をかけ、影武者探しを命令した。
 傍らで聞いていた張成沢は電話が終わるのを待って、正恩に話しかけた。
「正恩大将、私は対外連絡部を動かすことにしましょう。」
「軍と公安を使えば国内を隈なく探すことが出来るのだから、なにも、国外にまで手を伸ばす必要はないではないか。」
「ですが、早く見つける為にはなるべく広範囲で探した方が良いではありませんか。」
「そこまで言うのなら止めはしないが、我が国には2500万人近くいるのだから、すぐに適当な人物を見つけられるさ。」
「そうなると、よろしいですね。」
 そう言うと、張成沢は部屋を出て行った。

 

 廊下を歩きながら、周りに人影がないのを確認すると張成沢はつぶやいた。
「あのブタは我が国に自分の様な肥満体が他にも存在していると思っているのか。」
 

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<ショートショート>北朝鮮の弾道ミサイル

「情報担当者が面会を求めてます。」
 若い女性秘書が来客を告げた。この情報担当者はこの部屋の主の側近の一人で、主にとっては心を許せる数少ない話し相手でもある。
「通せ。」
 主の小太りの若い男はソファに座りながら、横柄に答えた。
 女性秘書に導かれて側近が入室し、男の前に立った。
「敬愛する金正恩大将に報告します。我が国が打ち上げる人工衛星に対し、アメリカ、日本、南鮮が反発しています。」
「そんなことか。飛行ルートが他国の領土を通過しないように設定してあるのに大騒ぎするとはしょうがない連中だ。」
「いかがなさるのでしょうか。」
「予定通り打ち上げる。4月15日は祖父の生誕100年だ。その大事な記念日にロケットを打ち上げ、国民に俺の指導力を見せ付ける重要性はお前も理解しているだろう。」
「ですが、アメリカは予想外に強硬姿勢です。2月の合意に違反していると、食糧支援の中止や軍事介入までちらつかせてます。」
「ブラフだよ。アメリカはイランの問題で我が国にかまっているヒマはないさ。人工衛星だと言い張っていればいい。」
 金正恩は自信たっぷりに言い放った。
 側近は金正恩の様子を見ながら、なおも食い下がる。
「それで、アメリカが引き下がるでしょうか。軍事介入は無いにせよ、もしも、食糧支援が金主席生誕100年記念に間に合わなかったらどうしましょう。」
 金正恩は身を乗り出し、小声で話し出す。
「お前も心配性だな。実は既に手は打ってある。世界のどの国も納得する方法だ。」
 側近がそんな妙手があるのかと考えていると、不意に金正恩が立ち上がり、声を掛けた。
「これから出かける。お前も付き合え。」
 側近は金正恩の後に続き、部屋を後にした。

 

 二人は車に乗り込み、目的地も分からないまま走り出した。
 側近が何処に向かっているのだろうと窓の外を眺めていると、それを察したのか金正恩が得意げに話し出す。
「これから、我が国の英雄に会いに行く。我が国の希望の星になる男だ。」
 そんな男がいたのかなと思いつつ、側近が質問する。
「金正恩大将が態々足を運ばなければならない英雄がいたのですか。」
「出向くというより、その場所に行かなければならないのだ。」
 会話が終わらないうちに、車は目的地に着いた。門には撮影所と書かれていた。

 

 SPに囲まれながら撮影所の中を歩き、二人が屋外セットの入り口に着くと金正恩が立ち止まり、セットの中央に立つ男を指差した。
「あの男が我が国の英雄だ。」
 指差す方を見ると、その男は屈強そうな若者だった。しかも、レーシングスーツのようなものを着ている。
「しばらく時間がかかるから、お前は車で待っていろ。」
 怪訝な表情を浮かべる側近に金正恩はそう言うとセットに向かって歩いて行った。
 側近は何をしているのか気になり、遠巻きに見ていると金正恩が若者に抱きつき握手をしている。金正恩が離れると、北朝鮮の幹部連中が若者と次々に握手をし出した。しばらく、握手責めが続いた後、一通り撮影が終わったのか、一団は屋内に移って行った。

 

 側近は言われたまま車で待っていると、1時間程して金正恩がやって来た。
 金正恩は車に乗り込むなり、ぼやいた。
「服を何度も着替えさせて何シーンも撮影したので、思ったより時間がかかってしまった。」
「それはお疲れ様でした。ところで、あの若者は何者なのです。」
「今度打ち上げるロケットに乗る軍人だ。」
 側近が驚いた顔で金正恩を見つめていると、金正恩が話を続ける。
「過去2回は無人だったが、今回は有人にした。ソ連、アメリカ中国に続き、我が国が4番目の有人宇宙飛行をする国になる。祖父の生誕100年を祝うのに相応しいだろう。」
 側近は喜びを隠さず、質問した。
「我が国のロケット技術はいつの間にかに発展していたのですね。存じ上げませんでした。我が国の技術者は何処の国で有人飛行実験をしていたのですか。」
「実験はしていない。」
 金正恩は平然と答えた。
 側近は困惑しながらも、恐る恐る訊いた。
「大気圏に再突入する技術は大変難しいと聞いていますが、帰還カプセルはそれで大丈夫でしょうか。」
「我が国に失敗は無い。それに帰還カプセルも無い。」
「しかし、それでは帰還出来ませんが。」
「帰還ならもうしているのではないか。さっき、帰還シーンの撮影を済ませただろう。」
 側近は有人宇宙飛行を実際に行うのではなく、アピールするだけなのだと悟りがっかりした。それでも、側近は気を取り直し、話題をずらして金正恩に話しかける。
「今回のテポドンの改良型は前回のよりかなり大きくなるのでしょうか。」
「ああ、大きくなるようだ。人間が搭乗するスペースを作ったために、特に太さが大きくなったようだ。」
「えっ、宇宙飛行士を搭乗させるのですか。」
「そうだ、実際に乗せる。搭乗シーンや打ち上げシーンを各国の賓客に見せる予定になっている。」
 なんと言ったらいいか言葉見つからない側近を尻目に金正恩はなおも続ける。
「弾頭を載せて発射したら弾道ミサイルだが、人を載せて打ち上げたらロケットだろ。これで、どこの国も弾道ミサイル実験と非難できなくなる。弾道ミサイル実験も堂々と出来て、一石二鳥だ。どうだ、いい手だろう。」
「そうですね。しかし、あの若者は・・・」
 側近はそう言ったところで話すのをやめた。若者を不憫に思っても、北朝鮮では仕方が無いことなのだ。
 側近が若者に思いを馳せていることに気付いた金正恩は先ほど会った若者について触れた。
「なぁに、気にかけることは無いさ。あの若者は我が国初の宇宙飛行士なれると大喜びしてた。俺が祖国の星になってくれと声を掛けたら泣いて喜んでいたよ。地球を回る本当の星になるとも知らずにね。」
 そう言うと、金正恩は笑い始めた。
 側近は窓の外を眺めながら、星屑になるより海の藻屑になる可能性の方が高いだろうなと思った。

 

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<ショートショート>ステルスマーケティング

 テレビ局の副調整室。壁に取り付けられた複数のモニターの一つには女性キャスターが映っている。
「はい、VTR流して。」
 ディレクターの指示が飛び、少女時代がツイッターで大人気との内容のVTRが流れ始めた。

「VTR終わるよ。スタジオに戻して。」
 再び、ディレクターの指示が飛ぶ。映像がスタジオに切り替わり、女性キャスターが喋り始めた。
「少女時代の人気は凄いですね。韓流は衰え知らずですね。それにしても、若い人の間では『可愛いすぎ』を『かわすぎ』と縮めるのが流行っているのでしょうか。」
 コメントを言い終わるのを見計らって、ディレクターがカメラマンに指示を出す。
 カメラマンはテーブルの下の女性キャスターの脚をズームしながら、靴をアップにした。女性キャスターはそれに合わせて、靴が美しく見えるように脚を揃える。
 映像が女性キャスターの上半身ショットに戻ると、女性キャスターは不自然に左袖を捲り上げながら、原稿を読み始めた。
「次のニュースです。人気ランキングサイト『食べロク』を運営するカカクゴムはやらせ業者によるランキング操作が行われていることを公表しました。カカクゴムは昨年1月にやらせ業者を確認、昨年12月までに39社のやらせ業者を特定し、法的措置も検討しているとのことです。」
 女性キャスターは左腕の腕時計が目立つように顔の近くにもって行き、隣の解説者に話を振った。
「解説委員、カカクゴムは1年前からやらせ業者の存在を知りながら、なぜ今になって公表したのでしょうか。」
やらせ業者の特定に時間がかかったこともあるでしょうが、やらせ業者の暗躍が報道されることを知り、先手を打って公表したのではないでしょうか。『不正業者が存在することを確認しております』と掲載したのも最近ですし、昨年ネット上でランキングの不正操作が話題になった時も表立って具体的な対処に乗り出した様子はないですから。そう考えるのが妥当です。」
やらせ業者は何時ごろから存在するのでしょうか。」
「口コミビジネスと呼ばれるものはネットが発達する前から存在しており、口コミを操作して利益を上げようとする業者もいました。今回、やらせ業者が行った手法はステルスマーケティングと言われています。」
「ステルスマーケティングて、何ですか。」
「ステルスマーケティングとは消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすることです。例えば、報酬を得ていることを秘匿して、ツイッターで特定の商品が良いとつぶやいたり、ブログでに特定の商品に高評価を与えたりすることです。」
「なんだか怖いですね。それでは皆さんおやすみなさい。」
 女性キャスターがお辞儀をして、番組が終了した。

 

「お疲れ様でした。今日も良かったですよ。」
 ディレクターがご機嫌を取るように女性キャスターに駆け寄る。女性キャスターは不機嫌そうに答える。
「下半身を大写しにするのは今回限りにしてちょうだい。」
「申し訳ありません。いきなり靴をアップにすると不自然過ぎるものですから。スポンサーからプロダクト・プレイスメントを強く要望されていたのもご理解下さい。」
「それはいいわ。それより、私の腕時計、ちゃんと映ってた。」
「文字盤が分かる位、映ってました。」
「大袈裟ね。でも良かったわ。ハッキリ映ってないと、これ貰えないのよ。」
 
 女性キャスターが控え室に戻ると、スタイリストが待っていた。
「ねぇ、この衣装センスないと思わない。タイアップとはいえ、酷すぎるわよ。アパレルメーカーにメーカー替えるわよと言っておいて。」
「分かりました。伝えておきます。」
 スタイリストはまた我がままかと思いながらも渋々承知し、機嫌を取るため、話題を変えた。
「ブログ見ましたよ。紹介されていましたケーキを取り寄せて食べてみました。流石、美味しい物をよくご存知ですね。」
「そう、あなた食べたの。そんなに美味しいなら、今度食べてみるわ。」

 

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